裁きのメス



※タグの編集はログイン後行えます

【この小説が収録されている参考書籍】
裁きのメス
(違う表紙に投票したい場合もこちらから)

オスダメ平均点

8.00pt (10max) / 1件

8.00pt (10max) / 1件

Amazon平均点

4.00pt ( 5max) / 2件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
1pt
サイト内ランク []B総合:1026位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

0.00pt

55.00pt

41.00pt

0.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2025年06月
分類

長編小説

閲覧回数1,720回
お気に入りにされた回数0
読書済みに登録された回数1

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

裁きのメス

2025年06月25日 裁きのメス

南北戦争後間もないフィラデルフィア。解剖学の教授であるリディアの元に、女性の水死体が運ばれてきた。警察は、リディアの友人で患者のアンナだといい自殺を仄めかした。だが、疑問を抱いたリディアは捜査にのりだす。謎めいた手帳、身分違いの恋人、不可解な火災。そして明らかになるアンナの秘密。暴力がリディアに迫った時、彼女が導き出した正解とは。医師作家による傑作ミステリー。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

裁きのメスの総合評価:8.00/10点レビュー 3件。Bランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

19世紀後半のアメリカ。女性医師が主役の社会派ミステリー

インド生まれ、アメリカ育ちの女性内科医の手になる医療ミステリー。南北戦争後のフィラデルフィアを舞台に、女性医師のパイオニアが周囲の偏見、ミソジニーと戦いながら殺人事件の謎を解く社会派色の濃い、良質なエンタメ作品である。
設立まもない女子医学校を卒業し、臨床医として現場に出ると共に教壇にも立つリディア。女性は医師に相応しくないとの偏見や男性同僚からの見下し、嫌がらせに屈せず、自分の信念を貫いていた。ある日、患者であり、友人だったアンナの溺死体を検視解剖することになった。警察は自殺と見ているのだが、アンナを知るリディアには自殺が信じられず、さらに解剖結果からも他殺を疑い、独自の調査を進めることになった。すると、自殺説にそぐわない証拠や証言が見つかり、リディアはどんどん調査にのめり込んでいく。そして犯人につながる証拠を見つけたと思ったとき、リディアを肉体的暴力が襲ってきた…。
洋の東西を問わず、偏見との戦いを余儀なくされる女性医師のパイオニアたちの物語はいくつもあるが、本作はそれを見事なミステリーに仕立て上げたところが素晴らしい。医学的正確さを重視した描写がやや重苦しいものの、ミステリーとしての展開は巧みで、誰もが満足できる作品である。
世のレビューに惑わされず、一度手に取ることをオススメする。

iisan
927253Y1
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.2:
(4pt)

女性医師が主人公の歴史ミステリ

普段ミステリは読まないのだが、1875年のフィラデルフィアを舞台とし、女性医師が主人公の医療ミステリという点で興味を持って読んだ。1875年は日本では明治8年、女性医師のような職業につくのは考えられない時代だったと思うが、本書の主人公リディアは女子医学校で教鞭を執る女性医師で、殺人事件の解決にも奔走し、最初は懐疑的だった警察官たちからも信頼を勝ち取る。ミステリファンでなくても楽しめたし、フェミニズム運動が新たなフェーズを迎えた昨今だからこそこういう本が支持され(エドガー賞新人賞の候補にもなったりして)るのかと考えた。
裁きのメスAmazon書評・レビュー:裁きのメスより
4102409610
No.1:
(4pt)

去年のエドガー賞新人長編賞最終候補作5編のうちの4番目に邦訳出版された作品。

一、あれこれ
◯日本の翻訳ミステリーの市場はたいへん好調とはいえないようだが、エドガー賞関連は翻訳出版してもらえることが比較的多いようである。
◯本書は去年のエドガー賞新人長編賞の最終候補作だが、去年の新人長編賞最終候補作5編(受賞作含む)のうち、すでに3編が日本語訳出版されており、本書は4編目の邦訳出版である。
すなわち、『孔雀と雀』(受賞作)が3月にハワカワ文庫で、『獄門橋』が5月ポケミスで、『罪に願いを』が6月集英社文庫で翻訳出版されている。未訳は『最後のロシアン・ドール』のみである。
◯面白いのは、男性作家の書いた、『孔雀と雀』(2010年代が舞台)と『罪に願いを』(現代のペンシルヴェニアが舞台)がほぼ現在を描いた小説なのに、女性作家三人の作品は完全な時代または歴史ミステリーであることである。
つまり
☆『獄門橋』は『タイガー・マザー』等の著書で著名な法学者エイミー・チュアの小説デビュー作で、1944年のカリフォルニア州バークレイを舞台とした、時代刑事捜査小説。
☆『最後のロシアン・ドール』(未訳)はケンブリッジで歴史学とスラヴを学んだクリステン・ローシュによる過去のロシアを舞台にした大河女性ミステリーで、イギリス在住の若い女性が、ロシアへ戻り、ロシア革命からソ連解体に至るまでの三代のロシア女性史、(自ら)の家族史を探っていくという内容らしい。
☆そして、本書は子供の頃からのミステリー好きの女性医師リツ・ムケルジが1875年のフィラデルフィアを舞台に、女医リディア・ウェストンを主人公として描く殺人事件解明の医学時代ミステリーである。リディアはペンシルヴェニア女子医学校の医学教授(法医解剖も行う)兼スプルース・ストリート診療所の臨床医で、フィラデルフィア警察捜査陣の一員ともなる
◯著者リツ・ムケルジの履歴は本書のカバーに載っており、公演・インタビュー・サイン会の様子が7分程度の動画配信で観られる。最近のサイン会のショート動画もネットに上がっている。
私的感想
◯たいへん面白かった。
◯ただ、原書の書評、レビューに激賞のものが多すぎることには、ちょっと違和感を覚えた。個人的には、時代考証が楽しく、適度に謎があり、事件は適度に多重構造で、適度にサスペンスもあって、主人公は適度に好感度あり、適度に頑固で、適度に貧困育ちで、適度にフェミニズム主張もあり、展開は適度にダイナミックで、楽しく、面白い本だが、大傑作とまでは・・・
◯最後近くまで、真犯人がわからない状態で読者を引っ張っていく点、安易に連続殺人に走らない点は、さすが、子供の頃からのミステリー好き作家である。
◯次作翻訳もぜひ読みたい。
裁きのメスAmazon書評・レビュー:裁きのメスより
4102409610



その他、Amazon書評・レビューが 2件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク