17の鍵
- 警察小説 (526)
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過去と現在の物語が交錯して、事件の解決に向かう良くあるストーリーだが、過去の物語をいくら読み込んでも何も推理の助けにはならない。最後に何だこれは?という展開。尚且つ過去にばらまいた伏線が全くまとまってこない。未完の段階の作品かと思ってしまう。無理筋。 | ||||
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この作品だけでは、謎の一番しりたいことは解決していない。続編を読む必要がある。 作品は、スリリングでいろいろな謎が絡みあって、つぎの展開が読めない。 | ||||
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. 2017年9月、ベルリン大聖堂で教会牧師の惨殺遺体が発見される。ベルリン州刑事局の上級警部トム・バビロンが現場に向かうと、被害者が少年時代の友人カーリンの母ブリギッテ・リスであることに気づく。トムとカーリン、そしてベネ、ヨシュア、ナージャの5人は1998年の夏に川遊びをしていて男の変死体を発見したことがある。当時その遺体は首に、17と記された鍵をつけていた。そしておよそ20年を経た今、ブリギッテの惨殺体の首にも同じ鍵がつけられている……。 ------------- ドイツの作家マルク・ラーベによるトム・バビロン・ミステリー4部作の第1弾です。この翻訳文庫は550頁超えという大長編ですが、あまりの面白さに一気に読み通しました。 物語ののっけから惨殺体が登場する猟奇殺人事件ですが、事は現在ばかりか、主人公トム・バビロンの少年時代と密接に関わっていることがどんどん明らかになっていきます。少年時代に発見した遺体、首にかかっていた17と書かれた鍵、妹ヴィオーラの失踪、消えた遺体、カメラ店で襲いかかってきた男などなど、少年時代のトムの周辺では奇怪な事件が連続していたことがわかります。 そして今、友人の母の殺害、友人であるカーリン自身の失踪、捜査にあたっていた警官二人への襲撃、警察内同僚の奇妙な行動などなど、奇々怪々さはどんどん増していきます。 そこに加えて、精神科病院に収容されているクララという謎の女性の存在が描かれます。こうした謎のひとつひとつはまったく無関係でとっ散らかったように見えるのですが、やがて事件の真相目指して一直線にまとまっていくスピーディな展開は見事です。読んでいて一度として倦むことがありません。 なんといってもこの事件は、巨大な国家権力が――はっきりと言うなら、東ドイツという社会主義国家が崩壊後も――隠然たる力を行使して引き起こしたものである可能性が浮かび上がってきて、その点が秀逸です。特異な現代史を歩まされたドイツという国ならではの物語を、わたしは大いに楽しみました。 シリーズ第2弾の『 | ||||
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一、あれこれ 新刊翻訳長編ミステリーをきちんと読むと決心したのに、全然守れていなくて、もう一ヶ月以上新刊翻訳長編ミステリーを読んでいない。とても悲しい。 それで、久しぶりに読んだ新刊翻訳長編ミステリーが、この現代ドイツミステリーだった。作者についてはまったく知識がなかったが、前宣伝で激賞されていたので、すぐ予約した。 厚さにちょっと怯んで、数日寝かせておいたが、「読む手が止まらない」という帯宣伝を信じることにして、意を決して読み始める。 最初に出てくるリストの、登場人物の数の多さに、またちょっと怯んでしまう。31人もいる。初めのうちは、数多い登場人物を一人一人見分けながら読んでいかねばならないので、なかなか頁は進まない。おまけに、亡くなっているはずの主人公のベルリン州刑事局上級警部トム・バビロンの妹のヴィー(幽霊?)が、唐突に主人公のそばに現れて会話してまた消えるという設定になっているため、ちょっと混乱させられる。そして、早々と110頁あたりで、シュライアーとマルガ・ヤルゼルスキという登場人物リストにない人物が出てきて、それぞれ3〜5頁トムと会話する。なかなか読書前途多難に思える。 