リンカーン弁護士



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初公開日(参考)2009年06月
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長編小説

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リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)

2009年06月12日 リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)

高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い込んだ。久々の儲け話に意気込むハラーだが…警察小説の名手が挑む迫真のリーガル・サスペンス。 (「BOOK」データベースより)




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リンカーン弁護士の総合評価:8.31/10点レビュー 26件。Aランク


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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

サスペンス、ハードボイルド、リーガル。全てを備えた傑作!

現代最高の警察小説「ハリー・ボッシュ」シリーズから離れ、刑事弁護士を主役にした「リンカーン弁護士」シリーズの第1作。著者初のリーガルものだが、さすがの完成度。登場人物のキャラクター、サスペンスに満ちたストーリー、緻密な取材と思考に裏付けられた優れた社会性など全てを備えた傑作エンターテイメント作である。
事務所を持たず、運転手付きリンカーン・タウンカーの後部座席で仕事をこなす刑事弁護士のミッキー・ハラー。元妻を秘書に細々とした仕事を拾って稼いでいたのだが、超高級住宅仲介業者の息子が婦女暴行で逮捕された案件が転がり込んできた。かなりの大金を約束される仕事とあってハラーは張り切るのだが、うまい話には裏があり、ハラーは弁護士生命のみならず愛する家族(元妻と一人娘)の命まで危険に晒すことになる…。
主人公の地位、振る舞い、考え方が飛び抜けてユニークで、ハリー・ボッシュとは異なるキャラクターが生き生きしている。さらに二転三転するストーリーはサスペンスに満ち最後まで予断を許さない。また、アメリカの法廷のルールを徹底的に研究したエピソードも日本人にはたまらなく面白い。
リーガル・サスペンスの枠を軽々と越えた傑作であり、コナリー・ファンはもちろん、どなたにもオススメしたい。

iisan
927253Y1
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

依頼人を信じる弁護士が抱えるジレンマ

ハリー・ボッシュシリーズを主軸としたコナリーのもう1つのシリーズ作品であり、今なお作品が発表されている刑事弁護士ミック・ハラーの、いやリンカーンを事務所にした一風変わった弁護士、「リンカーン弁護士」シリーズ。本書はその幕開けの第1作である。

さてこのミッキー・ハラーことマイクル・ハラー。実はこれまでボッシュシリーズで名前が登場したことがある人物だ。
まずこのマイクル・ハラーという名前だが、ボッシュの実の父親の名前でもある。彼が売春婦だったマージョリー・ドウとの間に作った子供がハリー・ボッシュ。そして本作の主人公ミッキー・ハラーは彼が再婚したラテン系のB級映画女優との間に作った子供で、父と同じ名前を持つ弁護士。つまりボッシュとミッキーは異母兄弟に当たるのだ。

犯罪者を捕まえ、刑務所に送る刑事と容疑者の無実を信じるようが信じまいが、無罪を、もしくは刑の軽減を勝ち取ろうと手練手管を尽くす刑事弁護士。お互い水と油の関係である2人が奇しくも血の繋がりのある兄弟という設定にコナリーの着想の冴えを感じさせる。

父親は伝説的名弁護士としてその名を遺しているが、このミッキー・ハラーは貧乏暇なしとばかりに複数の案件を請け負い、法廷から法廷へ走り回る。
マリファナ栽培で挙げられた密売人ハロルド・ケーシーの事件を扱ったかと思えば、その足で今回のメインの事件となる不動産会社経営のルイス・ロス・ルーレイの婦女暴行容疑事件の法廷に出廷し、保釈金を払って保釈することに成功し、そして更に無償で弁護を行っている売春婦のグロリア・デイトンの麻薬所持による起訴を検察と交渉して、取り下げさせる。コンプトン裁判所に行って麻薬密売人ダリウス・マッギンリーの代理人として判決の言い渡しに立ち会ったかと思えば、刑事裁判所ビルに向かってインターネットでクレジットカード番号と識別データを収集してそれを売り渡す常習詐欺犯サム・スケールズに有罪答弁を促す。さらに麻薬常習者のメリッサ・メンコフの捜査に不手際があったとして証拠の排除を申し立てる。

まさに東奔西走を地で行く走る弁護士だ。そして彼の最大の特徴は上にも書いたが事務所を持たず、高級車リンカーンを事務所にしているところだ。

いや100万ドルのローンが残っているハリウッドの100万ドルの夜景が眺められる自宅をホームオフィスにしているが、彼の秘書は自宅のコンドミニアムを仕事場としており、そして彼の仕事のファイルが収められている倉庫は過去に弁護を担当した依頼人の父親が経営している貸倉庫で、弁護料を賃貸料代わりにして借りている。しかも4台のリンカーンを所有し、走行距離10万キロに達するまで使った後は空港送迎用のリムジン・サービスに払い下げようと考えている。ちなみに今は2台目を乗りつぶそうとしている。そんな根無し草的なライフスタイルの弁護士だ。

