ほんとうの名前は教えない



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初公開日(参考)2024年08月
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長編小説

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ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)

2024年08月30日 ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)

生きるため、他人になりすましてきた“わたし”。今回はボスから、エヴィという女の経歴を使い、ある男の裏稼業について調べろと指令を受けた。偶然を装って男と出会い、調査を続けていたある日、状況が一変する。パーティで出会った女性が、自分そっくりの外見で、自分の本名を名乗り、自分の経験を語ってきたのだ。女の目的は? “わたし”を陥れようとしているのは何者なのか? 〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー第1位の大型サスペンス!(「BOOK」データベースより)




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ほんとうの名前は教えないの総合評価:8.17/10点レビュー 6件。Cランク


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(7pt)

信用できない語り手の新バージョン

ヤング・アダルトで実績がある米国女性作家の初の大人向け長編ミステリー。ボスに強制されてなりすましで仕事をしてきた若い女性が調査対象者に恋をして、揺れ動きながら組織に反逆するノワール・サスペンスである。
エヴィーと名乗って調査対象のライアンに近づき、いい関係に持っていき着々と任務を果たしていたのだが、ライアンと出かけた先で自分そっくりの外見で、自分の本名であるルッカと名乗り、自分の経歴を披露する女性に出会い驚愕する。「私になりすましてるの何者か? 何の目的があるのか?」。ルッカの正体を追い始めたエヴィーは組織のボスの意図を察知し、自分の任務や役割が変化していることに気が付いた。果たして今まで通りのやり方でいいのか、否か。ITの天才でかけがえのない仲間であるデヴォンとともに知恵を凝らして組織に対抗しようとする…。
ライアンの調査という現在のパートと、エヴィーになるまでの経緯が語られる過去のパートが重なり合って、物語の全体像が明らかにされるストーリー展開は見事でサスペンスがある。最後のオチもなかなか。「信用できない語り手」の作品は数々あるが、その中でも斬新なアイデアが光る作品である。欲を言えば、恋愛のパート、人物造形がいかにもヤング・アダルト風でやや物足りない。
ロマンス風味が強いノワールもののファンにオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.5:
(1pt)

最近の女性ミステリー作家に多い駄目パターンの小説

たとえば、クリスティン・ペリンの『白薔薇殺人事件』もそうなのだけれど、散々悪事をはたらいてきた主要な登場人物が、主人公の身内とかそれに近い状態に確定した途端、それまでの悪事が不問にされ、そのままハッピーエンドになだれ込むという、「それでいいのか?」と思わず口にしてしまうようなお話。ヒロインの価値観だけが押しつけられて終わった感じがして、柄にもなく「時間の無駄」について考えてしまった。
ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)より
4488128084
No.4:
(5pt)

期待以上

読む前に予想した感じが全て良いほうに裏切られる。途中から一気にテンポが良くなり、期待が膨らみ止めれない。爽快感も十分。
ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)より
4488128084
No.3:
(5pt)

(2024-115冊目) 謎の主人公の成長が感じられる、実にスリリングな大人のサスペンス小説

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「わたし」エヴィ・ポーターは、ルイジアナ州の小さな町レイク・フォービングで恋人のライアンと同棲生活を始めたばかり。ある日、ライアンの古い友人が恋人を連れて会いに来る。その恋人の名を聞いてわたしは衝撃を受ける。ノースカロライナ州イーデン出身のルッカ・マリノと名乗ったからだ。イーデン出身のルッカ・マリノというのは、わたしの本当の名前だ。しかも生い立ちも母親を病気で亡くしたことも、さらには外見までが、わたしとそっくりなのだ……。
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 アメリカの作家アシュリィ・エルストンが今年(2024年)1月に発表したスリラー小説『First Lie Wins(最初の嘘がとおれば、あとはよし)』の邦訳文庫です。原作本は、アメリカ本国のAmazonが今日現在、「今のところの今年のベスト本トップ20」にも選出しています。
 日本の洋書専門店でも平積みされているのを横目に見ていましたが、邦訳が今年8月に出たと聞き、早速手にしました。これは抜群の面白さを湛えた物語でした。
 作者のアシュリィ・エルストンはYA分野で作品を発表してきた作家だそうですが、今回はヤングアダルト市場から大人向けの本の市場へと移り、新たなエージェントと出版社とともに、新規蒔きなおしを図った」(「謝辞」483頁)とのこと。確かに大人の物語としてわたしは大いに楽しみました。

 一人称で語る主人公が、実は自分はエヴィ・ポーターではなく、しかも会ったこともない他人が自分の本当の身元を騙って眼の前に現れたという、奇妙奇天烈な話が語られます。ルッカ・マリノを騙る女は何が目的なのかもさることながら、そもそもエヴィ・ポーターは一体何者で何を隠しているのか、その二重の謎を追う物語は読んでいて目眩がします。
 しかし、この二つの謎はひとつひとつ薄皮を剥ぐように、ゆっくりゆっくり明らかにされていきます。その過程の描き方が見事です。しかも現在と過去が交互に描かれますが、過去に発生するおのおのの小イベントがこれまた手に汗握るサスペンスに満ちています。ページを繰る手を休めることができません。

