カメレオンの影



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    初公開日(参考)2020年04月
    分類

    長編小説

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    カメレオンの影 (創元推理文庫)

    2020年04月10日 カメレオンの影 (創元推理文庫)

    アクランド英国軍中尉はイラクで爆弾によって頭に重傷を負い、片目を喪失する。病院での彼は他人に触れられると暴力的になり、看護師たちを戸惑わせていた。退院後、彼はロンドンに住み始める。だがアクランドともめた高齢の男がその後に何者かに襲われ、彼は警察に拘束される。近隣では、3人の独り暮らしの男性が殴殺される連続殺人が起きていた。アクランドはその事件にも関係しているのか――?〈現代英国ミステリの女王〉の筆が冴え渡る最新傑作!(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    カメレオンの影の総合評価:8.38/10点レビュー 8件。Cランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    最後まで、誰が真実を述べているのか分からない

    英国ミステリーの女王・ウォルターズの長編第12作。ロンドンで起きた男性老人連続殺人の犯人探しミステリーだが、犯人と目された男の謎が深く、その深層心理の闇に読者を引きずり込む心理サスペンスでもある。
    イラクで瀕死の重傷を負ったアクランド中尉は本国の病院で目覚めたとき、イラクでの記憶を失っていた。さらに、病床を訪れた母親や元婚約者、世話をする看護師など女性を嫌悪し、体に触れられると暴力を振るい、担当の精神科医のアドバイスも無視し、周囲を戸惑わせるのだった。顔面形成手術を拒否して退院し、ロンドンで一人暮らしを始めた矢先、パブで暴力事件を起こし、ちょうどその頃連続して起きていた老人への暴力的な殺害事件の犯人ではないかと疑われた。具体的な証拠が見つからず釈放されたアクランド中尉だったが、その言動は一向に改まらず、警察は引き続き監視の目を光らせるのだった。
    ストーリーが進めば進むほどアクランドの疑惑は深くなるのだが、いかんせん状況証拠ばかりで、しかも記憶喪失と嘘か真か分からない極端な心理が謎を深めるので、読者は最後まで翻弄されることになる。話が複雑かといえば、そうでもなく、主要登場人物のキャラクターもきちんと確立されているためストーリーはきちんと追えるのだが、読んでいて常に次は奈落に突き落とされるのではないかと疑心暗鬼になる。巻末の三橋暁氏の解説にもある通り、あまり類を見ない独創的なジャンルを開いた作品と言える。
    心理サスペンス、心理が絡んだ謎解きがお好きな方にオススメする。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.7:
    (4pt)

    まだ読んでません

    面白そう
    カメレオンの影 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:カメレオンの影 (創元推理文庫)より
    4488187137
    No.6:
    (3pt)

    盛り上がりに欠ける

    全体的に暗くて重く話が進んでいきます。
    ストーリー的にも凝ったところも少なく、何となく読み進めていくと完結したって印象です。

    盛り上がるところがもう少し欲しかった。
    カメレオンの影 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:カメレオンの影 (創元推理文庫)より
    4488187137
    No.5:
    (5pt)

    英国ミステリ、久々の傑作

    M・ウォルターズの最新作。期待にそぐわぬ面白さ!!
    英国ミステリにはさまざまな系譜があるが、ウォルターズの語りの視点がどんどん変化して真実がだんだん見えてきたような気がしても、また裏切られて、という心理戦は独自路線だろう。
    英国らしさといえば、クリスティー、レンデル、ヒル、ラブゼイなど心理描写、性格描写が優れていることだ。
    そして、ウォルターズはこの系譜を継ぐ筆頭格。

    また、この作品にはフランシスの主人公を思わせる、禁欲的、プライドの高い、利他的な紳士が出てくる。
    その点にも実にイギリスらしさが感じられた。
    カメレオンの影 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:カメレオンの影 (創元推理文庫)より
    4488187137
    No.4:
    (5pt)

    素敵な夏休みの終わり

    最近読んだミステリーの中で最高! !! 長いお話しなのに徹夜で一気読みしたよ。しかし相当早いときに犯人が解ってしまった。私には世の中の悪魔を見つける力があるのではないかと思うよ。夏休みの終わりに良い時間を過ごせた。作者に感謝。
    カメレオンの影 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:カメレオンの影 (創元推理文庫)より
    4488187137
    No.3:
    (4pt)

    またも多彩な変化球で読者を打ち取るミネット流個性を味わいたい

    実に5年ぶりのお目見えとなる作品。値段の割に邦訳が遅いのが気になる。この作家を思い出すのに、以下の前作『悪魔の羽』についての我がレビューを少し振り返りたい。

    (以下前作レビュー)
     中編集『養鶏場の殺人・火口箱』を読んでから、少しこの作家への見方がぼくの方で変わった。≪新ミステリの女王≫と誰が呼んでいるのか知らないが、この女流作家はミステリの女王という王道をゆく作家ではなく、むしろ多彩な変化球で打者ならぬ読者を幻惑してくるタイプの語り部であるように思う。

     事件そのものは『遮断地区』でも特に強く感じられるのだが、時代性と社会性を背景にした骨太のものながら、庶民的な個の感情をベースに人間ドラマをひねり出し、心理の深層を描くことにおいて特に叙述力に秀でた作家なのだと思う。
    (以上)

     本書はイラクの戦場の砂塵のうちにスタートする。いきなりの爆破。本作ヒーロー、アクランド中尉の顔の左半分が、左目と共に失われる。ハンサムな若者は異形の帰還兵となって世界からスポイルアウトされる。そして連続殺人事件の容疑者としてマークされる。

     アクランド中尉の個性、あるいは負傷によって変容してしまったかもしれない個性、が何よりも本書の読みどころであった気がする。何しろ、事件の捜査が動的に移ろいゆく中で、負傷兵としての、あるいは戦場の英雄としての彼は、さらに移ろいやすい存在であるかに見える。しかしむしろ真逆の頑迷さと不変性に鎧われた迷いなき強靭な医師の持ち主のようにも。

     禁欲的で、口数が少なく、時に発作に見舞われる後遺症持ちの戦場帰り。こういうキャラクターをミステリの中心に据えて、彼に寄り添うのが、アーノルド・シュワルツェネッガーのような恰好をした巨体の女医師ジャクソン。捜査の中心となる冷徹なベテラン警視ジョーンズ。それぞれにキャラの立った個性的で存在感溢れるバイプレーヤーたち。

     さらにロンドンの犯罪の温床みたいな暗闇に蠢く、薬中、ホームレス、男娼、そして謎に満ちた孤独な被害者たち。暴力と犯罪の匂いに満ちた街を、アクランド中尉とその周囲を回遊する人間たちの目くるめく深夜。中尉の元彼女はユナ・サーマン似のコケティッシュな美女として、アクランド中尉とのどうにも掴みにくい距離感を往還する。

     迷宮のようにしか見えない国家と個人との隘路を辿る捜査の背景に見えてくる病的な社会と時代を、名手ミネット・ウォルターズはまたしても不思議なメスさばきで、解体してみせる。物語にオフビートなリズムを交えながら、あくまで個性的な物語を紡ぐ作者のペンの切れ味にただただ酔うばかりの一作である。
    カメレオンの影 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:カメレオンの影 (創元推理文庫)より
    4488187137



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