エージェント17
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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脚本家として経験を積み重ねてきた英国作家の小説第1作。2023年のCWAスティール・ダガー賞受賞作にふさわしいアクション・サスペンスである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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冒頭は「軽妙洒脱なおとぼけ系スパイ小説」と思わせておいて、いきなりのフルスロットル、アクセル全開となり一気にラストまでなだれ込んでいきます。ハンドラーから先輩である「16」の暗殺を依頼された「17」はとても勝ち目のない勝負なので尻込みしますが、お約束どおり渋々仕事に着手します。 当然、超一流の「16」はさまざまな準備、人的物的な仕掛けを用意しており簡単には進まず、「狙撃」「待ち伏せ」「カーチェイス」さらには熊に襲われるなど予想外の出来事ばかりで「タイマン」勝負はなかなか決着がつきません。そのうちに実は大陰謀が仕組まれていて、自分たちがただ単に駒として利用されていることに気がつき、まさかの最強タッグが結成されて巨悪の打倒と人質救出にむかうお話です。 この流れでのさならるお約束は「都合よく協力してくれるひと」多数で、はたして最高の結末をむかえることができるのか!ぜひご堪能ください・ | ||||
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原題は、シンプルにSEVENTEEN(17)というアクション小説。 とあるミッションを遂行した世界最高の暗殺者エージェント17。 引退した前任のエージェント16を消す任務を帯びて、鄙びた田舎を訪れる17だが、そこには恐ろしい罠と陰謀が! 果たして17はミッションを遂行生き残ることができるのか、とうストーリー。 魅力的なキャラクターが多数登場し、武藤陽生氏の素晴らしい訳と相俟って最後まで愉しむことができます。 中盤少し中だるみもあるものの、総じて面白く、アクション小説好きであれば十分にお勧めでます。 本国アメリカの小説の表紙と近い、スタイリッシュな表紙も素晴らしいです。 次作の18が翻訳されるか心配ですが。 武藤陽生氏翻訳のエイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィーシリーズの続編を早く読みたいですが、1月の新刊予定に入っていなかったので絶望的ですね。 9作目の6作目でシリーズ刊行が止まるとは、本当に残念です。 早川書房は映画化された小説の出版に異常なまでの情熱を傾けているので、「Levon's Trade」(映画の題名は、The Working Man)や「Caught Stealing」も刊行して欲しいですね。シリーズものなので、途中で刊行が止まるでしょうけど。 | ||||
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軽妙な語り口で流れるようにアクションが続く。 まさに解説で触れられた3作を合体させたような雰囲気だった。主人公を食うほど活躍するジイさんとキャットが良い。こういう1人語りの翻訳は武藤さんに限りますね。 しかしどうせこれも早川商法で2作目出たらストップなんだろうと思うと悲しい。シリーズ続刊読むために英語勉強してます! | ||||
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海外のamazonでも評価が高いので、購入しました。とても面白かったです。 | ||||
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舞台はミュンヘンからベルリンへと向かうアウトバーンから始まります。 ブガッティ・ヴェイロンのうなり、17に向かってスピーカーフォンをぶん投げた女の表情、暗闇の中で男のまだ温かい内臓に指を突っ込んでメモリーカードを探る感触から始まるスパイ・アクション小説。その類まれなヴァイブレーション。 主人公、17(セヴンティーン)はトップクラスのエージェントですが、彼はハンドラーからかつてこの業界でトップに君臨していたにも関わらず突然引退して身を隠した16(シックスティーン)を暗殺するよう依頼されます。 ベルリンでの仕事の後、彼自身も命を狙われ、或る疑念に囚われつつも彼はハンドラーに説得され、ベルリンから米国へと向かいます。そして16が自分自身の経験を活かしてスパイ小説を描いていることを見破った17はあの人口密度の少ない州(笑)、サウスダコタへと潜入することになります。以降は、ページ・ターナーとしての面目躍如、途切れなくアクションがアクションを呼び込み、物語はときめきを効かせながら二転三転し、壮大な謀略戦へと発展し、おそらく読者はあっと言う間にエンディングへと至ることになるでしょう。その"Groove"を伴う疾走感はまさに半端ない(笑)。 17にとっての16は"ジミヘン、ビートルズ、パブリック・エナミー・・・・・"でありに始まる一文(14%あたり)は、かつて自分自身に大いなる影響を与えたものたちへの断ち難い想いに溢れています。その存在の大きさ故に時に否定し、時に愛し、時に憎みながらいつか己がアイデンティティの一部になる<憧憬>を秘めた相手が今回は敵になるわけですから、生半可な戦闘ではありません。その二人のキャラクタリゼーションの妙味。凄み。 また、モーテルの女主人、キャットとガソリンスタンドの店員、ハーブもまた強烈なキャラクターを持った強い女性たちと言っていいでしょう。ここでその理由を書くことはできませんが、これからの男たちは今後二人のようなキャラクターを背負ったいずれかと或いは両方と生きていくことになるのです。覚悟しましょう(笑)。古典的な愛は雲散霧消し、その時、その一瞬、<必要な>男たちが今愛すべき男だと言えるのかもしれません。 篇中、作者のエンタメ映画への<憧憬>が述べられているように感じられます。特に、言及される「脱出」、「殺しの分け前/ポイント・ブランク」のジョン・ブアマン+リー・マーヴィンへの平伏するようなオマージュには私もまた同じ想いを禁じ得ません。 そして、このまるで<神話>のような、勝者不在の物語の中、元CIA、ベイルート局長、トミーの存在が光り輝いています。アルコール依存症者が12ステップ・プログラムを経て回復へと向かう時、それは時に自分自身への欺瞞を伴う見せかけの姿であったりするわけですが、それがもしかするとそうではなかったのではと思わせる憂愁の回復者のヴィジョンを垣間見せてくれます。何を言っているのか訳がわからないかとは思いますが(笑)、お読みいただければと思います。 □「エージェント17 “Agent Seventeen”」(ジョン・ブロウンロウ 早川書房) 2025/1/08。 | ||||
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