ブラックボックス
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.67pt |
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ハリー・ボッシュシリーズに関してもはやシリーズ何作目と書くことは意味をなさなくなってきたようだ。 | ||||
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ハリー・ボッシュシリーズとしては「転落の街」に続く、2012年の作品。ボッシュが原点に戻って「怒り」を燃やす、アメリカらしい警察小説の王道を行く作品である。 | ||||
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何だか丸くなっちゃいました? | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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前作『転落の街』から引き続きハンナ・ストーンとの交際が続いているボッシュ。 ハンナの息子で服役中のショーンに出張時の余った時間で面会に行ったことから、出張費用など予算管理にうるさい上司に目を付けられ面倒な目にあうなか、20年前にボッシュみずから携わり未解決のままとなっていた女性記者殺人事件に取り組むことになる、というのが今回のお話。 AmazonPrimeのドラマではずっとコンビを組んでいたエドガーが、20年前の1992年の場面で久々に登場します。 このエドガーの扱われ方が原作とドラマでは随分と違うのはなぜでしょうね。 ボッシュの娘マデリンも16歳となり、ボッシュの誕生日に手料理とプレゼントを用意してくれた場面の父娘のやりとりがとてもいいです。 ボッシュ「ほんとに全力をつくしてくれたんだな」 マデリン「あたしのために全力をつくしてくれてるじゃん。パパ」 彼女の頭の良さ、勘の良さが、将来、刑事として必要な能力の片りんとして見えてきます。 さて、今回の事件においても、小さな細部を追っていくことで、物事が転がり、焦点が結ばれたところで高熱によって白い光を発する瞬間が訪れる。 上巻においては、ゆっくりとした展開でしたが、下巻に入ってから一気に加速していく感があり、面白くなっていきます。 死を覚悟し、いい日の思い出に残っている娘の姿を思い出し目をつむるという、ボッシュの危機的状況も訪れます。 発表作品を順を追って読んできましたが、これまで発表されてきた作品は、とてつもなく面白い(☆5つ)か、なかなか面白い(☆4つ)ものばかり。面白くないと思った作品はひとつもありません。 20年間クオリティを維持し続けているマイクル・コナリー、大したものです。 | ||||
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ボッシュ・シリーズ16弾。 未解決事件班に属するボッシュが20年前の殺人事件に取り掛かるのだが、その犠牲者がロス暴動唯一の(?)北欧ブロンド美人で「白雪姫」とまで呼んで崇めるので、序盤からちょっと冷めてしまった。 この事件に特に注目するボッシュ、題材にした作者、関心を抱く読者(特に男性)に。 本部長の言葉は一理あると。この犠牲者が黒人やアジア人男性等ではだめなのか、と。 だが、事件の真相を追っていくと思わぬ陰謀があったことが明らかになり、白人女性を題材にしたことにも納得できた。戦争そのものは言うまでもなく悲惨だけど、それに伴う戦争犯罪もひどい。「戦争」というものを考えるときは、遺族の悲しみも加えて本当に広範囲に捉えなければならないと改めて感じた。 本書の途中は音楽や娘とのひと時など、半分どうでもいいことにページを割いているなと感じていたが、下巻後半になってアクティブに展開。#15『転落の街』終盤の犯人に対するボッシュの後悔のうさを幾分晴らしてくれるようなシーンも。 それにしても、毎度毎度ろくでない上司が異動してくるものだ…。 | ||||
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ハリー・ボッシュ・シリーズ16作目『ブラックボックス』(2012年)は、1作目の『ナイトホークス』(1992年)から丁度20年目を迎えた作品である。 1992年にはロス暴動で州兵も出動した年であり、そんな背景でデンマークから取材にきた女性ジャーナリストが暴動の最中に殺された。 事件の現場捜査に関わったボッシュだったが、残念ながら未解決事件として20年の歳月が過去った。 遠くデンマークから取材にきたジャーナリストのアンネケ・イエスぺルセンがなぜこの場所で殺されたのか? 謎が深まる中捜査を進めていくとすべては湾岸戦争時に遡り、兵士が戦時休暇を取るため乗船した艦上で始まっていたことを突き止めたボッシュ。 ボッシュの次にとった行動が本書のハイライトである。 コナリーお得意の波乱とサプライズで終幕を迎えるが、職業倫理局刑事のナンシー・メンデンホールが突然現れるのに違和感を覚えてしまった。 本書『ブラックボックス』は、シリーズのなかでランキングしても上位に位置する作品ではないと思いながら昨夜遅く下巻を読み終えたのです。 | ||||
