エンジェルズ・フライト
- 堕天使は地獄へ飛ぶ (1)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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ケーブルカーと云えばLAではなくサンフランシスコのそれが有名だが、LAにもあり、それが本書で殺人の舞台となるエンジェルズ・フライトだ。実は世界最短の鉄道としても有名だったが、2013年に運行を停止していたらしい。しかし2016年の大ヒット映画『ラ・ラ・ランド』の1シーンで再び脚光を浴びて運行が再開したようだ。 | ||||
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ハリー・ボッシュ・シリーズの第6作。難しい事件捜査で警察組織の闇に迷いながらも信念を貫こうとするボッシュの苦しい戦いを描いた、骨太の警察ミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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Amazonオリジナルドラマ「ボッシュ」のオープニングで、渋いテーマ音楽をバックに流れる映像で映し出されるケーブルカー「エンジェルフライト」。 ドラマを先行して観ている者にとっては、「遂にあのエンジェルフライトのお話か」と読む前からワクワク感が高まります。 箱根のケーブルカーを彷彿させる階段状の内部構造を持つケーブルカー「エンジェルフライト」は、登りと下りの双子のケーブルカーで、とても美しい外観を持っています。 前作で結ばれ結婚したエレノアとは離婚の危機にあり、二人の現状を、登りと下りが近づいては離れてすれ違っていくケーブルカーが象徴しています。 刑事という仕事を天職として没頭することができるボッシュと比べ、FBIという職を奪われ犯罪者の烙印をおされ、ラスベガスのポーカーに生きがいを見出さざるを得ないエレノア。 「私たちはみんなジャンキーよ。たんにドラッグが違うだけ。あなたと同じドラッグがあればいいのだけれど。私にはない」 一方、捜査にあたるボッシュは、「ボッシュは偶然が好きじゃない。偶然を信じていない」「現場全体を把握することに精力を集中させる」という捜査スタイルを貫き、「推理と勘がついに確かな証拠と訴追にまとまる瞬間。あるいはそれが台無しになってしまう瞬間」を思うと高揚した気分を味わうことができる。 本作でこれまでの捜査手法になかったインターネットを使った捜査部分は興味深いです。 ボッシュにとっては、まったくチンプンカンプンな分野ですが、同僚ライダーの力を借り、真実に近づいていく過程は非常に面白いです。 高いクオリティーが維持され続けているこのシリーズ、マイクル・コナリーの力業には毎回驚かされます。 ボッシュシリーズの次回作「夜より暗き闇」がまた楽しみになってきました。 | ||||
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1991年のロドニー・キング事件、続く翌年のロサンゼルス暴動…、 本作は1999年に発表された作品で、文中に「(警官が)容疑者をおとなしくさせるときに使用が公認されている首絞めがおこなわれなくなった—マイノリティ容疑者のなみはずれて高い死亡数字が出たあとで」とある。 しかし20年以上経ってもいまだに同様の事件が起こっており、今年も大きな人種差別抗議デモが実際行われていることから、いかに先の見えない根深い問題なのかがわかる。 マスコミ報道はこうした社会問題を提起することで大きな役割を果たしていると思うが、ここでは終始ハイエナ(に失礼)のように挙げられている。 ストーリーは本作も期待通り、全く退屈させられることがなく、ラストは驚きの展開だった。 担当でもない困難極まる事件を回されても、ボッシュの推理力や行動力は相変わらず冴えわたっている。 決して完全無欠ではなく合間に自分の判断ミスを認めるところは親しみ感があっていい。…口髭は好まないが。 個人的お気に入りのロイ・リンデルが前作#5『トランク・ミュージック』に続いてまたもや登場し嬉しかった。 エレノアとの結婚は微妙だと思っていたが、案の定こじれている。女性から見てもボッシュがもったいない! まだまだ続くボッシュ・シリーズ。他のシリーズの主人公との共演もあるので、寄り道をしながら順番に読み進めていこう。当分楽しみが尽きない。 | ||||
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中古なのに綺麗 | ||||
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マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズ第6作目『エンジェルズ・フライト』上巻を読み終え、LAの富豪キンケイド家の義娘ステーシー・キンケイドを誘拐して殺した犯人として「マイクル・ハリスが犯人であることを確信しているボッシュ」などとレビューに書いてしまったが、ハリーのチームが捜査を進めるうちハリスが犯人でないことを指し示す証拠が出てきてしまった。 相変わらず市警の対面だけを大事にするLA市警察副部長アーヴィン・アーヴィングとボッシュとの確執は続く。 ボッシュと犬猿の仲であるLA市警察内務監察官ジョン・チャステインも捜査メンバーに加わっていることがボッシュにとって目障りな存在となっている。 黒人社会のステータスシンボルでもある弁護士ハワード・エライアス殺害されたことから時限爆弾がいつ破裂するか(LA暴動の再来)を危惧したアーヴィン・アーヴィングは、こともあろうにボッシュの元パートーナーだったフランシス・シーアン刑事をエライアス殺しの容疑者として拘束してしまった。 シーアンの自殺という悲劇と対峙したボッシュは悲嘆にくれながらもこのことを事実として受け止めるが、ここまではボッシュとともに読者もミスデレクションに導かれていることに気が付かない。 が、LA市警察特別監察官カーラ・エントリンキンからボッシュの家に掛かってきた一本の電話から新たな展開に物語は進んでいく。 ボッシュの元上司LA市警強盗殺人課ジョン・ガーウッド警部から示唆された話からもボッシュを事件の真相へと導いてくれる。 二転三転する結末まで著者コナリーは、細密なデティールを用いて読手を飽きさせない。 さすがマイクル・コナリーの油の乗り切った時代の作品だと感じ入りながら本書『エンジェルズ・フライト』下巻を楽しみながら読み終えたのです。 | ||||
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次に読むつもりだったハリー・ボッシュ・シリーズ5作目の『トランク・ミュージック』(1997年)は、かって読んだ記憶がありパスすることにした。 シリーズ第6作目の『エンジェルズ・フライト』(1999年)上巻を入手して読むことにした。 マイクル・コナリーの創作テンションは、本作でも相変わらず健在である。 ロドニー・キング事件(1991年)に端を発したロサンゼルス暴動後のロス市警へのマイノリティ社会の怨嗟をベースにした本作は、相変わらず緻密なプロット構成で読者を飽きさせない。 ロス市警の天敵ともいえる因縁の黒人弁護士ハワード・エライアスが、ロス市内にのダウンタウンのバンカーヒル地区にあるエンジェルス・フライトというケーブルカーの中で殺された。 黒人の部下を持つボッシュに、捜査を命じたのは、市警副本部長のアーヴィンの政治的配慮であることに間違いない。 この政治的配慮に怒るハリー・ボッシュは、市警本部長の記者会見の席に部下を列席させなかった。 アーヴィンの政治的配慮への反抗した姿を著者は見事に描いている。 ハワード・エライアスは、少女殺しのマイクル・ハリスの弁護で市警本部の刑事を相手に民事裁判を控えているから複雑な状況での捜査を強いられるハリー・ボッシュ刑事と部下たち。 ネタバレになるから詳しくレビューを書くことを避けるが、マイクル・ハリスが犯人であることを確信しているボッシュは、このあとどのようにこの事件を解決してゆくのか興味津々で上巻を読み終えました。 | ||||
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