ぼくの家族はみんな誰かを殺してる



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    初公開日(参考)2024年07月
    分類

    長編小説

    閲覧回数433回
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    ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)

    2024年07月24日 ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)

    ぼくたちカニンガム家は曰くつきの一族だ。35年前に父が警官を殺したあの日以来、世間からは白い目で見られている。そんな家族が3年ぶりに雪山のロッジに集まることになったのだから、何も起こらないはずがない─その予感は当たり、ぼくらがロッジに到着した翌日、見知らぬ男の死体が雪山で発見された。家族9人、それぞれが何かを隠し、怪しい動きを見せるなか、やがて第2の殺人が起こり……。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    ぼくの家族はみんな誰かを殺してるの総合評価:7.75/10点レビュー 4件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (7pt)

    謎解きミステリーの真髄、という謳い文句は妥当か?

    本邦初訳となるオーストラリア作家の長編ミステリー。最近のミステリーが物足りなく、探偵小説黄金期の手法で現代ミステリーを書いたのが本書だという。前文に1930年の「ディテクション・クラブ会員宣誓」を、本文の前にわざわざ「ロナルド・ノックス『探偵小説十戒』(1928年)」を掲載してあることからも、その意気込みが分かる。
    スキーシーズン真っ盛りのスキーリゾートに、カニンガム一家が顔を揃えることになった。主人公はミステリーの書き方ハウツー本を業とする作家アーニーで、殺人で服役していた兄のマイケルが3年ぶりに戻ってくるのを祝うためだった。ところが猛吹雪に襲われた翌朝、ゲレンデで見知らぬ男の死体が発見され、マイケルが地元警官に拘束されてしまった。カニンガム一家は35年前に父親が強盗事件で警官を射殺し、自分も殺されたのを筆頭に、交通事故で相手を殺してしまった叔母、外科手術で患者を死なせた義妹などメンバー全員が何らかのやましい過去や隠し事を持っていた。アーニーは身元不明死体の謎を解くべく調査を始めるのだが、すぐに第二の殺人が発生。さらに猛吹雪で全員がロッジに閉じ込められることになる。
    外部から切り離された環境、怪しい動機を隠したメンバーが一人、また一人と消えていく。まさに古典的フーダニットの典型である。また、ノックスの十戒に忠実に謎解きの鍵は全て本文中に書かれていて、読者に名探偵になるチャンスを与えている。英国本格派謎解きミステリーのファンなら垂涎の作品だろうが、アーニーの謎解き大団円にちょっとした違和感があり、個人的には不満が残った。
    本格フーダニットのファンにオススメする。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.3:
    (3pt)

    全て揃ってはいるが?

    確かに謎解きの要素は揃っており、最後のどんでん返しもあるが、何故かすっきりしない。没入して謎解きが出来ない。残念。
    ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)より
    4596961328
    No.2:
    (4pt)

    古典的な面白さ。だけど古臭くない

    古典ミステリを思い出す面白さ。最後にきっちり回収してくれて、もう一度読み返したくなる。そういう作品だと予め聞いていたので「騙されないぞ」というつもりでじっくり読んだのだが、それでも見逃していたところが多かった。

    犯人はわかる人はすぐわかると思うが、それを措いてもメインの事件以外の謎、タイトルの回収、ウィットに富んだ語り口で楽しませてくれる。軽妙な語り口で、ミステリとしては古典的なのに決して古臭くはない。
    本国では第2弾が出ているらしく、そちらもぜひ読んでみたい。
    ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)より
    4596961328
    No.1:
    (5pt)

    黄金時代の本格推理小説を彷彿とさせて、素直に楽しめる作品

    久々に家族で再開する為、雪山に集まった家族に殺人が起こり・・・というお話。

    著者の方は最近のミステリを読んであまり感銘を受けなかったので、アガサ・クリスティなどの30年代に本格推理小説を読んだら面白く、それを現代で展開したらと思って書いたそうですが、そういう感じの作品になっております。

    登場人物が多く、その属性、キャラ、名前を把握しながら読む進むのが大変ですが、その辺も昔のミステリらしかったです。

    錯綜する謎、二転三転するプロット、最後の謎解きと、黄金時代の推理小説を彷彿とさせる展開には、若い頃学校の図書室で読んだジュブナイルのミステリっぽく、素直に楽しめました(探偵役のアーネスト・カニンガムという名前もマージョリー・アリンガム風ですよね)。

    かねがね、欧米の推理小説は、謎解きよりも小説として深化する方向に向かっている感じがしておりましたが、この著者の方みたいに、謎ときなどに重きを置く作家もいらっしゃる様で、個人的には嬉しいです。

    黄金時代の本格推理小説を彷彿とさせて、素直に楽しめる作品。ぜひご一読を。
    ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)より
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