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三つの秘文字
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三つの秘文字の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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シェットランドを舞台にした小説では、先にアン・クリーヴスを読んでいました。が、なかなか新作が翻訳されないので、他に何かシェットランドものはないかと検索していてこちらに当たりました。クリーヴスもボルトンも、イングランド出身でシェットランドを描いたという点では同じ、けれど内容はクリーヴスが刑事が事件を捜査する小説、そして人間ドラマであったのに対して、こちらは、猟奇、陰謀、サスペンス、そして女性小説と言えるかと思います。共通しているのは、シェットランドを排他的な所として描いていること、特に両者とも女性であるためか、シェットランドの男性と恋愛や結婚をして島に入り、とけ込めなくて苦労する女性を描いています。クリーヴスは現実に即した話ですが、この「三つの秘文字」はちょっと現実離れしています。 心臓を抜き取られ、背中にルーン文字を彫られた女性の遺体がトーラの自宅の庭から発見されます。ルーン文字というのは2世紀以降、ゲルマン人が使用していた文字で、かつてシェットランドを支配下に置いていた北欧諸国でも中世まで使われていました。北欧の小人伝説トロールが伝わったものと思われるトローの伝説がここでは長く伝えられていて、シェットランドの人々は今もそれを信じています。トローはこの作品によると「幽霊よりもわずかに実態があるというものだが人間によく似ている、不自然なほど長生きし、催眠術も含めた不思議な力を備えている。男の種族であり、子孫を残すために人間の女性をさらって変わりに身代わりを置いてくる、そして生まれてくる子供は男の子ばかり。母親は出産後9日目に死ぬ」そして、「シェットランド中にある小さな丘はトローの墓だと信じられている。トローは”芳しい暗い土”に埋められないと魂が彷徨って悪いものに変わってしまう。島の住民は土地が荒らされているのをみつけても、トローの墓を暴くことを恐れて捜査を拒むことがある」ということ。トーラは、庭に埋められていた女性の死体とこれらの伝説をつなぎ合わせて考え始めます・・・。 ユニークな作品で力作ですが、読んでいて漠然と何か不自然さがあり、処女作だからか、猟奇的でショッキングなカラーを出そうとして無理をしている部分があるように感じました。他のレビューアの方も言われているように、事件の真相とルーン文字を死体に彫る理由も必然性があまり感じられないような気がしますし、トーラが怪しい島に乗り込むシーンは、サスペンス映画風にしたところがあってちょっと・・・という感じです。 作中で大切な役割を担うトーラの相棒的な巡査部長タラクはスコットランド警察から飛ばされてきた若い女性ですが、名前からしてイスラム系ではないのか?と思いながら読み進んでいくと、後の方で「インド人」という表記があり、英国に多いパキスタン系英国人だと思います。英国の読者にとっては名前を聞くだけでわかる明白なことですが、日本人だとわからない人が多いと思うので、タラク巡査部長ががパキスタン移民家庭の出身だということを頭に入れて読むのと知っていないのでは、内容の受け止め方が違ってくると思いました。文章内にその説明がなくても、翻訳の時点で書き加えておいた方がよかったのではと思いました。 続く第二作は賞を受けているそうで、きっとさらによくなったのだと思います。そちらの方も読んでみたいです。また、あとがきに英国ミステリの古典であるコリンズ作「白衣の女」のネタばれが作中にあるので、できればあちらを読んでからこちらに取り掛かる方がいいと書いてありましたが、「白衣の女」を読む予定がある方は、その方がいいかもしれません。 | ||||
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何かのお祝いにあげました。 感想は聞いていないので、わかりません、 | ||||
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感想を、訪ねていませんでした。東京まで新幹線に乗る方に渡しました。 | ||||
