(短編集)
書物迷宮
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絶賛です。第1作「書物狩人」が面白かったので引き続き購入して読んだのですが、塩味のツボにきっちり嵌って文句なしです。「書物狩人」の書評で「ビブ リア・・」と並べ評してしまったのですが、全く赤城さんに失礼でした。この作家さんの博識振りには驚嘆すべきものがありますが、加藤陽子さんの解説を読ん で、赤城毅さんは実は軍事史評論家にしてドイツ現代史研究者の大木毅さんと同一人物と知り納得しました。この人の紡ぐ近代史こぼれ話、偽史実は大変デー テールにこだわっていて、ついつい真実であると思い込んでしまいます。 塩味を含めブクレコ諸兄も流石に書痴程のマニアではないでしょうが、標準以上に本は好きでしょうから、このフィクションで取り上げられる「世界に一冊し か存在しないかもしれない本」とそれにまつわる話は食い付きやすいに違いありません。たぶん実在しないこれら稀少な書籍は金銭的に貴重な本であるばかりは なく、その内容が国家の存亡にも関わるとして、各種諜報機関や闇の組織たちも狙っています。彼らを敵に回して知識と理論武装だけで戦う銀髪の主人公・半井 優一の書籍サスペンスドラマです。今回も中篇4作品からなっております。 ○「書庫に入りきらぬ本」 スペイン戦争時の反体制詩人の名作詩集にまつわる話。反体制側で戦い、戦争に敗れた彼の名作詩集は当然勝者である国家から弾圧され出版の日の目を浴びるこ とはありません。ところが1冊だけ現存すると言う設定。その詩集を手に入れるために主人公を含め3人のコレクターが集い、争奪戦を繰り広げます。最後に半 井が手にするのですが、それは偽物であって・・・・。この物語の最後のどんでん返しこそ、題名の「書庫に入りきらぬ本」です。どんな本でしょうか。中短編 でこんなに完成度が高い物語は類を見ません。名作です。 ○「長い長い眠り」 今回のターゲットは古い満州鉄道の時刻表です。中国人が自分たちが優れた民族であると主張する礎のひとつが北京原人の発見です。ところがこの化石は第2次 世界大戦のどさくさにまぎれて行方不明になっています。そのありかと、紛失の秘密を解く鍵が件の時刻表に記されているという設定。この物語も最後にどんで ん返しがあって粋な終わり方になっています。 ○「愛された娘」 半井とひょんなことから一緒に生活するようになった少女は実は王室の血筋であるかもしれない尊い方。その血脈を証明する書籍をめぐっての争奪戦ですが、この本も実は偽書でした。ロマンティックなストーリーを絡めて、得意のどんでん返しが光ります。 ○「冷やしすぎた秘密」 DIA(アメリカの国防情報局)、AW(アヴ=ポーランド情報局)、ABW(アベヴ=ポーランドの国内保安局)が暗躍し、湖底から引き上げられた機密文書 の争奪戦を行います。もちろん半井が最後に手にするのですが、その書類はナチスドイツの細菌兵器の製法マニュアルでした。いまだ知られていないこの技術を 持ってすれば今行われているアフガン戦争の戦局を一変することが出来ます。依頼人に無事(?)書類を渡した半井ですが、この悪魔の技術が功を奏した様子が ありません。どんなトリックがあるのでしょうか。 いずれの作品も、書籍をゲットするまでのスリリングなサスペンスと、書籍を依頼人に渡した後の意外な結末がセットになっていて、最後まで息が抜けません。 | ||||
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『書籍狩人』シリーズ2作目であります。 ロルカの詩集の発見、北京原人の化石の行方等々、史実に虚構を大胆に接いで物語を紡ぎだす手腕はまさに絶品。 いったいどこまで実話を踏まえているのか、「フワン・エリサルデ」「読売新聞社/新井うめ」「コチェーツィヤ」その他のキーワードで検索をかけてみた読者は私だけではないはずです。 皮肉屋で用意周到で、決して善人ではないけれども独自の美学にもとづいて振舞うル・シャスール。 そんな彼でも予想できなかった結末の美しさが味わい深い「書庫に入りきらぬ本」が収録作中のベスト。 | ||||
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ミスター・モトをちょっと彷彿とさせる主人公です。赤城氏の綿密な調査と知識に裏打ちされた物語は、飽きさせません。 | ||||
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ロルカの詩集、満鉄の時刻表。そして、少女の持つ、古代から続くヨーロッパの公爵家の出自を証する書類。更には、ポーランドで見つかり情報部に持ち去られたボズナンの文書。様々な意味で世界を揺るがすことが説明されている書物。 確かに、書物について多くが語られ、いずれも興味深い事柄ばかりである。書物狩人ル・シャスールの謎の解明の鮮やかさも大いに堪能できる。時として、読みながら、どこまでが史実であり、どこからが虚構であるのか改めて調べたくなるほどだ。 だが本書で、それにもまして魅せられるのは、それに関係した人々の生き方である。貴族の矜持、権力者のしたたかさ、家族の利害を何より守ろうとする態度。幼い少女ですら、その生き方を鮮明にする。ヒューマニズムがちらちらするのは御愛嬌と云うところか。殆ど高級な水戸黄門である。センスの良い読み物として大いにお薦めする。 | ||||
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「書物狩人」シリーズ第2弾。 ル・シャスールという書物狩人が活躍するこのシリーズは、かなり好き。 現代史の謎を虚実交えながら、書物、記録の持つ力を描いている。 記録を残すことって大切だ。それがどんなに都合が悪いことであろうと、この世から消滅させることは、全人類に対する罪だ。なんて、記録管理の重要性を改めて感じた。 おさめられている作品の中では、特に冒頭のガルシア・ロルカの話が面白かった。スペイン内戦のこと、よく読んでた昔を思い出しながら、こんなこと、実際にありそうだなって感じていた。 ほかの作品も、綿密な調査がなされており、とてもリアリティがある。 | ||||
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