罪に願いを
- 犯罪小説 (124)
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デビュー小説ながらエドガー賞最優秀新人賞のフィアナリストになったという傑作ノワール。ラストベルト地帯の小さな町で平和に暮らしていた3人の語り手が欲望、使命感、絶望感などをきっかけに許されざる罪を犯してしまう切ない犯罪物語である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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去年のエドガー賞新人長編賞最終候補作(受賞作含む)は5編だが、そのうち4編がすでに翻訳されている。本書は5編のうちの3番目に邦訳出版された作品である。 ペンシルヴェニアの架空の寂れた街を舞台に、共犯性はまったくないが、人物、場所が微妙に重なる3つの犯罪の進行が交互に描かれる。 つまり、 ①火事場で見つけた200万ドルを盗んでしまう消防士ネイサンの窃盗とその後。 ②16歳の末期癌女性の海に行ってみたいという希望をかなえるため、彼女がそこで死ぬかも知れないと予測しつつ、両親の意思に反し、彼女を車椅子に乗せ、病院を抜け出し、海まで連れていく、口唇口蓋裂手術不成功顔貌の看護師キャリーの誘拐。 ③アンジュはケイトと薬物依存者同士で結婚し、ケイトの妊娠後は二人とも薬物をやめ、ダウン症候群で生まれたアンジーを必死で育ててきたが、アンジーは心臓病が進行して9歳で死んでしまい、ケイトもアンジー死体のそばで薬を飲んで自殺してしまう。アンジュは二人の後を追って死ぬ前に、小児性虐待者の神父を殺そうと考える。そのガソリンスタンド従業員アンジュの殺人。 私的感想 ◯5編の候補作の中では、作品も作者も一番地味な感はあるが、寂れた町を舞台に三種の犯罪とストーリーがうまく溶け合って、面白く読めた。 ◯②の看護師キャリー編は末期癌少女を海に連れて行く途中でいくつかの障害・妨害が起き、それを乗り越えて目的を達成する一種の冒険小説。③のアンジュ編は前半は純愛小説風、後半は盗んだアルバムから神父が小児性虐待者であることを知り、神父殺しを実行する殺人小説。①の消防士ネイサン編だけが、妻の看護師ローラや情婦のリーリーが金に絡んで複雑な展開となり、逆転と、意外な真相もあり、ミステリー的といえばこれが一番ミステリー的。最後が突然に愛妻小説風になるが、もはや・・。 ◯1050円+税の価値は充分あると思います。 | ||||
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素晴らしいラスト!途中、何度も泣いたり笑ったりしてしまいました。人間の心情の機微を見事に描く著者の力量に感銘を受けました。きっとジャヴォロウスキさんは優しい人なのだろうと思います。エドガー賞・新人賞候補作、解説にあった次回作も良さそう、本当に楽しみです!カバーも寂れたラストベルトの雰囲気が良く出ていてすごく好みです。 | ||||
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