転落の街



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初公開日(参考)2016年09月
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長編小説

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転落の街(上) (講談社文庫)

2016年09月15日 転落の街(上) (講談社文庫)

当代最高のハードボイルド作品と言われる、ハリー・ボッシュ・シリーズの邦訳最新刊!冷厳冷徹に正義を貫き捜査を進める一方、仲間や恋人、愛娘に見せるボッシュの優しい姿が胸に響く不朽のLAハードボイルド作品です。LAと市警の抱える病巣を抉り出し、未解決連続殺人事件の深い闇に迫る緊迫のサスペンス! 【内容】定年延長選択制度を適応され、ロス市警未解決事件班で現場に居続けるボッシュ。 未解決事件のファイルの中から、DNA再調査で浮上した容疑者は当時8歳の少年だった。高級ホテルの転落事件と並行して捜査を進めていくが、事態は思った以上にタフな展開を見せる。2つの難事件の深まる謎! 許されざる者をとことん追い詰めていく緊迫のサスペンス! 転落した市議の息子は殺害されたのか、自殺だったのか。未解決強姦殺害事件の背後に潜む深い闇とシリアルキラーの影。 ”誰もが価値がある、さもなければ誰も価値がない“という信条のもと非情な捜査を進めるボッシュ。 陰惨な様相を呈しはじめた事件には戦慄の結末が待っていた!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

転落の街の総合評価:8.84/10点レビュー 38件。Sランク


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No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

色んな“DROP”の物語

またしても過去がボッシュを苛む。
今回ボッシュが担当するのは彼の宿敵で目の上のタンコブだったアーヴィン・アーヴィングの息子の墜落事件。しかもアーヴィングが強権を発動してボッシュを捜査担当に指名する。

この水と油の関係の2人。
これほどシリーズを重ねながらもアーヴィングの影はなかなか消えない。振り子のようにボッシュとアーヴィングはお互い離れ近づきを繰り返す。

しかもアーヴィングは市議会議員としてロス市警の残業代の予算を大幅カットするのに成功していた。何らかの取引を本部長にしたことでボッシュを捜査官に指名したことが判ってくる。

相変わらずだが、アーヴィングという男は何を考えているか解らない男だ。唯一解っているのは自分の得になるためだったらどんなことでもやる男だ。
その行動原理は独特で、実に政治家に向いていると云えるだろう。微笑と寛容で近づいてきたかと思えば次の時点では冷徹なまでに突き放し、もしくは職さえも奪おうとする。己の考えが全て正しいと思っている、何ともイヤなヤツなのだ。

そしてボッシュはもう1つ事件を担当する。いや本来ならばそちらが担当する事件だったのをアーヴィングによって強引にねじ込まれたのだが。

1989年に起きた未成年女性強姦殺人事件に残された血痕のDNAがヒットし、クレイトン・ペルという男が浮上したが、なんと事件当時彼は8歳に過ぎなかった。
この鑑定が担当刑事の証拠取り扱い不注意によって生じた結果なのか、それとも本当にそれがクレイトン・ペルの物であるのか、そして彼が事件の犯人なのかを探るのがボッシュの任務だ。

さて今回の原題“The Drop”は色んな意味を含んでいる。

最初のDROPはボッシュが申請を認められる定年延長選択制度(DROP)の略称だ。
つまりボッシュは定年を迎えながら更に刑事を続けることが出来るようになる。但し彼が申請したのは遡らずに5年であったが、遡っての4年。即ち定年を9カ月過ぎてからの承認であり、残り39ヶ月がボッシュの刑事人生となることが明示される。

次のDROPはボッシュとチューが担当することになったコールドケース、リリー・プライスという女性強姦殺人事件だ。彼女の首に付着していた滴下血痕(DROP)のDNA鑑定により、クレイトン・ペルという性犯罪者が浮上するが、事件当時彼はたったの8歳だった。