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伝承関係は興味深かったけど・・・え?何それ?って結末でした。 秘文字って関係あるの?特にラスト。 寒々しさはあったけど・・・。 儀式が大事、とか言いながら「アイツ」の・・は生きてんじゃん!って思ったのは私だけ?!しかもアイツは非常に強力な力持ってんでしょ?あそこだけまったく辻褄が合わないよ!そこがなければ☆3はいったかな。 寒々しい風景描写をお望みな方はどうぞ。 | ||||
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<その死体に、わたしは見事に対処した。> 冒頭一行目から女医の主人公トーラ・ガスリーは事件に巻き込まれていく。 舞台は2014年9月に英国からの独立をこころみたスコットランドの北部に位置するシェトランド諸島である。 愛馬ジェーミーが死んだ。トーラは裏庭に愛馬を埋葬するため、ショベルカーで穴を掘っている途中で死体を掘り当ててしまう。 <おそらく、20代から30代の女性だ。> 検死の結果、この死体にはいくつもの謎があることが分かる。背中には三つのルーン文字が刻まれ、心臓がえぐりだされていた。さらに検死では2年前に死亡と推定されるが、身元が判明すると本人は3年前に死んでいたのだ。 トーラは一人事件を調べ始めるが、周囲で奇妙なことが起こり始め突然何者かに襲われる。 夫、義父、警察官、病院の上司、誰を信じていいのか。 女性巡査部長デーナ、女性警部ヘレンを巻き込み異様な展開となる。 一人称で語られる物語は、トーラの神経症による妄想ではないかと思えるほど混沌としてくる。 <みんな自分のまわりの人間のことを、ほとんど知らずに生きているのだ。> 緊張感が頂点に達した時物語は動く。 女医、妊婦、女性警察官、つまり虐げられてきた女性たちが見えない糸でつながりながら、各々立ち上がり強大な敵を追求し、追い込みついには勝利する物語なのだ。 デビュー作にして傑作である。 | ||||
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冒頭のルーン文字の謎かけに始まり、推理、サスペンス、冒険と様々な要素を盛り込んだ活劇のような小説。 ただ冒頭のルーン文字の謎はとっかかりとして読者を引き込む要素でしかなく、犯行の動機も判明してみれば弱いというか、それは動機になり得ないのではと思うようなもので中途半端な感じがぬぐえない。 何より、何故この女性主人公が命をかけてここまで解明する気になったのか、主人公の気持ちが行ったり来たりを繰り返し、よく理解できないまま事件は進んでしまっている気がする。 冒頭読み出した時は本格推理かなと思ったが、全体的にはサスペンス色が強い。 それにしても女性作家って主役クラスの登場人物でもあっさり殺すんだなとつくづく思った。 | ||||
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発達障害の女医、知能は高いが、まったく空気がよめない女性が殺人事件に巻き込まれる。この女性のキャラクターの共感できれば、それなりに面白いと思うが、僕はこんな女性は嫌いなので読みながらこのバカと言いながら、読みました。 | ||||
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面白かったです。休日に上下一気に読みきりました。このような小説は主人公のキャラクターを好きになれないとあまり面白く感じないものですが、トーラはとても気に入りました。他にもデーナやヘレンという興味深い人物も登場します。ただ、女性がよく描けているのに比べると男性陣はイマイチかな。特に旦那の立ち位置が最後まで今ひとつ良くわからなかった。主人公の職業が産科医なのでそういう意味での生々しさは若干ありますが、要所要所で知識が活かされている。グイグイ読まされます。 | ||||
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シェットランドへ夫ダンカンとともに、越してきた産科医トーラ・ガスリー。愛馬の墓を掘っているときに死体を発見してしまう。強い雨が降りつける中、物語は、幕を開ける。心臓を抜かれ、背中に3つのルーン文字が刻まれた女性。この異常性にも関わらず、捜査にかかわる警察、医療機関、さらには夫まで、事件をうやむやにしようとする。地方都市のコミュティという閉鎖空間。トーラは、ひとり真相究明に乗り出していく。 このてのミステリで、僕は、主人公の行動原理に説得力があるかが重要だと思う。どうして事件を追い続けることができるのか だ。そういう意味ではトーラの人物造形は成功しているのだろう。 どうにも、序盤は、居心地の悪い展開。だが、一転、"誰も信じてくれない系"ミステリは、トーラが、デーナ・タラク巡査部長というパートナーを得て"バディ=相棒"ものへ。初対面でトーラが、「殴っていても不思議ではなかった」ほど折り合いが悪かったデーナ。余所者として孤立する二人の女性が、信頼関係を構築していく様は見所だ。トーラの渇望を癒してくれるデーナという存在が物語を最後までひっぱっていくことになる。 ミステリの様々な要素をてんこ盛りにした作品。少々(?)のご都合主義は目をつぶっても大いに楽しめるものとなっている。 | ||||
