夜を駆ける女たち
- ノワール (115)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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アメリカの犯罪史上最も有名なシリアルキラー、テッド・バンディ事件をテーマにしたノワール・ノベル。何かと称賛される加害者に対し、現代の女性の視点から徹底的に叩きのめそうとする意欲作である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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文句なし | ||||
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季節が良くなり、外出の機会が増え、少し読書量が減りました(笑)。 本作はハヤカワ・ポケット・ミステリからリリースされていますので、純粋パズラーかと思いながら読み始めましたが、違っていました。 実際にあった連続殺人事件に基づいて書かれたフィクション。1978年1月、フロリダ州タラハシーの大学女子寮で学生二人が殺害されます。犯人と思しき男の姿を見たパメラが主人公。彼女は、フロリダ州立大学(FSU)の女子学生クラブ(ソロリティ)の支部長でしたが、私はまずソロリティの仕組み、運営について知ることになります。 そのパメラのもとへティナという女性が会いにきますがティナは4年前に行方不明になった女性・ルースを捜していました。そして、ティナがパメラに見せた指名手配犯の写真は、正しくパメラが事件当日に見た男の写真でした。法執行機関はいかに対応するのか?パメラはティナと共に事件を調査すべくコロラドへと向かいます。 当時の学生・パメラの視点、2021年のパメラの視点、そこにルースの視点が交錯しながら物語は進行していきます。(正直、読みにくい(笑)。私の読解能力の衰えを含めながら、どれだけフェミニンな描写が続くのだろう?)ロジックを追うとあまり良いことはないかと思われますが、焦点はパメラという一人の女性の生き様がリアリティ溢れる行動、所作によって詳らかにされていることにあるかもしれません。全ては殺害された女性の一人、パメラの親友・ダニースへの思いに溢れていることとルースの危うさの原因に隠れている<悲劇性>については現代の米国に確かにある女性たちの立脚点に基づいていると感じられます。 背景にある不快な男たちの存在もまた私の<鏡>のように映し出されます。私自身の内部を照射した先にある<ミソジニー>であったり、<マチズモ思想>と否が応でも対面することになるからだと思います。男たちは心して読みなさい。 圧巻は81%当たりで記述されている”複雑な悲しみ"(コンプレックス・ブリーフ)にあります。その排水溝の詰まりのようなあり得ない、圧倒的な悲しみ。引用しますが「太古の昔から存在してきた正義に関する社会契約や人間のしきたりを踏襲しない悲しみ」について、作者は夜を駆けるパメラたちを通してアプローチしているような気がします。 よって、本書は純粋パズラーではありません。しかし、間接的に描写される<悲しみ>についての<Why-Done-It>を無視することはできません。 ◻︎「夜を駆ける女たち "Bright Young Women"」(ジェシカ・ノール 早川書房) 2025/6/9。 | ||||
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