 500頁に垂(なんな)んとする長編ですが、翻訳を担った法村里絵氏のリーダビリティの高い和訳文に大いに助けられました。法村氏が訳した作品を読むのは今回が初めてですが、物語の流れを止めるようなバタ臭い翻訳調の日本語は一切ありません。

 そしてこの物語の最大の魅力は、こうした謎解き、あるいはスリリングな展開にだけあるわけではありません。エヴィと名乗る主人公がやましい行いを続けながらひとつのことを学んでいく道程が魅力的なのです。
 エヴィが知るそのこととは、人との健全な関係は、自分の利益を第一に考え、相手の弱みを握って、その心を自在に操るような形では決して築けないということ。そうではなく、人に寄り添い、心を通わせることこそが、人間関係を築く要諦である、という真理です。だからこそ、当初は「わたしを気にかける人間はわたししかいない。わたしが生き残るために力を尽くせる人間は、わたししかいない。わたしには自分しかいないのだ」(164頁)と胸の中でひとり叫ぶしかなかったエヴィが、素直に頼れる誰かを見つけていく過程が徐々に描かれていきます。そんなふうにしながら築いていった人間関係が、幾度もエヴィを絶体絶命の危難から救ってくれることになり、その様子に心洗われる思いがします。
 
「目的を持って高潔な人生を生きるのだ」(351頁)
 そう決意し、偽りの人生から決別していく主人公の姿が実に爽やかな、大人の物語です。

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 日本語で読んでいておやっと首をかしげた箇所がいくつかありました。編集担当者と校正・校閲担当者が見逃してしまっているようなので、以下に指摘しておきます。

*9頁:「as much as」の解釈
:主人公が恋人であるライアンの家に徐々に自分の歯ブラシだのスマホ充電器だのといった私物を置いていくようになった様子を吐露した後、こういう一文が登場します。
「そして、わたしが同じくらいに恐れているのは、次の避けがたいステップだ」
 ここで言及される「次の避けがたいステップ」とはライアンの友人たちとの食事のことを指していますが、そもそも「同じくらい恐れている」というほど、自分の私物を置いていくことを(このあとの場面を読んでいけばおのずとわかるように)主人公が恐れているはずはないことがわかります。
 辻褄が合わないなと思い、念の為に英語原文をあたってみたところ、こうなっていました。
「And as much as I’ve been dreading it, this next step was inevitable.」
 ということは「as much as」の解釈が間違っていませんか? 「as much as」は「同じくらい」ではなく、「~ではあるが」という意味。辞書を引くと、「Even though」あるいは「Although」と同義だと掲載されています。特に文章の冒頭に置かれた「as much as」はこの意味になることが頻繁です。そして「it」は、「(先程話した)私物を置いていくこと」ではなく、「(これから話す)this next step」と解釈すべきところです。ですから正しい訳は、
「そして、ずっと恐れてきたことではあるが、この次のステップは避けて通れない」
でしょう。英語は先行する従属節にある代名詞(今回の場合はit)が、後置された主節にある具体的な名詞(今回の場合はthis next step)を指すことが珍しくありません。
 つまり、主人公は、歯ブラシや充電器をライアンの家に置いていくのは練りに練った計画の一部であり、自分で十分にコントロールできているから全然怖くないけれど、ライアンの友人はよく知らない人間相手なだけに、うまく対処できるかどうかちょっと心配している。とはいえ、計画遂行上は絶対に避けては通れないステップだから、なんとか頑張って乗り切るぞ、と言っているのです。

*59頁:日本語の「カーキパンツ」と英語の「khakis」の違い
:主人公がライアンに向かって「あなたはカーキパンツにボタンダウン姿」と言いますが、英語の原文は「you’re in khakis and a button-down.」となっています。
 日本人読者は「カーキパンツ」と聞くと十中八九「くすんだ緑色のズボン」を目に浮かべるでしょう。事実、「カーキパンツ」という日本語をグーグルで画像検索するとほぼ100%「くすんだ緑色」の写真ばかりが出てきます。一方、英語の「khakis」で画像検索すると、「薄いベージュ色のズボン」の写真が出てきます。このように「カーキ(色)」とは、注意が必要な【和製英語】です。
 上記の場面のライアンの格好は「ベージュのパンツにボタンダウン姿」だと思って読んだほうが良いでしょう。
 なお、この小説では合計で5回「khaki」という単語が登場します。主人公が着ている「ボタンダウンのカーキシャツ(a button-down khaki shirt)」(130頁)、「カーキ色の短パン(Khaki shorts)」(148頁)、「カーキ色のパンツのおかげで、作業員らしく見えていた(a pair of khakis at Goodwill that I could make work so I look the part.)」(387頁)、「カーキ色の短パン(khaki shorts)」(473頁)。

