小路の奥の死
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| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt | ||||||||
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イギリスの人気作家グリフィスの「ハービンダー・カー刑事」シリーズ第3作。ロンドン警視庁に異動したカーが名門校の同窓会で起きた殺人の謎を解く、正統派の犯人探しミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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| 『見知らぬ人』、『窓辺の愛書家』に続く刑事ハービンダー・カーの第三作。ものすごく丁寧に書かれた作品で読みやすい。今作ではハービンダー刑事がロンドンに転勤し、同窓会がらみの殺人事件に巻き込まれる。途中でなんとなく犯人が分かったけど、その語り口が軽やかかつ論理的で読むものを飽きさせない。前二作と比べ、主人公の性格描写があっさりとしていて、その分、ロンドンでの新居や新たな職場に対する不安や順応の過程に多くの描写が割かれている。同性愛に関するエピソードは控えめだが、ゲイである(アン・クリーヴスの)マシュー・ヴェン警部より、レスビアンのハービンダー警部がもっと客観的で感情に流されない、強い存在として描かれていて、比較として興味深い。いずれにせよ、LGBTQ+の主人公を奇をてらうことなく真正面から描いた作品として、相変わらず秀逸である。翻訳は原書に忠実なのだろうが、物語の進行に現在形が多用されていてちょっと感覚的に戸惑うところがあった。 | ||||
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| 〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズの三作目。サセックス警察からロンドン警視庁犯罪捜査課警部へと転任したハービンダー。彼女はロンドンへと引っ越し、二人の女性とシェアフラットで暮らし始めます。 公立総合制中学校であるマナーパーク校の同窓会で、下院議員、ガーフィールド・ライスが亡くなる事件が発生します。その同窓生には、高名な女優、イザベル・アイスター、人気バンドのリード・ヴォーカル、クリス・フォスターら有名人が出席していて、ハービンダーの部下でもある刑事のキャシーもまたその同窓生の一人でした。ガーフィールドの秘書によるとガーフィールドは最近"Bleeding Heart"(血を流す心臓)と書かれた手紙を何通も受け取っていました。検死によって、ガーフィールドの死因は、インスリン中毒。体には注射痕があり、殺人事件として捜査が開始されます。犯人は誰?何故? ハービンダーからの視点以外に、二人の女性の視点からもその物語が語られていますが、スリラーとして今回は特筆すべき点が少ないと言わざるを得ません。 ロンドンの古い駅と小径の風景描写は魅力的でしたが、それほどのストーリーでもないにも関わらず長過ぎる展開(まあ或る意味では黒澤明の「羅生門」的なと表現することも可能かもしれませんが)と女性たち三人のデリカシーを私自身がよく理解できないことにその所以があるのかもしれません。また、結局、あまり疑わしいとは言えない登場人物の中から犯人が抽出されるため、伏線はしっかりと張られているにせよ、結末が少し唐突な印象がありました。 多くを語らずに次の物語へと移行しましょう。何故ならより楽しいと思えるスリラーがいくらでも控えているのだから。 ◻︎「小路の奥の死 〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ "Bleeding Heart Yard"」(エリー・グリフィス 創元推理文庫) 2025/10/29。 | ||||
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