そして彼の有能な調査員ラウル・レヴンは元警官でそのコネを利用して素早く警察から事件に関する資料を手に入れることが出来る。

そしてこのミッキー・ハラー、仕事も速いが私生活も速い。既に2回の離婚を経験している。1人目はヴァンナイス裁判所に配属されている地区検事補。彼女との間には8歳になる娘ヘイリーがいる。2人は時に一緒に食事をし、そして週末には娘に逢うことを許せる仲だ。

2番目に別れた妻はローナ・テイラーでハラーの秘書をやっている。彼女との間には子供はいない。

かつて生活を共にしながらも別れた相手と仕事を一緒にし、また裁判所で逢っても気まずくない関係を築けるハラーは女性から見て魅力のある男なのだろう。
しかしこれら2つの結婚が破綻してしまった彼はどこか生き急いでいるような感じがする。

また本書ではハラーの一人称叙述を通じて、裁判を有利に運ぶ、いわゆる法廷術とも云うべきノウハウが語られる。

まずは陪審員の選出で聖書を携えた人物がいることに気付き、売春婦という職業に嫌悪を抱くはずだと選出されるように便宜を図ったり、とにかくメモを取る記録係と称する人物に印象付けるよう話したり、自分の言葉を心に浸透させるための間の取り方や効果的な証拠の出すタイミングなど、いわゆるメンタリストが得意とする人心操作術が開陳される。それらを駆使するハラーはまさにプロフェッショナルだ。

上に書いたように登場するや否や複数の事件を抱え、リンカーンでロサンジェルス中を走り回り、依頼人に有利な判決を勝ち取ることに専念するハラーは、作中で述べているように自分の依頼人が有罪か無罪かには頓着せず、むしろ誰もが有罪であると考え、検察が掲げた証拠の山の中に潜むひび割れを見つけ、いかに覆すか、もしくは依頼人への刑をいかに軽減できるかに腐心する、いわばやり手のビジネスライクな弁護士のように最初は映る。

自分が豊かな生活を送るために半ば売名行為のように依頼を受け、成功すればその名を犯罪者に知らせてほしいとばかりに宣伝する。

しかしそんな彼も変わってくる。
かつて担当した婦女暴行殺人事件で有罪となったジーザス・メレンデスが無実であることを確信し、そして真犯人が依頼人である可能性が高まった時、彼は初めて自分が依頼人を見ずに状況証拠と検察からの書類だけを見ていただけだったこと、そしてそれが無実の人間を刑務所に追いやったことを悟るのだ。

弁護士が主人公であるリーガル・サスペンスは通常自分が担当する裁判において依頼人の身元や事件を調べていくうちに意外な事実・真実が浮かび上がり、真相が二転三転するのと、圧倒的不利と思われた裁判を巧みな弁護術で無罪を勝ち取る構造であるのに、主人公に多大なる負荷を掛け、ピンチに陥れるのが常のコナリーは弁護士ミッキー・ハラー自身にも刑事ハリー・ボッシュ同様に危難に見舞われる。

以前の彼ならばそれを仕事と割り切って平然とやり遂げただろうが、冤罪者が彼の依頼人の1人であり、そして友人とも云える調査員を亡くした今では自分の職業が呪わしく思えて仕方がない。彼は初めてルーレイという邪悪な者を前にして、正義を意識したのだ。

悪を撲滅するには法を逸脱した捜査を厭わないボッシュに対し、悪人であろうが無罪を勝ち取る、もしくは少しでも刑を軽減することを信条に法を盾に正義をかざしてきたハラー。悪を食いぶちにしてきたハラーはルーレイの事件で目が覚めるのである。

「無実の人間ほど恐ろしい依頼人はない」

これはハラーの父親が遺した言葉である。弁護士にとって理解しがたい言葉がこの瞬間ハラーに重くのしかかる。彼はジーザス・メネンデスという無実の人間を冤罪で刑務所に送り、人生を台無しにした重しを課せられたことを悟るのだ。

さてもう1つのコナリーの新シリーズの幕開けとなった本書だが、ふと気づいたことがある。それは2つのシリーズに共通して娼婦に焦点が当てられていることだ。
ボッシュが花形のLA市警から警察の下水と呼ばれるハリウッド署へ左遷させられる原因となったのが娼婦殺しのドール・メイカー事件であり、また彼の母親も娼婦であり、4作目で母親が殺害された事件を探ることになるが、このミッキー・ハラーシリーズの幕開けが娼婦殺害未遂事件、そして過去に娼婦殺しの罪で服役した依頼人が冤罪であったことなど、コナリーは娼婦に纏わる事件を多く扱っているのが特徴だ。ノンシリーズにも同様に娼婦を扱った『チェイシング・リリー』という作品もある。

