嘘の木
- コスタ賞受賞 (2)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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イギリスの児童文学者の本邦初訳作品。ファンタジー作品であり、少女の成長物語であり、事件の謎を解くミステリー作品でもある。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ファンタジーとサスペンス、それぞれの要素がうまく混ざっていてドキドキしながら読んだ。 本書は博物学が好きな14歳の少女フェイスの視点で描かれていく。 物語の序盤は、なぜ家族が島へ移住することになったのかが分からず、また島で知り合う登場人物の多さや、フェイスの周囲の人間関係を把握するのが大変だった。 それが中盤以降、尊敬する父が不審な死をとげるところから一気におもしろくなってくる。 父の死は事故か殺人か自殺か、父が隠していたことは何か、家族が島へ移住することになった理由、各関係者の利害関係などを調査するため、フェイスが嫁入り前の少女という鎧を脱ぎ捨てて、父の復讐という名目で一心不乱に調査していく展開は読み応えがあった。 19世紀のイギリスでは、女性は結婚するまでは親のすねをかじり続けるだけで、なんらかの職業で身を立てることが難しい時代。 そんな時代に生まれながらも、植物や解剖の勉強が好きで親の前では反抗しない優等生のフェイスが、持ち前の賢さと怒りからの行動力を生かして、他者に嫌がらせをしたり、脅迫したり、嘘をついたりしながら真相に迫っていく姿は鬼気迫る勢いがあった。 また、嘘を養分として成長するという不思議な木の存在も本書の鍵となってくる。 小さな嘘が炎のように広がるとともに成長する木、その木の果実を食べると誰も知らないことを脳内に教えてくれるという謎の現象、それが事件の真実とどう繋がっていくのか。 終盤は様々なピンチを迎えるが、それに立ち向かっていく勇敢な少女の物語は読後感もよかった。 | ||||
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異生物の嘘の木にまつわるファンタジー、SF、サスペンス活劇と、盛りだくさんな要素を詰め込んだ作品。意外な展開が続くストーリーラインもだが、娘が両親への無条件の憧れを卒業して現実を受け入れる、というテーマが面白かった。父親は人々に尊敬される立派な人。母親は美しく守ってあげたい人。意識の上ではそう信じている主人公。でも文章の端端に、そのテーゼとは反対の現実を感じながら必死で否定している健気な娘の心情が垣間見える。最後には娘というより女同士対等の立場で母親を批判的に見るまでに成長する。 同じ作者の「カッコーの歌」が一番のおすすめ。 | ||||
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ある学者が捏造の疑いをかけられ、僻地に隠れ住み・・・というお話。 上記だけだと何だか判りませんが、ある特殊な木を発見した学者がそれが原因で不審な死に方をし、その娘が真相を求めて、独自に捜査し・・・というお話でした。 一応、ジュブナイルという事で、若い人向けらしいですが、ファンタジー風の設定を許容すれば、年齢の高い人が読んでも結構面白い作品ではないかと思いました。 ここで、著者が嘘をネタにした理由を憶測すると、人生の中では時に嘘をつかないといけない場合もあり、単純な二元論で割りきれない複雑な状況もありうる、場合によっては嘘をついた方が慰めになったりする(白い嘘というらしいですが)事もあるという事実を若い人に伝えたかったのではないか、と思いましたがどうでしょうか。 推理小説としての結構も備えており、そういう小説としても楽しめましたし、上記の様なビルドゥィグス・ロマンとしても意義のある作品に思えました。ただ、宮部さん程の感動はしませんでしたが。 ともあれ、読んで損のない高年齢でも読み応えのあるジュブナイルでした。機会があったら是非ご一読を。 | ||||
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紹介文を読んでファンタジー、ミステリ、19世紀と、面白要素でいっぱいの児童文学的ミステリを楽しもうと思ったら、期待には応えられないかもしれません。 ことのほか現代的、ジェンダー的なテーマが重くのしかかってくるし、アクが強すぎて好感が持てないキャラクターばかり。なぜかというとエンターテインメントである前に「文学的」な意味で評価の高い作品だから。上記の意味で、私には楽しむことができませんでした。 | ||||
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ほんとの話にちょこっとファンタジー。匙加減が素晴らしいです。 字が小さいけど、内容的には本好きな中学生も楽しめるのでは。アニメーションにできそうな話ですね。 高額なので迷いましたが、書店のレジに出すときには、「これ買っちゃうよ!」と気分が高揚し「ああ、本を買った!」というワクワクがありました。 ずっと気になっていたのですが、手に入れてよかったです。本があれば、好きそうな友だちに譲ることもできますからね。 | ||||
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