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緑衣の女



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【この小説が収録されている参考書籍】
緑衣の女
緑衣の女 (創元推理文庫)

緑衣の女の評価: 4.21/5点 レビュー 62件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全62件 1~20 1/4ページ
No.62:
(5pt)

父親の立場で読むと身震いする

本作は2つの時間軸がある。
エーレンデュル捜査官が建築現場から発見された人骨から昔起きた悲劇の真相を解き明かす目線、もう一つは約70年ほど前に夫から激しい暴力を受けていた女性の目線。暴力の描写自体が生々しく、さらに暴力を受けている女性の心理状態があまりにもリアルに描かれているので、読んでてつらくなる。

「つぎの殴打が前の殴打よりも強くありませんようにと願うしか、望みというものがなくなる。」
なんて、当事者にしかわからない心理だろう。

また、父親という立場で本作を読むと、暴力夫であるグリムルを自身と重ねてしまい、もしも色々な歯車が狂ってしまったきっかけで自分がこんな「モンスター」に変貌してしまったら・・・と想像すると激しい身震いを覚えてしまった。

破綻状態にあるエーレンデュルの家庭問題も、エヴァ=リンドの危機をきっかけに修復の兆しが見え
全編を覆う暗い雲に一筋の光を感じたところ。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.61:
(5pt)

70年前のエピソードのほうはすごい内容

おもしろくて、ページをめくる手が止まらなかった。寸暇も惜しんで続きを読みたくなるほど。
特に約70年前のエピソードのほう。ものすごく陰惨だが、次の展開を知りたくてたまらなくさせられた。すごい内容だ。詳細は本欄にすでに多く記載されている他のレビューに任せよう。
対して、現在のエーレンデュル捜査官の家族に関しては、はっきりいって不快なだけ。私はなくてもよかったとさえ思っている。実弟のエピソードは別として。いつまでたっても大人になれないアホな娘、いまだに恨みつらみのヒステリックな別れた妻、ただただ言い負かされるだけのエーレンデュル。
しかし離婚に至った経緯に関しては、本書を読んだ限りではエーレンデュルが勝手に思える。
同僚のシグルデュル⁼オーリも同様。外国の男たちはこうだから離婚率が高いのだろうか。

終盤に解き明かされた遺体が埋まっていた状況に関しては、私も納得できなかった。
ありえんだろう。作者はこの点は配慮できなかったのかな。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.60:
(5pt)

陰惨、、、でも久々に心に残る作品だった。

最終の2ページに心が救われた思い。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.59:
(5pt)

悲しみと美しさと

アイスランドの推理作家インドリダソンの第4作目にあたる本作は、前作「湿地」を凌ぐ衝撃作で、心を抉られるような悲しみと同時に、たぐい稀な美しさを湛えた深く胸をうつ作品です。

レイキャビク郊外の住宅地の家で子どもの誕生会が開かれている。そのさなか、赤ん坊がしゃぶっていた白い石のようなものが人間の骨であることを、偶然居合わせた医学生が見抜く。その骨はその家の少年が近くの建築現場から拾ってきたもので、通報を受け現場に駆けつけた捜査官エーレンデュルらはそこで全身の骨格を発見するのだが、どうやらそれは6、70年前の古い骨であることがわかる。

物語は、骨の主が誰なのかを探る警察の捜査と、薬物中毒で流産し昏睡状態でICUに担ぎ込まれた娘エヴァ=リンドをめぐるエーレンデュル自身の過去、第二次大戦中にその地域のある家庭内で繰り返された筆舌に尽くしがたいDVという3つの方向が並行して進行していきます。とくにDVの場面が胸が苦しくなるような凄まじい迫真性をもって描かれているのですが、訳者の後書きによれば、著者はこの点について「作家は真実を言葉を尽くして書く。それが作家の使命だ」と述べています。

