マーチ家の父 もうひとつの若草物語
- 歴史小説 (99)
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「もうひとつの若草物語」とありますが、著者が違うので別の物語です。設定(時代とか登場人物の構成が同じだけ)が同じなので、「裏若草物語」みたいで興味深く読めました。南北戦争の血みどろの戦闘シーンとか北部軍での黒人の扱いとかマーチ夫妻の驚くような一面が容赦なく描かれてます。黒人女性のグレイスが重要な人物として登場しています。日本ではリンカーン大統領は奴隷解放を行った「尊敬される人物」として有名です。しかしリンカーン大統領暗殺事件の犯人関係者として無実の人が処刑される映画では「その中の一つの政策に過ぎない」と言ってます。そしてそれを裏付けるような会話がしばしば出てきて、読むのが辛くなりました。後書きでは「マーチ氏は理想主義者」と書かれてますが、私は「マーチ氏は暴力的では無いが自分の思った通りに物事は動くし賛同されると信じ込んでる人」「マーチ夫人は歳を重ねても暴力的に思いを遂げようとする感情をコントロール出来ない人」として描かれていると思いました。終盤にグレイスとマーチ夫人が出会う場面とか、マーチ氏の「思い込み」がグレイスに否定される場面ではとてもスッキリした気持ちになりました。マーチ夫妻の周囲の人は優しすぎるので「誰かが言わねば」とイライラしていたからです。今まで沢山小説を読んできましたが、これほど好意を持てない主人公は初めてです。マーチ夫妻のような人がそばに居たら、お付き合いは遠慮したいですね。最後に一つ見習いたい事があります。著者の母親は「若草物語」を注意を与えて薦めてます。どんな注意を与えたかは、是非読んでみて下さい。これは出来そうでなかなか出来ない事です。親の立場としては、注意を与える様な書物を見せたくないからです。(勝手に見てしまうのは別です)時々著名人の方で「両親は進んだ人で…」と同じ様な事を話されているのを見た事があります。やはりそれぐらいでないと、自分の考えを持てないのでしょう。散々制限して置いて「自分の考えはないのか!」は有り得ないのかも知れません。 | ||||
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この本を本屋で見たときに、 若草物語をきちんと読んでから、改めて手に取ろうと決めた ふと語られる姉妹たちの事を知らなければ、 この本は成り立たない。手に取る人は、若草物語に親しさを持った人だろう。 その語られなかった部分を表現しようとした、試みに挑戦したことがすごい。 その睦まじい家庭の様子が物語のすべてと思っている読者を敵にまわすことになるだろうことは当然だ。 わたしは、不在の父の、あっただろう経験と苦悩を素直に読んだ。 母の、娘たちに見せることない内面も納得した 映画も何本か見たが、最新作で母がジョー以上に感情を抑えられなかったと語る場面がとても心に残った。そうだったのか、改めて知ったと思った。 今作は、その母の気質がくどいほどに語られる。 マーチ家の父 とあるが、個人的には、母の物語であるようにも思う。 ページ数と内容は、グレースを登場させることにより、絶対的に父の物語なのだが。 母の描写になる後半の方が、物語に入り込んで読めた。 物語のスピンオフではない。 確かに、描かれなかった父と母が人間として厚みを持たされたのだろうと思う それにしても、若草物語の新訳は出ないのだろうか。 読みにくい、と思う読者はいないのだろうか? | ||||
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タイトルそのまま、マーチ家の父について書かれたスピンオフ…と言うよりはパスティーシュかと思います。 内容については他の方が書かれている通り、南北戦争に牧師として従軍した「お父様」側からの記述なので基本的には暗く重苦しいテンションが続きます。 ですが、この作者の若草物語への愛情がその重苦しさを払拭する程に素晴らしいです。 「かつてジョーよりも酷い癇癪持ちであった」と若草本編で記述される「お母様」の若い頃の話や、メグが述懐する裕福だった頃の暮らし、ジョーを殊更可愛がっていた亡きマーチ叔父や本編とは少し違った面を見せるマーチ叔母など、本編を読み込んでいれば読み込んでいる程に「あの時の話か!!」と繋がる箇所が多いです。 大人になる程に、自分の両親はあくまで一人の個人であり、子供には両親なりの理想形しか見せまいとしていた事が分かる時があります。 それを実感できるような一冊。 かつてジョーであった元愛読者達に、心からお勧めします。 | ||||
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他の方も書いているが、「若草物語」原作のファンであればあるほど、この作品を読むことでそのイメージが大変損なわれる可能性がある。 「若草物語」が逆境にある人の優しさや強さを描いたものであるとするならば、この作品は人の弱さや醜さを描いているからだ。 いっそタイトルを変えたほうがいいのではないかという気がする。 南北戦争時の様子、戦いに参加した側の心理(理想と現実)はとてもよく伝わったが、ここに描かれる主人公の姿は思い込みが激しく身勝手に感じられる。 「若草物語」の世界がとても好き、という人にはお勧めしない。 | ||||
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以前、アメリカという国に住んで思ったのは自分があまりにもアメリカ史を知らないということ。アメリカの国のあり方(成り立ち)を多少なりとも理解するという点で、一市民の視点から書かれたこの本は良いと思いました。子供のころに若草物語を愛読していたせいかもしれませんが、主人公が従軍中の「若草物語の父」という設定もすんなりと物語の世界に入り込む助けとなっています。読んでいる間は当時の空気が肌にまつわりつくような感じを受けました。軽い本ではないので3日ほどかけて読みましたが、途中で飽きるということはありませんでした。訳文もきれいです。 | ||||
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