緑衣の女

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

緑衣の女の評価:

4.21/5点 レビュー 62件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.21pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全124件 101〜120 6/7ページ
No.24
(5pt)

ラストで救いを感じました。

骨は一体誰のものなのか、最後まで、それで引っ張られた。ほんとに明るさのない泥沼のような物語。でも最後のシーンで思わず涙が・・・、若干の救いを感じたから。また、調べていくと過去が関係して、という展開にロス・マクドナルドのハードボイルド小説を連想した。映像化してほしい作品。内容から言って、多分無理だろうけど。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.23
(5pt)

ラストで救いを感じました。

骨は一体誰のものなのか、最後まで、それで引っ張られた。ほんとに明るさのない泥沼のような物語。でも最後のシーンで思わず涙が・・・、若干の救いを感じたから。また、調べていくと過去が関係して、という展開にロス・マクドナルドのハードボイルド小説を連想した。映像化してほしい作品。内容から言って、多分無理だろうけど。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.22
(5pt)

暗い先に淡い明かりの見えるお話

くらい背景(ほとんどが冬のアイスランド)に負けないようなくらい物語ですが、上手な語りに引き込まれます。また、前作と同じく作者の書きたい意図もはっきりとつかめて、「湿地」同様読み応えのある本だと感じました。「男女の格差のほとんどない国、いったんは大変豊かだったが、金融危機で破綻した国」ということ以上に私の知らないアイスランドのこともいろいろと知ることができ、そういう意味でも興味深い本です。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.21
(5pt)

暗い先に淡い明かりの見えるお話

くらい背景(ほとんどが冬のアイスランド)に負けないようなくらい物語ですが、上手な語りに引き込まれます。また、前作と同じく作者の書きたい意図もはっきりとつかめて、「湿地」同様読み応えのある本だと感じました。「男女の格差のほとんどない国、いったんは大変豊かだったが、金融危機で破綻した国」ということ以上に私の知らないアイスランドのこともいろいろと知ることができ、そういう意味でも興味深い本です。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.20
(5pt)

今年読んだベスト3冊の中の1冊

何という読後感、考えさせられるのと同時に登場人物が深く描写されているので共感もする。ストーリーとしては少し読む事に辛らすぎるDVという問題があるが、それさえも打ち消してしまう位の人間、家族の愛の強さに涙が出るほど感動した。勘の良い方は後半部分で犯人がわかってしまうこともあるかもしれないが、だからと言ってストーリーがつまらなくなることはまず無い。ドキドキしながらエンディングに向うすばらしい作品。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.19
(5pt)

今年読んだベスト3冊の中の1冊

何という読後感、考えさせられるのと同時に登場人物が深く描写されているので共感もする。ストーリーとしては少し読む事に辛らすぎるDVという問題があるが、それさえも打ち消してしまう位の人間、家族の愛の強さに涙が出るほど感動した。勘の良い方は後半部分で犯人がわかってしまうこともあるかもしれないが、だからと言ってストーリーがつまらなくなることはまず無い。ドキドキしながらエンディングに向うすばらしい作品。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.18
(3pt)

盛り上がりに欠ける

「ミレニウム」以来、北欧のミステリーが注目を浴びているが、土地や名前になじみがないことがかったるい。登場人物の男女の区別も一瞬でつかないし、誰もかしこも聞いたことのない名前だから感情移入がしにくい。
もちろん、それは作品からすれば瑣末なことでそれが作品の良しあしを決めることではないことは百も承知なのだが。

最初の半分ほどがもたもたしていても途中から断然面白くなる作品は多い。が、これはずっと盛り上がらず、漫然とした雰囲気のまま読了となってしまった。
絶賛されているから今に面白くなるか面白くなるかと期待して読んでいたし、もしかしたら最後に「やられたー」と叫ぶ展開が待っているのかもという願いも裏切られた。
中でもタイトルとなった「緑衣の女」の種明かしがあまりにもつまらない。思わせぶりもいいところで、それほど大層な意味があったのかというほど、そのキーワードが何一つ生かされていないと言っていい。

