■スポンサードリンク
夜より暗き闇
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
夜より暗き闇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このシリーズはほとんど読破しているが、久しぶりのボッシュ刑事。 どちらかというと、主人公はテリー・マッケイレブという元FBIの心理分析官の目を通して描かれている。最後の含みを持たせた部分は余韻を残した。 マッケイレブがボッシュの家を訪ねてきて、一緒にビールを飲む場面、共に協力しあって無事事件を解決した男同士がその達成感を共有しているのかと思いきや、「友人として最後の訪問」だったマッケイレブとボッシュのやり取りが何とも言えず、哀しく寂しい。二人の孤独と心の闇を表していて、誰にでもそういう闇はあるのではないか・・でも、そうやって考えると正義とは何なのか分からなくなってしまう。頭の切れるプロの刑事や心理分析官とはこういうものなのかな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
後半の法廷シーンあたりからおもしろすぎて読み終えるのがもったいない、そんな気になる。 「ポエット」のマカヴォイ(記者)、「わが心臓の痛み」のマッケイレブ(元FBIプロファイラー)も登場、ボッシュと三つ巴で、捜査・推理・報道・司法・犯罪者が入り乱れながらも、緻密な組み立てで進行。そして積み上げていったものが最後の裁判シーンで、すべてひとつになって爽快な解決へ。と、そこから最後の暗転があり、読者はさらに夜より暗き闇をみることになる。 全編にわたってボッシュの名前の由来である画家ヒエロニムス・ボス(英語ではボッシュ)の作品解説にもなっており画集やネットでボスの絵を見ながら読み進めたほうがいっそう楽しめる。 Amazon Prime ドラマではシーズン3に相当するが、本作では原作のほうがずっと面白い。しかし、ドラマでしかえられない空気感もあるので、どちらもはずせません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ボッシュシリーズ7作目の本作は、これまで読んできたボッシュものと趣が違い、『わが心臓の痛み』(未読)で初登場した元FBI心理分析官のテリー・マッケイレブものにボッシュが登場するとの構成になっています。 よってボッシュ自身が事件解明のため直接行動を起こすというより、マッケイレブが家族とのあり方に悩みながらも、その洞察力によってぐいぐいと真実に近づいていくとの展開であり、主役はあくまでマッケイレブです。 だからと言って『わが心臓の痛み』を読んでおかないと本作がわからないということもなく、未読の私でも十分楽しめましたし、『わが心臓の痛み』に対する関心も高まりました(なお、『わが心臓の痛み』はクリント・イーストウッド監督主演で映画化されており、そちらにも感心が高まります。)。 ボッシュシリーズ第一作目の『ナイトホークス(原題The Black Echo)』では、実在する絵画「ナイトホークス」が作品の印象を象徴するアイコンとなっており、それがため、日本でのタイトルもブラックエコーではなくナイトホークスになったと思われますが、本作では、ボッシュの名前の由来となった中世の実在の作家ヒエロニムス・ボッシュ(ヒエロニムス・ボス)の絵画「悦楽の園」が重要な役割を果たします。 ブックカバー上巻にはヒエロニムス・ボッシュの傑作のひとつ「最後の審判」、下巻には「悦楽の園」が用いられているとおり、まさにこれらの作品が、事件解明の重要なアイコンとなっているのです。 マッケイレブが美術館の専門家からボッシュの絵画に関する説明を受ける場面があります。 「ボッシュはあらゆる悪魔を知っていました。夜より暗き闇を」「人間の愚行が我々全員を最終的運命である地獄へ連れていくというテーマ」 ネット検索にて「悦楽の園」をじっくり見ながら読むと、その説明の意味がとても分かりやすく、絵画そのものにも魅了されます。 三翼祭壇画である「悦楽の園」、左のパネルにはエデンの園におけるアダムとイブの田園的場面、中央のパネルには空想上の生き物とともに何十人もの全裸の人々が情欲にかられた場面が、そして右のパネルには化け物のような醜い生き物とともに地獄が描かれている。そこには「報い」が夜より暗き闇とともに描かれている・・・。 レオナルド・ダヴィンチと同時代に生きた美術家ヒエロニムス・ボッシュの存在をマイクル・コナリーのおかげで知ることができました。 思うに、今更ながらですが、マイクル・コナリーが、自身の作品の主役、しかも犯罪を捜査する刑事にこの美術家の名前をつけた、そのセンスの高さに今更ながら驚かされます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
マッケイレブ・グラシエラ・ウィンストンの会話にはイライラしっぱなし。豪華共演はやめて単独のシリーズにして欲しかった。今まで読んだボッシュシリーズでは一番面白くなかった。発想の転換として時系列のファイルをランダムの読んでみる場面は印象に残る。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
