(短編集)
書物法廷
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著者の大ヒット作「魔大陸の鷹」(三部作)とは全く趣を異にする重厚な作品。単なる稀覯本ではなく世に出れ ば政府あるいは国の興廃をも左右する危険な本がある。これを手段を選ばずに入手する書物狩人が主人公で、4つ の短編からなる。 ・大惨事や国家機密暴露寸前の緊張感 ・ル・シャスールの圧倒的な情報量と核心に迫る推察、抑制されたクールなネゴシエイト ・依頼者と虚々実々の駆け引き・・・ など迫力満点のサスペンス小説(でもちょっと出来過ぎかな)。特に良かったのは第一話だった。 第一話:クイナのいない浜辺 のどかで開放感あふれる環礁の浜辺で交わされる書物狩人と爆弾テロリストとのクールな交渉。思想犯たるテロ リストの心のひだに届く交渉術には、氷の心を溶かすほどの静かな熱を内包していた。書物狩人はまた優れたネゴ シエーターでもある。人の心を丁寧に掬い取っている作品は感動を呼ぶ。明と暗、熱と冷、静と動の対比が絶妙。 最も幸せだった子供時代のシーンに戻るエピローグには涙を誘われた。 | ||||
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30文字の感想を書いてくれとありますが、面白かったでは、ダメなのでしょうか。読む人によって、好き嫌いが分かれると思います。 | ||||
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アメリカの空軍が水爆を紛失し、実はまだ未回収のがあったという短編が中に含まれていて興味深い。その場所を示す書物は僅かな部数。その回収をめぐるバトルが始まるというもの。幸い場所は北極に近い外国である。似た小説として、原爆不発弾という新書が発行されていたが日本を舞台としている。漫画でも松本零士が類似の作品を書いているはず。興味深い作品と思いました。 | ||||
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今回は第二次世界大戦前後の近現代史を下敷きにして、 書物狩人<ル・シャスール>の活躍を描いています。そして探す書籍は今回は高価なものではなく、市場的には価値のない自費出版とか、本への書き込みとか、 日記とかです。この人は世界を股にかけて稀覯本を収集するのですが、いずれの書物にもイワクがついていて、ル・シャスールはCIA,MI5をはじめとする 世界中のエージェントから一目も2目も置かれているのでした。まるでゴルゴ13ですが、デューク東郷と違うのは、からっきし腕っ節が弱く、射撃なんてとん でもないという点と、組織の一員として働いているという点です。 ○クイナのいない浜辺 余命いくばくもない天才老テロリスト・ローリンソンは最後の仕事として、世界中のアメリカ海軍基地に爆弾を仕掛けました。後は爆破の指示を出すばかりで す。これを阻止するべくル・シャスールは交渉人としてローリンソンに会いに行きます。ローリンソンがテロ活動に手を染めるようになったきっかけを推理した ル・シャスールは、爆破中止の交換条件に自費出版の画集『太平洋の恩寵』を差し出します。ちょっと泣けます。 ○銀の川(ラ・プラタ)の蜃気楼 「ブエノス・アイレスの帝王」と呼ばれたギャング首領が隠し続けた日記、そこには2次大戦中のナチスの残党の名が記されているとか・・・。誰もその日記の 隠し場所が解りません。この章では最初からル・シャスールがブエノス・アイレスの独房に入っています(ゴルゴっぽい展開です)。当然書籍に関してはスー パーマンであるル・シャスールは目的の日記を手に入れるのですが、誰にも見つけられなかったその日記はいかなる形態であったかがポイントです。 、 ○奥津城に眠れ 元探査潜水艇の館長であり、エドガー・アラン・ポオの研究者でもあるキースは自費出版の研究書『ポオの航跡を追って』をル・シャスールに遺産として贈与 します。しかしこの本には40年前にアメリカ空軍戦略航空軍団が失った水爆のありかを示す地図が隠されていたのです。この本をあろうことはテロ組織に渡し たル・シャスールです。みすみす水爆をテロリストに与えたル・シャスールのどんでん返しがイケテいます。 ○笑うチャーチル ウィンストン・チャーチルの蔵書だった『ローマの劫掠』には彼の手による書き込みがありました。それは彼が英国国民を見捨てたという証拠となるもので す。その本が盗まれたためチャーチルの名誉を守りたいMI5がル・シャスールに奪還を依頼します。得意の交渉で見事『ローマの劫掠』を取り戻したル・シャ スールでしたが、何故かチャーチルのこの旧悪が新聞に露見されてしまいました。この事件の黒幕を推理したル・シャスールは逆襲に打って出ます。痛快な逆転 劇が見ものです。 本シリーズ第3弾ですが、歴史背景の虚構と史実の境が曖昧になっていて、如何にもありそうな話を構築しているのが上手いです。 ところでこの主人公・半井優一という一風変わった名前です。博識の赤城さんの事ですから、きっと樋口一葉と恋人関係にあったという作家・半井 桃水から名前を頂いたに違いないとにらんでいるのですが・・。 | ||||
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最後になにやら意味ありげな雰囲気を 醸し出していますね。 いつル・シャスールが該当の黒幕と 対峙することになるか…楽しみであります。 面白いのはどこか哀愁漂う「クイナ…」と 完全に相手がル・シャスールに 見事に完敗した「奥津城…」ですね。 特に後者のほうは基本的なミスで 書物が使い物にならないことを看破されるという 非常に笑えない状態に。 相も変わらず彼の仕事は「完璧」 続巻が楽しみになる 3作目です。 | ||||
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