緑衣の女
- エーレンデュル警部シリーズ (3)
- 北欧ミステリ (199)
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.33pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
地中から発見された白骨死体。その白骨には悲しい真実が隠されていた。 地獄の日々を過ごす母親とその子供達。彼女達が怯える姿は胸が締め付けられて辛くなってくる。 暴力から解放された後、彼女達は真の地獄から解放されたと感じる時が少しでもあったのだろうかと考えてしまう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あまり期待しないで読みはじめましたが、面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アイスランド発のベストセラー、エーレンデュル捜査官シリーズの邦訳第二弾(シリーズとしては4作目)は、前作「湿地」以上に重苦しく、読者に強烈な印象を残さずにはおかない作品だ。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作は2つの時間軸がある。 エーレンデュル捜査官が建築現場から発見された人骨から昔起きた悲劇の真相を解き明かす目線、もう一つは約70年ほど前に夫から激しい暴力を受けていた女性の目線。暴力の描写自体が生々しく、さらに暴力を受けている女性の心理状態があまりにもリアルに描かれているので、読んでてつらくなる。 「つぎの殴打が前の殴打よりも強くありませんようにと願うしか、望みというものがなくなる。」 なんて、当事者にしかわからない心理だろう。 また、父親という立場で本作を読むと、暴力夫であるグリムルを自身と重ねてしまい、もしも色々な歯車が狂ってしまったきっかけで自分がこんな「モンスター」に変貌してしまったら・・・と想像すると激しい身震いを覚えてしまった。 破綻状態にあるエーレンデュルの家庭問題も、エヴァ=リンドの危機をきっかけに修復の兆しが見え 全編を覆う暗い雲に一筋の光を感じたところ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おもしろくて、ページをめくる手が止まらなかった。寸暇も惜しんで続きを読みたくなるほど。 特に約70年前のエピソードのほう。ものすごく陰惨だが、次の展開を知りたくてたまらなくさせられた。すごい内容だ。詳細は本欄にすでに多く記載されている他のレビューに任せよう。 対して、現在のエーレンデュル捜査官の家族に関しては、はっきりいって不快なだけ。私はなくてもよかったとさえ思っている。実弟のエピソードは別として。いつまでたっても大人になれないアホな娘、いまだに恨みつらみのヒステリックな別れた妻、ただただ言い負かされるだけのエーレンデュル。 しかし離婚に至った経緯に関しては、本書を読んだ限りではエーレンデュルが勝手に思える。 同僚のシグルデュル⁼オーリも同様。外国の男たちはこうだから離婚率が高いのだろうか。 終盤に解き明かされた遺体が埋まっていた状況に関しては、私も納得できなかった。 ありえんだろう。作者はこの点は配慮できなかったのかな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最終の2ページに心が救われた思い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アイスランドの推理作家インドリダソンの第4作目にあたる本作は、前作「湿地」を凌ぐ衝撃作で、心を抉られるような悲しみと同時に、たぐい稀な美しさを湛えた深く胸をうつ作品です。 レイキャビク郊外の住宅地の家で子どもの誕生会が開かれている。そのさなか、赤ん坊がしゃぶっていた白い石のようなものが人間の骨であることを、偶然居合わせた医学生が見抜く。その骨はその家の少年が近くの建築現場から拾ってきたもので、通報を受け現場に駆けつけた捜査官エーレンデュルらはそこで全身の骨格を発見するのだが、どうやらそれは6、70年前の古い骨であることがわかる。 物語は、骨の主が誰なのかを探る警察の捜査と、薬物中毒で流産し昏睡状態でICUに担ぎ込まれた娘エヴァ=リンドをめぐるエーレンデュル自身の過去、第二次大戦中にその地域のある家庭内で繰り返された筆舌に尽くしがたいDVという3つの方向が並行して進行していきます。とくにDVの場面が胸が苦しくなるような凄まじい迫真性をもって描かれているのですが、訳者の後書きによれば、著者はこの点について「作家は真実を言葉を尽くして書く。それが作家の使命だ」と述べています。 読了して、作品はその風土から誕生するの感を改めて強くしています。これはカリフォルニアの明るい日差しのもとではけっして生まれることのない物語だと思うのです。陰鬱で冷たく暗い悲しみのなかで、掉尾の数頁に夏の白夜のような光の射す描写があり、そのたしかな美しさに胸を衝かれつつ本を閉じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
話の筋はあらすじにある通り、レイキャビクから古びた人骨が見つかり、それを捜査官エーレンデュルが調査するというものです。 視点がよく切り替わり、3本ほどのストーリーライン(主人公の物語、DV、ミスリード事件)が並走しますが、エンタメ的な謎解き要素はありません。 すべてのストーリーの根幹に「女性の被害」がある辺り、描きたいのは娯楽ではなく犯罪そのものなのでしょう。 中でもDVの描写は明らかにレベルが違う密度で、これこそが作者の描きたいものだとすぐにわかるほどでした。 DV被害を刑罰で分類すると「暴行」か「傷害」というわずか2文字で収まります。 しかし現実に起きる事象は、到底この2文字から想像できるような代物ではありません。 度重なる暴力、自分が間違っていたのではないかという疑念、地雷だらけの日常に張り付く不安と緊張、逃避に失敗したときの絶望、自分の弱さを見せたくないという羞恥……。 暴力がもたらす犠牲のすべてを、余すところなく克明に描いています。 このDV被害から過去の殺人に至るまでの流れにはすごい読み応えがありました。 ミステリー的に言うとワイダニット寄りですが、読後の印象でいうと、実在の犯罪事件を読んだような気分でしたね。 ただこれは一長一短あった部分だなと思います。 というのも内容的にミステリー仕立てにする意味がないので、そのための描写が蛇足に感じます。 エーレンデュルの身の上話もミスリード事件も、本質的に作品に必要な要素ではなく、DVの話に比べて切迫感も薄く感情移入しづらいです。 これならいっそミステリー形式などかなぐり捨てて、殺人とその関係者に的を絞ったほうが良かったんじゃないかなと。 エンタメ要素で導入をするわりに、内容はスーパー重苦しくてハードという構造自体、ちょっとちぐはぐな印象を受けました。 とはいえこの鬼気迫るほどの暴力描写には目を見張るものがありますね。 その手の表現にトラウマがなければ、一読する価値はあると思います。ぜひお試しを。 自分は子供のころを思い出しておぎゃーーとなりましたわ……。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 62件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|