暗く聖なる夜



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初公開日(参考)2005年09月
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長編小説

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暗く聖なる夜(下) (講談社文庫)

2005年09月15日 暗く聖なる夜(下) (講談社文庫)

ロス市警のみならず、FBIからも激しい妨害と警告を受けるボッシュ。孤独な捜査を進める彼に貴重なヒントを与えてくれたのは、今は全身不随の身となった元刑事のクロスだった。が、その身辺にも危険が迫り…。たくさんのもつれた糸が絡み合い、人の心の闇を炙り出す!現代ハードボイルドの最高峰。 (「BOOK」データベースより)




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暗く聖なる夜の総合評価:9.09/10点レビュー 33件。Aランク


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(8pt)

刑事であろうとなかろうと、熱過ぎるボッシュ

高レベルなハードボイルドを発表し続ける「ハリー・ボッシュ」シリーズの第9作。ロス市警を退職したボッシュが心残りな未解決事件に個人的に決着を付ける、ハードボイルド・ミステリーである。
刑事を引退したボッシュの私立探偵としての日々は退屈でしかなかった。そんな時、ずっと心に引っかかっていた4年前の女性殺害事件に関する情報が、引退した元同僚刑事からもたらされた。被害者は映画製作会社に勤める若い女性で、数日後、その映画会社のロケ現場で200万ドルの現金強奪事件が起き、事件捜査中のボッシュが現場に居合わせたという因縁があった。たとえバッジを身に付けていなくても被害者の無念を晴らすのが使命であると再確認したボッシュは、私人として捜査を始めたのだが、ロス市警とFBIから手を出すなと警告され、さまざまな妨害を受ける。それでも怯むことなく、あの手この手で真相に近づいていったボッシュだったが、たどり着いた真相は、あまりにも苦く切ないものだった…。
警官ではなくなり、しかも誰かに依頼されたわけでもないのに、ひたすら正義のために粉骨砕身するボッシュが熱いこと。これぞハードボイルドの真髄が味わえる作品として、ボッシュ・シリーズのファンにはもちろん、すべてのハードボイルド・ファンに必読!とオススメしたい。

iisan
927253Y1
No.1:
(10pt)

堂々たる新ボッシュシリーズの幕開け

ハリー・ボッシュシリーズ9作目はボッシュがハリウッド署を、刑事を辞めて私立探偵になった初めての事件。
ボッシュ自身の過去の事件に決着をつけた後の『トランク・ミュージック』がシリーズ第2期とすれば、本書はボッシュシリーズ第3期の始まりの巻だと云えるだろう。

そして本書はボッシュの一人称叙述で語られる。つまりこれはボッシュが私立探偵となったことでこのシリーズが今までの警察小説ではなく、私立探偵小説となったことを宣言するために意図的にコナリーが選択したことだろう。

さて登場人物紹介を見て思ったのは、やたらと「元~」と付く人物が多いことだ。
まず主人公のボッシュからして元ハリウッド署刑事だし、キズミン・ライダーは元相棒、エレノア・ウィッシュは元妻であり、さらにボッシュが捜査を始めた自身の関わったお蔵入り事件の1つ、アンジェラ・ベントン殺害事件の当時の捜査官ロートン・クロスも強盗事件に遭って全身不随の車椅子生活を強いられている元刑事である。

かつて北村次郎氏が述べたように、ボッシュの物語とは過去と対峙する物語である。デビュー作の『ナイトホークス』でヴェトナム戦争時代の過去と対峙し、その後もハリウッド署へ左遷させられることになったドールメイカー事件、そして自身の母親を殺害した事件と過去へ過去へと突き進む。
その後『トランク・ミュージック』から始まる第2期では現在進行形の事件を扱うが、刑事を辞職する『シティ・オブ・ボーンズ』では20年前に起きた虐待を受けた少年の死の真相を探り、そして第3期の始まりとなる本書では再び自分の刑事時代の未解決事件という過去の事件と対峙する。

