白薔薇殺人事件
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著者は、米国出身で英国在住の作家です。日本ではまだ知名度が低いものの、英国ではそれなりの評価を得ているようです、ただし、本書は大人向けの最初の出版ということです。 英語の原題は How to Solve Your Own Murder であり、2024年の出版です。 小説の主人公は25歳のミステリ作家志望の女性であるアニーです。アニーの母親ローラはそれなりに有名な画家であり、個展を開いたりしています。アニーの祖父、すなわち、母親ローラの父親の妹に当たる大叔母フランシスから彼女の住むキャッスルノールに招待されて屋敷に到着すると、大叔母は図書室の床に倒れて死んでいました。大叔母は手から血を流したらしく、その手の近くには白薔薇がありました。邦訳タイトルの由来をなしているものと考えます。 アニーがキャッスルノールに呼ばれたのは、大叔母の弁護士によれば最近遺言書を書き換えて、アニーへの遺贈が盛り込まれている可能性が高いからです。大叔母の亡くなったご亭主は貴族であるグレイヴズダウン家の当主で大金持ちでしたから、莫大な遺産が転がり込む可能性があるわけです。 他方で、大叔母はそのグレイヴズダウン家に嫁ぐ前のミドルティーンのころ、すなわち、60年ほど前に占い師から、いつか殺されると予言された言葉を信じており、遺言状はグレイヴズダウン一族である医師のサクソンとアニーのどちらか、殺人犯を突き止めることが出来た方、ただし、1週間以内に殺人犯を解明した方に遺産を譲る、という内容でした。もしも、1週間以内に犯人解明が出来なかった場合、弁護士の孫が勤務する開発会社に地所をすべて売り飛ばして売却金は国庫に収納する、ということになります。 アニーは、大叔母が占い師の「いつか殺される」という予言を信じて、さまざまな出来事を文書に残していたキャッスルノール・ファイルを読み漁って、60年前に何があったのか、それは現在にどのようにつながって大叔母の殺人という結果を引き起こしたのか、などなどの真実を突き止めようとします。冒頭何章かは1966年のキャッスルノールの出来事をかいたキャッスルノール・ファイルと現在の出来事が交互に記述されています。 ある意味で、1966年のキャッスルノール・ファイルはフランシスらの青春物語ともいえます。フランシスとグレイヴズダウン家のフォードとの出会いはロマンス小説さながらです。もちろん、ミステリとしては本格的な whodunnit であり、犯人探しの王道ミステリといえます。 ただし、1966年と約60年後の現在を行ったり来たりしますし、当然、若かりしころの人物と老人となった現時点でも生存している人物がいて、同じ人物で同じ名前ですので、それなりの読解力は必要です。繰り返しになりますが、大人向けの作品は初めてという作家ですし、これから先の作品が楽しみです。 | ||||
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✋誤解してはいけません! 確かに”フーダニット”が中心の犯人当て小説であり、タイトルも、本来であれば「あなたの殺人の解き方」とでも訳すべき原題”HOW TO SOLVE YOUR OWN MURDER”を「白薔薇殺人事件」とされていて、いかにも古き良き本格推理小説のような雰囲気なんですが、ロジックの部分はかなり薄く、これはプロットを楽しむ現代的なミステリーだと思います。 小さな村で起きる殺人事件、遺産相続と明かされる遺言書、一族を始め関係する怪しげな登場人物たち、そして”回想の殺人”を思わせる過去の行方不明事件と、クリスティを想起させるモチーフが散りばめられていますが、謎解きの重要なカギとなるのが、殺された大叔母フランシスが残した日記なんですよね。 現代パートに、この日記が過去パートとして挿入されながら進んでいく構成なんで、クリスティというよりも、ケイト・モートンの「忘れられた花園」や「秘密」なんかの読み味に近い感じです。 ただ、この過去パートが意外と面白くて、現代パートの主人公より、読者に生きてる姿を見せないまま殺されてしまった大叔母フランシスの若い頃の姿の方が断然印象的なのです。 自分としては、すごく楽しめたんですが、強い本格臭を匂わす出版側のミスリードに引っ掛からないこと、それがポイントです! | ||||
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一見、本格的な推理小説のように見せかけて、謎解きなんぞ全くない薄っぺらなミステリー風小説になっている。 登場人物たちも、人間的魅力にかける薄っぺらいテンプレートキャラクターたちばかりであり、読んだ後に胸くそが悪くなった。 本格的な推理小説を歌う売り方は見事だが、これではただの詐欺である。 | ||||
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訳の問題なのか、海外作家のミステリーって特徴的な文章だよね。 これは本書の感想には関係ないけど。 クリスティの後継者と評されるように、確かに似ている。 でも、推理がまだ荒削りだなあとも感じた。 フランシスの日記と現在を行きつ戻りつさせる手法が、謎が謎を呼ぶ形で引き寄せられる。 でも、やはり全体感としては「まずまず」といった印象。 今後に期待かな。 きっとまた彼女の作品は読むと思います。 | ||||
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最初のほうは登場人物の多さや過去と現在を行ったりきたりする構成についていけなくて挫折しそうになった。レビューの高評価に我慢して読み進めていき、登場人物相関図をノートに書いたりした。遺言状が公開されて、主人公に1週間で謎解きするという試練が課されるとこらへんから面白くなってきた。若い女性の素人探偵には大体若い男性の助力があるものだが、この作品はパターンを破壊している。相棒は死んだ大叔母の日記とファイルのみ。主人公のアニーは、会ったこともないフランシスに共感していく。周囲がみな敵に見える中、孤独な戦いを続けていく。途中で出生の秘密が明かされ、肉親と判明した人との温かい交流がある。最後はパーティーでしめくくられ、明るく爽やかな余韻を残してくれる。 | ||||
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