コナリー作品の各主人公が総出演している豪華版。 だが内容はというと、前半は動きが少なく、ボッシュが関わっている裁判は冗長に感じたし、マッケイレブがボッシュを疑う根拠には引きつけられず、マカヴォイはただの記者だし、グラシエラは狭量だし(『わが心臓の痛み』では術後で今作よりさらに身体にハンデがあったマッケイレブに自分が負担をかけたのに)、ジェイ・ウィンストンはせこくておいしいとこ取りだし、……等々マイナス面が先立っていた。 だが、下巻の中盤あたりからそれぞれの関連が見えてきて、動きが出て、おもしろくなった。 読み終わって振り返ってみると、よく練られたさすがのプロットだ。 でもやはり全体的に陰湿で、登場人物の魅力が今一つ、いい方に出ていなかったように感じる。 ボッシュに関しても、表題通り、今回はダークヒーローのイメージが強い。 私は今まで、ボッシュはアウトローではあったが、それも#4『ラスト・コヨーテ』以降は社会性や協調性が出てそれ程“根暗”だとは思っていなかったのだが、ここではとても深淵な影のある男として描かれている。 マッケイレブが500年前のヒエロニムス・ボッシュの狂気的な絵画(表紙カバー)にボッシュを重ねたせいもあるだろうが…。 余韻を残す終わり方だったが、今後も彼らの絡みがあるようなので展開を楽しみにしていきたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
心臓移植で奇跡的に一命をとりとめた元FBI心理分析官のテリー・マッケイレブが引退して暮らしている釣り船のところに、かってボッシュが娼婦殺しの犯人として逮捕した塗装工のエドワード・ガンが何者かに殺された事件捜査の出口が見えなくなった保安官補のジェイ・ウィンストンがマッケイレブにプロファイリングしてほしいとやってきた。 マッケイレブは、妻グラシエラの反対を押し切ってジェイ・ウィンストンの頼みを引き受けてしまった。 預かった資料の中の現場写真の中から死体を眺めるように置いてあったフクロウの置物に注目したマッケイレブは、そのことから推理を進めていくうち中世の画家ヒエロ二ムス・ボシュに辿り着く。 ハリー・ボッシュの本名は、ヒエロ二ムスであったことからボッシュが辿ってきた過去から、こともあろうにハリー・ボッシュを第一容疑者として捜査を、ジェイ・ウィンストンとともに進めることになる。 当のハリー・ボッシュは、有名映画監督のデイヴィット・ストーリーの裁判の証人で日々忙しく自由の身ではなかった。 デイヴィット・ストーリーの裁判とテリー・マッケイレブの捜査を、読者の目先を変えながらパラレルでコナリーは上手く書き進む。 どちらかというとテリー・マッケイレブが主人公のように描写していることが、シリーズのなかで少し異質かもしれない。 が、相変わらずコナリーのプロット構成の妙に読者は魅了されながらページを繰ることになるはずだ。 ストリーのエンディングを、コナリーがどのように料理するか楽しみにしながら上巻を読み終えた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テリー・マッケイレブの「追い波」号の船室へ無断で侵入していたハリー・ボッシュは、テリー・マッケイレブが船室へ入って行くと捜査ファイルを投げつけ、「俺は犯人ではない」と言い残して船室から出て行った。 船室の床にバラバラになったファイルをあえて時系列にチェックすることを避け、あらためて読み直して捜査にミスがあることにマッケイレブは気が付く。 ハリウッドの有名監督デイヴィッド・ストーリー殺人事件とテリー・マッケイレブが捜査しているエドワード・ガン殺害事件と交錯してくるデティール構成には、著者コナリーのストーリーテラーとしての非凡さを表している。 事件が収束してからボッシュ宅を訪れたマッケイレブとボッシュの二人が交わす会話が何とも言えない雰囲気を醸し出しながら描写している。 ボッシュが最後に「だれも関心を示さない、あるいはだれにも愛されていない少女にちなんで娘の名前をつけたことで、あの身元不明の少女の埋め合わせができると思っているのか?あのな、おまえは間違っているよ。とっとと家へもどり、夢見ていろ」とテリーに言い放つこの言葉だけで、著者コナリーは、見事にボッシュという刑事の性格を言い現わしている。 巻末の解説で五條瑛氏が玄人筋から「安心して読める、決して外れのない作家」という評価も頷けた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ハリー・ボッシュ、テリー・マッケイレブ、ジャック・マカヴォイの3人が登場する、ハリー・ボッシュシリーズの番外編的な作品。 ハリー・ボッシュ、テリー・マッケイレブ、どちらも主人公と言えるくらい活躍します。 コナリーファンとしては、それなりに楽しめましたが、ミステリー小説としての物語の展開は、割と普通でした。 過去作のようなクライマックスに二転三転し、ハラハラするような展開ではありません。 