読了して、作品はその風土から誕生するの感を改めて強くしています。これはカリフォルニアの明るい日差しのもとではけっして生まれることのない物語だと思うのです。陰鬱で冷たく暗い悲しみのなかで、掉尾の数頁に夏の白夜のような光の射す描写があり、そのたしかな美しさに胸を衝かれつつ本を閉じました。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.58:
(4pt)

DVという重く閉ざされた牢獄の話

話の筋はあらすじにある通り、レイキャビクから古びた人骨が見つかり、それを捜査官エーレンデュルが調査するというものです。
視点がよく切り替わり、3本ほどのストーリーライン(主人公の物語、DV、ミスリード事件)が並走しますが、エンタメ的な謎解き要素はありません。
すべてのストーリーの根幹に「女性の被害」がある辺り、描きたいのは娯楽ではなく犯罪そのものなのでしょう。
中でもDVの描写は明らかにレベルが違う密度で、これこそが作者の描きたいものだとすぐにわかるほどでした。

DV被害を刑罰で分類すると「暴行」か「傷害」というわずか2文字で収まります。
しかし現実に起きる事象は、到底この2文字から想像できるような代物ではありません。
度重なる暴力、自分が間違っていたのではないかという疑念、地雷だらけの日常に張り付く不安と緊張、逃避に失敗したときの絶望、自分の弱さを見せたくないという羞恥……。
暴力がもたらす犠牲のすべてを、余すところなく克明に描いています。

このDV被害から過去の殺人に至るまでの流れにはすごい読み応えがありました。
ミステリー的に言うとワイダニット寄りですが、読後の印象でいうと、実在の犯罪事件を読んだような気分でしたね。
ただこれは一長一短あった部分だなと思います。

というのも内容的にミステリー仕立てにする意味がないので、そのための描写が蛇足に感じます。
エーレンデュルの身の上話もミスリード事件も、本質的に作品に必要な要素ではなく、DVの話に比べて切迫感も薄く感情移入しづらいです。
これならいっそミステリー形式などかなぐり捨てて、殺人とその関係者に的を絞ったほうが良かったんじゃないかなと。
エンタメ要素で導入をするわりに、内容はスーパー重苦しくてハードという構造自体、ちょっとちぐはぐな印象を受けました。

とはいえこの鬼気迫るほどの暴力描写には目を見張るものがありますね。
その手の表現にトラウマがなければ、一読する価値はあると思います。ぜひお試しを。
自分は子供のころを思い出しておぎゃーーとなりましたわ……。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.57:
(5pt)

DVへの距離感

アイスランドに何の前知識もなかったが、引き込まれて最後まで読んだ。

DVの毒々しさ、生々しさが秀逸。妻が徹底的に被害者である一方、それでも失わない強さと愛があるという点。これが主軸なので、骨の正体を明かす筋はシンプルで丁度いい。

恐らく著者もDVが身近にあったのだろうし、読者も身近な人には響き、そうでない人には響かない。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.56:
(4pt)

人は暴力の中で生きる・・のか。

おぞましい家族への暴力。読む事を止めたくなる様な陰湿な暴力描写。そして次々と暴力の芽が成長を始める。己の暴力が、家族の・社会の・国家の暴力へ、延々と繋がってゆく。世界は暴力に包まれている。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.55:
(3pt)

アイスランドのミステリ

アイスランドの作家によるアイスランドが舞台のミステリというのは難しい。

2つの話が交互に進む。
1つは事件が起きてエーレンデュルを中心とする警察が捜査していく。
もう1つはある女性の話。娘を連れて再婚したが夫から壮絶なDVを受けている。読み進めていくうちに、それが第二次大戦中のことで、どうやらエーレンデュルが調べている事件に関係あることがわかってくる。
最終的に2つの話が交わり、各々の登場人物が遭遇して真相が明らかになる。

DV描写が酷く、何が起きるかハラハラしながら読み進めたが、それは決して楽しいものではなかった。
また、もう1つのミスリード用の昔の事件が結局うやむやのまま解明せずに終わってしまったのが気に掛かる。

主人公のエーレンデュルは離婚歴があり、音信不通の息子と非行に走って自堕落な生活をした挙句死にそうな娘がいる。また幼少期弟を亡くしたことがその後の彼の人生に大きな影を落としているようだ。喜怒哀楽が激しくなく、彼の心理描写が細かく書かれていないので、感情移入はできないが、その人物像には興味を抱かせる。

救いの感じられる終わり方だが、全対的に暗いため、シリーズの他の作品は読みたいとは思わない。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.54:
(2pt)

この嫌ミスを読みたい?