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シェットランドへ夫ダンカンとともに、越してきた産科医トーラ・ガスリー。愛馬の墓を掘っているときに死体を発見してしまう。強い雨が降りつける中、物語は、幕を開ける。心臓を抜かれ、背中に3つのルーン文字が刻まれた女性。この異常性にも関わらず、捜査にかかわる警察、医療機関、さらには夫まで、事件をうやむやにしようとする。地方都市のコミュティという閉鎖空間。トーラは、ひとり真相究明に乗り出していく。 このてのミステリで、僕は、主人公の行動原理に説得力があるかが重要だと思う。どうして事件を追い続けることができるのか だ。そういう意味ではトーラの人物造形は成功しているのだろう。 どうにも、序盤は、居心地の悪い展開。だが、一転、"誰も信じてくれない系"ミステリは、トーラが、デーナ・タラク巡査部長というパートナーを得て"バディ=相棒"ものへ。初対面でトーラが、「殴っていても不思議ではなかった」ほど折り合いが悪かったデーナ。余所者として孤立する二人の女性が、信頼関係を構築していく様は見所だ。トーラの渇望を癒してくれるデーナという存在が物語を最後までひっぱっていくことになる。 ミステリの様々な要素をてんこ盛りにした作品。少々(?)のご都合主義は目をつぶっても大いに楽しめるものとなっている。 | ||||
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シェットランドへ夫ダンカンとともに、越してきた産科医トーラ・ガスリー。愛馬の墓を掘っているときに死体を発見してしまう。強い雨が降りつける中、物語は、幕を開ける。心臓を抜かれ、背中に3つのルーン文字が刻まれた女性。この異常性にも関わらず、捜査にかかわる警察、医療機関、さらには夫まで、事件をうやむやにしようとする。地方都市のコミュティという閉鎖空間。トーラは、ひとり真相究明に乗り出していく。 このてのミステリで、僕は、主人公の行動原理に説得力があるかが重要だと思う。どうして事件を追い続けることができるのか だ。そういう意味ではトーラの人物造形は成功しているのだろう。 どうにも、序盤は、居心地の悪い展開。だが、一転、"誰も信じてくれない系"ミステリは、トーラが、デーナ・タラク巡査部長というパートナーを得て"バディ=相棒"ものへ。初対面でトーラが、「殴っていても不思議ではなかった」ほど折り合いが悪かったデーナ。余所者として孤立する二人の女性が、信頼関係を構築していく様は見所だ。トーラの渇望を癒してくれるデーナという存在が物語を最後までひっぱっていくことになる。 ミステリの様々な要素をてんこ盛りにした作品。少々(?)のご都合主義は目をつぶっても大いに楽しめるものとなっている。 | ||||
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三つの秘文字 第2作「Awakening」でMWA受賞した S・J・ボルトン の処女作です 舞台は英国北部のシェットランド諸島 ロンドンから夫の故郷に移り住んだ 産科医トーラ 我が家の庭先で 若い女性の死体を 発掘 なんと遺体は 心臓を刳り貫かれ背中には「古代ルーン文字」が彫りこまれていた 遺体の身元を 調べ 事件の背景を探る余所者のトーラ と同じく 閉鎖的な地域社会に 溶け込ない デーナ巡査部長 英国伝統の「ティーコゼー ディテクテイヴ」に 地元シェットランド諸島の 伝説に 猟奇的な サスペンスの味を加えた ミステリー 病理学者の産科医としての専門知識を駆使して 謎解きに挑む トーラに様々な妨害工作 それらにあえて 立ち向かう姿は 自立した現代女性を描いている これは 作者の経歴 MBA(経営管理学修士号)を取得し 金融関係に従事 が色濃く出ていると思われる 処女作品発表後 自作でMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞を受賞していると言う事は 並みの 一発屋ではない ことを示している 早く 自作も 翻訳される事を期待 原題「SACRIFICE」> 犠牲 生贄 の方が よりこの小説の 内容を 表しているのではないか まあナカナカの 小説です | ||||
