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すべての罪は血を流す



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すべての罪は血を流すの評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

テーマ、ストーリー、緊迫感。全てが超一級の傑作ノワール

今一番脂が乗っているアメリカン・ノワールの俊英の最新作(2023年刊)。アメリカ南部の町を震撼させた残酷な殺人犯を黒人保安官が追い詰める警察ミステリーであり、重厚な犯罪小説である。
事件などほとんど起きない南部の田舎町の高校で教師が銃撃され、駆けつけた保安官たちが容疑者を射殺した。人種差別が色濃く残る町で白人の保安官補が容疑者の黒人青年を射殺した事件は大きな波紋を引き起こし、黒人保安官であるタイタスは犯行動機の解明と同時に人種間対立の沈静化にも苦労することになる。容疑者の黒人青年はタイタスの旧友の息子で、射殺される前に「先生の携帯を見ろ」と叫んでいた。人望厚い教師だった被害者の携帯を調べると、そこには想像を絶するおぞましい記録が残されていた…。
人間が抱える闇の深さ、差別意識の根強さ、法や善の力の限界など、本作に含まれるテーマは宗教的なまで深遠で、主人公の黒人保安官のストイックな捜査が強烈なインパクトを与える。だが決して重苦しくはなく、犯人探し、動機解明のサスペンス・ミステリーとして抜群に面白い。
コスビーの長編第4作(1作目は未訳のため邦訳では3作目)だが、現時点では著者の最高傑作として、ミステリーファンならどなたにもオススメしたい。

iisan
927253Y1

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