悪魔の涙



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悪魔の涙 (文春文庫)
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初公開日(参考)2000年08月
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長編小説

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悪魔の涙 (文春文庫)

2000年08月31日 悪魔の涙 (文春文庫)

世紀末の大晦日午前9時、ワシントンの地下鉄駅で乱射事件が発生。間もなく市長宛に2000万ドルを要求する脅迫状が届く。正午までに“市の身代金”を払わなければ、午後4時、午後8時、そして午前0時に無差別殺人を繰返すとある。手掛りは手書きの脅迫状だけ…FBIは筆跡鑑定の第一人者パーカー・キンケイドに出動を要請した。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

悪魔の涙の総合評価:7.79/10点レビュー 29件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

まあまあでした

ちょっとくどい。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:
(7pt)

これはどんでん返しがない方が…。

今回はノンシリーズの1作だが、嬉しいことにリンカーン・ライムが脇役で登場する。シーンは短いがその後の捜査に関する手掛かりを提示するので友情出演といった趣がある。

ワシントン市を相手取り、市を相手に身代金を要求する恐喝犯。4時間ごとに無差別殺人を起こすと宣言する男はしかし、殺人を犯すのは別の暗殺者と周到な計画で臨む。
この磐石と思われた犯罪計画が、トラックの運転手のわき見運転による信号無視で脆くも崩れ去る。明晰な脅迫者が突然死を迎えることで斯くも素晴らしいノンストップアクション作品が生まれるのか。

この見えない暗殺者に対抗するのが元FBI科学犯罪文書研究室の捜査官で離職後の今は文書検査士として自宅勤務をしているパーカー・キンケイド。彼の文章に隠された秘密を見抜く力、そしてそれらを分析・解析するプロセスは非常に面白い。直筆の文書も書中に掲載され、その中に隠された犯人の意図や性格を作中の彼の言葉を借りれば、パズルを解くが如く、あれよあれよと解明されていく。
例えば本書の題名は恐喝犯が遺した手紙の筆跡のある特徴に由来する。「i」の点が上に尻尾を伸ばし、水滴のような形を残していて、それをパーカーは「悪魔の涙」と呼んでいたのだ。これら文書に纏わるエピソードはたくさんあるが、特にビックリしたのはインクについて一部のメーカーは製造場所が判るように化学的なタグをつけていること。こんな薀蓄が私の知的好奇心をくすぐってしまう。

さらに取り調べ相手に与えた飲み物を入れたマグの表面に圧力を感知する仕掛けがあって、取っ手にマイクロチップ、バッテリーと送信機が仕込まれていて指紋がその場でデジタルデータとしてパソコンに送信されるなどという驚異のシステムがあることを初めて知った。

ディーヴァーはよく息をつかせぬスピーディな展開とどんでん返しが専売特許のように巷間では賞賛されているが実はそれだけではない。彼の精緻を極める取材力が登場人物たちを実在する人物であるかのごとく、読者の眼前に浮かび上がらせるからだ。
彼の作品に登場するFBI、市警の面々の捜査と彼らが交わす会話のディテールはまさしくその道のプロフェッショナルが放つ言葉そのものだ。だからこそ読者は普段垣間見れない世界を彼の作品を通じて教えられ、実際の捜査がものすごく高度な知的労働であることを思い知らされる。

さらに挙げるならば組み合わせの妙。前述したように本書では世界一の犯罪学者と称されるリンカーン・ライムも登場するが、彼は脇役に過ぎない。あくまで主役は文書検査を生業とするパーカー・キンケイドだ。
思うに今回のプロットはライムシリーズとしても全然損色なく最上のエンタテインメントが作れただろう。しかしあえて作者は文書検査士という職業の者を選んだ。この普段我々が接することのない職業の崇高さ、高度な技術と知識を要することを上手く物語に溶け込ませることで彼が主役であるべきだと説得している。
大晦日のワシントンを襲った無札別殺人テロに対抗する相手が文書検査士なんて発想はなかなか、いやめったに浮かばないだろう。この一見ミスマッチといえる組み合わせを用いながら、さも彼が捜査に加わって中心人物となることが必然であるかのように見せる文章運びの巧みさ。これらがディーヴァーを現代アメリカミステリの第一人者として知らしめているのだ。

さらにモチーフとなる業界や専門分野を登場人物たちの心情に絡ませるのも上手い。
『コフィン・ダンサー』では航空業界の人間をターゲットにしつつ、飛行機に対する思いをロマンスに上手く擬え、さらにライムの窓際に巣食っていたハヤブサのエピソードまでも因子として組み込んでいたが、本書でも同じく文書分析を登場人物の心情に上手く絡ませている。特に捜査班のリーダー、女傑のマーガレット・ルーカスの亡き息子が残した手紙から偲ばれる人柄について一度パーカーは筆跡は人柄を示さないと一蹴して、反感を買いながらも、打ち解けるにつれて「筆跡は精神の指紋だ」と述べ、二人の距離を縮めさせるあたりは非常に上手い。
最初はプロとして腕を買われたパーカーが気概もあったのだろう、あくまで感情をはさまずにプロとして放った言葉を、共に修羅場を経験するにつれて同族意識と愛に似た感情を抱くにつれ、本当の感情を吐かせる、この段階的に親和性を深めさせるプロセスが上手いと思うのだ。

