(短編集)

早朝始発の殺風景



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初公開日(参考)2019年01月
分類

短編集

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早朝始発の殺風景 (集英社文庫)

2022年01月20日 早朝始発の殺風景 (集英社文庫)

青春は気まずさでできた密室だ――。 今、最注目の若手ミステリー作家が贈る珠玉の短編集。 始発の電車で、放課後のファミレスで、観覧車のゴンドラの中で。不器用な高校生たちの関係が、小さな謎と会話を通じて、少しずつ変わってゆく――。 ワンシチュエーション(場面転換なし)&リアルタイム進行でまっすぐあなたにお届けする、五つの“青春密室劇”。書き下ろしエピローグ付き。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

早朝始発の殺風景の総合評価:8.64/10点レビュー 14件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
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(6pt)

早朝始発の殺風景の感想

高校生の日常におけるちょっとした一コマの出来事をミステリ仕立てにした短編集です。

表題『早朝始発の殺風景』は、始発の電車で遭遇した普段あまり話さない同級生との一コマ。
『メロンソーダ・ファクトリー』はファミリーレストランでクラスメイトと学園祭準備の打合せでの一コマ。
『夢の国には観覧車がない』は部員達と遊園地に遊びに来たときの一コマ。
という具合で高校生活の日常の1場面を切り抜いてそこで起こる日常の謎を扱います。

これといった印象強い派手な要素はないのですが、高校生活における空気感や友人達の微妙な距離感が見事に描かれており雰囲気を楽しむ事ができました。テーマが揃った短編が集まっている為、短編集として整った作品であると感じます。

個人的には『夢の国には観覧車がない』が好み。
人物配置、場所、状況、何故そうしたか、全てに無駄なく高校生活の日常としても合っていて良かったです。

エピローグも巧く作品全体をまとめており、各人達のその後が見えてなんだか嬉しいサービスに感じました。

egut
T4OQ1KM0
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

早朝始発の殺風景の感想


▼以下、ネタバレ感想

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氣學師
S90TRJAH
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No.12:
(5pt)

表題作は「ひたぎクラブ」を意識していると思うのだがどうか

ジャンルとしては、殺人事件など大きな犯罪が起きない、いわゆる「日常系ミステリ」。形式としては各話に共通する点がある「連作短篇集」である。さらに自分としては以下の3つの大きな要素に気づき、感嘆した。

 2話目まで読めばすぐ気づくことだが、登場人物たちが「啄木高校」という「架空の土地にある架空の高校」に通う高校生であること、つまりこの連作短篇集は高校生の男女たちの「青春小説」であると同時に、ゆるやかな結びつきを持つ「群像劇」でもある。

 全ての短篇が「会話劇」で成り立っていること。しかも、これは気づいた方がどれだけいるのかわからないが、「三一致の法則」を貫いている点。演劇に詳しくない方は知らないかもしれないが「三一致の法則」とは「場所の一致」「人物の一致」「時間の一致」といフォーマットであり、やや具体的に言うと「決まった場所で・決まった登場人物が・観客(この場合は読者)と同じ時間を共有する」手法である。 そのため、6つの物語は「電車の車内」「ファミレス」「観覧車」「公園のレストハウス」「クラスメイトの部屋」など、常に舞台が最初から最後まで動かない。

 最後に、これは解説の池上冬樹も触れていないので、気づいていない方が多いと思うのだが、この5つの短篇が「ヲタクのフォーマット」に準じていること。三一致の法則のため、各短篇で会話劇をくり広げる登場人物は限られた小人数なのだが、それが「男女のノマカプ」「百合」「BL」「あにいもうと」というヲタクにはなじみ深い王道のジャンルなのだ。

「日常系ミステリ」「連作短篇集」「架空の高校」「青春小説」「群像劇」「会話劇」「三一致の法則」「ノマカプ」「百合」「BL」「あにいもうと」ここまで詰めこんでいながら物語はとても軽やかで淡い。この短篇集を「ミステリとして軽い小品」と判断することは間違っていない。けれど――10代や20代前半に読んでいたら宝物になる、そんな小説ってあると思う。

 最後に表題作……キャラクターの名前といい、性格といい、会話といい、「ひたぎクラブ」を意識していると思って間違いないと思うのだがどうか。
早朝始発の殺風景 (単行本)Amazon書評・レビュー:早朝始発の殺風景 (単行本)より
4087711749
No.11:
(4pt)

若者たちの心理戦

六遍のショートストーリーから成る短編集。

どの話も登場人物が二人で話をしているシーンが展開される。何気ない日常を描くのかと思いきや、それは会話しつつの心理戦で、読んでいて「あれ?」と思う違和感がじわじわ寄ってくる。あ、やっぱ変だよね?となる不思議な展開。

最後はどれもちゃんと種明かしがされるので、安心して読めますよ。
早朝始発の殺風景 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:早朝始発の殺風景 (集英社文庫)より
4087443396
No.10:
(5pt)

青春の空気感

著者の「地雷グリコ」を読んで面白さに圧倒され後れ馳せながら他の作品の狩猟を始めました。先ずは「体育館の殺人」からの初期シリーズに進もうとしたものの千年変わらぬ創元推理文庫の文字の小ささに畏れをなし購入をためらっていた矢先、集英社文庫から一冊だけ出ているこの薄い本を書棚で見つけ即購入、一気読みでした。全五話いずれも高校生が主人公のちょっとした謎解き要素がある青春ミステリーといった趣きですが、私はそれぞれのシチュエーションで彼ら彼女らが醸し出す空気感に心惹かれました。殺風景と始発電車で偶然乗り合わせ二人だけの車内であんな風な時を過ごせた加藤木が羨ましい、てな具合です。こうなったら心を鬼にして「体育館の殺人」シリーズも老眼鏡の助けを借りながら読み通そう、そんな決意を固めた今日この頃です。
早朝始発の殺風景 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:早朝始発の殺風景 (集英社文庫)より
4087443396
No.9:
(5pt)

これは、とっても洒落たミステリーですね。期待以上に楽しめました。

収録された五つの短篇のどれもが、
◎同じ地域にある、電車の中とか観覧車の中とか、どこかの空間を舞台にしている。
◎その地域の高校生二人もしくは三人の会話によって話がすすんでいく。
という共通点があります。

一読、とても洒落たミステリーだなあと思いました。さくさくっと読めて、「あっ、そうか!」と手のひらを打ち合わせたくなって、ほろりとさせられる温かみもあって‥‥。
期待以上に楽しめた一冊です。
とりわけ、「早朝始発の殺風景」「夢の国には観覧車がない」の二篇が気に入りました。

あと、タイトルにある〈殺風景〉って、ほにゃららら(言わぬが花かもと思って、こんな言葉遣いに)なんですね。最初の表題作でそれ聞いた時、一瞬「はあっ?」となって、ぽかんとしてしまいました。
早朝始発の殺風景 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:早朝始発の殺風景 (集英社文庫)より
4087443396
No.8:
(4pt)

面白く、軽く読めるのだが、何かものたりない

★重大な犯罪を推理する、と言う話ではなく、身近に『あれ?なんだろ?』と思った違和感を解きほぐす、というお話です。その視点は面白いと思う。
★テンポ良い筆致で書かれており、とても読みやすく、あっと言う間に読み終えてしまいます。もう少し、ボリュームあって欲しいかな(もうほんの少しで良いから・・・)と思いました。
★何か物足りない感じは読後に残ります。
★エピローグの部分は有ってしかるべき、と思いました。
早朝始発の殺風景 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:早朝始発の殺風景 (集英社文庫)より
4087443396



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