その過去の事件とは4年前の1999年に起きた映画会社女性社員アンジェラ・ベントン殺害事件。この僅か3日後に映画の撮影現場に持ち込まれた200万ドル強奪事件が起き、お蔵入りした事件を別の観点から調べようとこの事件についても調べていくうちに3年前のFBI女性捜査官失踪事件に行き当たる。
しかしなぜかお蔵入りしたアンジェラの事件は現在積極的に捜査中であると元部下のキズミン・ライダーから警告を受け、そしてまたFBI女性捜査官事件にも厳重な戒厳令が敷かれているようで、刑事を辞め、一介の私立探偵となったボッシュはロス市警、FBIから圧力を掛けられ、捜査を幾度となく妨害される。

ハリウッド署の刑事という鎧を自ら剥いだボッシュはその鎧が自分にとって拠り所であり、いかに護られていたかを痛感する。そしてかつては部下であり、チームの一員だったキズミンはボッシュの異動する予定となっていたロス市警強盗殺人課から異動し、市警本部長室とキャリアの道を歩んでいる。そしてかつてのアーヴィングのように彼に圧力を掛ける立場にいる。

そして刑事を辞めたボッシュの物語であるせいか、今までのシリーズとは異なり、様々な引退した警官・刑事の生き様が描かれる。

まずはボッシュにアンジェラ・ベントン事件の協力をするロートン・クロスのその後の生活が最も色濃い。
仕事中に見舞われた強盗事件で負った傷が元で全身不随の身となり一生車椅子の生活を強いられることになった彼は、テレビを見ることだけが日常となり、もはやこれは生きているとは云えないと折に触れ、ボッシュに零す。そして自分は妻から虐待を受けていると嘆き、その妻ダニーは献身的に夫に尽くしながらも日々の介護で疲弊し、しかも夫の被害妄想に更に苦労を募らせている。かつての美貌を残しながら訪れるボッシュを訝しげに睨む彼女の笑顔をボッシュは見たことがない。

またボッシュが再捜査を始めたアンジェラ・ベントン殺害事件は担当していた刑事2人を1人は死亡し、1人は全身不随の車椅子生活を強いられるという事態になったことから他の刑事たちが関わりの持ちたくない事件になる。それは刑事たちが縁起を担ぐ傾向にあるからだ。

またロス市警の警官は引退後は大半がロスを去り、アイダホ州で田舎暮らしを愉しみ、もしくはラスヴェガスでカジノのパートタイムの警備仕事をする者や年金でメキシコで家を買い、悠々自適の生活を送り、引退後に留まるにはロスは逆にかつての刑事時代の苦い思い出が多すぎる場所であることが綴られる。
また一方で引退してからも刑事時代のヒリヒリした日常が忘れられない者もいる。ボッシュはそんな縁故を伝手にして自分の捜査を続けていく。

また何よりも本書では刑事を辞職したボッシュが殊更にエレノア・ウィッシュのことを想うシーンが多いことに気付かされる。彼の生涯の“一発の銃弾”、つまり心に刻まれ、そして傷を残した銃弾こそがエレノアであることを自覚しながらも、未だ離婚届を出していない、法的には夫婦である2人なのに、本書では既にウィッシュのことをボッシュは元妻と呼び、エレノアとは呼ばず、「かつて妻とは」とか「元妻」といった呼称が多くなる。そして彼女を1月前にラスヴェガスで見かけたことをFBI捜査官のロイ・リンデルから知らされる。

