黄土館の殺人
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シリーズ3作目。このシリーズは1作目から順に読む事が必須です。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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地震により孤立化した館での連続殺人。 凝っているのは、館と関係者が滞在する近くの温泉旅館それぞれで事件が起き、それが微妙に絡み合っていることで、様々な伏線が張り巡らせているうえに、謎解きも緻密。 なのに、今一つ楽しめないのはキャラが魅力に乏しい事。ここらは好みなのだろうが、キャラがデフォルメされてはいても、どれもありきたりでセリフにも現実感がないため、全く感情移入できない。 作者がフェアに伏線を張ってるがゆえに、結構事件の謎の多くは分かってしまうし、肝心の犯人も簡単に想像できてしまうのは残念。 過去シリーズのキャラと絡みが結構持ち越されているので、以前の作品を読んでいるとより楽しめる。 | ||||
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★ 真相に触れています。長文レビュー失礼 ★ 「館四重奏シリーズ」第三弾。『十角館の殺人』や『双頭の悪魔』を思い起こさせるオマージュ的内容。不可解な殺人事件の謎は魅力的なのですが、残念ながら前二作同様、素直に驚けない突っ込み所や読んでいて伝わりにくい描写が多いです。 このシリーズには、葛城と飛鳥井の「名探偵の存在理由」を巡る苦悩と再生というテーマがありますが、三巻目にしてもあまり共感は出来ずじまい。ここ数年で葛城は探偵として生きていく事に対して吹っ切れたようでまだ良いですが、相変わらずよく分からないのが飛鳥井(笑)。探偵として事件を解決する能力があるのにグダグダと何もせずにいるので、婚約者が殺されたりと館での被害が拡大。田所と協力して事件解決に奔走していればもっと被害を抑えられたかも知れないのに、いつまでも現実逃避しているばかり。そもそも飛鳥井が主人公たちを呼び寄せたにも関わらず、自分は事件から目を逸らし続ける態度にイライラさせられました。 「作品の都合から事件が発生しないことには活躍できない名探偵の存在理由」について、事件を未然に防いでみせた葛城の活躍はアンチテーゼになってはいますが、やはり名探偵がふたりいる事の不都合からご都合主義的に分断され、結局、館では飛鳥井のトラウマを理由にして仕事を放棄させ、田所に名探偵代理を務めさせてしまう。こういう脚本構成に推理小説としての葛藤を感じます。 特にラストに向けての飛鳥井の感情変化が描けておらず、急に事件に向き合うようになる過程が上手く描けていないため、感情移入や共感ができませんでした。妙に芝居がかった自己陶酔的な台詞回しや、他者の人格になって推理する中二病的なシーンも読んでいて恥ずかしい。 また、現実にはあり得ないような館の機械的な大仕掛けも、今回の「謎ありき」で用意されたようなものばかりで、その大仰な物理トリックには好き嫌いが分かれるでしょう。特に疑問なのが「隠し〇〇〇ー〇ー」の存在。他の方のレビューにも多いですが、私もアレが中盤を待たずに出て来た地点で一気に犯人候補がほぼ一人に絞れて冷めてしまいましたし、何よりせっかくのクローズドサークルの緊張感が無くなってしまうのが勿体ない。「回転する塔」も何処からでもリモコンひとつで簡単に操作できるという設定が甚だご都合主義的だし、それに頼ったトリックが多すぎる。しかも死体が像に刺さった事もただの偶然で何の意味も無し。 あとこの作者さんって本当に釣り天井好きですよね(笑)。そのくせ今回の釣り天井は単に「死体の隠し場所」として使われてただけ。あんな離れの小屋に何でわざわざ釣り天井なんか作ってあるのか合理的な説明が何もなく、回転塔同様「館の主人が変人芸術家だから」という理由くらいしかない。 また、相変わらず「どういう状況か」文章から正確に伝わって来ず、読んでいて気になる部分が多いです。例えば土砂崩れを挟んで犯人ふたりが会話するシーンですが、救助隊が館に向かえないほどの土砂崩れなのだから、相当な量の土砂が高さ数メートル、幅数十メートルにわたって道路を塞いでいると思われるのに、土砂を挟んで普通に会話しているのはさすがにおかしいでしょ。拡声器でも使わないとまともに会話なんか出来ない状況なのに、まるで背中合わせでヒソヒソ話をしているような会話シーンはさすがに不自然です。このせいで「土砂崩れの状況や規模」がどれほどのものなのか分からなくなっています。 他にも細かい指摘で恐縮ですが、導入で暗闇の塔内で目覚めた飛鳥井が死体に躓くシーンがありますが、彼女が「立ち上がる」描写が無いため、目を覚ました直後にいきなり死体に躓いているように見えてしまいます。「え?たった今、目覚めたばかりなのに、いつの間に歩き回ってたの?」と気になって、開始1分で早々に読み返すはめに(笑)。ここは「朦朧としたまま何とか立ち上がり、扉へ近づこうとした」という一文があるだけで、その後の躓くシーンにすっと繋がるのに、こういう描写不足のせいでいちいち集中が途切れます。 他にも、犯人の真上に打ち上げた照明弾でブロッケン現象なんか起こるのかとか、犯人と照明弾と霧の位置関係の分かりにくさ、旅館の女将がゴルゴ13並のライフルの腕前とか(笑)、回転塔の回転時の音が静かすぎるんじゃないか等々、気になった点は多いですがキリが無いのでこの辺で。 個々の細かい謎に対する推理自体にはそこまでおかしい部分は無いですが、前二作同様、トリックのための不自然な状況設定やご都合主義的な展開がそのまま突っ込み所として現出している事が気になりました。田所君の活躍には感情移入できて良かったので★ひとつプラスです。 偉そうな意見で申し訳ありませんが、素人の本音として少しでも今後の活動の参考にでもなればとの思いからですのでご了承ください。 | ||||
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【ネタバレを含みます】 前2作と比べて、失速気味と言わざるを得ないかもしれません。 序盤で情報が出すぎているのでHowとWhyの答え合わせ、という印象でした。 いくつかの叙述トリック(犯人のミス)もミステリを読み慣れた人ならすぐにわかってしまいます。 読者としては登場人物の情報やそれぞれの独白も知っているので、その目線で見るとWhoはすぐにわかってしまいます。 Howは、個人的には館の仕掛けをごちゃごちゃ使いすぎていてわかりづらかったです。 Whyも実の親のどちらにも捨てられ養子となったことはかわいそうですが、育ての親が何不自由なくあらゆるものを経験させてくれたのに、何がそんなに不満なのか?という気持ちになりました。 最後の答え合わせのとき、最初から当たりをつけていた部分に登場人物が驚愕している描写がありましたが、時差がありすぎて共感できず。 前作で「名探偵はヒーロー」という話が出ていましたが、閉ざされた環境で事件が連続して発生し、登場人物の多くが自分を責め恐怖に怯える中で「名探偵がいればそいつの責任にできる」というセリフには考えさせられました。 田所が毎度危ない感じになるけど実は…という展開で、連作だしまだ今回は大丈夫だろうという謎の安心感があるので、最終作である次巻に期待します。 | ||||
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複雑な謎と緻密なトリックが魅力の本格ミステリーです。舞台となる黄土館は、不気味で閉鎖的な雰囲気を醸し出し、登場人物たちの人間関係が絡み合う中で連続殺人が発生します。物語は巧妙に仕組まれた伏線と驚愕の真相が特徴で、最後まで読者を引きつけます。推理好きにはたまらない、緊張感とサスペンスが凝縮された一冊です。結末まで目が離せないミステリー作品としておすすめです。 | ||||
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2作目の方が面白かったです(扉絵は毎回素晴らしいですね)今回の作品は解決編がまどろこしくて読むのが面倒でした。 あえて作者が難しくしてしまった印象があります。きちんと読んでいる人なら、犯人の予想はつきやすかったと思います。偶然というワードがよく出てくるのですが、ミステリーに偶然が出てくるとトリックがお粗末なのは否めません。心理描写的にも飛鳥井が本当に婚約者を愛しているのかというのも伝わりにくかったです。自分はラストまで婚約は偽装?何かの諸事情で結婚するふりをしているのか?と思っていたぐらいです。内容詰め込み過ぎかな?だから心理描写とかおざなりになってしまうのかな‥と思いました。 | ||||
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