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自己紹介
読書が好きな爬虫類。
読書以外の趣味は人狼、水平思考クイズ。
普段はラテシン(http://sui-hei.net)という水平思考クイズのサイトにいます。
ミステリが好きになったきっかけ
小学生の頃、学校の図書室にあったシャーロック・ホームズにハマり、シリーズを読み漁る。
そこからアルセーヌ・ルパン、名探偵ポワロ、とミステリに惹かれていった。
好きな作品の傾向
雑食。
本格物も、叙述トリックも、ファンタジー系も、SF系も好き。
しいて言えばあっと驚く展開に気持ちよく騙されたい派。
オススメしたい作家や小説
綾辻行人、伊坂幸太郎、小野不由美、恩田陸、高野和明、森博嗣、米澤穂信
アガサ・クリスティ、コナン・ドイル、モーリス・ルブラン、パット・マガー

レビュー数
12
最近のレビュー
7pt

殺意の集う夜/怒涛の「そんなわけあるか」

  () 【ネタバレあり】

友達が死んでいる!確かにあたしは、ちょうど続けざまに6人も殺してしまったところだ。でも友達を殺したのはあたしじゃない。ならば友達を殺した犯人に、あたしが殺した分も罪をかぶってもらおう! さっき殺した6人のうちの誰かに違いない、一体誰だ!?もうこの設定を思いついた作者のセンスがすごいのだが、この作品を楽しむためには、少なくとも次の2つの性質が必要であろうと私は考える。1つ目は、文体や設定への違和感があっても気にせず読めること。古い小説や翻訳ものを読み慣れている人などは向いているかもしれない。 というのも、1996年の作品で、正直、舞台設定や人物設定、登場人物達のセリフも含めて、言い回しやそれぞれの描かれ方が古臭く感じてしまうのだ。昔の本だしそういうもの、と割り切って読めれば問題ないが、序盤の万理と園子の会話が辛い人は、読み切るのが大変かもしれない。2つ目は、バカバカしいことを素直に楽しめること。「そんなわけあるか」の連続で、つっこみ出すとキリがない。潔く楽しんだほうがよい作品である。しかしながら、実は細かい伏線がちゃんとあって、アホみたいな状況の影にやたらまともなトリックや論理展開がある。私自身、どういう気持ちで読めばいいのか困惑しつつも、夢中になって考察して、一晩で読み切ってしまった。この本を面白いと思うか、酷すぎると思うか、かなり好みが分かれそうな作品である。今は電子書籍しか売られていないようなのだが、ぜひ手元に紙で欲しいので、新装版で出てほしい。

6pt

ロジカ・ドラマチカ/論理強化版『九マイル』

  () 【ネタバレあり】

「今かけ直そうか届けようかでも残りは小銭だけだから、もう郵便局に駆け込むしかないのか」偶然耳にしたこのなんてことはないフレーズから、驚きの真相が導かれる。ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』が好きで、似た系統の小説はないか探していたとき、小説家・青崎有吾氏の過去のツイートを見かけた。九マイルオマージュの作品をいくつか挙げられていたうち、著者名もタイトルも全く聞いたことがなかったものがこの『ロジカ・ドラマチカ』だったので、試しに読んでみた。『九マイルは遠すぎる』は、そのフレーズから可能性が高そうなことを推論し、そこからさらにまたあり得そうなことを⋯⋯と積み上げていくので、最終的な結論はさほど蓋然性は高くないように思われる。だからこそ思いも寄らない真相となって面白いのだが、もう少し厳密な推論の方が好きな人もいるだろう。その点、『ロジカ・ドラマチカ』は恐ろしいくらいに同値変形にこだわっている。そのくらいはみんな納得しそうだが、というような解釈についても、容赦なく根拠と可能性を並べ、しつこく検討する(このしつこさが苦手な人もいるだろうけれども)。4章からなり、それぞれで最初に挙げたようなあるフレーズから真相を導くというスタイルをとっている。独特な言い回しや、登場人物2人の関係性については、好みが分かれそう(自分は正直、あまり好きではないタイプだった)だが、目指す方向性は興味深い。先に『九マイルは遠すぎる』を読んでおくと、より楽しめるのではないかなと思う(特に『九マイル』が気に入った人は)。

