罪に願いを



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初公開日(参考)2025年06月
分類

長編小説

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罪に願いを (集英社文庫)

2025年06月20日 罪に願いを (集英社文庫)

横領、誘拐、殺人、ラストベルトの寂れた町で交差する、三つの「罪」……。 エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀新人賞候補作 火災現場で見つけた大金を自宅に隠したボランティア消防隊員ネイサン。 末期がんの少女の夢を叶えるため病院の外へと連れ出す看護師キャリー。 妻と幼い娘を同時に亡くしたアンディが狙いを定めた地獄への道連れ……。 横領、誘拐、殺人。ペンシルヴェニアの寂れた町を舞台に、男女三人が犯したそれぞれの「罪」と運命が交差する。 悲痛で愚かで温かい、極上の犯罪小説。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

罪に願いをの総合評価:9.00/10点レビュー 3件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

これは傑作! 予備情報なしで読んでもらいたい

デビュー小説ながらエドガー賞最優秀新人賞のフィアナリストになったという傑作ノワール。ラストベルト地帯の小さな町で平和に暮らしていた3人の語り手が欲望、使命感、絶望感などをきっかけに許されざる罪を犯してしまう切ない犯罪物語である。
基幹産業が斜陽化し、衰退の一途をたどる人口五千人ほどのスモールタウン。幸せな夫婦生活を送りながらも子供がいないことに一抹の寂しさを抱えるネイサンは釣りの帰りに森の中の小屋が燃えているとの通報で現場に駆けつけた。ボランティア消防団員でもあるネイサンは火災現場に最初に到着し、重度の火傷を負った男を助け出し、大金が入ったゴミ袋を見つけた。この金で運命を変えられると直感したネイサンはゴミ袋を屋根裏に隠してしまった。火傷した男が運ばれた病院に勤めるキャリーは口蓋裂の傷跡のために何事にも消極的で、病院勤務にもうんざりしていた。男が運ばれた翌日、末期がんに苦しむ16歳のガブリエラが緊急入院して来たのだが、新興宗教の牧師である父親は医学を信用せず、治療を拒否する。苦しむガブリエラに同情し親身になって接してくれるキャリーに心を許したガブリエラは「最後の望みで、海が見たい」と伝えた。片道4時間を越えるドライブにガブリエラが耐えられるのか、さらに保護者の承諾なしに連れ出せば誘拐とみなされる危険もありキャリーは迷う。若い時、麻薬常用者だったアンディはケイトとの結婚を機に薬を断ち、やがて生まれた愛娘のアンジーと三人で貧しいながらも幸せな日々を送っていたのだが、ある日、仕事から帰りアンジーとケイトが死んでいるのを見つけてしまう。生まれつきダウン症だったアンジーの心臓が力尽き、希望を絶たれたケイトが跡を追ったのだった。全てを失い自暴自棄になったアンディは薬の過剰摂取で自殺を試みるが失敗。酒で意識を朦朧とさせ町をふらついていた時、小児性愛者のおぞましい写真を発見したのだが、写真の中にダウン症児を被害者にしたものがあり、アンディは「この犯人を地獄への道連れにしてやる」と決意した…。
三人三様の希望や後悔、迷いや判断が複雑に関わり合うストーリーは波乱万丈、息つく暇を与えずスピーディに進行する。三人が順番に視点人物になる構成も効果的でページを捲る手が止まらない。三人が迎えるクライマックスも深い味わいを残す。380ページほどと手頃なボリューム、登場人物は少なく、関係もわかりやすいので予備知識なしで読める。
アメリカのスモールタウンの行き詰まりを見事に表現した、まさに今風のノワールとしてどなたにも強くオススメしたい。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.2:
(4pt)

ペンシルヴェニアの架空の寂れた街を舞台に、3つの犯罪の進行を描くミステリー。

去年のエドガー賞新人長編賞最終候補作(受賞作含む)は5編だが、そのうち4編がすでに翻訳されている。本書は5編のうちの3番目に邦訳出版された作品である。
ペンシルヴェニアの架空の寂れた街を舞台に、共犯性はまったくないが、人物、場所が微妙に重なる3つの犯罪の進行が交互に描かれる。
つまり、
①火事場で見つけた200万ドルを盗んでしまう消防士ネイサンの窃盗とその後。
②16歳の末期癌女性の海に行ってみたいという希望をかなえるため、彼女がそこで死ぬかも知れないと予測しつつ、両親の意思に反し、彼女を車椅子に乗せ、病院を抜け出し、海まで連れていく、口唇口蓋裂手術不成功顔貌の看護師キャリーの誘拐。
③アンジュはケイトと薬物依存者同士で結婚し、ケイトの妊娠後は二人とも薬物をやめ、ダウン症候群で生まれたアンジーを必死で育ててきたが、アンジーは心臓病が進行して9歳で死んでしまい、ケイトもアンジー死体のそばで薬を飲んで自殺してしまう。アンジュは二人の後を追って死ぬ前に、小児性虐待者の神父を殺そうと考える。そのガソリンスタンド従業員アンジュの殺人。
私的感想
◯5編の候補作の中では、作品も作者も一番地味な感はあるが、寂れた町を舞台に三種の犯罪とストーリーがうまく溶け合って、面白く読めた。
◯②の看護師キャリー編は末期癌少女を海に連れて行く途中でいくつかの障害・妨害が起き、それを乗り越えて目的を達成する一種の冒険小説。③のアンジュ編は前半は純愛小説風、後半は盗んだアルバムから神父が小児性虐待者であることを知り、神父殺しを実行する殺人小説。①の消防士ネイサン編だけが、妻の看護師ローラや情婦のリーリーが金に絡んで複雑な展開となり、逆転と、意外な真相もあり、ミステリー的といえばこれが一番ミステリー的。最後が突然に愛妻小説風になるが、もはや・・。
◯1050円+税の価値は充分あると思います。
罪に願いを (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:罪に願いを (集英社文庫)より
4087607984
No.1:
(5pt)

泣いてしまいます。。

素晴らしいラスト!途中、何度も泣いたり笑ったりしてしまいました。人間の心情の機微を見事に描く著者の力量に感銘を受けました。きっとジャヴォロウスキさんは優しい人なのだろうと思います。エドガー賞・新人賞候補作、解説にあった次回作も良さそう、本当に楽しみです!カバーも寂れたラストベルトの雰囲気が良く出ていてすごく好みです。
罪に願いを (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:罪に願いを (集英社文庫)より
4087607984



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