夏に凍える舟



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初公開日(参考)2016年03月
分類

長編小説

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夏に凍える舟

2016年03月09日 夏に凍える舟

エーランド島に美しい夏がやってきた。島でリゾートを経営する富裕なクロス一族の末っ子ヨーナスは、海辺で過ごす二年ぶりの夏に心躍らせていた。しかしある夜、ボートでひとり海にこぎだした彼の目の前に、幽霊船が現われる。やっとのことで陸に戻ったヨーナスは、元船長イェルロフのボートハウスの扉をたたく。少年から話を聞いたイェルロフは、不吉な予感を覚える……。一方その少し前に、復讐を誓うある男が島に帰りついていた。記憶と思いを丹念に描き上げた、エーランド島四部作をしめくくる傑作ミステリ!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

夏に凍える舟の総合評価:9.33/10点レビュー 9件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

過去からの亡霊に揺らぐ、リゾートの夏

「エーランド島四部作」の完結編。今回も、古い因縁が現在を揺さぶるゴシック風味のミステリーである。
エーランド島で一大リゾートを経営するクロス家の末端に連なる11歳のヨーナスは、遊びに来たエーランド島でひとり夜の海にボートを漕ぎ出し、幽霊船に遭遇する。必死の思いで逃げ帰ったヨーナスは、高齢者ホームから自宅に帰り、一人でボートハウスで寝ていたイェルロフに助けを求めた。イェルロフはヨーナスの話を信じてくれたが、ヨーナスの父や伯父はヨーナスの話を無視しようとする。しかし、クロス家のリゾートでは不穏な事件が続発し、正体不明の怪しい男の影が見え隠れしていた・・・。
過去の因縁が引き起こした事件というのが、シリーズのいつものパターンなのだが、今回は70年近く前の出来事から物語が始まるというきわめてスパンが長い話で、しかも探偵役は杖が手放せない老船長イェルロフなので、ストーリーはきわめてゆっくりと展開する。季節が夏ということで、いつものエーランド島に比べると賑やかな登場人物やエピソードもあるのだが、基本のテイストは前3作と変わらない。老船長の人間味溢れる推理をじっくり楽しむのが、本作の読みどころだろう。
各作品のストーリーは独立性が高いので、本作から読み始めても問題ないが、できれば第1作「黄昏に眠る秋」から読み始めることをオススメする。

iisan
927253Y1
No.1:
(7pt)

こっちの方が好き!

「テオリン」二作目。
舞台が想像しやすいという点もあり、最初から読みやすい小説でした。

前回読んだ「冬の灯台が語るとき」よりも、この小説が私の好み。
ミステリー自体は、それほど意表をつくものでもなく割と平凡?ですが
人間模様というか、やっと北欧の生身の人に出会ったような、生き生きとしたものを感じました。

ミステリーは、やっぱり人が存在してこそ!なのだなあ~・・・つくづく。


ももか
3UKDKR1P
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7:
(5pt)

全4巻 通読すると島の住民たちに話しかけたくなります

1「黄昏に眠る秋」2「冬の灯台が語るとき」3「赤く微笑む春」4「夏に凍える船」(ハヤカワ書房)。1~3は読む順序を変えてもさして支障ないが4は集大成なので最後に読んで欲しい。スウェーデンの南東部にある結構大きい島で 短い夏だけ観光客たちで賑わい、あとは氷に閉ざされた寂しい村落となる。ミステリなのだが重厚な小説として楽しめる。若いころ船乗りとして暴れたらしいイエルロフもすっかり齢をとってリューマチで痛む足を庇いつつ娘の助けを受けながら春になると老人ホームを出て壊れかけた家に戻ってくる。北欧小説らしく暗い雰囲気たっぷりで、加えて大昔からの住民たちの亡霊、エルフ、トロールが安眠を妨げる。そうしたなかイエルロフの年老いた友人、隣人たちや孫みたいな若者たち、それに怪しげな流れ者が騒ぎを起こす。各巻それぞれに書評子さんたちがストーリーを紹介されているが話としてきれいに纏まるわけでもなく、読み進むうちに住民たちのなかに引き込まれる妙な4冊だった。
夏に凍える舟Amazon書評・レビュー:夏に凍える舟より
4150019053
No.6:
(5pt)

