静寂の叫び



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初公開日(参考)1997年05月
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長編小説

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静寂の叫び〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2000年01月31日 静寂の叫び〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

聾学校の生徒と教員を乗せたスクールバスが、三人の脱獄囚に乗っ取られた。彼らは、廃屋同然の食肉加工場に生徒たちを監禁してたてこもる。FBI危機管理チームのポターは、万全の体制で犯人側と人質解放交渉に臨むが、無残にも生徒の一人が凶弾に倒れてしまう。一方、工場内では教育実習生のメラニーが生徒たちを救うために独力で反撃に出るが…緊迫の展開に驚愕と興奮が相次ぐ、読書界で話題独占の作家の最高傑作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

静寂の叫びの総合評価:8.56/10点レビュー 25件。Aランク


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全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(8pt)

とても面白い。

映像が目に浮かぶ。

わたろう
0BCEGGR4
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

何でもありのスリリングな展開

中盤からは緊迫した展開の連続。誘拐犯との交渉あり、人質の脱出劇あり、裏切りありとなんでもありの展開。人質が一人また一人と解放される度ごとに緊張感が高まっていく展開がスリリングです。ラスト100ページほど残しながら、人質事件は解決し、一件落着に見えますが、残りページから考えてそんな訳もなく。ここからがこの著者の本領発揮!一気読み必然の更にスリリングな展開でした。最後の展開はやや疑問を感じましたが、面白かったです。

タッキー
KURC2DIQ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

静寂の叫びの感想

ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム以外のお話を読んでみました
特殊な設定でしたので自分でもその状況を考え込みながら読み進めました
終盤にはあっ!とうならせるようなどんでん返しがあり、さすがでした
この作家の力量といえばおこがましいですが、再確認をいたしました

のぶくん
UIM2AM2N
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ベストセラー作家への助走

日本のミステリ読者にジェフリー・ディーヴァーの名前を知らしめたのが本書。脱獄囚が聾学校の生徒と先生の乗ったバスをジャックし、廃止された食肉工場に篭城して、FBI交渉人との一進一退の攻防を描いた作品だ。

文庫本にして上下巻合わせて760ページ強の分量だが、脱獄囚が篭城するのはなんと第1章の終わり。つまり残りは全て脱獄囚の篭城劇に費やされる。
これはすごい。これほど動きのない物語を作者は色々な情報と不測の事態とを織り交ぜてページを繰らせていく。

今では交渉人を主人公にしたドラマや映画、小説が数々作られ、もはや珍しい存在では無くなったが、それでも本書に織り込まれた交渉術の情報は知らぬ物が多く、非常に興味深く読んだ。

特に交渉人が犯人に話す内容を他の捜査官が聞いてはいけないとは知らなかった。それは犯人に親近感を覚え、いざ撃たねばならないときに決意が鈍るのを防ぐためだ。

また交渉人自身も犯人の心理を探り、親しくなって自首するよう仕向けるため、犯人の気持ちに同調して取り込まれていく恐れがあると作中では語られている。主人公の交渉人ポター自身、仕事をしていて腹を割って話した相手は同僚でもなく、犯罪撲滅に携わる警察や保安官でもなく、交渉していた犯罪者だというのが皮肉だ。それほど交渉人は犯人の心に潜り込み、また自身を晒す。非常に危険な職業だ。

そして犯人に同調し、友人ともいうべき関係になった上で、最後は逮捕すべく裏切らなければならない役割。これは心にかなり負担の強いる仕事だ。長く続けるには精神がタフでないといけないし、また割切れる心を持っていないといくつ心があっても足らないだろう。

ただそうならずに凄腕の交渉人として君臨してきたポターなのだが、最後にそれがゆえに自身の人間の薄さというのに気付かされるのが苦い。
犯人と同調し、友人に近い関係にまでなるのに任務が終わると普段の自分に戻れる。それは彼の超人的な強さなのだが、裏返せば彼はその場で演技をしているだけとも云える。

また犯人と交渉人との鍔迫り合いだけでなく、救出する側の内部でもそれぞれの思惑で暗闘が繰り広げられる。FBIを筆頭に州警察の人間、郡保安官、さらには州法務次官補までが参入し、それぞれの立場と主義を振りかざしてなかなか一枚岩となって人質救出へと向かわない。中には次回の選挙を見込んでどうにか活躍の場を貰い、当選への弾みをつけたい者まで出てくる。

さらに報道協定を結んだマスコミまで勝手に取材を始める始末。凄腕のFBI交渉人アーサー・ポターを想定外の事態が次々に襲っていく。

しかしこういった人物達の思いも判らんでもない。いや寧ろ通常であればポターの交渉を妨害する者たちこそ凡人である我らに近いと云える。

人質、しかも下は8歳の耳の聞こえない聾者たちを監禁し、精神的苦痛を与える脱獄囚たちに相見えた時、誰しもその悪辣ぶりに嫌悪し、撃ち殺したいと思うのではないだろうか?