もはや刑事でもないボッシュは自由の身でいつでも彼女の許へと飛んでいけるのに、拒まれる恐怖に怯え、それが出来ないでいる。

一方でボッシュは往年のジャズの名プレイヤー、クェンティン・マッキンジーがいる老人ホームに週二回通ってはサックスの演奏のレッスンと話し相手をするようになっているのだが、同じくそこに母親を入居させているバツイチ40代の女性と食事をする機会を設けて、何か思わせぶりな素振りを見せたりもする。
更には夜中にクロス宅を訪れたボッシュを妻ダニーが思わせぶりに誘ったりする素振りがあったりとボッシュは本書でも女性に対して何かと縁がある。52歳にしてなお女性を惹きつける魅力がボッシュにはあるようだ。

そしてとうとうボッシュはエレノアと再会する。彼はFBIのマークを外すため、エレノアの許を訪れ、彼のカードをわざと使わせ、ラスヴェガスにいるように仕向けるよう協力を求める。その時のボッシュはエレノアの仕草や笑顔1つ1つにときめいたり、変えた髪型に惚れ直したりとまるで初々しい恋人のように述懐する。

しかし一方でどうも彼女には他の誰かがいることを察する。読者の側にもエレノアにとってボッシュはかつての夫であり、今では友達以上恋人未満の存在であると片を付けているように思え、一方のボッシュは一発の銃弾である彼女に踏ん切りが付けられず、彼女の乗っている車のナンバープレートの所有者を、目的を明かさずにリンデルに調査を依頼したりとなんとも未練たらたらのどうしようもなさを見せるのである。

本書の冒頭は次の一節で始まる。

心に刻まれたものは決して消えない。

これはエレノア・ウィッシュがボッシュに呟いた言葉である。彼の生涯の“一発の銃弾”がエレノアだったように、他にも“一発の銃弾”を抱える人物が登場する。

それはFBIの囮捜査官ロイ・リンデルだ。彼こそは当時失踪した女性捜査官マーサ・ゲスラーの捜査の担当者であり、恋人でもあったのだ。彼の心に刻まれたものとはゲスラーその人だった。つまり本書は2人の男が消えない“一発の銃弾”を再度得ようとする物語でもある。

上で本書はボッシュシリーズ第3期の幕開けと書いたが、それぞれのシリーズの幕開けには常にこのエレノア・ウィッシュが登場する。デビュー作は無論のこと、『トランク・ミュージック』はエレノア再会の作品で、結婚を決意する物語。そして本書は別れた妻と再会する物語だ。
つまりボッシュの人生の節目にエレノアは綱に現れる。いやボッシュがエレノアを見つけ出すと云った方が正確か。何にせよエレノア・ウィッシュはこのシリーズの“運命の女”だ。

今回の原題“Lost Light”は前作『シティ・オブ・ボーンズ』で登場した言葉だ。“迷い光―個人的には“迷い灯”の方がしっくりくると思うのだが―”と訳されたその言葉はボッシュがヴェトナム戦争でトンネル兵士として暗いトンネルの中にずっと潜んでいた時に見た光のことを指す。つまりそれは埋もれた過去の未解決事件という暗闇に新たな光が指すことを意味しているのだろうが、今回は邦題の方に軍配を挙げたい。

ルイ・アームストロングのあまりに有名な曲“What A Wonderful World”の一節“Dark And Sacred Night”から採られているが、この曲が本書では実に有効的に、いやそんな渇いた表現はよそう、実に胸を打つシーンで使われているからだ。

ボッシュの捜査がFBIの妨害に遭い、その協力者として情報提供者の元警官で捜査中に遭った銃撃事件によって全身不随の車椅子生活を強いられているロートン・クロスのところにFBI捜査官が押し入り、その高圧的で半ば拷問に似た捜査によって元刑事の尊厳を傷つけられ、涙に暮れるシーンがある。元刑事の彼は流す涙を誰にも見られたくないが全身不随のため、拭うことすらできず、部屋に入ってきた妻が彼の姿を見て、バスローブの前をはだけ、乳房を彼の顔に引き寄せ、ひたすら抱きしめながら、この有名な歌を口ずさむのだ。

