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No.2
天使のナイフ
薬丸岳
天使のナイフ/少年犯罪を真正面から
No.1
殺戮にいたる病
我孫子武丸
殺戮に至る病/真っ白な気持ちで読むべき
生後5か月の娘の目の前で、主人公の妻は殺された。犯人は13歳の少年達だったため、何の刑も受けずに済んでしまっている。
そんな、殺してやりたいほど憎んでいた相手が、主人公の職場の近くで殺された。主人公は殺人事件の容疑者になりつつも、かつての犯人である少年達があれからどのように過ごしていたのかを調べ始める。
評判が良いのは聞いていたが、「少年犯罪」という重たいテーマに二の足を踏んでいた。実際に読んでみると確かに重たさはあったが、登場人物達の心情や言動に自然と共感できる読みやすい文章で、すっと読み切ることができた。
それでいて「少年犯罪」というテーマに対してはきちんと真正面から向き合っている。事件そのものだけでなく、被害者遺族の立場や、加害者の更生の過程といった、様々な視点から「少年犯罪」を見つめ、中途半端な精神論やありきたりな一般論に留まらない決着を見せている。
実を言うと、私は社会派ミステリがさほど好みでないのだけれど、『天使のナイフ』は社会派なテーマを扱いつつも、きちんとミステリとしての面白さも兼ね備えているところが気に入った(高野和明の『13階段』が好きな人には合いそうだ)。
堅苦しいイメージはあるが、エンターテイメントとして読むことができる小説だと思う。
▼以下、ネタバレ感想