暁の報復
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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ワイオミング州猟区管理官「ジョー・ピケット」シリーズの第17作。ジョーに復讐を誓うダラス・ケイツ(15作目「嵐の地平」の悪役)が出所し、ジョーの家族に危機が迫ったためジョーが激しく容赦ない反撃を加えるアクション・サスペンスである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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完全に現代版西部劇です。「嵐の地平」で死闘を繰り広げた極悪一家のヒーロー息子は高校ロデオチャンピオン。アメリカは「ロデオ甲子園」があるのか?という疑問は前作でも湧きました。しかし裏の顔は女性に暴力を振るい大怪我をさせる最低の卑怯ものです。 主人公は娘を守るため彼を服役させますがごく短い刑期で出所してしまいました。当然、邪悪な執念は主人公一家に向かいます。刑務所仲間を手なずけて復讐はエスカレートしていきました。バーで運悪く立ち聞きしてしまった酔いどれを殺した証拠をもとに彼を起訴しようと裁判までこぎ着けるのですが・・・。 家族に迫り来る悪の軍団、謎の資金源、どこからか発せられる指示などをかいくぐって主人公はお門違いの復讐にピリオドをどうやってうつのか!というあらすじです。うれしいことに「猟区管理官ジョー・ピケット」シリーズはさらなる続編の翻訳が決まったそうですのでもう今から愉しみです。 「おれの家族に指一本でも触れてみろ。たちまち西部流の始末をつけてやる。」 「大いに抵抗し、できるだけ従うな。」 「大人は問題をアルコールで解決する。」 ハードボイルドな台詞もセンスのよい翻訳で大満足でした。 | ||||
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好きなシリーズです。 | ||||
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「嵐の地平」を読んだのは、2022/6月。「熱砂の果て」(2023/6月)を挟んで、今回C・J・ボックスの新しい翻訳を読むことになりました。 少し回りくどい言い方になりましたが、本作は「嵐の地平」の後日談と言ってもいいスリラーですから、できれば「嵐の地平」を先に読んだ方がその面白さが増幅されるように思えます。しかしながら、毎回思いますが、このシリーズの邦題はまるで小林旭全盛期の日活アクションのタイトルを見るようで内心は小さく笑ってしまいます。しかも今回の邦題はまあそれほど悪いタイトルではありません(笑)。(日活アクション映画は擬似「西部劇」でしたからタイトルが"フィードバック"しているとも言えますね。) 猟区管理官ジョー・ピケットの次女エイプリルが瀕死の重傷を負う原因となった彼女の元恋人、ダラス・ケイツが短い服役を終えて出所します。それはピケット一家にとっては恐れていたことであり、ダラスはかねてよりジョーと一家への報復を宣言していました。ダラスとその仲間たちがジョーへの襲撃をうかがわせる話をしているのを聞いたハンターのファーガスがジョーに警告の伝言を残した後、山で失踪してしまいます。そして、翌日銃撃されたファーガスの遺体が発見されます。ダラスは逮捕され、やがてダラスの審問が始まりますが、検察側が勝利を確信していたその裁判には大きな罠が仕掛けられていました。書けるのはここまででしょうね。ストーリーは私が想像する以上に変転を繰り返し、(2年前に読んだ「嵐の地平」を時折思い返しながら)まるで断ち切れない"悪循環"に絡め取られるかのようにスリリングにダイナミックに進行していきます。 50%を過ぎたあたりから鷹匠のネイトが登場しますが、その登場シーンがとても素敵でした。ワイオミングの大自然、鳥たち、動物たち。ジョーはほんの少しだけ法の内側にいる善人ですが、ネイトはジョーと同じぐらい善人でありながら基本的にはアウトローです。その違いは、ささやかな境界線に区切られていてまああってないようなものなのかもしれません。所詮、法は人が決めたものなのですから。私もまたネイトのように生きられたらといつも思います。 そして、このジョー・ピケット・サーガが示す美点は、ジョーがメアリーベスに注ぐ愛、ジョーが三人の娘たちに注ぐ限りない愛に集約されるのでしょう。因みに<愛>とは何か?などとは問わないで欲しいと思います(笑)。それは、ジョーが繰り広げる行動の中にこそ見出すことができます。 訳者あとがきによると本作でジョーが新しい州知事から仄めかされた事件が次の十八作目に控えているそうですね。吉報と言って間違いありません。 ◻︎「暁の報復 猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ "Vicious Circle"」(C・J・ボックス 東京創元社) 2024/6/25。 | ||||
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