この小説全体を覆っているのは寒々しい光景と低く覆いかぶさるような暗い空。刑事のエピソードにしても、どれもこれもが荒涼・寂寥感が満載。
陰鬱で少しも心が踊らないのはそうした低い空の北欧の独特の風土が欧米のミステリとは違った新鮮さをもたらしていると言えばそうかもしれない。だが、主人公の刑事たちや登場人物がまとっている閉塞感がずっと立ちこめていて、何よりも陰惨な事件とされるそのもの自体、それほどのものだったのかと首をかしげてしまう。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.17
(3pt)

盛り上がりに欠ける

「ミレニウム」以来、北欧のミステリーが注目を浴びているが、土地や名前になじみがないことがかったるい。登場人物の男女の区別も一瞬でつかないし、誰もかしこも聞いたことのない名前だから感情移入がしにくい。
もちろん、それは作品からすれば瑣末なことでそれが作品の良しあしを決めることではないことは百も承知なのだが。

最初の半分ほどがもたもたしていても途中から断然面白くなる作品は多い。が、これはずっと盛り上がらず、漫然とした雰囲気のまま読了となってしまった。
絶賛されているから今に面白くなるか面白くなるかと期待して読んでいたし、もしかしたら最後に「やられたー」と叫ぶ展開が待っているのかもという願いも裏切られた。
中でもタイトルとなった「緑衣の女」の種明かしがあまりにもつまらない。思わせぶりもいいところで、それほど大層な意味があったのかというほど、そのキーワードが何一つ生かされていないと言っていい。

この小説全体を覆っているのは寒々しい光景と低く覆いかぶさるような暗い空。刑事のエピソードにしても、どれもこれもが荒涼・寂寥感が満載。
陰鬱で少しも心が踊らないのはそうした低い空の北欧の独特の風土が欧米のミステリとは違った新鮮さをもたらしていると言えばそうかもしれない。だが、主人公の刑事たちや登場人物がまとっている閉塞感がずっと立ちこめていて、何よりも陰惨な事件とされるそのもの自体、それほどのものだったのかと首をかしげてしまう。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.16
(4pt)

怖いけど読み易い

アイスランドのミステリーを読んだのは2冊目(1冊目はインドリダソンの「湿地」)。この「緑衣の女」は何とも言えない土臭さに付きまとわれ怖さで途中何度も読み止まったが、柳沢さんの読み易い翻訳に助けられ一気に読み終えた。どうしてもはっきりと読みたくないところはスーと読み飛ばせるが、翻訳者はそういう訳にはいかなかったでしょう。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.15
(4pt)

怖いけど読み易い

アイスランドのミステリーを読んだのは2冊目(1冊目はインドリダソンの「湿地」)。この「緑衣の女」は何とも言えない土臭さに付きまとわれ怖さで途中何度も読み止まったが、柳沢さんの読み易い翻訳に助けられ一気に読み終えた。どうしてもはっきりと読みたくないところはスーと読み飛ばせるが、翻訳者はそういう訳にはいかなかったでしょう。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.14
(5pt)

「時間はどんな傷も癒しはしない」

CWAゴールドダガー賞、ガラスの鍵賞、両賞受賞納得の面白さである。

<床に座った子どもがしゃぶっているものを見て、若者はすぐにそれが人間の骨だと思った。>
この巻頭一行目で読者を物語に一気に引き込むアイスランドの作家インドリダソンは手練れの大ベストセラー作家なのだ。同じくガラスの鍵賞受賞作「湿地」(東京創元社)で日本デヴューし絶賛されたレイキャベク警察犯罪捜査官エーレンデュルシリーズの2冊目の登場である。

物語はストレートに見えながら現在と過去が錯綜し、すべての家族の暗い陰があらわになる。
子どもがしゃぶっていた人骨が古い地層から発見されるが、それは誰のものなのか。
同時に語られるエーレンデュル自身の深い心の闇。<自分の人生を覆う沈黙がはっきり感じられた。だれもいない、一人だけの人生。>に彼はなぜ陥ってしまったのか。
捜査が進むと見えてくる「緑衣の女」とはいったい誰。