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ハリー・ボッシュ・シリーズ16作目『ブラックボックス』(2012年:邦訳版2017年)を、読むことにした。 このシリーズも2作ほど読むのをパスしたが、『贖罪の街』( 2015年:邦訳版2018年)を、少し前に読んでいるからボッシュ・シリーズから離れて他のコナリー作品に興味を移そうと思いながら読み進む。 「ブラックボックス」とは、フライトレコーダーのことであるが、本書のタイトルには、ボッシュが事件の些細な証拠を集積してファイルに収めて作る箱との喩えとして語っている。 コナリー作品を続けて読んでくると、ハリー・ボッシュが、このブラックボックスに入れる情報を求めることから書き始めていることに気が付く。 読者にとってややともすると事件解決に向かうテンポが遅くページを繰る手が鈍くなってくるのはこのせいなのだろう。 が、ブラックボックスへ入れる有力な証拠が見つかるあたりから読者の目を覚ませてストーリーのなかへ引き込んでくるのもいつものことである。 このあたりのプロット構成の巧みさはコナリーの独壇場であろう。 1992年のロサンゼルス暴動時、デンマークの女性ジャーナリストが銃殺された死体が見つかった。 ロス暴動で街が混乱のなか現場へ行かされたボッシュの初期捜査は不満足のものであり、心に残る忘れることができずにいた事件だった。 20年も前の未解決事件だが、何とか被害者の無念に報いようとしたボッシュは、手がかりに乏しい事件捜査を進めていゆく。 この女性ジャーナリストがロス暴動で殺されたただ一人の白人であることから、市警上層部から政治的な圧力を受けることになる。 1991年ロス暴動の引き金となった黒人男性ロドニー・キング裁判のトラウマから、一人の白人被害者の事件を解決することに腰が引けるロス市警上層部の政治的な判断なのだろう。 ボッシュの信条に真っ向から対立する市警上層部との確執などコナリーならでの上手さで描写している。 事件捜査も佳境に入ってきて面白くなってきたところで上巻を読み終えた。 | ||||
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本作品は、著者の発表した長編作品としては、第25作目であり、ハリー・ボッシュ刑事の登場する作品としては、第19作目となります。 ロス市警の敏腕刑事として数々の難事件を解決してきたハリー・ボッシュは、一時期、警察から引退していたが、定年延長選択制度により、刑事に復帰し、未解決事件班で活動していた。 本作品の舞台は、2012年であるが、その20年前の1992年に、ロドニー・キング殴打事件に端を発したロサンジェルス暴動が発生していた(この事件自体は、現実のもの)。 その暴動の最中、デンマーク国籍の女性記者の射殺死体が発見される。 この事件は、暴動の煽りで、十分な捜査ができず、未解決のままになっていた。 ボッシュにとって、心に残る事件だったが、ロス暴動20周年として、当時の未解決事件を集中捜査することとなり、彼は20年ぶりに再捜査を任される…。 前作、「転落の街」もそうでしたが、永らく迷宮入りしていた事件が、科学捜査の進展に十もない新しい糸口が発見されることがあり、本作品の場合も、現場で発見された薬莢を最新の技術で洗い直したことから、捜査が進展していく、という展開となっています。 ハリー・ボッシュシリーズは、第1作から順番に読むのが最適なのですが、本作品は、過去の経緯を知らなくても楽しめる仕上がりとなっていました。 シリーズ当初と比べて、二転三転のどんでん返しという流れは、薄まってきているように思いますが、ボッシュの緻密な捜査が、一歩一歩真相に迫っていく展開は、とてもスリリングでした。 また、これも定番といってもよいのでしょうが、警察内部から圧力がかかり、捜査の妨げになっていくところも、お話を面白くしています。 ハリー・ボッシュ刑事は、ヴェトナム戦争の帰還兵なので、かなりの年齢なのでしょうが、派手なアクションシーンもあり、まだまだシリーズは続いていくようです。 次回作以降も楽しみにしています。 | ||||
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