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結構な陰謀悪事を営々と遂行するある種秘密結社に立ち向かう<女性たち>の奮闘物語。 序盤はシェトランド地方いにしえの伝承に絡んだミステリーにガンガン引っ張られ、後半からは荒海への決死行を含めて 生きるか死ぬかの<女 VS 男>の戦いが繰り広げられ、電車の中で眠気も忘れて読み込まされる程の エンタメ小説でした。 (最終盤、妖術を駆使する妖怪「トロール」 VS ゾンビ女の戦いというサーヴィスもあります。←冗談ですが、 状況は本作を読んでもらえば分かると思います。) ただ、私に感ぜられた本作のストーリー上の問題は、 1. 結構金儲けしている秘密結社が何で殺戮を繰り返すのか、よく目的が分からん 2. 複雑な<配置換え>(?)を駆使しているのだが、これも意味が良く分からん 3. 一番の見せ場の主人公のヨットでの単独行があまりにも唐突(と私には感ぜられ)で さしたる武器も携行しておらず、思わず<ありえないだろー?>と突っ込みたくなるほどワザとらしい、 4.それと日本語タイトルになっている<秘文字>の<意味>の謎が、ミステリーを盛り上げる為の 単なる演出にしか思えん、 などの不満があったが、それらの不満を加味しても、全体的な評価は☆4.3は揺るがない 面白本でした。 作者の次の翻訳本も是非購読したいと期待している次第です。 | ||||
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夫の故郷のシェトランドに引っ越してきたばかりのトーラ・ガスリーは新米産科専門医であり、自らも不妊で悩んでいる。 医師としての腕は申し分ないが、気が強く、妥協しない、人と気軽に会話を交わすことが苦手である。 シェトランド島の病院に勤務しはじめて半年になるが、病院に馴染めずに悩みを抱えている。 5月の雨の日に愛馬を埋葬するために、トーラはショベルカーで自宅の庭に穴を掘っていて、若い女性の遺体を発見した。 遺体には多数の刺し傷があり、心臓は切り取られ、背中には3つの秘文字が刻まれ、手首と足首には拘束されたと思われる傷があった。 子宮の大きさから出産後2週と経たずに殺されているとトーラは指摘した。 トーラは進展しない警察の捜査に業を煮やし周囲の忠告を無視して、事件に首を突っ込んでいく。 医師としてのモラルに反しても真相を究明しようとする。 やがて、病院の名簿から遺体の身元が判明するが、検死官が示した死亡推定時期との間に1年ものずれがあった。 心臓がえぐり取られた理由、背中の秘文字の意味するところ、出産後に殺されたのはなぜか、赤ん坊の行方は、こうした謎を解明しようとトーラは深みにはまっていく。 トーラには、人間関係が濃密て保守的なシェトランド人たちは、誰もが通じているように思えてくる。 関わっているのは誰なのかではなくて、関わっていないのは誰なのかというくらいまで、疑心暗鬼になっていく。 男性避妊薬を服用していた夫にも疑惑を抱かざるを得なくなる。 本土から来たデーナ・タクラ巡査部長は警察署内で阻害感を感じていた。 上司の妨害にめげず、デーナは同じような立場のトーラに親近感を抱き、トーラと連絡を取りながら事件に挑んだ。 何者かがトーラの家に忍び込み動物の心臓を置いていった。 こうして知りすぎたトーラにも危険が及びはじめる。 後半は、予想だにしない方向にストーリーは進み、息もつかせない展開から怒涛のクライマックスへと向かう。 産科医という設定であるからこそ成り立つストーリーである。 トーラがあまりにもタフで勇敢すぎるきらいがあるが、そのスーパーウーマンぶりが痛快である。 | ||||
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イギリス出身の女性作家のデビュー作。物語の舞台はスコットランドのシェトランド諸島、主人公は夫の故郷に来た女性産科医である。 閉鎖的な土地で民間伝承に絡めて陰惨な事件が起きる。横溝正史のイギリス版のようなムードもあるが、場面の転換が早く、スピーディーに話が進む。いわゆる探偵が主人公ではないので、捜査や日常生活などの場面で女性作家ならではの視点が感じられて、物語に迫真性が増しているように思われた。 イギリスのミステリードラマなどで、アメリカとはまったく雰囲気の異なる気候や景色、国民の気質について見たことがある方は、独特の空気感をイメージしながら、いっそう面白く読めるのではないだろうか。ただし、わたしは金田一耕介になった気分で謎解きを楽しみました。 | ||||
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