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わが心臓の痛み
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わが心臓の痛みの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 1~20 1/2ページ
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「わが心臓の痛み」は、マイクル・コナリーがボッシュ・シリーズNo.5「トランク・ミュージック」とNo.6「エンジェル・フライト」の間の1998年に発表したノン・シリーズのクライム・サスペンス。ノン・シリーズなのだが、No.7「夜より暗き闇」に本作の主人公テリー・マッケイレブが準主役で登場するらしく「夜より暗き闇」の前に読むのがいいらしい。 マッケイレブは心筋症で若くしてリタイアした元FBI捜査官。彼がAB型のCMVマイナス(サイトメガロウイルス感染歴なし)という厳しい条件にもかかわらずドナー心臓に巡り合い心臓移植を受けた。そして、ドナーとなったコンビニ強盗に射殺された女性の姉がマッケイレブに殺人者を探すよう依頼するところから物語スタート。 「点と線」クラスの謎解きが数限りなく登場するが、犯罪推理のプロが的確にそして粘り強く矛盾を解きほぐしていく。その連続がかなり知的でスリリング。矛盾を見落とす凡庸な刑事との対比がくっきり描かれる。そこが読みどころで、推理小説としてもかなりハイレベル。どうやってシリアル・キラーにつなげるか? 後は、自分で読むべし。 | ||||
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かなり面白いです。実に見事です。 これまでボッシュシリーズのみに関心を持ち、ボッシュシリーズのみを発表順に読んでいたのですが、シリーズ7作目の『夜より暗き闇』ではボッシュものと言うよりテリー・マッケイレブものと言っていいくらいマッケイレブの存在感が光っており、これはぜひともマッケイレブ初登場の作品を読んでみなければ、と俄然本作に興味が沸き、時代を遡る形で本作を読むことになりました。 『夜より暗き闇』は、単体でも十分楽しめる作品でしたが、本作『わが心臓の痛み』を読んだ今は、ああ、先に本作を読んでおけば、『夜より暗き闇』への関心はより高まったろうし、共通する登場人物の性格設定なども、より理解できただろうなと想像します。 したがって、まだいずれの作品も読んでいない方は、ぜひとも本作『わが心臓の痛み』を先に読んでおくことをお勧めします。 今思えば、マイクル・コナリーを侮っていました。ボッシュもの以外の作品でも、とてつもなく面白いということに気づかされます。個人的にはこれまで読んだボッシュものの最高傑作『ブラック・ハート』と並ぶ面白さです。 本作が発表されたのはボッシュものである『ラストコヨーテ』と『トランクミュージック』の間ということで、まさに乗りに乗っている時期に執筆されたものだけに、面白くないわけがないですね。 さて、本作の主人公が、心臓移植を受けた元FBI捜査官であることの必然性について、ただ単に移植された心臓提供者の姉から捜査依頼を受けたからというだけにとどまらない、意外な事実が判明した瞬間、そして本作の原題『BLOOD WORK』が持つ二つの意味が明らかにされた瞬間たるや、これぞミステリー小説ならではという興奮を味わえます。 そして、ボッシュシリーズにも共通することですが、事件は、最初は重要なことに見えなかったほんのささいな事柄によって先はひらけていく。しかし、そういうささやかな事柄を見つけるのは、容易ではないという、現実的な捜査過程が描かれますが、テリーマッケイレブはまさにそれを得意とする人物なのです。 こつこつと資料を読み、犯行現場の写真や撮影された防犯カメラの映像を何度も繰り返し見て、ささいな違和感を発見する。現場捜査官としての能力は並みでも、デスクワークでは、たいていの捜査官よりも優れた能力を発揮する。あらたな邪悪と対峙するたびに、心の奥底でひそかなスリルを覚える。 いったん取り組みだした事件について、途中で投げだすことはできない。 そのような人物設定が、本作の物語展開においては非常に重要になっています。 まさにボッシュものではできなかった物語を、テリーマッケイレブを主人公とすることで大成功を収めています。 いやあ、ほんと面白かった。 傑作です。 | ||||
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今じゃいち市民の主人公が、たとえ援助があったにせよ何故こんなに好き勝手に捜査できるのかとても不思議。色々不思議があったにせよさすがの面白さだとは思いますが。「砂の器」の英訳題が「今西刑事捜査す」だとわかりました。 | ||||