登場する人々の人生には人には言えない秘密があり、家族の誇りさえ打ち壊されすっかり壊れてしまっているのだ。
しかし<子どもたちは親たちがじつのところどうゆう人間なのかを知らない。>のであり<言葉であれ殴打であれ子どもたちの目の前で母親を半殺しにするまで手を緩めなかった。>男のDVという名の暴力と服従がすさまじいサスペンスで描かれ、読む者の心を震撼とさせる。

そして悲劇的な事件が結末をみたあと家族の涙腺をふるわせる結末が待っている。

まだ未訳が10冊もあるこのシリーズはこれから絶対に見逃せない。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.13
(5pt)

「時間はどんな傷も癒しはしない」

CWAゴールドダガー賞、ガラスの鍵賞、両賞受賞納得の面白さである。

<床に座った子どもがしゃぶっているものを見て、若者はすぐにそれが人間の骨だと思った。>
この巻頭一行目で読者を物語に一気に引き込むアイスランドの作家インドリダソンは手練れの大ベストセラー作家なのだ。同じくガラスの鍵賞受賞作「湿地」(東京創元社)で日本デヴューし絶賛されたレイキャベク警察犯罪捜査官エーレンデュルシリーズの2冊目の登場である。

物語はストレートに見えながら現在と過去が錯綜し、すべての家族の暗い陰があらわになる。
子どもがしゃぶっていた人骨が古い地層から発見されるが、それは誰のものなのか。
同時に語られるエーレンデュル自身の深い心の闇。<自分の人生を覆う沈黙がはっきり感じられた。だれもいない、一人だけの人生。>に彼はなぜ陥ってしまったのか。
捜査が進むと見えてくる「緑衣の女」とはいったい誰。

登場する人々の人生には人には言えない秘密があり、家族の誇りさえ打ち壊されすっかり壊れてしまっているのだ。
しかし<子どもたちは親たちがじつのところどうゆう人間なのかを知らない。>のであり<言葉であれ殴打であれ子どもたちの目の前で母親を半殺しにするまで手を緩めなかった。>男のDVという名の暴力と服従がすさまじいサスペンスで描かれ、読む者の心を震撼とさせる。

そして悲劇的な事件が結末をみたあと家族の涙腺をふるわせる結末が待っている。

まだ未訳が10冊もあるこのシリーズはこれから絶対に見逃せない。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.12
(4pt)

面白いんだが・・・

前作を凌ぐ展開の面白さ。ただ、北欧の国々の人の名前の難しさはなんとかならないか。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.11
(4pt)

面白いんだが・・・

前作を凌ぐ展開の面白さ。ただ、北欧の国々の人の名前の難しさはなんとかならないか。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.10
(4pt)

事件の裏に隠された悲しい物語が心に響く

アイスランドの首都の住宅街で土中から発見された古い白骨死体。刑事エーレンデュルと仲間の刑事二人は、その地区の昔を知る人々を訪ね歩き、そこで何があったのか、その白骨死体は誰なのかを突き止めようとする。そうした現代の描写の合間に、夫の激しい暴力にさらされる一人の女性とその子どもたちの様子が丹念に描かれる。あまりに激しい暴力に、読んでいる方も胸が苦しくなるほどだ。そして、調べが進むにつれて、その女性の一家が白骨死体が見つかった土地に住んでいたことがわかってくる。また、その一家が住んでいた家の所有者の婚約者も失踪を遂げていたことがわかる。白骨死体は、その二つの家族のどちらかと関係があるのか…?
謎解きと言うなら、おそらく読者の半分は結末の予想がつくだろう。しかし、この小説は謎解きを楽しむ小説ではない。どうしてその白骨死体となった人物はそこに埋められなければならなかったのか、その背景の中に、人間の持つ恐ろしいほどの非情さや信じられないほどの愛情深さが描かれ、読むものに人間という存在について考えさせる小説なのだと思う。捜査にあたるエーレンデュルやほかの刑事たちも、次第に明らかになる2つの家族の悲しい出来事を知るにつけ、自分と家族の関係を見直さずにはいられなくなる。
人の持つ残酷さや軽薄さ、それをもってしても消せない愛情深さ、真剣に相手のことを思う気持ちなど様々なことを、読者も刑事たちと一緒に考えることになるだろう。扱われる事件は悲惨極まりないが、それでも人間の持つ強さを信じたいと思わせる心に響く物語だ。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.9
(4pt)

