バウドリーノ
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著者は、博識で優れた語り手だけに、いろいろな肉付けがあって、ストーリーを読むだけでも目新しく、おもしろい。(史実と絡ませて語る前半より、奇想天外な後半の方が読みやすい。) でも、書きたかったテーマは何だろうか?と思ったら、 歴史は権力者による脚色や(時には)嘘があり、聖遺物も人間が作り出したものもある。信仰は、本来は行動規範であって、お互いに争い合うものではないはずである。それでも、過去に幾多の争いで数多の血を流してきた。そして今も続いている。。。 そんなことをエーコ は伝えたかったのかなと、思いました。また読んで、じっくり考えてみたいです。 | ||||
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ウンベルト・エーコの小説を初めて読みました。史実とファンタジーがうまくブレンドされて、摩訶不思議な魅力のある、奇想天外のストーリーが素晴らしいと思いました。バウドリーノ、「詩人」とその仲間達、フリードリヒといった登場人物もそれぞれ個性的で、魅力があります。翻訳なのか、それとも原文からそうなのか分かりませんが、淡々とした語り口・文体で、ギョッとするような異常事態が語られる場面が幾つかあり、一瞬驚いた後に、思わず苦笑いを浮かべてしまったことが何度かありました。 やや難があるのは、まず、とても長いので、最後まで読み切るのが大変なことと、キャラクターの名前や種族の名前が日本人にはやや馴染みがない名前になっていて、覚えにくく、誰のことなのか、どの種族のことなのかが分かり難いし、覚え難いことです。この名前の馴染みのなさがこの本を読み難くしていますし、長く感じてしまう原因の1つになっていると思います。 ただ、チャレンジする価値のある、読み応えのある小説であることは間違いないです。上巻の途中までは、その長さにギブアップしそうになったことが何度かありましたが、途中からは、この小説の不思議な魅力に惹かれ、途中で止めることはできないと観念し、長かったですが、なんとか最後まで読み終えました。3週間ほどで上巻と下巻を読み終えましたが、この期間中、通勤時間はこの不思議な世界に浸っていました。 | ||||
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『薔薇の名前』で知られるウンベルト・エーコ作『バウドリーノ』岩波文庫下巻では、主人公バウドリーノが遂に東方へ旅立つ。 上巻に続き、ビザンチンの歴史家ニケタスに自らの生涯を語っているバウドリーノ。 自他ともに認める嘘つきである彼(但し、町を守る為など、良かれと思っての事ではある)が語る物語は、ますます奇想天外な世界へ突入する。 アーサー王伝説でも主要なモチーフとなる「聖杯(キリスト磔刑時の血を受けた盃)」までも作り上げてしまったバウドリーノ。 この聖なる一品を伝説的な東方の君主「司祭ヨハネ」に献上するという名目で、12人の賢王を装って皆で司祭ヨハネの王国を目指すのだが・・・ 犬頭人や、文庫上巻の表紙に描かれている、胴体が歩いているような人間(?)などは実際に中世の著述に東方の驚異として出てくるが、 バウドリーノもそういった存在に遭遇し、様々な冒険をしていく。果てしなく長く遠く且つ不可思議な道程を進み、遠い遠い町に滞在するバウドリーノ一行のストーリーは、 異世界が広がっていて、読んで非常に面白い内容になっている。と同時に、バウドリーノの語る驚異の世界は本当なのか?という疑問は上巻以上に生じてくるわけである。 いずれにせよ、バウドリーノが語り終わったところで、(物語中における)現実の、今の状況に引き戻されるわけだが、そこでもう一捻り、新たな驚きの物語が生じる。 このラストの辺りは、現実に起こったことなのだが、それがこれまでのバウドリーノの話とちゃんとつながっているのである。 やはりバウドリーノは本当に驚異に満ちた土地を旅してきたのだろうか・・・ 『バウドリーノ』は史実、中世ヨーロッパの作品の内容、著者の創作、著者の美学・記号論学者としての学識とが絶妙に織り合わされ、 物語の中で物語が語られるという二重のフィクションの構造を持ち、且つ、普通に読んで楽しめる力作である。 | ||||
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『薔薇の名前』が有名なウンベルト・エーコ(伊、1932-2016)による、『薔薇の名前』同様に中世ヨーロッパを舞台とした作品である。 但し、中世の世界を描いてはいるが、中世ヨーロッパ文学の模倣となっているわけではなく、あくまで現代の作品である。 今回の『バウドリーノ』は、同名の主人公が、自分の経験したことをビザンチンの歴史家ニケタスに物語るという体裁になっている。 いきなり話が始まるため、物語の舞台設定が掴みにくく、最初の方は、本作は結局何を描いていくのだろうかと思わされたが、 主人公バウドリーノの状況が少しずつ明らかになるにつれ、また、物語が進むにつれ、次第に面白くなっていった。 特に下巻のほうは、先が気になる展開となり楽しく読める。 バウドリーノは、会話をしばらく聞いていればその言語が操れるようになるという特異能力の持ち主であり、嘘も上手い。 これを活かして、12世紀の神聖ローマ皇帝フリードリヒ「赤髭王(バルバロッサ)」の養子となり活躍するのだが、 先述のように嘘が巧みであるため、果たしてバウドリーノがニケタスに語り続ける生涯はどこまで本当なのかという疑問が生じる。 バウドリーノも、悪気があって嘘を言っているわけではなく、町を守る為など、何かの策略として嘘を上手く利用している人物であるので、 仮にニケタスに語っている話が大法螺であったとしても、それによってニケタスを騙そうとか、自慢しようという感じではない。 そもそもフィクションの中で話の真偽を問うこと自体が変なのだが、バウドリーノの性格のせいで、フィクションの中に更にフィクションが入り込んでいるかもしれないという、複雑な枠組みができあがっている。 | ||||
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いやぁ、内容がかなり難しいので最後まで一気に読むと云うより少しずつ読んでいたら一月以上かかりました。ただ読了後、読んだと云う感慨を覚えました。 | ||||
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