母の嘘、娘の秘密
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| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt | ||||||||
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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弁護士出身の米国若手作家の本邦初訳(おそらく)。焦げた料理、血まみれの靴を残して実家から姿を消した母を探すうちに母にも、父にも隠された一面があることを知った娘が真相を探り出す親娘の物語である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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| 以下のレビューにネタバレはないつもりです。 一、作家あれこれ ◯弁護士出身の女性人気作家キンバリー・マクリートの初紹介となる長編第八作(2024年)の翻訳である。 ◯日本ではまだこの作家に関するネット情報はほとんどないと思うが、原語では、本人のホームページほか、たくさんの情報、作品情報、レビューが載っている。 ◯年齢は載っていないが、写真はいろいろ載っていて、推測はできる。ロースクールを卒業して弁護士として働き、2013年にミステリー長編デビューして、作家になったよう。第一作はエドガー賞最優秀新人賞ほかの賞にノミネート。その後、3冊の長編スリラーミステリーと、3冊のヤングアダルトシリーズ長編スリラーを出している。大きな賞(?)は得ていないようだが、作品はどれも好評で、世界で翻訳され、ベストセラー作家の1人のようである。ブルックリン在住で、二人の娘がいる。 二、ストーリーちょっと ◯大学生の娘の現況を案じて動き回る母親が失踪に至るまでと、血痕を残して失踪した母親の行方を案じる娘の捜索を、交互に描き、過去と現在の様々な様々を織り込んだスリリングなミステリー。ひねり、逆転、びっくりもある。 三、私的感想 ◯最後まで、楽しく読んだ。メイン中のメインの性的謎の真相についてはびっくりした。 ◯この作家さんの作品が翻訳出版されたことがうれしい。次回翻訳作もできるだけ読みたい。 四、蛇足 ◯上記のように原書のネット読者レビューはたいへん好評だが、好評でない評もちょっとある。複雑すぎる。退屈。多すぎるサイドストーリー、多すぎる偶然の一致、イライラする・・などなど。多すぎるサイドストーリーについては、まあ、そうかな、と思う。 | ||||
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| 舞台は、ニューヨーク。 娘(クレオ・マクヒュー)は、母親(カトリーナ)に呼ばれて実家に戻ってみると焦げた料理と血まみれの靴を残したままカトリーナの姿は消えていました。その<何故>を追って、スリラーの物語は展開していきます。 その発端以降のクレオの時系列。そこで語られるクレオ側の私生活と或る事情。その発端以前、そこに至る八日前からのカトリーナの私生活と或る事情、そして「謎」に満ちた過去という時系列。そこに時折、裁判記録、メールの内容がインサートされサスペンスを醸成し続けます。 どこからか話が向かう先が見えてきたあたりから実は、まあ良くできたサスペンス・スリラーなんだろうなという思い込みからそのサスペンスは希釈されていくわけですが、しかし、それでは終わらなかった大きなツイストが控えていました。 そもそも強い女性たちが次々と登場して、私などは辟易とさせられて、比較して男たちもまた何とも嫌な男たちばかりが(今では少しティピカル過ぎてこれも辟易とさせられます)その醜い姿を曝け出して、どうなのか?こんなイヤミスを読んでいて果たしていいのだろうか?(笑)と思いながら、それでも<希望>の持てそうな男が一人現れることによってここにこの物語の鍵が隠されているのだろうなと安心できたりもしました。 「母の嘘、娘の秘密」によって、現実世界はこれほど嫌なことばかりが続くものなのか?という問いに対する答えがこのスリラーには隠されているのかもしれないと思えたりもしました。その点、作者の意図は成功しているようにも思えます。内心わだかまり続けた違和感が<離れ技>によって解消された時、やはりこれがないと読者は満足を得ることができないという結論にも達しました。よって、★が一つ格上げされることになります。 29%あたり、母(カトリーナ)が若い時に書いた短編小説の書き出しがありました。 「幼い子どものように彼を愛した。どうしようもなく無分別に、心から勇敢に」 そう、その時の母はどこへ行ってしまったのだろう。そしてまた、母同様そのことが信じられた私もまたどこへ行ってしまったのだろう?とても素敵な書き出しの物語は語られないままイヤーな現実世界だけが目の前に立ちはだかっています。 ▫️「母の嘘、娘の秘密 "Like Mother, Like Daughter"」(キンバリー・マクリート 早川書房) 2025/10/05。 | ||||
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