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テリー・マッケイレブはFBI在職中最前線で活躍していたが、齢46歳にて致命的な心筋症を発症し引退を余儀なくされ、特異性のある血液型により2年間待機したのち心臓移植を受けた。 退院したが術後まだ日が浅く日常リハビリに励んでいるときに、臓器提供者グロリアの姉グラシエラが訪ねてきて、殺された妹の事件の犯人捜しを依頼する。 マッケイレブは一旦断ったが、負い目を感じる。「グロリアの命が邪悪なものによって奪われたおかげで、自分は生きているのだ」と。 ……ここがこの物語の独自性を強く感じた。 体力がまだ万全でない中、彼は決心し、行動開始する。 だが引退しているため、警察機関から閉め出され事は簡単に運ばない。そこでかつての友人や知人のつてを辿って情報収集し始める。 確かに関係者が内部の資料をマッケイレブに水面下に受け渡すことは現実的に問題ありだが、私はこの友情がとてもいいと感じた。 しがらみなしに往来できるところなどは、まるでジャック・リーチャー(リー・チャイルド著)のよう。 集めた資料を何度もつぶさに調べ、ひらめくところはすごく、終盤は驚きのどんでん返し! 展開に若干の都合よさを感じはしたが、よかった。 臓器受給者マッケイレブ、提供者グロリアの姉グラシエラ、グロリアの遺児レイモンド…三者は、身体的にも精神的にもとても深いつながりがあると思う。 ゲストとして、ボッシュ・シリーズでお馴染みのLAタイムズ記者のケイシャ・ラッセルが登場する。 さらに、マッケイレブが罠にはめられて弁護士うんぬんというとき、被告側に立って成功をおさめていると評判のマイクル・ヘイラ―・ジュニアの名が挙がる。これはミッキー・ハラ―のことだろう。この時点から作者の中で既に温めてあったキャラクターなのだと納得。 本作の続きは『夜より暗き闇』 ハリー・ボッシュと共演とのこと。今から読むのが楽しみでわくわくする。 | ||||
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心筋症を患を患うも心臓移植によって命が助かった元FBI捜査官テリー・マッケイレブ。彼に移植された心臓はコンビニ強盗殺害事件で亡くなった女性のものであり、その事件の捜査は全く進展していないと知り、独自に捜査を開始する。 綿密な捜査により事件は何度も意外な展開になり、サスペンス小説ならではの興奮を味わいます。特に犯人の動機は意外性があり、かつ非常に恐ろしいです。それはサイコパスの犯人を扱った小説より本書を恐ろしいものにしていると思います。異色のサスペンス小説です。 | ||||
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下巻を中心とした感想。上巻は設定に無理がある上に退屈な物語だったが、ラストでシリアル・キラーの存在を仄めかした事で下巻への期待が繋がった。殺人事件の際は、被害者の関係先を洗うのが常道なのに上巻では抜けていた。読者に見えている殺人は3つ。1つ目の殺人の被害者は大型詐欺事件の首謀者で、勾留中のスキを付いて銃殺された。その時の犯人のセリフは「カノーりを忘れるな」(映画「ゴッドファーザー」中のセリフ)で、マフィアの関与を疑わせる。他の殺人でも事件映像からの口唇術で同じセリフが読み取れるが、マフィアが主犯では余りにも曲がない。 ここで原題の「Blood Work」が活きて来る。主人公がこの点に気付いたキッカケが上手く描けていないが、犯人は同じ血液型の移植用の臓器を狙ったという思い付きである。本作の無理な設定もこの事由に依るのだ。すると、主人公も容疑者の一人となる次第で、実際、犯人は疑われる様にニセの証拠を主人公の周囲にバラ撒き、この趣向が作者の工夫なのだろう。しかし、特定の血液型のドナーが発生(この場合は殺害)したとして、そのドナーの特定の臓器を入手する事が可能なのだろうか ? 病院関係者しか犯人は考えられない。 だが、作者はもっと捻った回答を用意していた。犯人の歪んだ動機であり、私が退屈と言った上巻中にキチンと伏線が張られている点には感心した。上巻に比べ<主人公=容疑者>という趣向(工夫)とサスペンスに富んだ秀作だと思った。 | ||||
