小路の奥の死



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    初公開日(参考)2025年10月
    分類

    長編小説

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    小路の奥の死 (創元推理文庫)

    2025年10月22日 小路の奥の死 (創元推理文庫)

    ロンドンのマナーパーク校の同窓会で、下院議員が殺害された。被害者の友人は女優など個性的な有名人ばかり。だが警部ハービンダー・カーが現場に赴くと、部下の刑事キャシーも被害者と親しかったと判明する。捜査が始まると、被害者は「血を流す心臓(ブリーディング・ハート・ヤード)」と書かれた手紙を何通も受け取っており、21年前に起きたある生徒の死亡事故の目撃者だったことが明らかになるが……。巧みな伏線の妙を味わえる『見知らぬ人』の著者の傑作謎解き長編!(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    小路の奥の死の総合評価:7.00/10点レビュー 3件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
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    (7pt)

    ヒロインの魅力が7割、ストーリーの面白さが3割

    イギリスの人気作家グリフィスの「ハービンダー・カー刑事」シリーズ第3作。ロンドン警視庁に異動したカーが名門校の同窓会で起きた殺人の謎を解く、正統派の犯人探しミステリーである。
    有名人が集まったマナーパーク校の同窓会で下院議員のゲイリーが死んでいるのが見つかった。現場に到着したカー警部は部下の刑事部長・キャシーが居ることに驚くが、キャシーも同窓生だったのだ。検視の結果、ゲイリーはドラッグによる死に見せかけた殺人であることが判明。犯人は同窓生だと判断し、カー警部は彼らの濃密な人間関係の中に動機を探すのだが、誰もが怪しく見え捜査は難航する…。
    ヒロインのカーはインド系、独身、レズビアンというかなりのマイノリティーで、しかも表面的には穏やかだが内面は激情型の人物。捜査過程で漏らす心の内の本音が面白い。物語は21年前の事件が波及した多重殺人というよくある話だが、犯人探しはかなり難しい。帯の「意外な犯人に驚愕」とのセールストークはオーバーだが、いちばん怪しくない人物が犯人っていうセオリー通りかな。
    英国謎解きのお好きな方にオススメする。

    iisan
    927253Y1
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    No.2:
    (5pt)

    ものすごく丁寧に書かれた作品で読みやすい

    『見知らぬ人』、『窓辺の愛書家』に続く刑事ハービンダー・カーの第三作。ものすごく丁寧に書かれた作品で読みやすい。今作ではハービンダー刑事がロンドンに転勤し、同窓会がらみの殺人事件に巻き込まれる。途中でなんとなく犯人が分かったけど、その語り口が軽やかかつ論理的で読むものを飽きさせない。前二作と比べ、主人公の性格描写があっさりとしていて、その分、ロンドンでの新居や新たな職場に対する不安や順応の過程に多くの描写が割かれている。同性愛に関するエピソードは控えめだが、ゲイである(アン・クリーヴスの)マシュー・ヴェン警部より、レスビアンのハービンダー警部がもっと客観的で感情に流されない、強い存在として描かれていて、比較として興味深い。いずれにせよ、LGBTQ+の主人公を奇をてらうことなく真正面から描いた作品として、相変わらず秀逸である。翻訳は原書に忠実なのだろうが、物語の進行に現在形が多用されていてちょっと感覚的に戸惑うところがあった。
    小路の奥の死 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:小路の奥の死 (創元推理文庫)より
    4488170056
    No.1:
    (2pt)

    長過ぎる展開。(私には)理解できないデリカシー。唐突な結末

    〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズの三作目。サセックス警察からロンドン警視庁犯罪捜査課警部へと転任したハービンダー。彼女はロンドンへと引っ越し、二人の女性とシェアフラットで暮らし始めます。
     公立総合制中学校であるマナーパーク校の同窓会で、下院議員、ガーフィールド・ライスが亡くなる事件が発生します。その同窓生には、高名な女優、イザベル・アイスター、人気バンドのリード・ヴォーカル、クリス・フォスターら有名人が出席していて、ハービンダーの部下でもある刑事のキャシーもまたその同窓生の一人でした。ガーフィールドの秘書によるとガーフィールドは最近"Bleeding Heart"(血を流す心臓)と書かれた手紙を何通も受け取っていました。検死によって、ガーフィールドの死因は、インスリン中毒。体には注射痕があり、殺人事件として捜査が開始されます。犯人は誰?何故?
     ハービンダーからの視点以外に、二人の女性の視点からもその物語が語られていますが、スリラーとして今回は特筆すべき点が少ないと言わざるを得ません。
     ロンドンの古い駅と小径の風景描写は魅力的でしたが、それほどのストーリーでもないにも関わらず長過ぎる展開(まあ或る意味では黒澤明の「羅生門」的なと表現することも可能かもしれませんが)と女性たち三人のデリカシーを私自身がよく理解できないことにその所以があるのかもしれません。また、結局、あまり疑わしいとは言えない登場人物の中から犯人が抽出されるため、伏線はしっかりと張られているにせよ、結末が少し唐突な印象がありました。
     多くを語らずに次の物語へと移行しましょう。何故ならより楽しいと思えるスリラーがいくらでも控えているのだから。
     ◻︎「小路の奥の死 〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ "Bleeding Heart Yard"」(エリー・グリフィス 創元推理文庫) 2025/10/29。
    小路の奥の死 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:小路の奥の死 (創元推理文庫)より
    4488170056



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