検察官の遺言
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ストーリーは面白いが文章が薄っぺらで水っぽい。 | ||||
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「悪童たち」は読み逃していました。 本作は、元警察官の数学教授、厳良(イエン・リアン)を探偵役とするシリーズ・三部作の最終作だそうです。 2013年3月の江市。酒臭い、ぼろぼろの風体の男が地下鉄の駅のセキュリティ・チェックで引っかかり押し倒されますが、警官によってスーツケースが開けられようとした瞬間、彼は「爆発するぞ」と宣います。混乱する駅構内。出動する爆発物処理班。探知機を使って爆発物がないことを確認した後、警官がスーツケースを開けてみると、そこには全裸の死体が収められていました。なんとまあ。 スーツケースを持っていた男は、弁護士の張超(ジャン・チャオ)。殺害されていたのは、もと検察官の江陽(ジアン・ヤン)。証拠が揃い、事件はすべて解明されたように見えますが・・・・。そして、その事件は2001年8月、清市平康県、山地にある苗高郷へボランティア教員・候貴平(ホウ・グイピン)が足を踏み入れる<時系列>を呼び起こします。"つかみ"を書くのはここまででしょう(笑)。2013年の事件に2001年の一連の出来事が入れ子のように組み入れられ一見複雑な様相を見せるようでいて、実は正統派の"Chinese Confidential"物語が構築されていきます。 そこからは2013年に引き起こされた事件の根深い真相が、スピーディに情に振り回されることなくダイナミックに展開されていきます。少し乱暴に思えるストーリー展開もありますが(悪党たちが定形的であり、あまり魅力がない(笑))、それ故に或るリアリティを齎すことにもなり、不思議なものです。何故なら有り得ないことは反面起こりうることでもあり、それは国が中国であれ、我が国(日本)であれ同じことであり、昨今の我が国の政治の<体たらく>ぶりを見るにつけ、まさかそんなことが起こるとは思えないような事象が次々と明るみに出てきます。同じことです。彼らが生きている限り、なんでもありなのだから。(彼らとは政治を司るある一部の"権力者"を指し示します) 本作は、我が身を捨てて<巨悪>と闘う男たちの迸る情念に裏付けられたハイテンション・スリラーと言っていいでしょう。美点は、情に流されそうな場面をさり気なく描き、おそらくページ数が増す要因になるであろう愁嘆場をギリギリ切り捨て、犯罪の裏側がより高みへと上り詰める中、その闘いに勝ちをおさめるべく己の姿をよりシンプルにリビルドしていく男たちの<妄執>がカタルシスを生み出すからなのでしょう。 それにしても権力者たちの昼はあまりにも長く、闘う男たちの夜もまたあまりに長い。 □「検察官の遺言 "The Long Night"」(紫金陳 早川書房) 2024/1/26。 | ||||
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