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上巻を読んだ時点での感想。心臓疾患のために引退した元FBI捜査官を主人公とした準ハードボイルド小説。題名の由来でもある本作の設定は、心臓移植をして命を取り留めて療養中の主人公の元に、殺害された心臓のドナーの姉が主人公に事件解決を依頼するというもの。ドナーと受容者との関係がこんなに簡単に分かってしまうのは安直な気がするが、元FBI捜査官を事件に駆り立てる便法なのだろう。勿論、主人公には警察バッジも私立探偵ライセンスもなく、孤立無援(の筈)である。 読み進めると、市警の事件担当刑事の反発はあるものの、FBI時代の馴染みの鑑識官や女性保安官が主人公を助け、事件資料・現場映像などを自由にアクセス出来るので孤立無援という感じはしない。これなら、何故、普通の警察小説にしなかったのか不可思議である。何より、市井の一市民である筈の主人公がこんなに事件に関与して良いものだろか ? 主人公が被害者のドナーの姉(依頼人)に恋心を抱いたり、別の似た事件の目撃者に"催眠術"をかけて証言を引き出そうとしたりと甘い内容で準ハードボイルド小説とも言えない。主人公の才気煥発さも全く見られない退屈な上巻だった。 別の似た事件と上で書いたが、上巻のラストで、主人公がこれらの事件がシリアル・キラーによるものではないかと気付く点が下巻への期待を繋いでいる。下巻に期待したい。 | ||||
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【結論】 コナリーファンにお薦めのペーパーバック。 【理由/解説】 欧米のペーパーバック全体に言えることだが、まず安い。 私の経験でも、翻訳を何度も読んでストーリーが完全に頭に入っている愛読書なら、英語・ドイツ語の原書を読んで、どこを読んでいるのか見当がつかないということはない。 多読メソッドにお勧めである。 但し、洋書売り場で『TOEIC***以上』などと書いてあるのは、正直、余計なお世話でしかない。 なぜなら、原書は言語外事実(レアリア)で読むものだからである。 日本語ですら分からない(あるいは興味がない)本を、まして原書で読めるわけがない/読む意味がない、という簡単なことを、我々は大学時代に原書講読で苦労しているのに、なかなか気が付かない。 翻訳「我が心臓の痛み」が出てすぐ購入し(当時、マイクル・コナリーが何者なのか知らずに店頭で何気なく買った)、一度読んだだけで10年も書棚の肥やしになっていたが、最近、再読してマイクル・コナリーに填まった。 刑事ボッシュシリーズ、リンカーン弁護士シリーズを含め、殆どすべての翻訳を1ヵ月ほど掛かって読み終えた。 本書はシリーズものでなく単発のストーリーだが、コナリー本を渉猟すると、本書の登場人物がオムニバス式に他のシリーズにも登場することが分かって面白い。 原書を買ったのはこの本だけだが、コナリー本の特徴の一つとして、会話が、如何にも巧みである。 それは翻訳者の手腕によるところも大きいと推定されるが、原書で具体的にどう話されているのか、興味が大いに沸いて、ペーパーバックを入手した。(なお、私は小説を原書で読むとき、原則として辞書を引かない。 なぜなら、一々辞書を引いていると読書にならないからだ。 何語だろうと、80%わかれば本は読める。) コナリー本のもう一つの見どころは、アメリカの社会事情(殊に負の面)が実によく想像できることである。 特に、人種問題(白人対黒人の葛藤が主なテーマだが、アジア人ニューカマー移民問題も含まれる。ヒスパニックの急激な進出で、スペイン語がわからないと英語ネイティブでも社会生活が困難になりつつあることも分かる)、ラジカルフェミニズムと女子の社会進出に伴う家族崩壊、凶悪犯罪横行、ポリティカル・コレクトネスの鬱陶しさなどが、日本に比べて四半世紀くらい先行しているようだ。 ということは、日本も10年から30年後に同様な状態に陥る恐れが多分にあるのだ。 【補足(多読メソッドについて)】 原書(特に読み物)は、最初の10~20ページが辛い。 しかし、1/3読めれば、あとは意外にスラスラと読めてしまうものだ。 辞書を引くのは、どうしても分からないところだけでいい。 とはいえ、本格的な小説を読む場合、社会人になってから、外国語の勉強を継続していない平均的日本人の語学力だと、翻訳で読むより5倍か10倍、時間が掛かってしまうだろう。 一方、図鑑、技術書、自分の趣味・業務分野の通販カタログなど、実用書の場合は、大した語学力がなくても、そこに書かれている言語学事実(レアリア)が分かっていることと、定形的な言い回しが多いので、同じ分野の和書とそう違いない時間(精々2倍くらいの時間)で読むことができる(お試し下さい)。 | ||||
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コナリー作品は時系列順に読んでします。ハリー・ボッシュシリーズではない作品としては、個人的に「ザ・ポエット」より面白かったです。イーストウッドの映画も観てみたくなりました。小説を読む限りは、主人公マッケイレブはイーストウッドより若い印象でしたが…。当時イーストウッドが大金を払って映画化の権利を買ったらしいですね。よほどこの役に惹かれたのでしょうか。キャラクターとしては、ちょっとジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムにも似ているかも、なんて思ったり。なので、デンゼル・ワシントンなんかも適役なんじゃないか?と勝手に想像したり…。 地道な捜査を進める中、ちょっと見方を変えるだけで、状況が一転してしまうコナリーのプロットは本作でも健在で、特に後半はとてもスリリングで一気に完走しました。次はボッシュシリーズに戻ります。 | ||||