馬鹿娘とアホ親父と無責任男とサイコ亭主、行動心理が全く不可解なヒロインがメインキャラのお話しでした。
この方は、胃にもたれるページ数を最後まで読ませる圧倒的筆力に尽きる感じです。

暴力描写の素晴らしさで読後感の悪さといえばJケッチャム。
彼を凌ぐ抜きん出て不快な余韻が深々と内臓に染み渡りました。
出だしスケルトン探偵みたいですがミステリーでは全然ないです。
謎解きはきっぱりつまんないです。てか謎ほぼないです。ダガー賞どうした…

DVを執拗に書き散らして何を目指したのか全くわからないし、
子供は何より重要な宝だなんてメッセージ性は微塵も感じず(むしろ出産やめたくなる)、
抑圧された悪意だけが通低音の様にこだまします。
あと、一連のシリーズを読んでこの作者ってもしか「オンナが書けない」タイプじゃないかなと思いました。
なんだか女性キャラが今どきステレオでとんちんかん。

ミステリー後発国という事で過大評価されてないでしょうか?
人物描写とか、人生の深淵だとかに、ほんとにほんとに書き優れた作者なんでしょうか?
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.53:
(3pt)

気分が悪い、でも面白い

無視してもいいような(思い入れの激しい主人公の独断)事件の捜査の過程で、安穏と暮らす年寄りたちのこころをかき乱したり死なせたりと読んでて気分が良くない。とどめは主人公とバカ娘との会話。読むに耐えんとはまさにこのこと。なのに面白かった。
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4488010016
No.52:
(3pt)

「湿地」よりかは幾分かマシ

場面を想像するときに幾分か「湿地」よりも映像が出てきた。
しかしそれにしても家長の暴力って今も昔も世界中のどこでも
ホント、普遍的なことなんですね。
後、彗星とぶつかって地球が粉々になるって話、そういえば
むか~~し耳にしたことあるな~と、フト思い出して
そんな頃、この国ではこんなことが繰り広げられていたのかな~と
シミジミとうなずいたり。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.51:
(3pt)

安定の読み応え

シリーズの安定した読みごたえのある一冊です。
地道な捜査から少しずつ真実に迫っていくところは、派手さはないですがドンドン引き込まれていきます。

個人的には、「湿地」「湖底の男」の方が好きですが、個人的な感想だけなのでこちらも読む価値は十分あると思います。
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4488010016
No.50:
(4pt)

湿地からだいぶ進歩している

前作がキャラクターの説明も深みも感じられなくがっかりしたのに対して、
緑衣の女の方はガラッと魅力的になっている。
翻訳者も調子が乗ってきたようだ。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.49:
(4pt)

余韻がパー

骨が発見されてこれは誰だという話にすぎない。特別変わった犯人だったりトリックがあるわけでもない。だが著者の筆力は卓越しており、内容よりも文章力だけで読ませる作品だ。虐待のシーンなど迫力満点で、ついつい先が気になってしまう。
 なのでミステリとは言い難いのに星五つとしたいところであるが、唯一訳者あとがきだけは気になった。作品がスパっと切りのいい終わり方をしているのに、余計なことを書きすぎている。著者の近況と現地での評判くらいで十分だ。せっかくの余韻を台無しにしないで欲しい。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.48:
(5pt)

甘いかも

一気読み。
翻訳小説。しかもスウェーデン語訳からのダブル翻訳。普通なら満点はあげない。
しかし、これは良い。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.47:
(4pt)

不思議とすいこまれる話

探偵もの、恋愛もの、DVもの、わかりえない父と娘もの?いやいや、アイスランドもの?