元ジャーナリストであったコナリーがボッシュの人物設定に作家ジェイムズ・エルロイの母親である娼婦が殺害された「ブラック・ダリア事件」を材に採っているのは有名な話だが、それ以後の作品においてこれほど娼婦を事件に絡ませているのは何か別の要素があるのではないか。
身体を売ることで生活の糧を得ている彼女たちはしかし、女優を夢見てハリウッドに出て、夢破れた美しき女性も多いはずで、押しなべてコナリー作品に出る娼婦はそんな美貌を持った者たちである。

単に現代アメリカの犯罪、社会問題をテーマにするのに社会の底辺に生きる彼女たちが題材に適しているだけなのか、それとも彼がジャーナリスト時代に娼婦たちを取材することがあり、そこで彼の心に作品を通じて訴える何かが植え付けられたのかは不明だが、裁判を担当する検察官テッド・ミントンの口を通じて、こう語られる。

「売春婦も被害者になりうるんだ」

私はアメリカ社会において売春婦がどのような扱いを受けているのかを知らないが、自分の身を売る、よほど蔑まされた存在としてかなり見下されているようだ。そんな人間でも裁判を受ける権利があり、相手は法の下で裁かれるべきだと謳っているように思える。

今まで一連の作品を加え、今後コナリー作品を読むに当たり、これは新たな視座が得られるポイントなのかもしれない。

またコナリー作品の主人公の特徴に彼らが一生抱えていく業を持っていることだ。
ボッシュは自身の生い立ち、ベトナム戦争に従軍した経験から心に暗い闇を持ち、自分が悪という闇を見つめながらも、いつか自分がその闇の中から覗いている自分を見る側に堕ちてしまうことを畏れている。

そしてミッキー・ハラーは今まで全ての人は有罪であるとみなし、彼は彼らを色んな法的手段を駆使して無罪にし、もしくは刑を軽減することを信条としてきた。しかし彼はルーレイという弁護を請け負う自分にも危害を及ぼす真の邪悪の存在に遭遇したことで自分がやっている弁護士という仕事の意義に揺らぎを覚え、そしてルーレイの代わりに無実のジーザス・メネンデスを有罪にして刑務所に収容したことを今後自分が一生抱えていく罪、業として再び弁護士の仕事に臨むことを決意する。
そこにいるのはかつてのミッキー・ハラーではなく、社会的弱者を救う正義の弁護士になった彼だ。それはつまり今まで超えられない壁として彼の前に立ち塞がっていた偉大なる父親であり、伝説の弁護士とされたマイクル・ハラーをミッキー・ハラーが超えるための第一歩の始まりとなるのかもしれない。

彼の卓越した弁護技術がこの後、真に救われるべき被告人に対してどのように披露されるのか。

息もつかせぬ一進一退の法廷劇のコンゲーム的面白さと、そして犯罪者の疑いのある人々を弁護することの意味と恐ろしさをももたらす、コナリーの新たなエンタテインメントシリーズ。
またも読み逃せないシリーズをコナリーは提供してくれたことを喜ぼう。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:
(7pt)

前半と後半では別モノ

前半は前振りのためか、説明が多く今回はどうかな?と思っていたが、後半からはいつも通りのコナリーでした。ただし、終わった後何も残らなかったのは主人公に魅力がなかったからなのかな?

Yutaka
Z78W2TO8
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No.23:
(4pt)

コナリーの見事なストーリーテリングが楽しめる新シリーズ(ネタバレなし)

映画でも同タイトルの「リンカーン弁護士」原作で、弁護士ミッキー・ハラーシ
リーズの第一作です。マイクル・コナリーが書いたリーガルサスペンスというだ
けで期待感は半端ではないのですが、それを裏切らないクオリティの作品です。

まず本シリーズでも主人公が魅力的です。ミッキー・ハラーはボッシュのような
ガチガチのハードボイルドおじさんではなく、割とビジネスマン寄りで頭が切れ
て女性にモテる弁護士です(マシュー・マコノヒーはイメージぴったりですね)。

基本お金が最優先だけど、かといって弱者を完全に切り捨てる事も出来ない。で
も司法の正義なんて信じてないし青臭い理想論で突っ走るタイプでもない。そん
な意識の中で揺れ動き、葛藤する様が人間臭さを感じさせてくれて良かったです。

そんな彼が高額の報酬目当てに殺人容疑者の依頼を受けるところから物語は始ま
りますが、ここから緻密な法廷劇が続くというよりは、検察と悪役を同時に相手
に回しての心理戦や駆け引き、そして息詰まるサスペンスがメインとなります。