7pt

密室殺人ゲーム王手飛車取り/不謹慎の極み、だがそれがいい

  () 【ネタバレあり】

〈頭狂人〉、〈044APD〉、〈aXe〉、〈ザンギャ君〉、〈伴道全教授〉。本名も容姿も年齢も職業も知らない、ネット上のニックネームで呼び合う5人が遊ぶのは、殺人推理ゲーム。毎回1人が出題者となり、残りの4人が探偵役として、密室やアリバイのトリックを推理する――ただし、出題されるのは、現実に出題者が犯した殺人事件だ。推理小説で「なぜ(ホワイダニット)」に全く触れられないというのは珍しい(「だれ(フーダニット)」がない倒叙ものはあるが)。しかし、『密室殺人ゲーム王手飛車取り』では、動機は「ゲームの出題のため」だし、犯人は「出題者」である。問答無用で「どうやって(ハウダニット)」の部分にだけ注目した、なんとも奇妙な設定だ。興味をそそられるというだけでなく、この設定だからこその謎や面白さもある。世間では、推理小説というだけでも、不謹慎に感じる人はいるだろう。人が死ぬことを娯楽にしているのだから。それが、ただ「思いついたこのトリックを使ってみたい、それを仲間内で推理ゲームの題材にしたい。だから殺そう」というのだから、不謹慎の極みである。最高だ。どうにもうろんな5人についても、それぞれの個性や、殺人を肴にしたやりとりが楽しく、読み進めるうちにどんどん憎めなくなってしまった。全体的に5人で会話しているシーンが多いため、本がそれなりに厚い割に、一晩であっという間に読めてしまった。ちなみに、タイトルにある「王手飛車取り」から将棋絡みを連想するかもしれないが、将棋の知識は必要ないので、安心してほしい。また、続編の『密室殺人ゲーム2.0』は、この本を読んでいないとよくわからない部分も、この本を読んでいるからこそ楽しめる部分もあるので、順番通り、内容の記憶があるうちに読むことをお勧めする。

8pt

ハサミ男/異色の模倣犯探し

  () 【ネタバレあり】

メフィスト賞を受賞した、殊能将之のデビュー作。次の獲物である美少女の周辺を調査していた主人公は、死体となった彼女の第一発見者となる。美少女の首にはハサミが突き立てられていたのだが、これはマスコミから「ハサミ男」と呼ばれている殺人犯の手口にそっくりだ。しかしそんなはずはない。「ハサミ男」は自分なのだから――模倣犯自体はさほど珍しい要素ではないが、『ハサミ男』では殺人犯が主人公で、自分の手口の模倣犯を探すという設定が目新しい。また、その主人公自身の性格もなかなか面白い。淡々とした語り口で、「医師」と呼ぶ人物と不思議な会話をし、自殺未遂を繰り返し、何事もなかったかのように仕事をこなし、そして推理を働かせながら模倣犯を探すのだ。このシリアルキラーに共感はできないのだけれど、なぜか応援したくなってしまう。本文では主人公視点の他、警察視点でもこの事件を追っていく。警察側も個性のある面々で、若い刑事の目線から、事件の情報や警察の捜査状況が徐々に判明していく。アンフェアな表現やあからさまなミスリードなど、少し引っかかる点はあるものの、模倣犯探しを純粋に楽しむことのできる作品だと思う。ネタバレ被害に遭いやすい作品でもあるので、早めに読んでおくことをオススメする。

6pt
7pt

火車/クレジット社会の闇を知る

  () 【ネタバレあり】

休職中の刑事のもとへ、親戚の青年が失踪した婚約者を探して欲しいと訪ねてくる。彼女に自己破産経験があると判明してすぐに、家も仕事も捨てて消え去ってしまったのだ。なぜそこまで徹底的に逃げるのだろうか……初めて読んだのは中学生の頃で、そのときも面白く感じてはいたものの、やはり登場人物の設定やそれぞれの場面での感情など、よく捉えられていなかったように思う。ふと、結末は覚えているけれど、途中経過を忘れたなあと思って、読み返してみた。20年以上前に書かれた話なのでピンとこない描写もあるが、それでもクレジットカードやローンの怖さをリアルに感じられる。刑事ドラマっぽさがあるストーリーで、主人公が地道な調査と推理を重ね、少しずつ真実が明らかになっていく。派手さはなく、良くも悪くも堅実な展開と言えるだろう。ぱっと盛り上がる展開が好きな人には物足りないかもしれない。テーマになっているのはクレジットカード、ローンなどの「消費者金融」。この「消費者金融」については、本当は誰もがきちんと学び、正しい知識を身につけなければならないだろう。とは言え、実際には有名なタレントがカッコよくカードを使うCMがあったり、支払いは分割が当たり前かのような売り方をしていたりと、「借金」であることが直接的に感じられない世の中になっているようにも思う。学校の授業で取り入れるという方向にも動いているようだが、やはり勉強となると堅苦しく感じてしまうものだ。そう考えると、この『火車』ならば、ミステリとして楽しみながら、消費者金融の闇を知る良いきっかけになるのではないだろうか。学べるミステリとしてオススメしたい作品だ。