しかし、ハリー・ボッシュ、テリー・マッケイレブというキャラクターの理解が深まるような内容です。 コナリー作品を順番に読んでいないと、キャラクターに思い入れがないため、あまり楽しめないかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ボッシュとマッケイレブが登場する作品。二つのストーリーが同時展開していて、下巻が楽しみになりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ロス市警ハリウッド署の刑事、ハリー・ボッシュを主人公としたシリーズも、今回で7作目となります。 2001年発表、2003年邦訳。 心臓病で引退した元FBI心理分析官、テリー・マッケレイブのもとを、ジェイ・ウィンストン保安官補が訪れ、ある猟奇的殺人のデータを渡し、分析を依頼。 被害者が最後に接したのが、ハリー・ボッシュ刑事であったことを知ったマッケレイブだが、ボッシュ刑事は自分が逮捕したある殺人犯の裁判の証人として、出廷中であった。 …と、いつものとおり(悪い意味ではなく)出だしは、あまり新鮮味はありません。 でも、主人公達が、きっちりと行っていく「推理」が、思わぬ方向に展開していき、上巻を終える頃には、のめり込んでしまう…というのも、いつものとおり(良い意味で)でした。 ただ、今回は、あらかじめ人目を引く「仕掛け」があります。 それは、本書の表紙です。 上・下巻とも、そこに描かれている絵画の作者は、ヒエロニムス・ボッシュ。 シリーズを読んで来られた方ならご存知のとおり、ハリー・ボッシュの本名はヒエロニムス・ボッシュ。 16世紀のオランダの画家から付けられた名前なのです。 名前の由来については、これまでもしばしば記述がありましたが、その画家の「絵画」について、ほとんど語られることはありませんでした。 しかし、今回は表紙に採用されているとおり、本作品の中心テーマとなっています。 このシリーズは、テーマとしてきたことが、20世紀以降の事柄であったためか、500年以上昔の絵画を取り扱うということで、これまでとちょっと違う雰囲気をこの作品に感じました。 さらに、「何かが違う」のは、ラストに明らかにされる、「真相」。 ある意味で、衝撃的ですが、次作以降も読みたくなる、職人芸的な結末ではないかと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
他のレビュアーの方が書いている通り、コナリーの生み出した最高の主人公ハリーと、テリーにポエットの主人公まで登場するコナリーファンにとってはよだれ物の作品です。勿論さすがコナリー...と唸る筋書きで一気に読破してしまう傑作です。 そして...一気に読み終わり...私はこれは、主人公はテリーマッケイレブの方であるスタイルを取りつつもボッシュシリーズの特別おまけ本のようであり、ボッシュシリーズのファンへの作者からの手紙のようでもあると思うのです。 もっともっと愛され幸せな人生をおくって欲しいのに、理解されにくく生きづらく..どんどん孤立していってしまうボッシュ...シリーズを読み進めていく程に時に親友のような、時に姉のような気持ちで『どうしてあなたはいつもこんな風なの』...とつぶやいてしまう私なのですが、そのハリーの心のひだをテリーマッケイレブが読み解いてくれているのです(つまり作者コナリーが私のようにハリーを愛し理解したいけど出来ない人へハリーの事を少しだけ教えてくれる手紙を出してくれている...と言う感じで...)。 この本を読み終わった途端に益々ハリーが気になる人になり、つぎの1冊シティーオブボーンズを手に取ってしまう事請け合いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書のベストセリフ テリー・マッケイレブ「いや、あらゆる天才が ミュージシャン、画家、刑事も入れていい そのような致命的欠陥を抱えているのだ、と。 腕に刺された針」 ハリー・ボッシュ「だれでも致命的欠陥を持っていると思っているよ、 天才であろうとなかろうと」 “ハリー・ボッシュ”シリーズ7作目兼"テリー・マッケイレブ"シリーズ2作目。 そして、『ザ・ポエット』の主人公ジャック・マカヴォイも登場する、 マイクル・コナリーの『大甲子園』である。 三大ヒーローが一同に会して、 強大な堕天使に、合体技三位一体や、 『バッドラックムーン』のキャラも加え一なる四者として戦いを挑む! という話ではないw アホサー・クルッテリーのピンク色の脳細胞の迷探偵エロキチガイ・ポルノシリーズの最終巻 『カーテン』ネタである。 毎卷が最終巻のノリの凄いシリーズなので、 最終巻でもないのに、ここで『カーテン』ネタが爆裂します。 犯人役はハリー・ボッシュ、名探偵役はテリー・マッケイレブとして物語は進むが、 雑魚の脇役にされたもう一人の主人公ジャック・マカヴォイの爆弾は、 予定調和的な推理小説の舞台を破壊する! 甲子園球場で野球の試合で力比べしようとしていたら、 いつのまにかサッカーの試合になったようなもんw ネタバラシを避けるため判り難い喩えで紹介しておりますww パターン破りの手法のみを追及すると、 読者を怒らす悪ふざけになる可能性があるが、 読者を馬鹿にしてるようなメタフィクションや、 読者を置いてきぼりにする純文学に走らずに、 面白い小説の範囲内で、 あっと驚くパターン破りをするコナリーは天才である。 ハードボイルド小説と推理小説の枠は突破してしまった気がする。 ここに、コナリー小説という新しいジャンルが誕生したことを宣言します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