楽しかった

またイェルロフに会いたいなあ。

伏線は全て回収されてはいるが、あまりにも多すぎる。
ミスディレクションについても、そう。
翻訳についても、問題あり。
地の文のところで、

いったい、どうしたんだろう。

とか書いたらアカン。
明らかにヨーナスでもイェルロフでもリーサでもない、作者(天の声)の部分で、

〇〇なんだけど

とか書いているところがある。
そこは、

〇〇したのであるが

と書かないといかん。

しかし、良い。
うんざりするほど長いが、一気読み。
夏に凍える舟Amazon書評・レビュー:夏に凍える舟より
4150019053
No.5:
(5pt)

過去の残響と老いを生きることを考えさせる

エーランド島4部作の最後である。
主人公のイェルロフは84歳と老いたが、物語はイェルロフが少年時代に墓堀人の手伝いをしていた時代に遡る。富農クロス氏の埋葬をしているときに棺からコツコツとノックする音が聞こえる。驚いて棺を開けてみたが死者は完全に死んでいた。この幽霊話のようなエピソードが繰り返し回想され、エピローグでその種明かしがなされるのだが、物語はそのクロス氏の子孫が経営するエーランド島のリゾート施設を舞台に展開する。他方、イェルロフと同年代で埋葬に居合わせた少年アーロンは貧しいエーランド島の生活から新世界を夢見て旅立っていく。このアーロンがもう1人の主人公であり、物語は1930年代からのアーロンの苦難と現在が重ねて語られていく。過去と現在を往復しつつ物語を進行させる手法は3部作に共通するものだが、本巻では現在が登場人物ごとに分けられ、巧みに緊張感を持ったストーリー展開がなされており、著者のストーリーテリングの熟達を感じさせる。

社会派の北欧ミステリーらしく移民問題が取り上げられるが、ここでは1930年代の大不況時代のスウェーデンから海外への移民である。
さらに、本書ではスターリン時代の大粛正が生々しく描かれている。体験談を含む多数の参考文献によるものであり、想像を絶する大量殺人が行われていたことに改めて驚かされ、政権幹部や摘発者らも明日は我が身の恐怖時代を実感する。
こうした過去の物語と現在のリゾート地のギャップが重ね合わされるわけだが、主人公の2人はともに80代の老齢であり、過去の人生の重みを負って生きる高齢者の生き様をも感じさせる作品となっている。

なお、これも4部作に共通するが、邦訳の表題はやはり??である。
スウェーデン語の原題はRörgast(幽霊パイプ?)だが、英訳はThe Voices Beyond、ドイツ語訳はInselgrab(島の墓)である。
夏に凍える舟Amazon書評・レビュー:夏に凍える舟より
4150019053
No.4:
(5pt)

過去と現在の出来事が、前3作に比べ、巧妙に、複雑に繰り返される。

秋・冬・春と続いて、エーランド島にもようやく夏がやって来た? 

読んでいる方の気分としては、あいかわらず重苦しい。過去と現在の出来事が、前3作に比べ、巧妙に、複雑に繰り返される。まるで、ワンシーンを複数のカメラで同時に撮影しているかの様に。

ペレストロイカで、旧ソビエト政府が認めなかったアラル海での惨劇ーー2回目はアンドレイ・サハロフ博士も立ち会っているーーのことやラーゲリ、粛清のことが静かに語られる。

人々にとって暖かい季節は、グラスノスチの意味も含んでいるのだろう。
夏に凍える舟Amazon書評・レビュー:夏に凍える舟より
4150019053
No.3:
(5pt)

老探偵の魅力

シリーズ全作読みました。イェルロフの洞察力と、推理に脱帽です。そしてエーランド島の美しい自然が目に浮かぶ素敵な作品だと思います。淡々とした文章なのにどんどん引き込まれるミステリーです。もっとイェルロフのシリーズがあるといいのに…と。
夏に凍える舟Amazon書評・レビュー:夏に凍える舟より
4150019053



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