*326頁:漢字の変換ミス
:英語原文は「No matter how long I’m in this business」
✘「この仕事を初めてずいぶん経つけど」
◯「この仕事を始めてずいぶん経つけど」
―――ここは「初体験」という意味ではなく「開始した」という意味です。

*397頁:突然SFに?
:「わたしのために用意された小さなアパートへと自動運転で戻った」とあります。この小説は近未来SFではないので、主人公が2020年代前半に運転しているレクサスに自動運転装置は標準装備されていないはず。変だなと思って英語原文を確認したところ、「I drive on autopilot to the small apartment that was set up for me.」でした。辞書を引けば「on autopilot」=「〈比喩的〉〔習慣になっている行動などについて〕体が勝手に動く状態で、(何も考えずに)いつもの癖で」という意味だとわかります。「My brain was on autopilot. : 何も考えずに、ボーッとした状態で、体が勝手に動いていた」という例文も付されています(英辞郎 on the web)。
 つまり、主人公はアパートへの道をこの日までに繰り返し何度も運転してきたので、ナビに頼ることなく、道順を特に意識することなく、すいすいとアパートまで運転して帰れた、と言っているのです。

*訳注について
:訳注をつけるかどうかを編集担当者はどう判断したのか疑問に感じました。「スポティファイ」や「コールドプレイ」(280頁)にまで訳注が必要なのでしょうか? また「オールドファッションド」(30頁)に「ロックグラスに角砂糖と氷とアロマティックビターズを入れ、ウイスキーを注いでオレンジなどの果物のスライスを飾ったカクテル」とか、「スモア」(34頁)に「焼いてやわらかくしたマシュマロと板チョコをグラハムクラッカーに挟んで食べるキャンプの定番菓子」といった細かすぎる訳注を付ける必要もあるのでしょうか? (訳注内に出てくる「アロマティックビターズ」とか「グラハムクラッカー」って何? という疑問も新たに出てきます。それぞれ「カクテルの一種」「キャンプの定番菓子」程度で十分では?)
 その一方で、「クレムソン大学で――頑張れタイガース!」というくだりに出てくる「クレムソン大学」と「タイガース」の関係については訳注がありません。(タイガースがクレムソン大学の体育会系チームのマスコットだと推測するのは容易でしょうから訳注は必要ないでしょう。)
 このように、訳注をつける基準が恣意的ですし、そもそも訳注の文章が冗長すぎて、物語本編を追ううえでかえって邪魔な気がしました。

*主人公の名前の表記について
:英語原文で主人公の名はEvieと表記されています。邦訳でのカタカナ表記は「エヴィ」となっていますが、原音に近づけるのであれば「イーヴィ」です。作者のアシュリィ・エルストン自身、ポッドキャストで/íːvi/と発音しています。

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ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)より
4488128084
No.2:
(5pt)

原書刊行後数ヶ月で日本翻訳出版されるヤングアダルトムードの傑作ミステリー。

原書は今年(1月?)出たばかりの本。著者はヤングアダルト本を書いてきた女性作家で、これが初めての大人向けの小説で、日本語読者にとっては全くの新人。ベストセラーにはなったようだが、現時点では特に大きな賞は取っていない。それなのに、原書刊行数カ月後での日本翻訳出版である。すごい!
読んでみると、出版社が早く翻訳出版したくなるのもよくわかる。これは抜群に面白い本である。
以下、(帯とカバーの引用をのぞき)ネタバレないつもりです。
内容紹介
◯語り手は「わたし」である。(カバー裏)
◯わたしは嘘をつくのが、ものすごくうまい。(帯)
◯(わたしは)ほんとうの名前は教えない。(訳題)
◯わたしは、生きるために、他人になりすまして、〝仕事〟をしてきた。(カヴァー裏)
◯しかし、今回の仕事中にパーティで出会った女は、他人になりすましている「わたし」の本名を自分の名として名乗り、本名の「わたし」が体験したことを、自分が体験したこととして語っている。こいつは一体何者だ。目的は何だ。(カヴァー裏)
私的感想
◯傑作である。とても楽しかった。
◯わたしの仕事は、他人になりすまして、ミッションを遂行することなので、当然、嘘をつくのがものすごくうまい。しかし、一番の大嘘は・・9割以上本当の話をして、残りを語らないことである。
◯ヤングアダルト小説または青春小説風のムードが楽しい。
◯わたしが後半で、生きるため、・・・・・・・・を回収していくのが楽しい。
◯編集部もなかなか嘘(??)がうまい。カバー裏に出てくる「わたし」に化けた女が何者で、目的は何かは、早々とわかってしまうので、読者はなあんだと思ってしまうだろう。しかし、本書で重要なのは、女の正体や目的や運命ではなく・・・。
◯著者は夫と息子三人と一緒にルイジアナ州に住む。夫と三人の息子、その他の関係者に感謝する謝辞が好感度高い。
ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)より
4488128084
No.1:
(5pt)

うおう

電車を乗り過ごす事うけあい
最高
ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ほんとうの名前は教えない (創元推理文庫)より
4488128084



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