第3のDROPはそのものズバリでボッシュが図らずも担当することになるアーヴィン・アーヴィングの息子ジョージの墜落事件だ。
アーヴィン直接指名での担当となることでその事件を担当していたハリウッド分署の刑事からも白い目で見られる。そして一見自殺と思われた墜落死が調べていくうちに他殺の線が濃くなる。しかもそれが警察関係者である線も濃厚になっていく。

つまりまたもボッシュは警察同士の軋轢に巻き込まれるのだ。まさにアーヴィン・アーヴィングはボッシュの人生にとってのジョーカーのようだ。

さて私がシリーズ継続に当たって懸念していたマデリンとの関係はどうにか上手く行っているようだ。本書ではボッシュなりの娘との関わり合い、いやボッシュ流子育てが垣間見れる。

職業柄、家庭にも危険が及ぶ可能性があるため—実際、『判決破棄』ではハラーの裁判相手がボッシュの自宅の前で待機するという事態が発生した—、ボッシュは娘に自分で自身を護る術を教える。

自宅に鍵を掛けるのを念押しするのは勿論のことながら、自宅に拳銃を置いて、それをいざというときに扱えるよう射撃場で練習もさせている。しかも射撃コンテストにエントリーするまでにもなっている。

また1年前にマデリンがボッシュのような刑事になりたいと云ったことから事件に関するビデオを一緒に見せて観察眼を養ったりしている。勿論ショッキングなそれは避けているようだが。

更にはロス市警の無線で使われるアルファベット暗号クイズも行ったり、一緒にドライヴしている時はナンバープレートを無線コードで答えさせていたりもしている。

つまりリトル・ボッシュを着々と育てているようだ。それは即ち自分が以前のように事件に没頭できる環境を整える意味もある。

そしてマデリンもまたボッシュ並の刑事としての才能の片鱗を覗かせる。
例えば上に書いたボッシュが見ていたジョージ・アーヴィングが自殺した夜のホテルの監視カメラの映像でジョージが大して金額を確認せずにチェックインのサインをしている様子から自殺するつもりだと推察したり、一番面白いのはもう1つの事件で知り合ったクレイトン・ペルの担当医であるハンナ・ストーンと一夜を過ごしたことをワイングラスに口紅が残っていたとかまをかけてボッシュに女性を泊まらせたことを白状させたりもする。

このやり取りは実に微笑ましく、ボッシュの娘に対する愛情と、そして娘のボッシュに対する親愛の情を十二分に感じさせる。

しかしマデリンの学校の課題図書がスティーヴン・キングの『ザ・スタンド』だったのには驚いた。
あんな重厚長大なデストピア小説を中学生に読ませるとは。
しかもそれを面白いと読むマディもまたかなり大人びている。

そう、このマデリンは実に大人びているのだ。ボッシュが刑事を辞めるのを最初に切り出す相手がマデリンならば、父親に適切な回答をするのもまた彼女なのだ。
その内容はボッシュをしてとても15歳の少女を相手に話しているとは信じがたいと思わせているが、まさにその通り。
私の懸念は見事に吹っ飛び、マデリンはこのシリーズにとってなくてはならない存在までになった。

そしてそんなシングルファーザー、ハリー・ボッシュにも相手が現れる。それは担当するコールドケースで浮上した容疑者クレイトン・ペルの担当医ハンナ・ストーンだ。

ボッシュは彼女に繋がりを見出す。それは彼女の中に自分と同じような暗闇を抱えているのを見出したからだ。

彼女のそれが犯罪者の息子、性犯罪で服役中の息子がいることが彼女の口から明かされる。そして彼女はそのことについてボッシュに性急に意見を求める。それがボッシュにとって戸惑いを覚えさせる。
時間をかけて進めたい60歳を過ぎたボッシュ、40歳を過ぎ、女性としての幸せを得るのに時間がないと思い、次の幸せを早く得ようとするハンナ。

