案山子の村の殺人
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案山子の村の殺人の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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二人の大学生探偵作家が友人の招きで訪れた温泉宿の村。偶然遭遇した殺人事件を鮮やかな推理で解き明かす、スタンダードな本格。意外性ある展開、緻密なロジックは流石。 ただ、現場と森を巡る見取図、時系列な流れなど理解が平易となるものがあると更に良かったかも。 | ||||
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★ 長文レビュー失礼 ★ 「二度に亙る〈読者への挑戦状〉」という惹句に魅かれて購入しましたが、わざわざ「二度」に分けている意味ナシでガッカリ。一度目と二度目の間に何かしら読者の予測を覆すメタ的な仕掛けでもあるかと思ったけど、まったくの期待ハズレ。 他の人の指摘にもありますが、私も読んでいて感じたのは、とにかく「読者を惹き付けるものが無い」という事。ミステリアスで心躍る謎やドンデン返しも無く、二人の探偵役の主人公も淡白でキャラとしての魅力に欠け、すべてにおいて淡々とした印象で盛り上がり所が皆無。 まず最初の殺人事件が起きて物語が動き始めるまでが長く、紙幅の半分近くも掛かっている。それでいてこの前半部の大半は「登場人物の紹介」と「舞台になる村の状況説明」に費やされているだけで、読後に印象に残っているシーンがほとんどありません(主人公が村に付いてから村内を見て回り、宿や温泉で村人と会話してたくらいで、いったい150頁も何を読まされたんだっけ?というくらい内容が薄い)。 後半に差し掛かっても読むスピードが上がらず、真相が分かる直前ですら退屈で一端手を止めて数日空いてしまったほど。ラストも「え?これで終わり?」と言った感じで、何の余韻も感慨も湧かない終わり方(それまでに登場人物のドラマが無いため、誰が犯人であっても何も驚きが無い。真相を読む前に、登場人物の誰が一番意外性があるかと思って冒頭の人物表を眺めたけど、誰でも同じだな、としか思えなかった)。 そして今作のメインである「案山子の消失」と「雪密室」ですが、単に「事件現場に立ってた案山子が消えた」というだけで、多少の興味は惹きますが、やはり本格ミステリーの謎としては地味で、不可解さや不気味さと言った魅力に乏しい(せめて謎として出すなら「案山子の首がすべて持ち去られていた」とか、「案山子の代わりに死体が立てられていた。そしてその死体が消えた」くらいはやってくれないと)。雪密室も今あえてやるなら余程の改革や意外性が欲しい所ですが、そうした工夫も見られず、単に「雪に足跡が無い!」ってだけの平凡な状況と、予想以上にどうでもいい真相にガッカリ。 ★ ↓以下、少しネタバレ含みます! 未見の方は要注意。★ そもそもあんなトリックを使用する必然性が弱いですし、何より不確実(ちゃんと作動するか、作動しても急所に当たるか、当たっても即死するとは限らないし、その間に助けを呼ばれるかも知れない、被害者が偽祠をスマホで撮影してSNSに投稿しているかも知れない、あんな怪し気な祠を確実に開けてくれるか分からないし、結局「いつ見に行くか」は本人次第なのでアリバイ作りとしても不確実、等々)。 そのトリックの後始末も手間や時間の掛かるもので、誰かに目撃される危険性があり、もし見られたら言い訳が効かない作業なのに、アレを回収して神社の蔵に隠すまで誰にも見られなかったと言うのも、さすがにご都合主義すぎます。 そしてさらに問題なのが、誰が犯人でも意外性に繋がらないドラマの無さと、どうでもいい逆恨みレベルの動機。だから真相が語られても「あっそ」としか感じられない。基本的に謎解きミステリーにホワイダニットは不要とは言え、「謎」自体がつまらない上に、こんな取って付けたようなお粗末な動機ではやはり納得感が得られません。 また探偵役である主人公の二人にとって被害者は無関係な人間という事もあり、謎を調査する過程での緊張感や切迫感が何も感じられません。本来は「次は誰が殺されるのか?」という村人同士の疑心暗鬼によるドラマなどが描かれてしかるべきでしょう。雪に閉ざされる村の孤立感や恐怖感も無いし、やはり主人公にとっても「謎を解かなければヤバい」という緊迫感が欲しい。 従兄弟同士でミステリ作家という設定も、作者がクイーンのファンだからと言う理由以外に二人である必然性が感じられず(二人だからこそ出来た役割分担による調査や推理があるべきでは?)、また、どちらも妙に「いい子」キャラで個性や面白味に乏しい。穿った見方をすれば、昨今のポリコレに抵触しない無味無臭のキャラといった印象。あとキャラ名も微妙に読みづらいものがあり、「真舟(まふね)」とか「旅路(たびじ)」など、出て来る度に「ましゅう…、じゃなくて"ふね"か」とか「りょ…、あ、"たび"か」となってしまい無駄にイライラさせられます。"たびじ"の発音も、「た↑び↓じ↓」なのか、「た↓び↑じ↑」なのかどっち?イライラするわ(笑)。 謎解きの論理性はあるので、実際は★1つほどの駄作という訳でもないですが、あまりにもそこ以外の要素(提示される謎、登場人物の個性や魅力、ストーリー展開、真相の意外性、緊張感や恐怖感の演出、等)に魅力が無いのが致命的。ミステリーに限らずですが、やはり大事なのは読んでいて「これからどうなるんだろう」とか、「こんな不可解な謎に論理的な解決があるんだろうか」というワクワクを感じさせてくれる事ではないでしょうか。この作品にはそれがありません。 若い作家さんなのですから、変にこじんまりとせず、まず何かひとつでも「新しいものやインパクトのあるものを提示してやろう」という気概をこそ見せて欲しかった。不遜な物言いで恐縮ですが、今後に期待する意味でも苦言を呈させて頂きました。何かしら今後の執筆の参考になれば幸いです。 | ||||
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ミステリファンにはたまらないシチュエーション。登場人物は魅力があり、伏線回収も綺麗だった。ただ・・殺人に至る動機が・・。ヒントはあったものの、この動機で人を殺す?動機から犯人を当てるのは困難かな・・。後は簡単でいいから村の地図があればもっと良かった。 | ||||
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二度までも繰り出される読者への挑戦。 隙のない論理構成と清々しい謎解き。 従兄弟同士でミステリ作家という設定もニクイ。 しばらくは目が離せぬシリーズになりそうだ。 | ||||
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ストーリー展開、舞台設定は興味をひかれるものだったが、トリックや動機に関してはちょっと無理があるかなという感じ。 | ||||
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案山子が多い村で起きた殺人事件を、旅行に来ていた共同作家でもある従兄が謎解きをする。 限界集落が舞台で、ゆる~いクローズドサークル設定で、多彩な村の人物描写も丁寧だし、語り口もスムーズ。 何よりうれしいのは”読者への挑戦”(しかも2回!)もあり、論理的な謎解きが楽しめる。 意外性には少し欠けるが、金田一的な設定ながら旅情も仄かにあり、楽しく読めた。 | ||||
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