8pt
9pt

天使のナイフ/少年犯罪を真正面から

  () 【ネタバレあり】

江戸川乱歩賞を受賞した、薬丸岳のデビュー作。審査員の満場一致で決まったそうだ。生後5か月の娘の目の前で、主人公の妻は殺された。犯人は13歳の少年達だったため、何の刑も受けずに済んでしまっている。そんな、殺してやりたいほど憎んでいた相手が、主人公の職場の近くで殺された。主人公は殺人事件の容疑者になりつつも、かつての犯人である少年達があれからどのように過ごしていたのかを調べ始める。評判が良いのは聞いていたが、「少年犯罪」という重たいテーマに二の足を踏んでいた。実際に読んでみると確かに重たさはあったが、登場人物達の心情や言動に自然と共感できる読みやすい文章で、すっと読み切ることができた。それでいて「少年犯罪」というテーマに対してはきちんと真正面から向き合っている。事件そのものだけでなく、被害者遺族の立場や、加害者の更生の過程といった、様々な視点から「少年犯罪」を見つめ、中途半端な精神論やありきたりな一般論に留まらない決着を見せている。実を言うと、私は社会派ミステリがさほど好みでないのだけれど、『天使のナイフ』は社会派なテーマを扱いつつも、きちんとミステリとしての面白さも兼ね備えているところが気に入った(高野和明の『13階段』が好きな人には合いそうだ)。堅苦しいイメージはあるが、エンターテイメントとして読むことができる小説だと思う。

9pt
6pt

ラテラル~水平思考推理の天使~/ウミガメのスープ入門編

  () 【ネタバレあり】

謎を解かずにはいられない男子高校生が出会ったのは、全身白ずくめで一言もしゃべらない、不思議な女子生徒。ふとしたきっかけで彼女に触れたら、世界が暗転し、「天使」が支配する奇妙な空間へひきずりこまれた! 空間から脱出するには、天使の問う謎の「状況」を解明しなくてはいけない――「ウミガメのスープ」に代表される水平思考クイズとは、簡単に言えば「出題者が謎を含む問題を出題し、参加者がYES/NOで答えられる質問を重ねることで、真実を推理するゲーム」である。一発で答えを導くのではなく、質問・回答のやりとりがあるのが特徴だ。『ラテラル』では白ずくめの謎の少女に触れると、水平思考クイズを解かなくてはいけない状況に陥るという設定になっている。作者オリジナルの水平思考クイズがいくつか登場し、本を読みながら自分でもクイズの真相を推理していくことができる。この「ウミガメのスープ」を題材にするアイディアが面白い。ゲームの進め方や、質問の仕方など、物語の中でさりげなく説明されていくため、水平思考クイズを知らない人でもルールを確認しながら読み進めることができる。作者のウミガメ愛が伝わってくる。(作者は昔、インターネット上でウミガメのスープを遊んでいたようだ)作中作として登場する水平思考クイズの他、もちろん物語全体を通して存在する謎も楽しめる。ただし、文章表現やキャラクタはいまひとつ。いわゆるライトノベルっぽさがあって、苦手な人もいるだろう。生かし切れていない設定も多く(続編を書くつもりで残している部分が多いのだろうか?)、プロットも惜しいなあという印象。「ウミガメのスープ」に興味がある人、どんなものか知りたいと思っている人にはオススメだ。


読書数
236
最近の読書で 8pt 以上の小説

C 0.00pt 7.20pt 4.00pt

英仏帝国による統治が長く続き、科学的魔術が発達した世界。

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美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

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永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

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十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

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その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。

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犯人は、13歳の少年だった。娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。

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人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。