事件の裏に隠された悲しい物語が心に響く

アイスランドの首都の住宅街で土中から発見された古い白骨死体。刑事エーレンデュルと仲間の刑事二人は、その地区の昔を知る人々を訪ね歩き、そこで何があったのか、その白骨死体は誰なのかを突き止めようとする。そうした現代の描写の合間に、夫の激しい暴力にさらされる一人の女性とその子どもたちの様子が丹念に描かれる。あまりに激しい暴力に、読んでいる方も胸が苦しくなるほどだ。そして、調べが進むにつれて、その女性の一家が白骨死体が見つかった土地に住んでいたことがわかってくる。また、その一家が住んでいた家の所有者の婚約者も失踪を遂げていたことがわかる。白骨死体は、その二つの家族のどちらかと関係があるのか…?
謎解きと言うなら、おそらく読者の半分は結末の予想がつくだろう。しかし、この小説は謎解きを楽しむ小説ではない。どうしてその白骨死体となった人物はそこに埋められなければならなかったのか、その背景の中に、人間の持つ恐ろしいほどの非情さや信じられないほどの愛情深さが描かれ、読むものに人間という存在について考えさせる小説なのだと思う。捜査にあたるエーレンデュルやほかの刑事たちも、次第に明らかになる2つの家族の悲しい出来事を知るにつけ、自分と家族の関係を見直さずにはいられなくなる。
人の持つ残酷さや軽薄さ、それをもってしても消せない愛情深さ、真剣に相手のことを思う気持ちなど様々なことを、読者も刑事たちと一緒に考えることになるだろう。扱われる事件は悲惨極まりないが、それでも人間の持つ強さを信じたいと思わせる心に響く物語だ。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.8
(3pt)

もうひとひねり欲しい

前作もそうでしたが雰囲気的には悪くはないものの、ややひねりに欠けるような気がします。
本作のエンディングは一般的なミステリファンにとっては意外でもなんでもありませんし、
ほとんどの人が途中で読めてしまってもおかしくないと思います。
主人公の娘のエピソードにしても前作のラストからするとあまりにも唐突ですし、
しかも真相はほったらかしで、これも次作に続くとでも言うつもりでしょうか。
かなり注目を集めているシリーズで、またゴールドダガーというブランドでもありますが、
ミステリファン必読、というほどの作品ではないように見受けられます。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.7
(3pt)

もうひとひねり欲しい

前作もそうでしたが雰囲気的には悪くはないものの、ややひねりに欠けるような気がします。
本作のエンディングは一般的なミステリファンにとっては意外でもなんでもありませんし、
ほとんどの人が途中で読めてしまってもおかしくないと思います。
主人公の娘のエピソードにしても前作のラストからするとあまりにも唐突ですし、
しかも真相はほったらかしで、これも次作に続くとでも言うつもりでしょうか。
かなり注目を集めているシリーズで、またゴールドダガーというブランドでもありますが、
ミステリファン必読、というほどの作品ではないように見受けられます。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016
No.6
(5pt)

二つの時代にまたがるストーリーの組み方が素晴らしい

人が殺められてしまうことの重さ、その悲劇に至るまでの悲しく、複雑な事情や人間の心情が見事に描写された名作です。ヨーロッパミステリ界の最上ランクの賞の受賞も納得です。この作者の新たな作品を、いつ手にできるのか、今から待ち遠しい思いです。

ストーリは、現在、過去の2面で進行します。
現在での事件発生からストーリは始まります。アイスランドの首都、レイキャビク郊外の住宅地で白骨死体が発見され、主人公であるレイキャビク警察の捜査官、エーレンデュルの捜査チームがこの事件を担当となります。
地道な捜査で、当時の住民の近親者に辿りついていきますが、事実解明への決め手になかなか近づくことができません。
一方で、白骨死体の人物像の特定もなかなか進みません。白骨の掘り出しを担当するスカルプヘディン、考古学者である彼は、丁寧な作業に固執し、エーレンデュルの要請も気にすることなく、マイペースで作業を進めてしまいます。
 