動けぬ身体と医者から止められた大好きな酒を止められ、日がな一日テレビを観て過ごすしかない毎日を悲嘆する夫ロートンと、献身的な介護をしながらも夫の非難を浴び、それに耐えつつも、時折殺意めいたものを抱く妻ダニー。
2人が抱える明日をも解らぬ絶望的な毎日がお互いを反目させているように見せながらも、その実、心の底では2人は支え合い、そして求め合っていることを示す、実に胸を打つシーンだ。私は思わず涙を浮かべてしまった。

絶望の中にも聖なる夜はある。暗いながらもそこには希望がある。そんなことを想わせる、実にいい邦題である。

さて紆余曲折を経てボッシュはようやく犯人へと辿り着く。

余りに安く軽んじられた若い女性の死。そして反目しながらもお互いを必要としている愛情の深さを見せたクロス夫妻の絆の美しさも夫ロートンの愚かな過ちで一転してしまう。
夫婦の絆に隠された醜さを見せつけられながらもこの物語が実に心地よい読後感を得られるのはやはりエレノアとボッシュの関係の回復が最後に見られるからだ。

やはり本書は堂々たる新しいボッシュシリーズの幕開けだった。
原題“Lost Light”は前述したように暗いトンネルの中で見える“迷い光”という意味だが、ボッシュが見つけた“迷い光”は刑事を辞めたボッシュが明日をも知れぬ暗闇の中で見出した光を指すのだろう。

しかし毎度のことながらこのシリーズのストーリーの緻密さには恐れ入る。物語に散りばめられたエピソードが有機的に真相に至るピースとなって当て嵌まっていくのだ。
刑事の使用する車が特殊仕様の大型の燃料タンクが備え付けられている件など、単なる蘊蓄かと思っていたら、これがある些細な違和感を解き明かすカギとなるのだから畏れ入る。

いつもながら勝手気まま、傍若無人ぶりな捜査で周囲を傷つけ、そして仲間を得ては失っていくボッシュが愛し、護るべき存在を新たに得たことでどんな変化が訪れるのか。

私の心には既にボッシュシリーズが深く刻まれている。そしてそれは当分消えそうにない、エレノアが云ったように。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.31:
(4pt)

主人公の目線で

ページをめくるのが止められない。今回は文章がボッシュ目線になって、ますますのめり込む。しかし、元嫁への執着の記載は必要ないと思う。最後の出会いも意味不明。次回作への布石でもなさそうだし。
以下、どんでん返しのネタバレ有り。テロと強盗の関係もそうだが、特に最後の方でわかる捜査官失踪の黒幕にはビックリ。口はあんぐり。
暗く聖なる夜(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗く聖なる夜(下) (講談社文庫)より
4062751852
No.30:
(4pt)

娘(マディ)の登場が救いに

前作でロス市警を退職したボッシュが自らかかわった未可決事件を、私人として警察官時代のコネをフル活用して解決する物語。しかし、冷静に考えると、ベースにある犯罪(強盗)にくらべて、その犯罪の露見を防ぐための犯罪(FBI殺し、警官殺し、ボッシュ襲撃)のリスクが大きすぎないか?

2003年の刊行なので9・11後のテロ対策と絡んでくる、というか絡めたために、さらに死者が増えていく。悪い奴の大半が死ぬか、死んだも同然となるが、かえって安易に殺害された女性たちのことを想うと何ともやりきれない。

最後にボッシュの娘(マディー)が初登場、これで少し救われた気分になれる。(ボッシュ53歳)
暗く聖なる夜(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗く聖なる夜(上) (講談社文庫)より
4062751844
No.29:
(5pt)