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原作の出版が1998年3月、邦訳(つまり本書)は、2002年11月の出版で、翻訳者は古沢嘉通という人である。 私が所蔵しているのは第1刷なので、2002-2003年に購入したと思われる。 一度、読んだだけで手元の書棚に収めていたのだが、毎日、背表紙を見る度に、衝撃的な冒頭シーン(心臓移植を受けた主人公=退職FBI捜査官=を、ドナーの姉が訪ねてきた)を思い起こさずにはいられなかった。 今回、10数年ぶりで再読したら、自分でも読み方が変わっていて我ながら驚いた。 一つには、私自身、再読までの間に心臓病を患って心臓カテーテルを体験したからである。 本書冒頭シーンの次(p.20-21)は、心移植後の心臓カテーテル病理検査シーンで、こればかりは心臓カテーテル体験者でなければ分からない筈だ(モニタに自分の心臓が映り、カテーテルが挿入されているのがリアルタイムで見えているのは、いい眺めではない。 『助けてくれーっ。神様、仏様・・・』というのが、本当のところだ。)。 徐々に、かつ確実に犯人を追い詰めていく主人公(元・FBIプロファイラー)の捜査手法はリアルだ。 殊に、あらゆる捜査情報(物的情報および関係者証言)を集積し、秒単位の時系列で展開し、論点(矛盾)を洗い出す手法は、私自身が長年(最近、停年でリタイア)、損保の事故調査員として行っていた事案分析法と同じだった。 ということは、どこの国の捜査機関、あるいは民間の調査機関でも、やるべきことは同じなのだ。 別に秘密でもなんでもないが、この手法は莫大な時間と手間暇がかかる。 そして、漫然と時系列で表をこしらえてもインスピレーションは閃かない。結果として、謎も解けない。 賛辞でもわかるように、著者は捜査機関の人たちから協力を得て、捜査手法の要諦を自分のものにしたのだろう。 FBI vs.州警察、そして群保安官事務所という、アメリカならではの重層的な捜査機関内部の軋轢も興味深い(本書を読めば、FBIは地方警察にかなり嫌われていることが分かる)。 下巻で、徐々に連続殺人事件の真相が明らかになってくる。 連続殺人事件ミステリとしても、予想にかなり反した展開なのだが、日本の流行作家たちが幼く見えるような荒唐無稽だとか無理筋とは、読者に感じさせない。 ここが原著者の力量だろう。 翻訳も、日本語として不自然さを感じさせられたところは殆どない。 但し、FBIを日本語で言い換える必要はないと私は感じた。 【時代背景:移動体通信普及前夜の風景】 本書では電話のシーンが多い。それも、殆どが固定電話である。 屋外から掛けるときも、公衆電話だ。 この小説の舞台となった時代には、移動体通信がまだ殆ど普及していないことがわかる。 20世紀末から僅か20年の間に、アメリカでも日本でも、人々の生活スタイルが携帯電話(殊に近年のスマートフォン)によって完全に変わってしまった。 本書(原書)の舞台は1990年代だろうが、その時代はアメリカでも、辛うじて自動車電話が出始めで、鞄型の移動電話すらまだ実用化していなかったのだ。 便利と不便は裏腹で、ケータイおよびSNSが中学生から老人まで、ほぼ完全に普及したことで、人類はケータイがなければ何もできなく(依存症)なり、ホモ・サピエンス数十万年の歴史のなかで、かつてない桁外れに束縛された時代に突入している。 【蛇足】 本書を再読し終わる頃になって、原書で登場人物の会話がどうなっていたか気になってきたので、ペーパーバックの原書と、実写版DVD(クリント・イーストウッド主演・監督)をアマゾンで発注した。 | ||||
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ストーリーに無理矢理がない。 殺人の動機にも犯行、解明にも違和感がない。 納得してしまう面白さ。 主人公にも感情移入できるし、相棒もステキ。 良い本に巡り会えました。 同作者の他の本も読みます。 ありがとうございます。 | ||||
