ゴーイング・ゼロ
- スリラー (8)
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とにかく個人情報はすべて国家が管理できるシステムは、携帯、車、GPS、顔認識、歩行認識そしてテレビにまで「勝手に」侵入して位置、家族、会話、嗜好、思想まで完全に把握します。さらにその後の行動予測まで可能となっています。このシステムは表向きには犯罪捜査なのですがIT企業と組んだ国家機関は、まず「テスト」ということで10人が30日間逃げ切れるか?という高額賞金付きの鬼ごっこを開始しました。 さてどうすれば逃げ切れるでしょうか? ・日常と全く同じ生活を続ける ・遠方の友人を頼って移動する ・「木を隠すのは森」なので大都会に紛れ込む ・「蛇の道は蛇」だから犯罪人に匿ってもらう ・自宅に隠し部屋を作りそこにこもる ・プリペイド携帯を何個も用意して攪乱させる ・電波のとどかない大自然の中でキャンプ生活 など逃げる側も当たり前ですが知恵を絞ります。ここまではかなり面白かったのですが、さらに別件の事件を遡るのでちょっと熱量が下がってしまいました。ふたつを切り分けて別々の小説にしたほうがよかったとも思えます。 けれどもラストが鮮烈でさすがでした。 | ||||
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推薦文の「自分のスマホの見る目が変わる」という文で購入。 現代はスマホなりPCなり仕事やプライベートでデバイス機器は毎日使用している。それを使ってどこまで本人に気がつかれずに、だれがどうやって情報を取得するのかなどが分かるのかな?と知りたかった。 思ったよりも、意外な手法とかではなく、今までの一般的に知られる考えられる技術を使ってで、その点に関しては意外性はなかったし、自分が期待したほどいろんなことは書かれてはいなかった。 どちらかというと、技術的な手法というよりもアメリカが監視国家になることならないことのメリットデメリットが大枠にあり比重が置かれていると思う。どちらにせよ、この後の世界がどうなっていくかを考えていくうえで、読んでおいた方がいい本なんだろうな。とは思った。逆にあれはこの物語に必要だろうか?と思うような性的な記載も少しあった。 国家やCIAなどの組織にもヒロインがこのプロジェクトに参加した理由の1つにあるため、いろいろ書かれていて、盗聴をするための身近なデバイスなどの話がある、訪ねた家でテレビやラジオがつけられていたあたり、物語の中で名言されていないが、うっすらとした怖さもあった。 | ||||
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本書を読書中、手元に本が無いため確認ができませんが、ブライアン・ガーフィールドの「ホップスコッチ」を思い出しました。逃げる主人公。追うCIA(だったか?笑) 膨大なデータから市民を特定すべく、そのノウハウを研ぎ澄ませることにより会社を大きくしてきた「ワールドシェア社」はCIAと共同で「フュージョン・イニシアティブ」計画を立ち上げます。そして、“Going Zero”と呼ばれる「βテスト」という名の実証実験を行い、CIAから大型契約を獲得しようと目論んでいます。その「フュージョン・イニシアティブ」が実装できれば、よりいっそう強大な監視社会が実現することになります。 「βテスト」を実施するため全米各地から十名の被験者が選ばれ、彼らが三十日間身を潜めて逃げ切ることができれば三百万ドルの賞金が与えられます。正しく、北米を股にかけて繰り広げられる「逃走中」(笑)。逆に十人全てを期限内に捕捉できなければ契約を取ることはできません。 主人公は、追跡番号10番のケイトリン。彼女はボストンの図書館に勤務する平凡な司書。しかし彼女は、デジタル網を掻い潜りながら、インターネットもSNSも当てにすることなく、アナログ世界の冒険者として、逃げて、逃げて逃げまくります。果たして、物語はどう進展し、いかなる結末を迎えるのか? 中盤までは、快調でした。ここまで書いたような内容のワン・アイディアが優れていたからでしょう。さすが、私が好きな映画群、「博士と彼女のセオリー」、「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」、「ボヘミアン・ラプソディ」、そして「2人のローマ教皇」の脚本家の面目躍如だと思います。 しかしながら、中盤以降、或る秘密が暴露され、ケイトリンのこの企画に応募した動機が徐々に明確になるにつれ、壮大なワン・アイディアの物語が、ごく普通のサスペンス・スリラーへと矮小化されていきます。まあ、それでもそれなりに面白かったとは言えます(笑)。 私たちの生活から、インターネットが失くなり、電話は家の電話だけになり、勿論SNSなど駆使できるはずもなく、車は車内WiFiやGPSがなかった頃の動力装置に戻ってしまったとしたら(それもまたもう一つの“Going Zero”)、それはそれでとても心穏やかな日々が送れるのではと思わせるほどに今を、今の世界を、これからを、これからの世界を熟考させる多くのマテリアルに満ちた小説だったとも言えるかもしれません。 しかし、比べることはできませんが、1980年代の小説「ホップスコッチ」の方がはるかに面白かった。それは、登場人物たちのキャラクターが豊かだったからに他なりません。本書もまた、Amazon PrimeかNetflixによって映像化され、主人公・ケイトリンの役に、例えばゼンデイヤあたりが配役されたら、滅法面白くなるかもしれませんね(笑)。 □「ゴーイング・ゼロ “Going Zero”」(アンソニー・マクカーテン 小学館文庫) 2024/5/5。 | ||||
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