テロリストとは呼ばせない



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初公開日(参考)2022年11月
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長編小説

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テロリストとは呼ばせない (ハーパーBOOKS)

2022年11月16日 テロリストとは呼ばせない (ハーパーBOOKS)

CWA賞イアン・フレミング・スチール・ダガー賞候補作! 元麻薬の売人にして、元MI5のスパイ、今はお役所勤めのジェイ。 テロ組織により、彼の暗殺命令が下された―― 麻薬の売人時代にMI5に引き込まれ、イスラム過激派に潜入するはめになったパキスタン系の青年ジェイ。 事件解決後にMI5を去り役所勤めを始めた彼は、生まれて初めてまともな生活を送っていた。 そんなとき、人種差別主義者に暴行されたムスリムの少女が自殺。 復讐を誓う恋人の少年を“テロリスト”にさせまいと、ジェイは奔走する。 一方、ジェイの正体を知ったテロ組織は彼の暗殺を命じ――。(「BOOK」データベースより)




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テロリストとは呼ばせないの総合評価:9.00/10点レビュー 8件。Bランク


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(8pt)

とんでもないクリフハンガー(前作も、本作も)にビックリ!

イギリスに暮らすムスリムの生きづらさをエンターテイメントにした「ジェイ・カシーム」シリーズの第2作。前作「ロスト・アイデンティティ」でショッキングな最後を迎えていたジェイが、再び絶望的な戦いを繰り広げるアクション・サスペンスである。
MI5にいいように使われて民族的、政治的なストレスに押しつぶされたジェイはぐうたら公務員として働きながら、穏健なイスラムの仲間たちの集会に参加し、彼らが過激思想に走るのを防ごうと勤めていた。だが、年少メンバーのナイームがガールフレンドのライラとバスに乗っていた時、白人差別主義者と遭遇し、辱めを受けたライラが自殺する事件が起きた。絶望したナイームは復讐を誓い、集会仲間のアイラと共に行動に出ようとする。ナイームの心情は理解するものの「テロリスト」と呼ばれることを阻止したいジェイは、ナイームの行動を思いとどまらせようと奮闘する。一方、ジェイがMI5に協力したことを知ったイスラム系テロ組織はジェイの抹殺を、ロンドンに潜伏しているスリーパーのイムランに指示した。イギリス生活に慣れ、一児の母である白人のシングルマザーとの結婚を夢見るイムランだったが、組織の命令は絶対であり、新しい家族を守るためにも指示を実行しようと決意する…。
前作同様、イギリスで暮らすムスリムの苦悩がベースにしながら民族間対立の解消という出口のない難問を、ユーモアを交えた軽快なアクション・エンターテイメントに仕上げている。さらに、親子や家族、恋人など濃密な人間関係のドラマも効果的に挿入されており、殺伐としたサスペンスとは一線を画した人間味が印象的である。
前作を受けたストーリーなので、ぜひ「ロスト・アイデンティティ」から読み進めることをオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.7:
(4pt)

良い作品です。

この作品は改めて私の根源にさざなみを立てました・・国によって問題も違えば人の根本的な思想も異なるようです。では何故に人は環境によって考えや思想までも違ってしまうのか?何故に途上国は貧しく争いが絶えないのか? そして、いつも女子供が最も被害を受ける・・しかし男たちは夢追う少年のように幾つになっても追い続ける・・私もそうですが男は破壊と破滅の象徴であり、男は愚かな生き物だと今一度、痛感した作品でした・・日本国と東南アジアやヨーロッパ諸国の歴史には大きな違いがあり、大国(陸続き)と島国とでは、他民族との関係性に関しても違いを感じます・・しかし、人は根本的に平和を愛し家族や友人知人を思いやる心がありますが、負の連鎖は愛を妨害し世代を超えて蓄積して行きます。ここに人類の愚かさを感じる訳です。・・神や宗教の存在意義・・人の思想とは・・人は考える生き物であり(快不快)の感情が良し悪しの判断に変わり、善悪の根源に変わって行きました。作品からもこれらの感情が目まぐるしく変わる様を捉えていて、哺乳類動物的感情と人間(知的生命)としての違いを表現していたと思います。・・個人的には、平和と破滅はワンセットとして考えています。私たち人間は対象物がないと、今自分が幸せなのか?不幸なのか判断できない人種のようです・・・
テロリストとは呼ばせない (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:テロリストとは呼ばせない (ハーパーBOOKS)より
4596755655
No.6:
(5pt)

続編、今回も面白かった

「ロスト・アイデンティティ」の続編になりますので、先に同書を読んだ後に読むのをお勧めします。
前作でも読み終わった後に思ったのですが、多国籍化する英国でマイノリティの方がどのように生きてきているかという視点も分かりとても興味深いです。(今回はソマリア系の登場人物もあり)

今回の作品は前作の主人公だけでなく、もう一人の視点からも話が一人称で出てくるのですが、この話も非常に興味深く最後まであっという間に読了しました。
前3部作とのことで、最終作が今から楽しみです。
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4596755655
No.5:
(5pt)