この2人の価値観の違いは一旦ボッシュを引かせるが、結局再び寄りを戻す。
しかし彼にとっての“一発の銃弾”はエレノア・ウィッシュだけだったし、シリーズで出逢った女性とは長続きしなかっただけにハンナ・ストーンとボッシュとの関係が今後どのように続くかは現時点ではあまり期待しない方がいいだろう。
しかし60を超えてもなおお盛んでモテ振りを発揮するなあ、ボッシュは。

悪に対して絶対的な執着心、己の正義を貫くことを曲げないボッシュ。しかし彼はその悪と対峙して今回自分自身を揺らがせる。

まずはアーヴィングの事件で判断を見誤り、危うく冤罪者を作るところを寸前に回避したことでかつての自分の刑事としての能力の衰えを感じさせられることだ。悪人を追いながら、もっと大きな悪が描いたシナリオ通りに動かされ、泳がされた自分に気付き、ボッシュは一度バッジ返上を考える。

しかし彼の心に刑事としての使命感を燃やさせたのもまた悪人だった。彼は改めて絶対的な悪を目の前に刑事を続けること、出来る限り続けることを決意する。
4年だった定年延長が5年になることを喜んで受け入れる。

ヒエロニムス・ボッシュ。まさに彼こそ人生の全てを刑事という職業に捧げた、全身刑事ともいうべき存在だろう。
彼の娘マデリンが将来ボッシュみたいな刑事になりたいと云ってから彼は娘を刑事の訓練を行うが、それは第二のボッシュを育てるというよりも、彼亡き後も悪を罰する使命を娘に託しているのだろう。
ボッシュサーガはこのハリー・ボッシュという男の刑事の血を継いでいく物語になる、そんな一大叙事詩のように感じた。

そして私がこのボッシュシリーズ、いやコナリー作品に強く惹かれるのは欺瞞と本音のぶつかり合いが見事に描かれているからだ。

事件の発端、ボッシュが事情聴取する関係者は協力しながらも見事に仮面を被っている。表面上はどこにでもいる一般人、ごく普通の家庭であり、なぜこんな事件が起きたのか全く解らないと滔々と述べる。

しかしボッシュが掘り下げていくことで隠された真実や本音が見えてくる。そしてボッシュは自分が掴んだ疑念を容赦なくぶつけ、本音を引き出す。そこにドラマが生まれるのだ。

そしてやはり触れなければならないのがクレイトン・ペルという男だ。最後は彼の暗黒の深さを思い知らされた。

また今までのシリーズでも生々しく描かれていたように、本書に登場する刑事・警察官は決して清廉潔白ではない。

本書でもボッシュの相棒デイヴィッド・チューが自分たちの事件の捜査情報をLAタイムズ紙の記者エメリー・ゴメス=ゴンズマートにリークしていたことが発覚する。
彼は彼女と付き合う代償として捜査情報を彼女に与えていた。それをボッシュは許せずにチューとのコンビ解消を切り出す。

チューは全てを掌握するが、相棒に情報を全て渡さないボッシュのやり方が気に食わなかったのだ。ボッシュがこのまだ若い刑事の将来を慮って、キャリアを棒に振るような政治の汚い世界を知らさない方が身のためだと思った配慮が仇になった結果だ。

そんなエピソードも含め、今回強く感じたのはハリー・ボッシュシリーズとは刑事・警察の生き方を描いた物語であることだ。

刑事を続けることの能力の限界を悟り、一度はその職を辞しようと揺るいだボッシュの心を繋ぎ留めたのはキズミンが放った怪物たちを捕まえ、止めることこそが気高い我々の仕事なのだという言葉。
「これこそ、わたしたちがやっていることの理由」
それがボッシュの刑事としての生き様なのだ。

