本の町の殺人
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Lorna Barrettの『Murder is Binding』(2008年)の翻訳。 <ブックタウン・ミステリ>シリーズの幕開けである。 イギリスのヘイ・オン・ワイを思わせる「古本の町」が舞台。ただ、蘊蓄系というのではない。複雑に入り組んだ人間関係を物語の根幹に据えた、骨太のミステリだ。誰もが怪しげで、最初は信頼できそうに見えたひとたちも、いつの間にか疑わしくなっていくという、ミステリのお手本のような書きぶり。 ただ、真相の割れるのが早すぎるのでは……? | ||||
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ブックタウンミステリ・シリーズとされるシリーズ物の第1弾。 裏表紙にも書かれているが、ライトミステリ物で込み入った内容にはなっていない。 他のレビューにも書かれているが、本の町の古書店のお話しだからと書籍のウンチクなどは期待してはいけない。ライト本といわれるビブリア古書堂シリーズの方がよっぽどその手の内容が濃いぐらい。こちらはあくまで、本の町の古書店店主の女性が事件に巻き込まれるストーリーである。いちおう本が絡みはするが、本の内容などとは関係がない。 よくある素人探偵が大活躍するような話しではなく、殺人の第一容疑者とされた主人公が、何とか自らの潔白を証明しようと奔走する内容で、冴える推理とかひらめく感などは発揮しない。このあたりが実にリアルだ。この主人公はミステリ小説の専門店を開いており、自らも多くのミステリを読んできた。普通ならその知識をもって事件解決に向かうのだが、実際はそんなことは無理ですよっという展開だ。幾らかの知識は披露するが、上手くいかず苦悩する。 この小説は謎解きを求めている人には向かない。どちらかというと、アメリカンドラマ的人間模様が好きな人向きだ。不仲であった姉との不器用な雪解けや、町の住人とのやりとりが描かれる。書店経営も若干。マイペースな姉との掛け合いはアメリカンらしく小気味良い。それにしても書店に猫というのはいつ頃定番になったんだろう。好きだが。 | ||||
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愛書家の夢が詰まった本屋だらけの町ストーナムの一番新しい書店主トリシアが殺人事件に巻き込まれ当てにならない警察を頼らず自力で事件解決に苦闘する活躍を描く〈ブックタウンミステリー・シリーズ〉第1作です。最近のコージー・ミステリーを読んでいて気づくのはバツイチのヒロインが増えた事で、本作もそうですが離婚の理由が単純な仲違いでなく割合に夫婦仲は円満なのに何故か別れてしまったというケースが多いですね。それだけ人生経験と苦労を重ねて人間を見る目が養われた芯の強いしっかりした大人の女性が現代のヒロイン像として魅力的で今や主流になっているのでしょうね。 本の町ストーナムでミステリ書店〈ハプント・ゴット・ア・クルー〉を営み商売繁盛で順風満帆な新米書店主トリシアだったが、偶然にも近所の料理専門書店〈クッカリー〉を訪ねた折に何と書店主ドリスの死体を発見してしまう。不運にもトリシアはそれから女保安官ウェンディからはあからさまに犯人と疑われ、住人達からは「町の死のジンクス」と噂される最悪の事態になる。大人しそうに見えて実は負けん気の強いトリシアは何とか汚名を晴らそうとかなり無茶な事をしながら事件の調査にかかるのだった。 コージー・ミステリーの良さの一つだなと思えるのは探偵役のヒロインがあまり頭脳明晰でなく謎を全て解明せず偶然に真相に到達してしまう点で、有名な名探偵みたいに偉そうだったり嫌味っぽかったりする事なく極普通の人らしくて安心できる事でしょうね。登場人物も少なくトリックにも目新しい独創性はありませんので大きな「びっくり」はやって来ませんが、でもその代わりに著者も「どやっ」とばかりに気合を入れるのでなく「さらっ」と書いていますので肩の力が抜け現実的で信じられる丁度良い安定感はあると思います。本書では何もしない最悪の女保安官が一番だらしなく、(まあ一応理由はあるのですが)でもやはり捜査のプロなのですからせめて基本的な確認ぐらいはして欲しかったですね。シリーズのレギュラー陣を紹介しますと、まずはお茶目で悪戯好きの飼い猫ミス・マープル、次に同性で気が合う働き者の従業員のギニーと常連客から従業員に昇格した初老の紳士ミスター・エヴァリットは共に頼りになりそうですね。それからお偉方の不動産業者ボブはチョイ悪役で今後も出て来そうですね。トリシアの姉のアンジェリカは最初こそ贅沢好みの嫌味な女に見えましたが、次第に押しの強い所はある物の下心のない妹思いの良い女性だとわかって来ましたね。そしてヒロインのトリシアは姉のお陰で毎度ピーナツバターパンの貧しい食生活から救われたり、強引な調査の為の忍び込みを後押しされたりと、彼女の本来の強い性格がムクムクと表に出て真犯人の捜査に熱が入りましたね。気の毒な老婦人への思い遣りの心や強い正義感は魅力的ですし、肝心の推理は完全とまでは行かず惜しかったですが、でも最後に絶体絶命の大ピンチを迎え追い詰められた時に取った思い切った行動はまさに称賛に値する素晴らしいがんばりでしたよね。元夫が嫌いで別れた訳でなく残念ながらロマンスとは当分縁の無さそうな風情のトリシアですが、「町の死のジンクス」の呼び名が再び人々の口に上る事となってまた新たな犯罪に巻き込まれるのでしょうか?次作が紹介される日を楽しみに待ちましょうね。 | ||||
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原題は『Murder Is Binding』.08年にアメリカで発表され,今も続くシリーズの一作目です. ただ,『本の町』という響きに,うんちくや謎を期待しているとガッカリとしてしまうかも…? まず,書店が軒を連ねると語られる割には,登場するお店があまりに少なくて雰囲気に乏しく, 事件の鍵を握るとある一冊にしても,正直なところ,宝石や骨董品でも代わりのききそうな内容. また,事件や犯人をというよりは,事件に巻き込まれて奔走する主人公を描いた物語の印象で, 会話が多く,読みやすい方だとは思いますが,主人公姉妹の惚れた腫れたといった話が目につき, 翻訳作品によくある『クセ』への違和感も含め,このあたりは好き嫌いが分かれてしまいそうです. 終盤,急転するサスペンス調の展開には,少しばかりドキドキさせられる部分もありましたが, 中途半端なままで終わった姉妹の確執など,ミステリ以外の物語の方でも物足りなさが残ります. このほか,巻末の『訳者あとがき』も,事務的というのか淡々としていて,こちらも少し残念です. | ||||
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ミステリ専門の古書店の店主が主人公ということで、ダニングの古本屋探偵クリフシリーズのような作品かと思って購入しましたが、大分違います。 ミステリ古書の薀蓄を期待したのですが、全然ありません。 主人公トリシアと姉のアンジェラとの、平穏ではなかった関係から醸し出されるやりとりなど、小説としては面白く読めますが、古書好きがわくわくするミステリというわけではありません | ||||
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