早朝始発の殺風景
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初版刊行(参考)
種別
短編集
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あらすじ
評判
早朝始発の殺風景の評価:
6.50/10点 レビュー 2件。 B ランク
早朝始発の殺風景の総合評価:
8.64/10点 レビュー 14件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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2話目まで読めばすぐ気づくことだが、登場人物たちが「啄木高校」という「架空の土地にある架空の高校」に通う高校生であること、つまりこの連作短篇集は高校生の男女たちの「青春小説」であると同時に、ゆるやかな結びつきを持つ「群像劇」でもある。
全ての短篇が「会話劇」で成り立っていること。しかも、これは気づいた方がどれだけいるのかわからないが、「三一致の法則」を貫いている点。演劇に詳しくない方は知らないかもしれないが「三一致の法則」とは「場所の一致」「人物の一致」「時間の一致」といフォーマットであり、やや具体的に言うと「決まった場所で・決まった登場人物が・観客(この場合は読者)と同じ時間を共有する」手法である。 そのため、6つの物語は「電車の車内」「ファミレス」「観覧車」「公園のレストハウス」「クラスメイトの部屋」など、常に舞台が最初から最後まで動かない。
最後に、これは解説の池上冬樹も触れていないので、気づいていない方が多いと思うのだが、この5つの短篇が「ヲタクのフォーマット」に準じていること。三一致の法則のため、各短篇で会話劇をくり広げる登場人物は限られた小人数なのだが、それが「男女のノマカプ」「百合」「BL」「あにいもうと」というヲタクにはなじみ深い王道のジャンルなのだ。
「日常系ミステリ」「連作短篇集」「架空の高校」「青春小説」「群像劇」「会話劇」「三一致の法則」「ノマカプ」「百合」「BL」「あにいもうと」ここまで詰めこんでいながら物語はとても軽やかで淡い。この短篇集を「ミステリとして軽い小品」と判断することは間違っていない。けれど――10代や20代前半に読んでいたら宝物になる、そんな小説ってあると思う。
最後に表題作……キャラクターの名前といい、性格といい、会話といい、「ひたぎクラブ」を意識していると思って間違いないと思うのだがどうか。