しかしとはいってもディーヴァーを語るにどんでん返しを抜きには語れない。今回も大晦日が明ける夜の0時までの殺人予告というタイムリミットサスペンスを展開しながら、どんでん返しが待っていた。技法としてはけっこう、いやかなりあざとい感じがした。

彼が独白する一連の事件の背後に隠れた計画は、どうにもこじつけのように感じてしまった。

また折に触れ物語の表層に浮上するゲリー・モスの存在が逆に事件との関連がないままだったのが残念だった。議員汚職を告発し、テロに遭って家を失い、自身も重症を負って入院中の身である彼のこの事件がなんらかの因子となるのではと思っていたのだが。逆にこういうところがディーヴァーらしくないと思った。

作品の質としては悪くはない。寧ろ標準以上だろう。先に述べたように直筆の脅迫状を掲載してそれについて主人公パーカーに分析させるなど、読者の眼前で実際のFBIの捜査が繰り広げられているようなリアリティをもたらせている。
だからこそ逆に本書はストレートに終息する方がよかったように思う。どんでん返しが逆に仇になってしまった。また既にディーヴァーに高いハードルを課した自分に気付かされた一冊でもあった。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.27:
(4pt)

あぁ~~~ラストが・・・

いつもお馴染みのドンデン返し、ひっくり返し!!面白いのは保証済み!!敵はいつも傍に隠れているので、注意して読んでいましたが、今回はまた趣向を変えて来られて、見事外してしまいました。それも掟破りで、結末を途中で見てしまったのに、銃撃犯の最終行動しか解かりませんでした。エンドではいつものハッピーが漂ってきます。しかし、ラストが余りにも都合が良すぎるのは、どぉ~~かなぁ~~??
悪魔の涙 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:悪魔の涙 (文春文庫)より
4167218712
No.26:
(3pt)

ちょっと期待外れ

ディーヴァー十八番のどんでんがえしが仕組まれていますが、やや唐突で必然性が感じられませんでした。
翻訳が悪いのか、原作が悪いのか、リズムが悪く、人物描写も薄っぺらい感じで感情移入できません。
他の作品にもあてはまりますが、土屋晃氏の訳は読みづらく、どうも好きになれません。
ディーヴァー作品を沢山読んで来ましたが、この作品は正直、期待外れでした。
悪魔の涙 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:悪魔の涙 (文春文庫)より
4167218712
No.25:
(5pt)

この展開も有

小説を読むときは先入観を持たないようにレビューもあまり見ません。
ディーバーといえばどんでん返し…ということも考えずに読みます。
今作もリーダビリティーらしいディーヴァーの作品。
懲りすぎの面もあるかもしれないけど、それはそれ。
リンカーンシリーズやダンスシリーズもいいけど、
キンケイドも主役となる作品が生まれるのを期待。
文書鑑定士って地味なイメージかもしれないけど、面白い
ただ、私の周りのアメリカ人はよく仮定法を使うんだけど…
悪魔の涙 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:悪魔の涙 (文春文庫)より
4167218712
No.24:
(3pt)

大変だよ、ディーヴァーさんは!!

「どんでん」ありきのディーヴァー
今回も「どんでん」してますね
に、してもこの作風を続けるのは並大抵の努力じゃないだろう
どんでん内容も、あ…またあの組織のなかに犯人がいるんだね、的な感じになるわけで

深い味や、情景描写の美しさはなくひたすらドラマチックに展開していく作風プラス多少のコジツケとノンリアリティでも構わないならお薦め
スリルはあるし、退屈はしない

ただしマトメ読みは辞めた方がいい

わりと犯人がわかってくるようになっちゃうから
悪魔の涙 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:悪魔の涙 (文春文庫)より
4167218712
No.23:
(5pt)

個人的には好きだな〜この作品

著者Jeffery Deaverのストーリー展開に魅せられて、また今回もレビューを書いています。小説にはいろいろな手法が在ると思いますが、行き当たりばったりにストーリーを展開していくのも良いかも知れませんが、最初から完璧に考え抜かれて筋書道理に登場人物が配置され最後の最後に読者に脱帽させるストリー展開は、著者の天才的テクニックもありますが個人的には私の嗜好に合う小説でした。それだけでも十分に満足できるのですが、その登場人物皆に個性を持たせ、人間味を感じさせ、読者に感情移入させてしまう、この ”The devil’s teardrop”は、読み始めから最後のどんでん返しに次ぐどんでん返しまで、もう私はメロメロでした。もちろん最後の最後にはストリーをグーの根も出せないほど完璧に締めくくられてしまっては・・・・。アッそうそう、初めに犯人を殺してしまうのも、いろいろなミステリーに私も出会ってきましたが新鮮味が在りましたネェ〜。追いかける犯人が死んでしまって事件が始まるなんてチョッとイイじゃない?
悪魔の涙 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:悪魔の涙 (文春文庫)より
4167218712



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