長い日曜日
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解説では、ゴダードの「リオノーラの肖像」と比肩する作品、ということになっているけれど、リオノーラのようなミステリ・サスペンスではないと思う。 第一次大戦で戦死したはずの家族が生きている。まさか、という思いで出かけると、それは別人。脱走兵が入れ替わった??……というように、次々と展開して、いい意味で読者をケムに巻くリオノーラと違い、こちらは、恋人が死んだ「とされる」1日のうちで何があったかを、戦場を知る上兵や、夫と手紙をやりとりしていた妻らを一件一件尋ねて、だんだんわかっていくという仕掛けなのです。いや、仕掛けといっていいんだろうか。同僚たちに会って真実を聞くヒロイン、マチルダは、車いすの美女ですが、車椅子探偵ってわけでもなく、調査もしない。ただ聞いたり、手紙を受け取ったりして読んでるだけー。 これだと、人物のキャラも浮かばないし(手紙なので間接的です)、主人公が探偵やるわけでもないし、見どころないじゃん! それでもそれでも読んでよかったと思うのは、リオノーラの肖像と同じく、第一次大戦の脱走兵をテーマにしているところ。 第一次大戦は、世界で初めての、大量破壊兵器でドンパチやる近代戦。それまでの戦争は、「男らしい、荒々しいピクニック」で、「ロマンにあふれた冒険」であり、「クリスマスまでには帰れる」短期決戦型。けど、戦車やら毒ガスやら出てきちゃったら、ある程度までは機械ができるわけで、そうなると、両軍疲弊せず、いつまでもやる。まさか4年も続くとは、志願した少年たち、誰も思っていなかったらしい。 話 が 違 う。 この、「嘘だろ」「瞞された」感覚は、シャブリゾのほうがさすがによく出ていた感があります。どこか突き放してクール。ユーモアもある。 表紙が映画でヒロインを演じたオドレイ・トトゥ。彼女の美貌に助けられて読み進みもしました。 これが「?」だった方は、大戦の歴史背景も詳しい、「リオノーラの肖像」をおすすめしまっす | ||||
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「シンデレラの罠」で有名な鬼才J.ジャプリゾが戦時下における人間心理を描いた異色作。映画化もされた。 第1次大戦下、ヒロインのマチルドの婚約者マネクは規律違反の罪で、兵士4人と共に処刑される。しかも、ドイツ軍の銃撃で殺されるよう、自軍とドイツ軍の塹壕の間に放り出されるという残酷な方法で。 しかし、マチルドはマネクの無事を疑わない。ここから、処刑される兵士達が家族に残した手紙、それらの家族や当時の状況を知る軍関係者がマチルドに当てた手紙が読者の前に積み重ねられる。パズルのピースが1つづつはまって行くようだ。この辺の構成は緻密にできている。 最後に明かされる真相は、ミステリとしてはさほど意外性がないものの、処刑現場での人間模様は、戦時下という異常事態の中、人間心理の暗部をえぐり出しており鋭い。 しかし、全篇を通じて感じるのはマチルド(幼い頃の病気のため、車椅子生活)を初めとする女性達の逞しさだ。マチルドはこの境遇で明るささえ感じさせ、また最初から婚約者の無事を疑わない信念の強さが胸に残る。また、処刑者の情婦で当時の無責任な上官を殺して回るロンバルディの人物造詣も見事だ。 最後になりますが、登場人物の多さ、フランス名であり兵士には渾名も付いていることなどから、私の非力では「登場人物表」なしでは読めなかったことを告白しておきます。 | ||||
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読んでいて自分の読解力のなさを嘆かざるを得ない作品です。 全く物語に入れない…登場人物が多いのに加えてその名前を何通りかのあだ名で表された日には覚えきれない。今、本を開くと目が閉じる状態。手紙の内容が多いのも読んでいて疲れる。多分…挫折します。 | ||||
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映画「ロング・エンゲージメント」の原作ですが、映画自体は大変素晴らしいのですが、展開が早く、登場人物がかなり多く、覚えきれないきらいもかなりあるので、原作の小説を読むと理解がかなり深まると思います。小説自体としても勿論素晴らしく、この作品が映画化されたこと自体が喜ばしいことが良く分かります。 | ||||
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映画「ロング・エンゲージメント」の原作です。 婚約者の戦死が信じられずに真実を追求するヒロイン、という粗筋で声高に反戦を訴えたメロドラマを予想していましたが、見事に覆されました。 戦場の悲惨を余す所なく伝えながらも、ある種の明るささえ感じさせる一歩引いたシニカルな筆致。フランスの気質なのか、この作家の個性なのか。序章から惹き込まれます。 謎解きの過程と結末に特に意外さはありませんが、異常な状況下で様々な選択を迫られる登場人物たちの葛藤と尊厳のドラマとして秀逸。 人が出会う悲惨も奇跡も、やはり人の手によってしかもたらされないという事実が胸に迫ります。 | ||||
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