そんな心理状態の中、犯人に同調し、時には犯人と共に声を挙げて笑いさえもする交渉人の仕事ぶりは悠長すぎるように感じ、またなぜ悪党と仲良くなるのかと憤りを覚えることだろう。
この物語は交渉人を主人公に描いているからため、彼を妨害する州警察やマスコミの連中の身勝手さを呪い、罵倒するように思うが、逆に州警察の立場で物語を描くと中年太りでゆったり構えた交渉人ポターは人命などは眼中にない非道漢に映ることだろう。

と、ひりつくような犯人とFBIとの交渉を描いた作品だが、単にそれだけに留まらず、色んな読み方が出来る。
それはやはり交渉人を中心に描きながら、それぞれの立場の人間を配してそれぞれの考えに基づいて行動する人間がいるからだろう。

しかしどんでん返しだけがこの作品の魅力ではない。人質となった聾者という設定ゆえに成り立つサスペンスに特徴ある登場人物の数々。

登場人物表に掲げられた人物は26名と今までの作品の中でも多いが、本書の特徴は彼ら彼女らが非常に魅力的なキャラクターだったことだ。

主人公のFBI交渉人アーサー・ポターはFBI捜査官が襟を正して接する凄腕の交渉人だが、その風貌は腹の出た定年間際のオジサンである。そして結婚記念日には亡くなった妻の墓参りをし、妻の家系図を作ることを唯一の趣味としている。

敵役のルー・ハンディは正にアカデミー助演男優賞を与えるべき存在感を誇る。脱獄囚のリーダーであり、残忍な性格で全てを支配しないと気がすまない男。心労耐えない篭城にも常に落ち着いてポターと接し、あわよくば彼を征服してやろうと手ぐすね引いて待っている危険な男だ。

そして人質だった教育実習生メラニー・キャロルという女性がこの事件を機に変化していくのが物語の隠れたテーマだろう。

本書の原題は“A Maiden’s Grave”、『乙女の墓』という。これは聾者であるメラニーが”Amazing Grace”を聴き間違えたことに由来しているが、メラニーの乙女からの脱皮を表現した題名だろう。
尊敬する兄を事故で片腕となった原因を自分に非があると責め、教育実習生でありながら、常に堂々と振舞っていた生徒のスーザンに引け目を感じるほど自分に自信がなく、親の支配から逃れられなかった彼女がこの事件を契機に生まれ変わる。しかし「墓」と題しているようにそれは成長といういい意味とは限らない。
最後の彼女の壮絶な一面は色々考えさせられる結末だ。

しかし本書に限っては邦題の方に軍配を上げよう。内容的にしっくり来る。

さてディーヴァーの名を日本のミステリ読者に知らしめた本書だが、感想としてあと一歩といった感が残った。ここはあえて7ツ星とさせていただく。これからのディーヴァーに期待しよう。
次は『ボーン・コレクター』だ!


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

静寂の叫びの感想

まずは人質解放の交渉のスリリングさ。
ポターを始めとしたFBI捜査官やこれに加わる警察からの面々によるリアリティかつ迫真の展開にはページをめくる手を早められ続けた。

そして、ディーバーの他作品と同じく、三人称視点から幾人もの心情と行動を描くことで得られる共感、反感。
交渉側のそれぞれが与えられた役割を遂行する姿にはエールを送りたくなるし、興奮と焦りが伝わってくる。
また、自身が聾者であることに対する苛立ちや苦悩も、作者が深く掘り下げたディテールによってよく伝わってくる。

例に漏れず、下巻は一気読み(笑)
とてもよい読書体験でした。

▼以下、ネタバレ感想

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De
2O1XLRX4
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

静寂の叫びの感想

リンカーン・ライムのシリーズを読んだあとにこれを読みましたが、すごくよかったです。
人質をとって立て籠もった凶悪犯に交渉人としてのFBIの専門家。
交渉の過程が非常に緊迫感があり、それぞれ所属している警察官同士の反目や対立、マスコミの人間のやりそうなことについてもリアリティーがあるように思いました。
人質の命が何が何でも最優先でないことに、日本人の感覚からすると多少抵抗のあるところですが、ポター捜査官の言葉を読んでいる限りではなるほどと思えてしまいます。
日本ではこれほど大きな事件と言えば30年くらい前の三菱銀行強盗の事件くらいしか思い浮かびませんが、内容が荒唐無稽でないところに作者の取材力のすごさを感じました。
最後のどんでん返しもみょうに納得。メアリーの心境が少しずつ変化していくところは絶妙でした。

たこやき
VQDQXTP1
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