うーん、不思議な本だ。前作の「湿地」を映画でみて、なんて話の展開なんだろう。そして、このアイスランドの空気感はなんなんだろうと興味をもって、本書を手に取った。またしても、すごい展開。現代で見つかった人骨をきっかけとして、今と大戦中を行き来しながら話が進む。途中から読者はなんとなくカギとなる人骨が誰の物かわかってきてしまうんだけど(でも、どっちのなんだろうとは思う)。正直、70年前の話については救いがないDVの話で、読んでていて疲れた。でも、ちょっとだけ盛り返してハッピーな光も見えるが、やっぱり見えないという感じ。

こんなDVの話は当時(も、そして今も)結構あったような話なんだろうけど、人骨のせいで70年前の公になっていなかった一つの家族の話が出てきてしまう。それを必死で追う現代人。物語のなかで主人公刑事の同僚が言う。「人骨がたとえ殺人によるものだったとしても、犯人もその関係者もおそらくもう全員死んでいる、そんな捜査に意味があるのか?」。たぶん、それに意味はない。税金をかけて、調べる理由もないし、たぶん、自分が当事者ならそう思う。でも、そんな事件の裏側にある、ある家族の事情を描き出した本書は傑作だと思う。ひょっとしたらそこら中にそんな人骨はあるかもしれないけど。

上記の「〇〇もの?」の答えとしてあげるとすれば、これだけの構想力と筆のある「この著者もの」と答えておこうと思う(著者の名前が長いのであげないが)。
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4488010016
No.46:
(1pt)

退屈

主人公の過去の離婚歴やその家族との確執。今回の事件に関わるであろう家族の話。それらが延々と続き、読み切るのが辛かった。何故シリーズ化する程の人気があるのか、全く理解出来ない。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.45:
(3pt)

重要なテーマではあるが、ミステリとしては評価できない

死後六十年は経過した白骨死体が見つかった。
ストーリーはエーレンデュルの捜査を追う一方で、トラウマを抱えた親父による凄絶酸鼻な家庭内暴力を描き出す。
不幸な家庭のクロニクルが現代につながるとき、すべての真相が明らかになる。

迫力ある筆致に引き込まれて中断できない。なんとも嫌な牽引力だ。
内容の重要さは理解できるが、二次大戦ごろの白骨にここまでこだわる捜査官に疑問をおぼえる。
前作『湿地』のように現代の殺人に暗く深い根っこがあった、という話でもない。
単に昔の人骨が発見されただけなのだ。

主人公の問題娘が、またもや色々やらかす。主人公にもこの娘にも、まったく共感できない。
エーレンデュルはシリーズの主役としては、無能すぎて暗すぎて魅力がない。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.44:
(5pt)

前作に続き一気読み

題材も展開も新しくもない。登場人物も天才的だったり、萌えだったり、突飛なキャラは出てこない。でも、作家の力量でしょうか、どんどん引き込まれてしまいます。日本語訳も素晴らしいのかもしれません。前作も静かに、不気味に、なんだろう…、人々の苦悩だったり、不幸だったり。こういう作品、ありそうでないというか。ヒトに薦め難いけど、面白い。題材が題材なだけに、なんか、面白いという表現も適切なのかな、と思うけど、もっと他の作品も読みたい。凄い作家だなぁ。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016
No.43:
(5pt)

程よいテンポと長さ

冗長な表現や会話でページ数を稼ぐミステリーが多い中、この作者の作品には無駄が一切ありません。捜査状況や会話が非常にテンポ良く続くので、あっという間に読み終わってしまいました。文章も洗練されていて良質な読書時間が過ごせました。
緑衣の女Amazon書評・レビュー:緑衣の女より
4488010016

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