過去のストーリは、事件発生の地で細々と生活を営む一家の悲しい日常です。
夫から家族へ暴力が振舞われる日々、凄惨な生活に耐え忍ぶ母子の姿がメインです。
 
読者としては、現在で発見された白骨死体が、過去のストーリーに登場する誰かのものだろうか、あるいは、全く別の事実が提供されるのだろうかと思考を巡らせながら読み進めることになります。

この現在の捜査がなかなか進まないもどかしさと、過去の凄惨劇との絡め方が絶妙で、二つの時代にまたがるストーリーの組み方が素晴らしく、どんどんと引き込まれていきます。私自身は、この白骨死体が、可哀そうな母子のものであって欲しくない、なんとか、救われていて欲しいと思いながら、ハラハラしながら読み進めました(あくまで、ストーリの展開途中での私の思いです)。
 
捜査の「支流」とも思えた、考古学者スカルプヘイディンの白骨死体の人物像の割り出しですが、終盤、この結果が大変重要な要素となります。聞き込み主体の捜査が、終盤に単調になるかと見せて、大きな展開を持たせるところも、なかなか良かったと思います。

伏線として描かれる、エーレンデュルの娘エヴァ・リンドとの父娘のな複雑で悲しい交わりも、過去のストーリで描かれる家族模様とは別の、人間関係の「あや」がこのストーリに色を添えていると思います。
緑衣の女 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 緑衣の女 (創元推理文庫)より
4488266045
No.5
(5pt)

二つの時代にまたがるストーリーの組み方が素晴らしい

人が殺められてしまうことの重さ、その悲劇に至るまでの悲しく、複雑な事情や人間の心情が見事に描写された名作です。ヨーロッパミステリ界の最上ランクの賞の受賞も納得です。この作者の新たな作品を、いつ手にできるのか、今から待ち遠しい思いです。

ストーリは、現在、過去の2面で進行します。
現在での事件発生からストーリは始まります。アイスランドの首都、レイキャビク郊外の住宅地で白骨死体が発見され、主人公であるレイキャビク警察の捜査官、エーレンデュルの捜査チームがこの事件を担当となります。
地道な捜査で、当時の住民の近親者に辿りついていきますが、事実解明への決め手になかなか近づくことができません。
一方で、白骨死体の人物像の特定もなかなか進みません。白骨の掘り出しを担当するスカルプヘディン、考古学者である彼は、丁寧な作業に固執し、エーレンデュルの要請も気にすることなく、マイペースで作業を進めてしまいます。
 
過去のストーリは、事件発生の地で細々と生活を営む一家の悲しい日常です。
夫から家族へ暴力が振舞われる日々、凄惨な生活に耐え忍ぶ母子の姿がメインです。
 
読者としては、現在で発見された白骨死体が、過去のストーリーに登場する誰かのものだろうか、あるいは、全く別の事実が提供されるのだろうかと思考を巡らせながら読み進めることになります。

この現在の捜査がなかなか進まないもどかしさと、過去の凄惨劇との絡め方が絶妙で、二つの時代にまたがるストーリーの組み方が素晴らしく、どんどんと引き込まれていきます。私自身は、この白骨死体が、可哀そうな母子のものであって欲しくない、なんとか、救われていて欲しいと思いながら、ハラハラしながら読み進めました(あくまで、ストーリの展開途中での私の思いです)。
 
捜査の「支流」とも思えた、考古学者スカルプヘイディンの白骨死体の人物像の割り出しですが、終盤、この結果が大変重要な要素となります。聞き込み主体の捜査が、終盤に単調になるかと見せて、大きな展開を持たせるところも、なかなか良かったと思います。

伏線として描かれる、エーレンデュルの娘エヴァ・リンドとの父娘のな複雑で悲しい交わりも、過去のストーリで描かれる家族模様とは別の、人間関係の「あや」がこのストーリに色を添えていると思います。
緑衣の女 Amazon書評・レビュー: 緑衣の女より
4488010016