しかし、事件そのものは、目をえぐられ頸動脈を切られた女性牧師の死体が、ベルリン大聖堂の丸天井の下に吊り下げられているというど派手な発端で、そのあと19年前に戻って、運河の橋でちょっとエッチな賭け事遊びをしていたトムほか4人の少年少女が、男の溺死体を発見するという展開も巧みである。 事件は次々と起き、女性臨床心理士の登場でトムの女性関係も混み合ってきて、アクションもサスペンスも一杯で、バイオレンスもあり、過去と現在は共鳴し、東ドイツ国家保安省の話も出てくる。間違いなく先が読みたくなってくる。 それで、全体の四分の一を過ぎた第六章辺りからは、読書は快調となり、まさに、「圧倒的面白さ」に読む手が止まらない状態となって、最後まで持続した。 あえて難点をあげると、過去の少女虐待の部分がちょっと無理な感もするが、まあ、昔のことだから・・。また、東ドイツファンとしては、東ドイツの暗黒面ばかりが出てくるのがちょっとつらいが・・しかたないな。 ともかく、大好きなベルリンを舞台をした現代ドイツミステリー4部作を酒寄進一氏が全部翻訳してくださるのだから、絶対に最後まで読みたい。 ドラマの本筋ではないが、本作では比較的出番の少なかったトムの恋人のアンネが最後に・・・という結末は楽しかった。 二、蛇足 本筋とは関係ないが、61頁と311頁の関係は、見事な「過去と現在の共鳴」で、見事な伏線回収とも思う。この本が一層好きになった。 訳者様、ワイマールドイツ文学未訳作品の翻訳もよろしくお願いします。 | ||||
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ドイツ・ミステリーといえば、訳者(酒寄進一氏)つながりで「コリーニ事件」等、フェルディナント・フォン・シーラッハの著作を思い浮かべながら、途中からはイタリアの作家による「ベルリンの壁崩壊」に纏わるエスピオナージュ、「裏切りのシュタージ」(2020年8月)もまた想起することになりました(のっけからプチ・ネタバレかもしれません。お許しください)。 主人公は、ベルリン州刑事局の刑事、トム・バビロン。バディは、アルコール依存症歴のある女性臨床心理士のジータ・ヨハンス。舞台は、ベルリン。「ベルリン大聖堂」の丸天井の下、女性牧師が殺害され、吊り下げられています。尚且つ、被害者の首には「17」と刻まれた鍵が括り付けられており、それはかつてトムが少年の頃に川で見つけた死体のそばにあった鍵と同じものでした。そして、その鍵はトムの妹ヴィオーラに持ち出されたまま、彼女が失踪し長い年月が経過していました。2017年の現在の事件に1998年のトムの私的な事件が交錯しつつその真相が語られていきます。現在の事件の犯人は一体誰?過去がどう結びついているのか?「壁崩壊前後」のドイツを背景に、歴史の闇が深く、深く横たわっています。スリラーですから、その詳細をこれ以上語ることができません。 二人の主人公のキャラクタリゼーションがストーリーを動かしていくわけですが、トム以上に臨床心理士、ジータのキャラクターに心惹かれます。トムのキャラクターについては、北欧スリラーの主人公たちのお陰で(笑)、それほど強烈な印象が残りませんでしたが、ジータのその揺るぎない(或いは、一部病的な)キャラについての<何故>は、おそらくこれからのシリーズで明かされていくことになるのでしょう。 もう一点、今回の「17の鍵」に纏わる真相は、いささか複雑過ぎるとは言え、すっきりと明かされているように思えますが、いくつかの重要な謎が残されたまま終わりを迎えます。それらもまた、これからのシリーズの中で徐々に明らかになっていくのでしょう。そう遠くない時期に次作「19号室」がリリースされると聞いていますので、期待しつつ待ちたいと思います。この〈刑事トム・バビロン〉シリーズは四作とのことですので、最終的な評価はその後になされるべきものだと思います。 私なりに本作を短く表現するなら、「被害者への同情と加害者の中にある被害者の部分への共感」(p.518)がどう変遷するのか(或いはしないのか?)限りなく興味深いところです。 □「17の鍵 〈刑事トム・バビロン〉シリーズ」(マルク・ラーベ 創元推理文庫) 2025/1/31。 | ||||
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