スパイたちの遺灰



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初公開日(参考)2025年07月
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長編小説

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スパイたちの遺灰 (ハーパーBOOKS)

2025年07月25日 スパイたちの遺灰 (ハーパーBOOKS)

ある日、冴えない諜報史の准教授マックスのもとに1枚の名刺が届く。スカーレット・キング――MI6の伝説のエージェントが、半世紀にわたる諜報活動を綴った手記を出版したいと言うのだ。イギリス政府が隠蔽してきた作戦が表に出れば、世界が注目する。マックスは浮き足立つが、直後にスカーレットが殺害され、MI5に追われる身に。窮地を脱するため手記の原本を捜すうち、歴史の裏に隠された真実が浮かび――。(「BOOK」データベースより)




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No.1:
(5pt)

その物語の姿は、ジェイ・ギャツビーのようだった。傑作だと思います

主人公は、諜報史学者、マックス・アーチャー。彼は、冷戦時代にMI6の伝説のエージェント、スカーレット・キングから手記の執筆を依頼されます。その手記の内容には、第二次世界大戦から隠蔽されてきた或る作戦が詳述されていて、彼はMI5から追われる羽目に陥ります。スカーレット・キングは何者なのか?彼女は何故その手記の執筆者に彼を選んだのか?
 離婚も間近、准教授止まりで先行きの見通せないマックスは、その謎を解明しようとしますが・・・
 そのマックスの現在の時系列に1940年後半からのエージェントとして暗躍するスカーレットの時系列が交互にインサートされ、そこでは、この世界のエスピオナージュに於けるスパイの歴史が網羅されつつ、虚実皮膜、現実世界が再構築されています。そのグラマラスな物語世界に圧倒されました。圧倒されたと言うことは、いつまでもこの物語の中にいたいと思ったということでもあります。まず、それほどページを捲ることもない間に、ル・カレの時代から「スパイ小説」の代表格と言ってもいい名前が出た段階で、度肝を抜かれました。私のような米英のこの時代を扱った「スパイ小説オタク」には堪らない歴史の一コマ、場所、名称、作戦名が頻出します。勿論、スリラーですから、その内容を記すわけにはいきません。勿論、スパイのようにミス・ディレクションすることも叶いません(笑)。
 ル・カレに始まり、グレアム・グリーン、アリステア・マクリーン、ケン・フォレットの名前とその作品もまた小出しに参照されそれらの作品、それらの映像化作品のオーラを背負いつつ<ひ弱な>マックス・アーチャーが刻一刻と一人の男として成長する個人史もまたその面白さの要因なのかもしれません。特にマックスと元妻・エマのやり取りに及んでは、「人は必ずしも歳を取ったからと言って人として成熟するわけではない」という涙目を浮かべながらの真実に気づいたりもしました。(私だけかもしれません(笑))
 読み進めながら時折違和感を抱いた部分はいくつかの伏線となって読者に静かに襲いかかりますが、終盤になって、おそらくそれらは全て回収されるでしょう。スパイ小説、エンタメ、歴史小説、パズラーそれらのファクターが詰め込まれながら、しかし読後の印象は爽やかで端正でした。その物語の姿は、ジェイ・ギャツビーのようだった。
 傑作だと思います。 
 □「スパイたちの遺灰 "The Scarlet Papers"」(マシュー・リチャードソン ハーパーBOOKS) 2025/7/27。
スパイたちの遺灰 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:スパイたちの遺灰 (ハーパーBOOKS)より
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