わが心臓の痛み
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.33pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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これは誰かの死によって生を永らえた男が、その誰かを喪った人のために戦う物語。しかしその死が自分にとって重くのしかかる業にもなる苦しみの物語でもある。 | ||||
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初めてのマイクル・コナリーとしてこの本を選びました | ||||
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主人公は引退したFBI捜査官なので何の目新しさもないが、心臓移植手術後わずか60日余りで捜査に乗り出すという設定が極めてユニーク。しかも、捜査を依頼してきたのが心臓を提供したドナーの姉というのだから、そのユニークさは飛びぬけているというしかない。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「わが心臓の痛み」は、マイクル・コナリーがボッシュ・シリーズNo.5「トランク・ミュージック」とNo.6「エンジェル・フライト」の間の1998年に発表したノン・シリーズのクライム・サスペンス。ノン・シリーズなのだが、No.7「夜より暗き闇」に本作の主人公テリー・マッケイレブが準主役で登場するらしく「夜より暗き闇」の前に読むのがいいらしい。 マッケイレブは心筋症で若くしてリタイアした元FBI捜査官。彼がAB型のCMVマイナス(サイトメガロウイルス感染歴なし)という厳しい条件にもかかわらずドナー心臓に巡り合い心臓移植を受けた。そして、ドナーとなったコンビニ強盗に射殺された女性の姉がマッケイレブに殺人者を探すよう依頼するところから物語スタート。 「点と線」クラスの謎解きが数限りなく登場するが、犯罪推理のプロが的確にそして粘り強く矛盾を解きほぐしていく。その連続がかなり知的でスリリング。矛盾を見落とす凡庸な刑事との対比がくっきり描かれる。そこが読みどころで、推理小説としてもかなりハイレベル。どうやってシリアル・キラーにつなげるか? 後は、自分で読むべし。 | ||||
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かなり面白いです。実に見事です。 これまでボッシュシリーズのみに関心を持ち、ボッシュシリーズのみを発表順に読んでいたのですが、シリーズ7作目の『夜より暗き闇』ではボッシュものと言うよりテリー・マッケイレブものと言っていいくらいマッケイレブの存在感が光っており、これはぜひともマッケイレブ初登場の作品を読んでみなければ、と俄然本作に興味が沸き、時代を遡る形で本作を読むことになりました。 『夜より暗き闇』は、単体でも十分楽しめる作品でしたが、本作『わが心臓の痛み』を読んだ今は、ああ、先に本作を読んでおけば、『夜より暗き闇』への関心はより高まったろうし、共通する登場人物の性格設定なども、より理解できただろうなと想像します。 したがって、まだいずれの作品も読んでいない方は、ぜひとも本作『わが心臓の痛み』を先に読んでおくことをお勧めします。 今思えば、マイクル・コナリーを侮っていました。ボッシュもの以外の作品でも、とてつもなく面白いということに気づかされます。個人的にはこれまで読んだボッシュものの最高傑作『ブラック・ハート』と並ぶ面白さです。 本作が発表されたのはボッシュものである『ラストコヨーテ』と『トランクミュージック』の間ということで、まさに乗りに乗っている時期に執筆されたものだけに、面白くないわけがないですね。 さて、本作の主人公が、心臓移植を受けた元FBI捜査官であることの必然性について、ただ単に移植された心臓提供者の姉から捜査依頼を受けたからというだけにとどまらない、意外な事実が判明した瞬間、そして本作の原題『BLOOD WORK』が持つ二つの意味が明らかにされた瞬間たるや、これぞミステリー小説ならではという興奮を味わえます。 そして、ボッシュシリーズにも共通することですが、事件は、最初は重要なことに見えなかったほんのささいな事柄によって先はひらけていく。しかし、そういうささやかな事柄を見つけるのは、容易ではないという、現実的な捜査過程が描かれますが、テリーマッケイレブはまさにそれを得意とする人物なのです。 こつこつと資料を読み、犯行現場の写真や撮影された防犯カメラの映像を何度も繰り返し見て、ささいな違和感を発見する。現場捜査官としての能力は並みでも、デスクワークでは、たいていの捜査官よりも優れた能力を発揮する。あらたな邪悪と対峙するたびに、心の奥底でひそかなスリルを覚える。 いったん取り組みだした事件について、途中で投げだすことはできない。 そのような人物設定が、本作の物語展開においては非常に重要になっています。 まさにボッシュものではできなかった物語を、テリーマッケイレブを主人公とすることで大成功を収めています。 いやあ、ほんと面白かった。 傑作です。 | ||||
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今じゃいち市民の主人公が、たとえ援助があったにせよ何故こんなに好き勝手に捜査できるのかとても不思議。色々不思議があったにせよさすがの面白さだとは思いますが。「砂の器」の英訳題が「今西刑事捜査す」だとわかりました。 | ||||
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テリー・マッケイレブはFBI在職中最前線で活躍していたが、齢46歳にて致命的な心筋症を発症し引退を余儀なくされ、特異性のある血液型により2年間待機したのち心臓移植を受けた。 退院したが術後まだ日が浅く日常リハビリに励んでいるときに、臓器提供者グロリアの姉グラシエラが訪ねてきて、殺された妹の事件の犯人捜しを依頼する。 マッケイレブは一旦断ったが、負い目を感じる。「グロリアの命が邪悪なものによって奪われたおかげで、自分は生きているのだ」と。 ……ここがこの物語の独自性を強く感じた。 体力がまだ万全でない中、彼は決心し、行動開始する。 だが引退しているため、警察機関から閉め出され事は簡単に運ばない。そこでかつての友人や知人のつてを辿って情報収集し始める。 確かに関係者が内部の資料をマッケイレブに水面下に受け渡すことは現実的に問題ありだが、私はこの友情がとてもいいと感じた。 しがらみなしに往来できるところなどは、まるでジャック・リーチャー(リー・チャイルド著)のよう。 集めた資料を何度もつぶさに調べ、ひらめくところはすごく、終盤は驚きのどんでん返し! 展開に若干の都合よさを感じはしたが、よかった。 臓器受給者マッケイレブ、提供者グロリアの姉グラシエラ、グロリアの遺児レイモンド…三者は、身体的にも精神的にもとても深いつながりがあると思う。 ゲストとして、ボッシュ・シリーズでお馴染みのLAタイムズ記者のケイシャ・ラッセルが登場する。 さらに、マッケイレブが罠にはめられて弁護士うんぬんというとき、被告側に立って成功をおさめていると評判のマイクル・ヘイラ―・ジュニアの名が挙がる。これはミッキー・ハラ―のことだろう。この時点から作者の中で既に温めてあったキャラクターなのだと納得。 本作の続きは『夜より暗き闇』 ハリー・ボッシュと共演とのこと。今から読むのが楽しみでわくわくする。 | ||||
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心筋症を患を患うも心臓移植によって命が助かった元FBI捜査官テリー・マッケイレブ。彼に移植された心臓はコンビニ強盗殺害事件で亡くなった女性のものであり、その事件の捜査は全く進展していないと知り、独自に捜査を開始する。 綿密な捜査により事件は何度も意外な展開になり、サスペンス小説ならではの興奮を味わいます。特に犯人の動機は意外性があり、かつ非常に恐ろしいです。それはサイコパスの犯人を扱った小説より本書を恐ろしいものにしていると思います。異色のサスペンス小説です。 | ||||
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