個人的にラストの展開と悪役側の設定がちょっと…だったので星を一つ減らしま
したが、とても面白いミステリなのは間違いありません。ボッシュシリーズより
軽妙な面もあり、こちらの方が読みやすいという人もいそうです。お薦めです。
リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)より
4062763923
No.22:
(5pt)

不安感がすごい

読み進めるに従ってどんどん引き込まれる。もやもやした不安感が高まる感じがたまらなく良い
リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)より
4062763923
No.21:
(5pt)

無実の人間ほど恐ろしい依頼人はない

本作はマシュー・マコノヒー(『インターステラー』での演技は素晴らしかった!)主演で映画化されています。
 原作にほとんど忠実に映像化されていたため、先の読めない展開にハラハラするといった楽しみ方が減少し、しまった、先に原作を読んでおけば良かった、と思いはしたものの、あらすじが分かっていても面白いと感じるのは、さすがマイクル・コナリーの巧さなのでしょう。
 主人公ミッキー・ハラーの顔が、最初からマシュー・マコノヒーの顔を思い浮かべながら読むことになりましたが、まさに印象通りといえます。

 刑事弁護人であるミッキー・ハラーにとって、被告人が実際に「やったかやってないか」は訴訟戦略上問題とならない。
 重要なのは「被告人に対する証拠をいかに無効にするか」である。
 つまり「証拠に基づく結論を葬り去ることであり、証拠による結論に合理的疑いを生じさせること」が彼の仕事なのだ。
 その証拠によれば、誰が見ても被告人が有罪だと思える事案でも、その証拠が違法に収集されたものであるとか、被告人が犯人であるとの証人の発言に信頼性を疑う事実があることを指摘することにより、その証拠を裁判の資料として採用できなくさせ、被告人が有罪であるとの根拠をつぶしていく、もしくは、有罪が免れないとしても可能な限り軽い罪におとしていく、といった戦術である。
 ただ、この戦術の前提が、被告人が罪を犯した否かは関係ない、つまり有罪であることを前提に弁護するわけであり、そのような考えで弁護をしていく中で、一番担当したくない被告人は、「無実の依頼人」だという。
 弁護士がへまをして無実の依頼人が刑務所にいくようなことがあれば、そのことが、生涯、弁護士を悩ませることになる。
 ミッキー・ハラーはいう。
「無実の人間ほど恐ろしい依頼人はない。そして無実の人間ほど、こちらに傷跡を残していく依頼人はいない」
 本作からスタートしたミッキー・ハラーものは、ボッシュシリーズと肩を並べる人気シリーズになっており、マイクル・コナリーのお蔭でこれからしばらく至福の読書タイムが味わえそうです。
リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)より
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No.20:
(4pt)

とても有能だけど、スーパー・ヒーローになれない弁護士

遅ればせながら最近すっかりコナリー作品のファンになり、ボッシュ・シリーズを順番に読み進めている。
コナリー作品はそれぞれのシリーズの登場人物を随時共演させているとのことで、途中この<ミッキー・ハラー・シリーズ>第1弾に立ち寄ったのだが、前半、あまりにも退屈で、ネタバレを恐れながら意を決してこのカスタマーレビューを読んだ(今まで幾度か痛い目に遭った)。
「上巻の終盤からおもしろくなる」との意見どおり、途中から俄然おもしろくなった。しかし、やはりレビューの一部にはばっちりネタバレが記載されており、未知の期待度は半減してしまった "(-""-)"
ミッキーの際立つ刑事弁護士としての辣腕ぶりは見事。金に固執しているが、生活背景など現実問題を考慮すれば致し方ないことで、なかなか魅力的なキャラだと思う。別れた妻たちとはいい友情関係を築いており、このドライさはいいようにも都合よすぎるようにも…女性側から見ると微妙。
ストーリーとしては、板挟み状態を彼がどう切り抜けて決着つけるのか、期待しながら読んだ。
ボッシュとの共演を含め、ミッキーのシリーズも今後楽しみだ。コナリー小説ははずれがない。
リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)より
4062763923
No.19:
(4pt)

ヤサグレ感ただようアラフォー中年弁護士ミッキー・ハラー、登場!

金にうるさく、ヤサグレ感ただようアラフォー中年弁護士ミッキー・ハラー。リンカーンの後部座席を事務所として、ロスの街を舞台に「法は真実を扱うものではない。法は交渉と改善と改竄をあつかうものだ。」とせこい刑事事件の弁護で糊口をしのぐ。
二度の離婚(美人!)を経験し、幼い女の子の父親でもある。
そこに転がり込む、ビバリーヒルズ資産家息子の暴行容疑。多額の報酬に目がくらみ...
人公の魅力で読ませる、リーガル・サスペンス!
リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:リンカーン弁護士(上) (講談社文庫)より
4062763923



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