沈黙



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    初公開日(参考)2025年04月
    分類

    長編小説

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    沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

    2025年04月23日 沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

    ガラス職人のイヴが首を切り裂かれた父の遺体を発見した。凶器はイヴが作った花瓶でマシュー警部は慎重に聞き込みを進めるが……(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    沈黙の総合評価:7.50/10点レビュー 2件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
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    (7pt)

    思い込みを裏切る真犯人。謎解きより人間ドラマがテーマ。

    好評のうちに終えた「ジミー・ペレス警部」シリーズに続く警察小説「マシュー・ヴェン警部」シリーズの第2作。本作もマシューの関係者が濃厚な関わりを持つ人物が被害者・容疑者になる地元ミステリーである。
    裕福なオーナーが所有する農園の一角を借りている吹きガラス職人・イヴが自分の部屋で父親・ナイジェルが殺されているのを発見した。致命傷を負わせた凶器はイヴが作ったガラス花瓶の破片だった。ナイジェルは病院と患者のトラブル解決をサポートする組織の中心人物で、事件当時は精神が不安定な息子が自殺したのは適切な処置を怠り、早期に退院させられたからだと訴える家族の依頼で動いていたという。マシュー、ジェン、ロスのチームは明確な動機や証拠が見つからず、ひたすら関係者への聞き込みで捜査を進め、やがて自殺した青年が自殺を唆すサイトにアクセスしていたことを突き止める。そんな中、第二、第三の殺人が起き、警察も地元関係者も神経をすり減らすことになる…。
    事件の動機や様態がいつ明らかにされるのか、あまりにもスローペースな展開で前半はかなり退屈。最後の謎解き、真犯人の告白もなんだか生ぬるい。580ページを越えるボリュームだがミステリー部分が三分の一、マシューをコアとする人間ドラマが三分の二だろうか。シリーズ2作目とあって、登場人物たちのキャラがよりくっきりし、人間味が感じられるようになったが読みどころか。前作と変わらず同性婚のマシューとジョナサン、どちらも「夫」となっているのには違和感を感じて読みづらい。「パートナー」とでも表現してくれればいいのにと思う。
    シリーズ第一作「哀惜」から読み始めることを強くオススメする。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.1:
    (4pt)

    人はみなそれぞれに違うのだから

    「哀惜」(2023/3月)に続く<マシュー・ヴェン警部シリーズ>第二作。舞台は、英国、ノース・デヴォン。探偵は、バーンスタブル署の警部、マシュー。ジェン・ラファティ部長刑事が友人の判事、シンシア・プライアのホーム・パーティで保健分野で働くナイジェル・ヨウに話しかけられます。彼は警察関係者からアドヴァイスが欲しいと言いつつジェンがかなり酔いが回っているのを察してその場を離れてしまいました。そしてその翌朝、ナイジェルは死体となって発見されます。ナイジェルは<ノース・デヴォン患者協会>で働いていましたが、死の直前、<国民保険サービス>を相手取った苦情について調査を進めていました。背景に或る自殺した青年の家族の申し立てが存在していました。そして、バーンスタブル署が懸命に捜査を進める中、もう一人の関係者の殺人事件が発生します。果たしてそれは連続殺人事件なのか?誰が?何故?パズラーですから、詳細は省かせていただきます。
     美点は数々あります。
     限定的であれ、ノース・デヴォンの美しい土地とその風景描写。
     英国の医療事情と"Gentrification"についての考察がなされていること。
     マシュー、ジェン、ロス等刑事たちのリアリティ溢れる生活の中で繰り広げられる捜査、その狭間に漂う生きることの綾。
     いくつかの家族が織りなす罪悪感と苦悩に満ちた人生の機微。
     依存対象を超えて依存症者の真実を言い当てているように思えること。
     就中、マシューとマシューの同性の夫、ジョナサンとの繊細な関係が丁寧に描写されています。
     特筆すべきはジョナサンが精神的トラウマを理解するジェンをこう描写しています。
     「被害者には、気が済むまで時間を使い、独自の癒しの過程をたどることが許されてしかるべきだ、人はみなそれぞれに違うのだから」(p.178)。
     古い話で恐縮ですが我が国の映画作家、木下恵介による”しとやかな”映画群を想起させ、アン・クリーヴスは信頼できる視点を持った成熟した作家であることを証明しているように私には思えました。
     逆に気になったことを2点、書こうと思います。
     「沈黙」という邦題は、解せません。原題の叙情に遠く及ばない。
     ITのスペシャリスト、スティーヴがDark_Webを渉猟し或る人物の名前を探り当てますが、(これについては何もアン・クリーヴスの著作に限らず)そのアプローチについて少しでも具体的に描写すべき時代になったと思えたりもしました。どうやってそれを見出したのかを書くべきでしょう。
     パズラーとしては、細かいロジックを積み上げながら、堅固で美しい土地のようなアーキテクチャを創成しています。申し分ありません。
     ◻︎「沈黙 マシュー・ヴェン警部 "The Heron's Cry"」(アン・クリーヴス 早川書房) 2025/4/24。
    沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4151853022



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