夜より暗き闇
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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ハリー・ボッシュシリーズ7作目の本書の献辞にはこう書かれている。 | ||||
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今回の小説は私の好きな風合いでした。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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このシリーズはほとんど読破しているが、久しぶりのボッシュ刑事。 どちらかというと、主人公はテリー・マッケイレブという元FBIの心理分析官の目を通して描かれている。最後の含みを持たせた部分は余韻を残した。 マッケイレブがボッシュの家を訪ねてきて、一緒にビールを飲む場面、共に協力しあって無事事件を解決した男同士がその達成感を共有しているのかと思いきや、「友人として最後の訪問」だったマッケイレブとボッシュのやり取りが何とも言えず、哀しく寂しい。二人の孤独と心の闇を表していて、誰にでもそういう闇はあるのではないか・・でも、そうやって考えると正義とは何なのか分からなくなってしまう。頭の切れるプロの刑事や心理分析官とはこういうものなのかな。 | ||||
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後半の法廷シーンあたりからおもしろすぎて読み終えるのがもったいない、そんな気になる。 「ポエット」のマカヴォイ(記者)、「わが心臓の痛み」のマッケイレブ(元FBIプロファイラー)も登場、ボッシュと三つ巴で、捜査・推理・報道・司法・犯罪者が入り乱れながらも、緻密な組み立てで進行。そして積み上げていったものが最後の裁判シーンで、すべてひとつになって爽快な解決へ。と、そこから最後の暗転があり、読者はさらに夜より暗き闇をみることになる。 全編にわたってボッシュの名前の由来である画家ヒエロニムス・ボス(英語ではボッシュ)の作品解説にもなっており画集やネットでボスの絵を見ながら読み進めたほうがいっそう楽しめる。 Amazon Prime ドラマではシーズン3に相当するが、本作では原作のほうがずっと面白い。しかし、ドラマでしかえられない空気感もあるので、どちらもはずせません。 | ||||
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ボッシュシリーズ7作目の本作は、これまで読んできたボッシュものと趣が違い、『わが心臓の痛み』(未読)で初登場した元FBI心理分析官のテリー・マッケイレブものにボッシュが登場するとの構成になっています。 よってボッシュ自身が事件解明のため直接行動を起こすというより、マッケイレブが家族とのあり方に悩みながらも、その洞察力によってぐいぐいと真実に近づいていくとの展開であり、主役はあくまでマッケイレブです。 だからと言って『わが心臓の痛み』を読んでおかないと本作がわからないということもなく、未読の私でも十分楽しめましたし、『わが心臓の痛み』に対する関心も高まりました(なお、『わが心臓の痛み』はクリント・イーストウッド監督主演で映画化されており、そちらにも感心が高まります。)。 ボッシュシリーズ第一作目の『ナイトホークス(原題The Black Echo)』では、実在する絵画「ナイトホークス」が作品の印象を象徴するアイコンとなっており、それがため、日本でのタイトルもブラックエコーではなくナイトホークスになったと思われますが、本作では、ボッシュの名前の由来となった中世の実在の作家ヒエロニムス・ボッシュ(ヒエロニムス・ボス)の絵画「悦楽の園」が重要な役割を果たします。 ブックカバー上巻にはヒエロニムス・ボッシュの傑作のひとつ「最後の審判」、下巻には「悦楽の園」が用いられているとおり、まさにこれらの作品が、事件解明の重要なアイコンとなっているのです。 マッケイレブが美術館の専門家からボッシュの絵画に関する説明を受ける場面があります。 「ボッシュはあらゆる悪魔を知っていました。夜より暗き闇を」「人間の愚行が我々全員を最終的運命である地獄へ連れていくというテーマ」 ネット検索にて「悦楽の園」をじっくり見ながら読むと、その説明の意味がとても分かりやすく、絵画そのものにも魅了されます。 三翼祭壇画である「悦楽の園」、左のパネルにはエデンの園におけるアダムとイブの田園的場面、中央のパネルには空想上の生き物とともに何十人もの全裸の人々が情欲にかられた場面が、そして右のパネルには化け物のような醜い生き物とともに地獄が描かれている。そこには「報い」が夜より暗き闇とともに描かれている・・・。 レオナルド・ダヴィンチと同時代に生きた美術家ヒエロニムス・ボッシュの存在をマイクル・コナリーのおかげで知ることができました。 思うに、今更ながらですが、マイクル・コナリーが、自身の作品の主役、しかも犯罪を捜査する刑事にこの美術家の名前をつけた、そのセンスの高さに今更ながら驚かされます。 | ||||
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マッケイレブ・グラシエラ・ウィンストンの会話にはイライラしっぱなし。豪華共演はやめて単独のシリーズにして欲しかった。今まで読んだボッシュシリーズでは一番面白くなかった。発想の転換として時系列のファイルをランダムの読んでみる場面は印象に残る。 | ||||
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コナリー作品の各主人公が総出演している豪華版。 だが内容はというと、前半は動きが少なく、ボッシュが関わっている裁判は冗長に感じたし、マッケイレブがボッシュを疑う根拠には引きつけられず、マカヴォイはただの記者だし、グラシエラは狭量だし(『わが心臓の痛み』では術後で今作よりさらに身体にハンデがあったマッケイレブに自分が負担をかけたのに)、ジェイ・ウィンストンはせこくておいしいとこ取りだし、……等々マイナス面が先立っていた。 だが、下巻の中盤あたりからそれぞれの関連が見えてきて、動きが出て、おもしろくなった。 読み終わって振り返ってみると、よく練られたさすがのプロットだ。 でもやはり全体的に陰湿で、登場人物の魅力が今一つ、いい方に出ていなかったように感じる。 ボッシュに関しても、表題通り、今回はダークヒーローのイメージが強い。 私は今まで、ボッシュはアウトローではあったが、それも#4『ラスト・コヨーテ』以降は社会性や協調性が出てそれ程“根暗”だとは思っていなかったのだが、ここではとても深淵な影のある男として描かれている。 マッケイレブが500年前のヒエロニムス・ボッシュの狂気的な絵画(表紙カバー)にボッシュを重ねたせいもあるだろうが…。 余韻を残す終わり方だったが、今後も彼らの絡みがあるようなので展開を楽しみにしていきたい。 | ||||
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