そしてそんな暗鬱な作業の実態を敢えて省かず書いたコナリーの仕事もまた見事だ。彼は警察とは、刑事とはこういう人たちなのだと示したかったからこそこの場面を敢えて詳細に書いたのだ。

大きな正義に小さな正義、そして法を超えた正義。
それぞれの立場で異なる正義が主張し、そして実行される。その渦中にいるのがハリー・ボッシュという男だ。

物語の最後は実に苦い。

作用・反作用の法則。
悪が巨大ならば逆に英雄視する者が出てくる。ボッシュはそれを避けるために本音では犯人は葬り去らされねばならないと感じていた。
しかしそれを止めたのは刑事という生き方によって備わった反射神経だ。刑事である限り、犯罪者は法で裁かれなければならないという原理原則が身に沁み込んでいたために彼は止めてしまったのだ。

それでもボッシュは刑事を続ける。キズミン・ライダーが彼に投げ掛けた言葉、「これこそ、あたしたちがやっていることの理由」を心の支えにしながら。

見事だ、コナリー。またも心に染み入る仕事をしてくれた。
またもやハードルが高くなったが次もまたそれを越えてくれるだろう。我々の期待以上に。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

今回はストーリーが最高

ボッシュ・シリーズとしては「ナイン・ドラゴンズ」に続く2011年の作品。前作とは違い、ホームグラウンドであるLAで事件捜査に活躍する本格的な警察小説である。
未解決事件班に戻ったボッシュは、新たな相棒になったチュー刑事と、DNA鑑定で有力な手がかりが見つかった20年以上前の強姦殺人事件を担当することになった。被害者の体に着いていた血痕が、ある性犯罪常習者のDNAと一致したという。ところが、その容疑者は当時8歳の少年だったのだ。なぜ、8歳の子どもの血液が成人女性である被害者の遺体に着いていたのか、本格的に捜査を始めようとしたとき、ボッシュたちは市警本部本部長から呼び出され、警察に影響力を持つ市議会議員の息子が高級ホテルから転落死した事件の捜査を命じられる。市議と警察上層部の両方からプレッシャーを受けたボッシュは、2つの事件を並行して捜査しようとするのだが、市議会と警察の政治的な駆け引きにも巻き込まれ、事態は複雑になるばかりだった。
厳しい状況にもめげず冷静に正義を貫こうとするハードボイルドな刑事・ボッシュが戻ってきた、警察小説の王道を行く作品である。派手なアクションは無く、緻密な推理と徹底した証拠固めで事件の真相に迫るボッシュには、一種の神々しさもある。ボッシュも派手に立ち回るには歳をとり過ぎたという理由もあるのかもしれないが、それでも女性関係では現役バリバリで、まだまだ活躍しそうである。
シリーズ読者には必読。本格派の警察小説ファン、ミステリーファンにもオススメできる。

iisan
927253Y1
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

全く力が衰えない!というか、更にレベルアップしている!

見事!としか言いようのない展開でした。
コナリー氏の本はほぼ読んでいますが、年々レベルが増している?
筆力が全く衰えることなく、益々力強いものになっているのが、もう堪りません!
(ナインドラゴンズあたりは、ちょっと落ちたかな~と、思ったりもしたのですが
あの本はあの本で役割があったのだと今は思えます)

満点をつけたことは今までなかったのですが、今までのボッシュに感謝をこめて(こんなにワクワクさせる刑事は他にいません!)
そして、コナリー氏の益々のご活躍を祈って、今日は満点!です。

ももか
3UKDKR1P
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

刑事ボッシュも作家コナリ―もベテランだ

転落死と未解決の二つの事件を並行捜査。ボッシュの警察内での立場や家庭の事などが程よく合わさって面白いです。捜査だけをしていれば、いいってもんじゃない。あっちこっちから、横やりが飛んでくるのだ。

みやはら
TL5WJ5W1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.34:
(3pt)

きちんと届いた

ちゃんと届きました。
転落の街(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:転落の街(上) (講談社文庫)より
4062935015
No.33:
(3pt)

