夜を駆ける女たち



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初公開日(参考)2025年06月
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長編小説

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夜を駆ける女たち (ハヤカワ・ミステリ)

2025年06月05日 夜を駆ける女たち (ハヤカワ・ミステリ)

大学女子寮で学生が惨殺された。犯人を目撃したパメラのもとに、国の反対側からティナが会いに来た。ティナは4年前に失踪した恋人を捜しているという。彼女たちが手を取り合い、調査をしていくと、警察も気づかなかった、巨大な連続殺人事件が浮かび上がる!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

夜を駆ける女たちの総合評価:9.00/10点レビュー 3件。Cランク


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(7pt)

意欲が先走って、小説の醍醐味が薄いかな

アメリカの犯罪史上最も有名なシリアルキラー、テッド・バンディ事件をテーマにしたノワール・ノベル。何かと称賛される加害者に対し、現代の女性の視点から徹底的に叩きのめそうとする意欲作である。
1978年1月の深夜、フロリダ州立大学の女子寮に何者かが侵入し2人が殺され、2人が重傷を負った。寮を管理運営する支部長のパメラは犯人と鉢合わせ唯一の目撃者となったのだが、当初の供述が変遷したため保安官からは信頼されていなかった。そんなパメラに、わざわざシアトルから会いにきたティナという女性が4年前に友人のルースが行方不明になった事件と今回の事件は同一犯だと告げた。ティナが見せた指名手配写真を見たパメラは「この男だ」と確信し、保安官に知らせたのだが、二つの事件は無関係だと断定された。事件で亡くなった親友・デニースのために犯人を捕まえたいパメラはティナと協力して犯人を追う決意を固めた…。
性差別が罷り通っていた1970年代アメリカで当たり前のように流れた犯人の容姿や知性を讃え、英雄視する風潮に対する怒りが全編にみなぎっている。それは、被害者は無名のままに忘れられ、歪んだ加害者像が独り歩きすることへの全面的な拒否表明として、最後まで犯人の名前を書いていないことに象徴されている。その問題意識の鋭さ、意欲は買うのだが、事件発生時と現在を行き来する構成が効果を発揮せず、読みづらいのが難点。
忍耐強いノワール愛好家にオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.2:
(5pt)

文句なし

文句なし
夜を駆ける女たち (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:夜を駆ける女たち (ハヤカワ・ミステリ)より
4150020175
No.1:
(5pt)

<悲しみ>についての<Why-Done-It>

季節が良くなり、外出の機会が増え、少し読書量が減りました(笑)。
 本作はハヤカワ・ポケット・ミステリからリリースされていますので、純粋パズラーかと思いながら読み始めましたが、違っていました。
 実際にあった連続殺人事件に基づいて書かれたフィクション。1978年1月、フロリダ州タラハシーの大学女子寮で学生二人が殺害されます。犯人と思しき男の姿を見たパメラが主人公。彼女は、フロリダ州立大学(FSU)の女子学生クラブ(ソロリティ)の支部長でしたが、私はまずソロリティの仕組み、運営について知ることになります。
 そのパメラのもとへティナという女性が会いにきますがティナは4年前に行方不明になった女性・ルースを捜していました。そして、ティナがパメラに見せた指名手配犯の写真は、正しくパメラが事件当日に見た男の写真でした。法執行機関はいかに対応するのか?パメラはティナと共に事件を調査すべくコロラドへと向かいます。
 当時の学生・パメラの視点、2021年のパメラの視点、そこにルースの視点が交錯しながら物語は進行していきます。(正直、読みにくい(笑)。私の読解能力の衰えを含めながら、どれだけフェミニンな描写が続くのだろう?)ロジックを追うとあまり良いことはないかと思われますが、焦点はパメラという一人の女性の生き様がリアリティ溢れる行動、所作によって詳らかにされていることにあるかもしれません。全ては殺害された女性の一人、パメラの親友・ダニースへの思いに溢れていることとルースの危うさの原因に隠れている<悲劇性>については現代の米国に確かにある女性たちの立脚点に基づいていると感じられます。
 背景にある不快な男たちの存在もまた私の<鏡>のように映し出されます。私自身の内部を照射した先にある<ミソジニー>であったり、<マチズモ思想>と否が応でも対面することになるからだと思います。男たちは心して読みなさい。
 圧巻は81%当たりで記述されている”複雑な悲しみ"(コンプレックス・ブリーフ)にあります。その排水溝の詰まりのようなあり得ない、圧倒的な悲しみ。引用しますが「太古の昔から存在してきた正義に関する社会契約や人間のしきたりを踏襲しない悲しみ」について、作者は夜を駆けるパメラたちを通してアプローチしているような気がします。
 よって、本書は純粋パズラーではありません。しかし、間接的に描写される<悲しみ>についての<Why-Done-It>を無視することはできません。
 ◻︎「夜を駆ける女たち "Bright Young Women"」(ジェシカ・ノール 早川書房) 2025/6/9。
夜を駆ける女たち (ハヤカワ・ミステリ)Amazon書評・レビュー:夜を駆ける女たち (ハヤカワ・ミステリ)より
4150020175



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