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引退していた元FBI捜査官の主人公の元に奇妙且つ衝撃的な依頼が持ち込まれ・・・というお話。 私はコナリー氏の日本で翻訳された物は多分全て持っているのですが、読んだのは4~5冊という分際でそういう人間が何か言う資格はないとは思いますが、もしかしたらこの人の最高傑作ではないかという程出来のいい推理小説でした。90年代に書かれたアメリカの推理小説でももしかしたら一番よく出来たものかもとも思いました。 解説でネオ・ハードボイルド/私立探偵小説が主人公と事件が卑近な関係の物が多いがここまで密接しているのは稀という風に書かれてして私もそう思いました。この状況設定は所謂ネオ・ハードボイルドの究極形ではないかとも思いました。 また、推理小説としてもかなり良く出来ていて、途中で防犯カメラの映像を秒単位で分析する所など、その精緻さに唸りました。作中で松本清張の英訳された推理小説が少し言及されますが、前述の部分は清張風アリバイ崩しに影響をうけたかなとか思いましたがどうでしょうか。 最後に明かされる真相に多少無理がある様に感じたのも真実ですし、ここまで巧妙な犯罪が現実にあるかは疑問でもあり、また精読すると瑕疵もあるかもしれませんが、90年代の全推理小説中の最高傑作と言っても言い過ぎにならないと真面目に思いました。今まで読まないですいません。 兎に角やたら完成度の高いハードボイルド/私立探偵小説の大傑作。全推理小説ファン必読。 | ||||
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リタイアFBI と身体のハンデをハートで克服して捜査を進める姿には、いつものコネリー節を感じます。が、ちょっと時折挟まれるシニカルなユーモアと社会風刺的な捻りが少な目で、ストレートな語り口に徹していた印象です。その分、主人公への思い入れもでてくるのですが、個人的には物足りない感じになりました。Kindle ¥125セールにて購入なので、コスパ感は最高です。 | ||||
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何年ぶりかの読み返しのため、 古本で購入。 以前読んだあと、自分が心臓に故障を抱えてしまい、 あらためて読み返したくなったんです。 主人公ほどの重い疾患ではありませんが、 読んでいて、感情移入してつらくなりました。 コナリーは、やっぱり面白いなぁ。 | ||||
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何年ぶりかの読み返しのため、 古本で購入。 以前読んだあと、自分が心臓に故障を抱えてしまい、 あらためて読み返したくなったんです。 主人公ほどの重い疾患ではありませんが、 読んでいて、感情移入してつらくなりました。 コナリーは、やっぱり面白いなぁ。 | ||||
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マイクルコナリーには駄作がない! 時代性があり、地味で控えめながらもヒーローとしての強さがあり、社会に生きているドラマ性が宿している。そして何よりも「正義」に生きることの勇気を称えている。 さて次はボッシュシリーズに戻って・・・ | ||||
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ハードボイルドと、謎解きミステリーが、結合した傑作。主人公の生き方は渋いし、どんでん返しにも、驚く。ぜひ、一読を | ||||
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細心の注意を払って犯罪を犯してきたパーフェクトな犯人が、盗んだ拳銃に弾丸が入っているかどうかをチェックしていないという部分を読んでばからしくなって読むのを止めました。 これはたぶんハリウッド用のハッピーエンドのラブストーリーです。 「たぶん」と付いているのは、最後まで読んでいないからです。 | ||||
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期待通りでした。同著者の他の作品とのつながりもあり、楽しめました。 | ||||
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従来の刑事物であれば、第三者の被害者と第三者の加害者間に起きた事件を、さらに第三者である警察官が問題解決を行うというものであった。 しかし本作は、臓器というものを通じて、主人公のテリーが最初から当事者だったことに加え、物語の流れによって、事件の原因という面でも当事者だったという事実が発覚する。 他のだれでもない、主人公こそが事件の中心人物であったのだ・・・ 第三者同士の絡み合いでは決して見られないリアリティが本作の魅力といえよう。 | ||||
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