きちんと届いた

少し遅かったけれどきちんと届きました。
転落の街(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:転落の街(下) (講談社文庫)より
4062935023
No.32:
(5pt)

常に使命はそこにあり、常にやらねばならない仕事がある。ボッシュがやるたぐいの仕事が。

『ナインドラゴンズ』以降、娘マディと一緒に暮らすようになったものの、マディが出かけている日曜日には、人けのない未解決事件班の刑事部屋で一人仕事をするのがおおかただというボッシュ。
 定年延長選択制度を利用してまで働き続けようとするのはなぜなのか。
 ボッシュは元相棒キズ・ライダーの「これこそ、あたしたちがやっていることの理由なの」との言葉を思い出す。
 そう。自分には使命がある。
 そしてその使命は自分がどれだけ失敗しようとも終わらない。
 常に使命はそこにあり、常にやらねばならない仕事がある。
 ボッシュがやるたぐいの仕事が。
 本作においては、『ナインドラゴンズ』のようなアクション的派手さは控え、調書やファイルにあたるというこれまでの地道な捜査が描かれます。
 答えは細部にある。
 そして本書も、しっかり細部まで描かれており説得力があります。
 例えば捜査現場において、しゃがみこんだボッシュが立ち上がるとき「膝の関節がポキンと鳴った」との一文がありますが、そういったことまでしっかり書き込むことでボッシュという存在のリアルさが伝わってきます。
 今回、新たにボッシュが心惹かれる女性(社会復帰訓練施設の医師ハンナ・ストーン)が登場します。
 彼女の存在も作品に深みを与えているように感じます。
転落の街(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:転落の街(上) (講談社文庫)より
4062935015
No.31:
(5pt)

特にありません

説明通りの商品で、丁寧な包装でした。
転落の街(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:転落の街(下) (講談社文庫)より
4062935023
No.30:
(5pt)

ボッシュの頑ななまでの矜持をあますことなく描写している。

ロス市警から放り出されたアーヴィン・アーヴィング市議の一人息子の転落死の捜査を任されたボッシュは、気が進まないながらも「だれもが価値がある、さもなければだれも価値がない」という信条の持ち主だから捜査に一切手抜きはしない。
 市警上層部と市議であるアーヴィン・アーヴィング双方からのプレッシャーを感じながら、二十年も以前のレイプ殺人事件の二つの事件を並行して捜査を進めてゆく。
 パートナーのディヴィット・チューは、経験が浅くボッシュにはお荷物としかいえないのも悩ましい。
 まだ捜査の行方がはっきりしないときLAタイムズ記者のエミリー・ゴメス・ゴンズマートからボッシュに電話があり、詳しく捜査状況を知っていることを知る。
 情報提供者がチューであることを突き止めたボッシュは怒り心頭になる。
 が、レイプ殺人鬼を突き止めてからのチューの働きでボッシュは、チューを許すことになるのだが・・・。
 相変わらずコナリーのデティールを疎かにしないプロット構成に惹かれながらページを繰ることになる。
 二転三転しながら事件は終盤を迎えるが、信頼していたキズ・ライダーとの友情が途絶えるところで本書『転落の街』下巻を読み終えた。
 表者は大昔に三度ほどレイクタホのスキー場を訪れたあことがある。
 その帰りに2,3日だけロサンゼルス観光をしたことがあるが、その街の広さに驚いた記憶である。
 このハリー・ボッシュ・シリーズを読み始めてからGoogleMapでロスの街の概略を参照しながら読むことにしました。
 蛇足ながら詳しくハリー・ボッシュ・シリーズを詳しく読みたい読者へおすすめいたします。
 本書『転落の街』は、下巻になると上巻より面白くなり夜更かしして一気読みしてしまいまいました。
転落の街(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:転落の街(下) (講談社文庫)より
4062935023



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