“当代最高のハードボイルド”といわれる、マイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ>シリーズ第7弾。 ’03年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門次点(11位)、「このミステリーがすごい!」海外編第20位。 本書は、<ハリー・ボッシュ>シリーズの一巻ではあるが、ノン・シリーズの名作『わが心臓の痛み』の主人公テリー・マッケレイブが登場し、ハリー・ボッシュ以上の活躍を見せてくれる。また、これもノン・シリーズの傑作『ザ・ポエット』の主人公ジャック・マカヴォイもゲスト出演している。 物語は、ふたりの行動が交互に描かれて進んでゆく。 一方は、当局が捜査に行き詰まったある家屋塗装工の惨殺事件解決の手助けを頼まれた元FBI心理分析官マッケレイブの綿密なプロファイル作業と、心臓移植を受けた身というハンデがありながらも、つい力がはいってしまう捜査活動である。 もう一方は、ハリウッドの女優殺しのかどで、ボッシュ自らが逮捕した映画監督の裁判シーンである。この法廷ではボッシュも証人として出廷し、証言をする。 マッケレイブのプロファイルでは、なんとボッシュが塗装工惨殺事件の重要容疑者となるという衝撃的な展開を見せたり、一方では一流のリーガルサスペンスを読んでいるような息詰まる法廷シーンが続いたりして、それぞれの場面は独立して進行するが、ラストに至って、それぞれの事件も、ふたりも、シンクロするのである・・・。 私は、本書はコナリー作品三大スターがそろい踏みしたシリーズ番外編ではないか、いやむしろマッケレイブを主役に据えた『わが心臓の痛み』の続編ではないかとさえと思った。 そしてハリー・ボッシュとテリー・マッケレイブの、ふたりの物語は、シリーズ第10作『天使と罪の街』へと続くのである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ハリー・ボッシュとテレル・マッケイレブ、そしてジャック・マカヴォイ。コナリーの生み出した主人公たちが揃い踏みする豪華な作品。ただし、これは以前の作品を読んでいないと理解できないこと。内輪ネタに偏りすぎて、コアなファンにしか楽しめない作品になってはいませんが、シリーズを読んでいると数倍楽しめる作品であることは否めないところ。これまでのボッシュシリーズの中で、常に塀ぎりぎりの所を歩んでいたボッシュ。心臓移植を受けたプロファイラーのマッケイレブ。相手のことを認めつつも、心を許さない二人の対決はやはり読み応えがあります。緊迫感を保ったままラストになだれ込んでいくところはコナリーの真骨頂。期待を裏切りません。ただ、やはりこれはハリー・ボッシュシリーズの中の一冊として読まれるべきでしょう。初めてコナリーを読んだ人は相当戸惑ってしまうはず。出版社はきちんと銘打ったほうが良いのでしょうね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「シティ・オブ・ボーンズ」のラストから「次は?」とやきもきさせられてきたマイクル・コナリー、ボッシュ・シリーズの新作!-と思いきや、こちらの方が先に書かれていたという事実を読後に知り、唖然ーでも納得。そうだよね、当然。本作はボッシュ、「我が心臓の痛み」のテリー・マッケイレブ、そして脇役としてだが「ザ・ポエット」のジャック・マカヴォイが揃い踏みする、番外編ーと受け取った方がいい。そう、ちょうどこの時期に行われる、野球のオールスター・ゲームのように。物語はマッケイレブが件の女性と結婚してもう一人の子供をもうけているーという、新しいが予想できた設定ではじまる以外は、まったく予想外の展開を見せる。2人で力をあわせ、犯人を追い詰めるーというのは凡人の発桊??。コナリーの手腕はマッケイレブがボッシュを追う、それがボッシュがかかわっている裁判に絶妙にシンクロしていく、という実に魅力的なプロットを作り上げた。確かにオールスター・ゲームが顔見世興行的な、間延びしたものになりがちなように、不満がないわけではない。彼らの言動は今までと比べ、ちょっと深みに欠けるし、ご都合主義の部分も少なからず、ある。でもボッシュの名前の由来である画家の詳しいプロフィール(カバーには実際のヒエロニムス・ボッシュの絵が!)や2人のこれからの生活が暗示される描写には、コナリー・ファン必読!と言ってしまおう。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!