この世における私の使命は、バッジがあろうとなかろうと死者の代弁をすることなのだ

いやあ、面白いのなんのって、ボッシュシリーズ屈指の面白さです。
 特にエンディングの素晴らしさはシリーズNo1でしょう! 
 これまで三人称で書かれてきたシリーズですが、本作ではボッシュの一人称による文体となっており、まずその点で驚かされます。
 これまで書き続けられてきた人気シリーズの文体をガラリと変えてしまうというのは、勇気のいることだったのではないかと思いますし、読者としてもこれまで慣れ親しんでいたシリーズの雰囲気が大きく変わってしまうのではないかと不安を感じつつ読み始めた本書、結論から言うと、そんな不安は全くの杞憂でした。
 警察をやめ、私立探偵の免許を取得したボッシュの一人称というのは、マイクル・コナリーが敬愛するレイモンド・チャンドラーの探偵小説の雰囲気を意識したものかもしれません。
 警察引退後、生活費としては必要とする以上の年金をもらい、心配事もなく何の問題もなく暮らすボッシュ。だが、何かが欠落しており、心の奥底で求めるものがあることを感じている。
 未解決のまま手を離した現役時代の事件。
「この世における私の使命は、バッジがあろうとなかろうと死者の代弁をすることなのだ」
 しかしどんなドアでも開けることができるバッジを持たないボッシュの調査は、そうすんなりとは進まない。
 予想外の妨害にも合う。
 それでもこれまで培ったコネクションも最大に活かし、粘り強く調査をすすめる。
 ゆったりと始まった本作、中盤から後半にかけた怒涛の展開にもう目が離せません。
 そしてあの感動的なエンディング。
 素晴らしい。
暗く聖なる夜(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗く聖なる夜(上) (講談社文庫)より
4062751844
No.28:
(5pt)

本内容はよかったが、余談のラストに不満 ※ネタバレあり

シリーズ9弾。前作『シティ・オブ・ボーンズ』ラストでフリーとなったボッシュ。
しかし元の職務に未練たっぷりで、正義感に満ち満ちており(ここは従来以上)、警察や連邦捜査局に邪険に扱われながらも、心ある元仲間の協力を得て事件の真相に挑むところは、テリー・マッケイレヴ(同著者)やジャック・リーチャー(リー・チャイルド著)のよう。ボッシュもか…と、この面には新鮮味を感じなかったのだが、やはりさすがのコナリー作品で、内容は十分おもしろかった。
終盤のスリルとアクションはこれまで以上。ボッシュは齢50代に入っても、その辺のくそガキどもとは経験知が段違い。中高年の星だ!
個人的お気に入りロイ・リンデルの再三の登場もうれしかった。

※ここからはネタバレ、未読者は読むべからず※
他のレビューではラストを称賛する意見がいくつか見受けられたが、私は逆。
そもそもエレノアが出て行った理由がはっきりしていない。自分探しか?
ボッシュが未だに惚れこんでいるとのことだが、彼女に対する負い目もあるのかと(#1『ナイトホークス』) 
そこでこんな…。
女性ロマンス小説にもよく《シークレット・ベイビー》シリーズなんてものがあるが、やむを得ない理由ならともかく、ここでのものはただの自分勝手。私は女性読者だが、エレノアの女ごころには理解・賛同できない。
一番かわいらしい時期をボッシュから奪っておいて、この期に及んでおずおずと…。
今後ボッシュがエレノアにどう接していくのか(エレノアを甘やかすな!)。
これを美談としていくようならダメ。本書ではかろうじて減点せず、経過を見て判断することとした。
暗く聖なる夜(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗く聖なる夜(下) (講談社文庫)より
4062751852
No.27:
(5pt)

骨太ハードボイルドヒューマンドラマ

文句なしに面白い!背中を電気がビビッと走りました。特に23章、体の自由を奪われた元刑事とその妻の描写は素晴らしい。ボッシュの元妻エレノアへの果てしない想い。一発の銃弾説。私はナイトホークス以来なので二人の破局の理由を知らないのですが、元に戻ってくれーってハラハラしっぱなしでした。
暗く聖なる夜(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:暗く聖なる夜(上) (講談社文庫)より
4062751844



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