空の幻像
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
空の幻像の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
空の幻像の総合評価:
8.67/10点 レビュー 3件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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2つの殺人事件が起こります。殺されたのはまず、イングランドから休暇でやってきたカップル2組のうちの女性で、テレビの映像制作会社のオーナーでした。有能で黒髪が印象的な美貌でしたが、少し前に流産したという心の傷を抱えていました。アンスト島には、海辺の砂浜で踊る溺死した白い服の少女の伝説がありましたが、彼女は会社の命運をかけて、この幽霊話を取材し、番組を制作しようとしていました。
もう1人の犠牲者は、やはりイングランドからやってきて、地元の領主館を買い取ってホテルを経営していたゲイ・カップルの片割れでした。現地男性と結婚してアンスト島に定着しようとしている被害者女性の親友や、彼らの間にあった隠された三角関係や葛藤と憧れ、そして登場人物たちの家族とその先祖たちに起きた出来事まで遡って、事件はだんだんと複雑な様相を呈していきます。
主人公のペレスは時に起きる辛い体験のフラッシュバックにも耐え、捜査ができるほど充分に回復しています。べレスから学んだサンディ刑事も一人前の警察官としてかなりの成長を遂げています。そして今回も、インバネス署から派遣されてきたのは前作と同じウィロー・リーヴス警部でした。
この作者の文体は独特で、登場人物たちがまわりの状況に接し、行動し、会話しながら、それと同時に心の内の独白を混じえて描いていきます。突然挿入される前後と関係ない事々に、普通なら読んでいて混乱するところですが、それは翻訳の巧みさと文字の濃さを変えてあることで、戸惑うこともなくスムーズに頭に入ってきます。考えてみれば私たちも普段、自分の意見や過去の思い出などを混ぜて思考しながら、仕事をしたり友人と会話していると思いますが、そんな様子が流れるように自然に描かれます。
誰もが怪しく動機があるように見えてしまい、途中であれこれ推理してみるのですが、完全にはずれてしまいました。犯人は意外な人物でした。ただ、伝説やご先祖様たちの事情にまでさかのぼる伏線が重なって多様になりすぎた感があり、それに比べて犯人とその動機が意外に単純だったため、ちょっと拍子抜けしてしまいました。そのあたりは少し残念でした。
この作品は英国で2014年に出版されたもので、日本では2018年に翻訳されています。次作は”Cold Earth” という作品で、本国ではすでに2016年に出ているそうなので、今年あたりぼちぼち翻訳されるのではないかと期待しています。最近、海外作家作品が途中で出版されなくなることが多く、たとえば気に入っていたアン・ライス、サラ・スチュアート・テイラー、デイナ・スタベナウ、S・J・ボルトン、ケイト・キングスバリーなど、本国では続々と続きが発表されているのに、日本で出なくなってしまったのは本当に残念です。読みたいなら洋書を当たれということでしょうか(泣)。相当の部数が売れないと元が取れないという事情もあるのでしょうが・・・なんとかシェトランド・シリーズは継続していただけたらと思います。