新車の中の女
- 嘘つき (40)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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1966年に発表されたフランスの作品。自分が誰なのか分からなくなるという不条理系のストーリー展開ながら、最後には明確な答えが用意されているサスペンス・ミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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両親を早くに亡くして孤児院で育った主人公ダニー・ロンゴは26歳のOL。元同僚のアニタが広告代理店社長のミシェルと結婚した縁で、その会社で勤務している。ある日社長命令で急ぎの書類を50枚社長宅に泊まってタイプする。そしてあくる日空港に向かう社長一家の車を運転して返すよう言われる。素敵なオープンカー、洒落た白いスーツ、社長にもらった給料。女王様のような気分になったダニーは、気まぐれに南フランスへドライブを楽しむことにした。だが、はじめて行く場所なのに、皆がダニーを昨夜見たという。なぜ? 以下ネタバレ。みんなが知らない見ていないという「幻の女」の逆バージョンである。ダニーとアニタの過去エピソードが出てくるので、アニタがダニーを恨んでいるのかと思うが、そうではなくて良かったです。ミシェルの複雑な心理が、理解しにくい。「シンデレラの罠」と違ってハッピーエンドでした。 | ||||
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お茶目なOLダニーは、社長の白いサンダーバードを指示通り車庫に返すのをやめて、きまぐれでパリから南仏までドライブに行ってしまいます。 途中、何者かに襲われて怪我をしたり、くるまのトランクに見知らぬ男の死体が入ってたり、散々な旅ですが、実は、それらは彼女を殺そうとしている社長の陰謀です。 ヒロインも混乱しますが、社長も彼女の思いがけない動きにふりまわされます。 最後は、社長が悔い改めて自主し、ダニーは途中のレストランで出会った、気のいいトラック運転手と仲良くなります。 謎解きを楽しむと同時に、平凡なしあわせは有難い(有るのが難しい)と感じさせる作品です。 | ||||
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広告代理店で働くOLのダニーは、社長の持っている新車を、運転して自宅に停めておいてくれと頼まれる。 彼女は、ふと思いたって、この素晴らしいオープンカーの新車に乗って、かつて行ったことのない海へ向かってバカンスの旅に出た。 しかし旅の途中、行き交う人々が、なぜか自分を知っていると言う。なぜ? 現代の国内ミステリーに読み慣れてしまうと、「古典」「海外」ものは、なんだか堅苦しくて古臭くて、離れていってしまいがちになります。 しかし、やはり、長く受け継がれる作品というのは、どんな場所や時代でも人を惹きつけるのだと思い知りました。素晴らしかったです。 特に前半部分が良かったです。主人公が、旅の行く先々で、見知らぬ人々から、「あなたに会った」と言われ困惑していく、落とし穴にはまっていくような展開。なぜ?なぜ?と目が離せなくなり、物語から抜け出せなくなりました。 ネタばらしの部分に入ったときは、一瞬白けた感じになりましたが、根気強く読んでいくと、スーっと謎が解けていくカタルシスをちゃんと味わえました。 254ページの主人公の決意と、最終ページの結び方のつながりが、とっても良かったです。 | ||||
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エンディング近くまでギリギリ感いっぱいで楽しめた。が、このオチは何だ?ご都合主義もいいとこ。予想つく結果だとしても、ここまで帳尻合わせされたら笑うしかない。ラスト頁なんか、もう面倒くさいのでこれでいいでしょ?的うっちゃり。ガッカリ。古典だから当時はウケたのだろうが、今のサスペンスではとても通用しない代物。唯一、フランスの漁村をドライブする感覚だけが楽しめた。 | ||||
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1960年代のフランス文学の潮流を反映した実存主義的な雰囲気の中、不安と焦燥を煽るサスペンスの醸成が素晴らしい。いささかハッタリが先行気味の『シンデレラの罠』(それでも傑作である事に疑いはないが)よりも本作を上位に置く向きも多いだろう。 そしてエレガントな筆致と華麗な技巧を駆使し綴られる迷宮にも似た物語の果てに浮かび上がる愛、歪でありながらも悲痛極まりない、その姿には大いに心打たれる。 解説を寄稿している故 連城三紀彦氏の作品(例えば『私という名の変奏曲』)とも通底する繊細な心理描写と巧みな叙述テクニックが融合した、まさに作者ジャプリゾの真骨頂。 | ||||
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