深刻なテーマにユーモアたっぷりの主人公

重いだけなら疲れる悪意や闇も、主人公が善良でユーモアたっぷりなので救われる。
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No.4:
(5pt)

英国内イスラム社会に生きる青年たちによる命がけの青春冒険小説

ジェイ・カシーム三部作の二作目ということである。前作のラストは異様であった。本作はそれを継いで始まる。ぼくは前作で、町の移民である若者ジェイが悪を倒すために国家的組織に利用される構図を、『傷だらけの天使』のヒーロー修とアキラの兄弟に例えてしまったのだが、それは本作でもあまり変わぬ印象のまま。

 『傷だらけの天使』という稀代のTVドラマをかつて青春真っただ中で体感したぼくには、木暮修たちは純情なコアの部分を持ちながら青春を精いっぱい生きる若者たちであるにも関わらず、東京という大都市に蠢く大人たちの欲望や駆け引きに否応なく利用されてしまう悲しき天使たちとして描かれていた。等身大のヒーローならまだしも、社会の底辺で、教育もなければ立派な家庭もなく、到底平均生活レベルに達していない純情な青年たちであるように見えた。

 さて本作だが、イギリスに移民として暮らすイスラム社会の若者たちと対照的に、イスラム移民たちを極度に差別してテロに走る歪んだ白人青年たちの世界をも同時並行的に描くことで、より二極化した対立構造が浮き彫りになっているところが特徴である。しかも若い世代間でのストレスの捌け口としての人種差別が、誤ったヒーローイメージを作り出し、人種が異なるということだけで嘲りや暴力の対象としてしまう。この辺りから物語は、平和な国ニッポンの『傷だらけの天使』の世界をぐっと離れて、よりきな臭く、根深く見えてきた国際問題・人種問題を孕む現代的対立構造へと傾斜してゆく危険な風景として見えてくる。

 乾いた暴力の残酷さを露にする子供たち。彼らを操る冷血な大人たち。彼らのふるう暴力によって犠牲となる無垢な異人種の子供たちの運命をも過酷なまでに描いら印象的な悲劇として本書の前段の中心に持って行く。平均的日本人が知るイギリスとは全く異なる闇の部分をぼくらは読まされることになる。ずんと来る衝撃のような感覚。

 本書では、二つの一人称が並行する。「おれ」で描かれるジェイに加え、「わたし」で描かれる複雑な二重生活の青年イムラン。さらに白人のテロ組織に勧誘されかかっている少年ダニエルが三人称で登場。それぞれの章は、最初は独立して描かれてゆくのだが、彼ら三人の運命は、血と憎悪とヘイトと暴力によって徐々に物語の核となる場所へと手繰り寄せられてゆく。

 トライアングル構造のこの三人主人公で物語を進めることにより、本書は前作よりもさらに奥行きのある立体構造を持つ。イギリスという国における宗教や人種の問題の複雑さ、またそこに住む者たちの分断や苦しみを日常レベルで表現しているように思う。一方の側からだけではない三つの視点を経験しつつ、またもクライマックスの新たな大規模テロ事件へと本書は疾走し続ける。

 前回とは異なるスリルと厚みを持った二作目の本書。暴力の風が吹き荒れる国で懊悩する青春群像と、そこに蠢く魑魅魍魎のような仕掛け人たちの冷たい暴力装置に目を向けつつ、自分が自分であることに拘る主人公・ジェイたちの、独自としか言えない青春冒険小説が再び発火する。緊迫感が増し増しの第二作となった本作。注目あれ!
テロリストとは呼ばせない (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:テロリストとは呼ばせない (ハーパーBOOKS)より
4596755655
No.3:
(5pt)

テーマは重いが一気に読めるサスペンス

前作の終わり方が、あまりにも唐突だったので、つい続編を買ってしまった。でも正解。なかなかの秀作だ。
 作者の経歴と重なるが、主人公はパキスタンからイギリスに来て迫害にあいながらも社会に溶け込もうとしているイスラム教徒(ムスリム)の移民たちだ。彼らの複雑な状況にページをさいている分、サスペンス色がやや薄まっている点はいなめないがそれでも主人公の一人を暗殺者に育て上げた残忍な男が繰り広げる殺りくシーンなど鬼気迫るものがあって充分読ませてくれる
 コロナ不況もあって世界的に白人至上主義、移民反対の右派が台頭している現在、イギリスでもこの日本でも、その流れは着々と進んでいるように思われる。
 テロリストや人種差別主義者との戦いを軸に移民たちの厳しい現状を描いたこの作品は多くの人に読んでほしいレベルに仕上がっている。
 難解な用語を使わない読みやすい訳のおかげもあって600ページ近い作品を一気に読了した。
テロリストとは呼ばせない (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:テロリストとは呼ばせない (ハーパーBOOKS)より
4596755655



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