騙す骨



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初公開日(参考)2010年11月
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長編小説

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騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)

2010年11月26日 騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)

妻ジュリーの親族に招かれメキシコの田舎を訪れたギデオン夫婦。だが平和なはずのその村で、不審な死体が二体も見つかっていた。銃創があるのに弾の出口も弾自体も見当たらないミイラ化死体と、小さな村なのに身元が全く不明の少女の白骨死体だ。村の警察署長の依頼で鑑定を試みたギデオンは次々と思わぬ事実を明らかにするが、それを喜ばぬ何者かが彼の命を狙い…一片の骨から迷宮入り寸前の謎を解くスケルトン探偵。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

騙す骨の総合評価:8.50/10点レビュー 6件。Cランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

原点回帰のスケルトン探偵

舞台はメキシコのテオティトラン・デル・バリェ。メキシコが舞台となったのは第5作目の『呪い!』以来、実に20年ぶり。
そして期待どおり、その時に地元警部として出てきたハビエール・マルモレーホが再登場する(ちなみに私が持っているミステリアス・プレス文庫版ではハーヴェア・マーモレホとなっている。訳者は同じ青木久恵氏なのだが)。

本作はこのシリーズの原点回帰ともいうべき作品と云えるだろう。スケルトン探偵シリーズと銘打っているだけに、本書の最たる特徴そして魅力は形質人類学教授ギデオン・オリヴァーの学術的な骨の鑑定にある。それが最近の諸作では観光小説の色合いが強く出ており、それがおざなりになっていた感がある。特に前々作の『密林の骨』では骨の鑑定そのものが添え物でしかなかったくらいだ。

それが本書では3つも骨の鑑定が盛り込まれている。
1つはミイラ化した身元が解っている死体の死因についての鑑定。
もう1つは白骨化した身元不明の死体の性別・年齢を解き明かす鑑定だ。
そして3つ目は最後の最後に本書の真相解明として大きく寄与する博物館に展示されている古代サポテク族の頭蓋骨の鑑定。
しかもこれら全てが専門家に一度検分され、身元が推定された物であり、それらをギデオンが鑑定することにより、覆されるという複雑な特色を持った骨ばかり。正に題名に相応しく専門家達を「騙す骨」なのだ。

また1つ目の鑑定は早くも80ページで行われ、昨今長々と舞台となった外国の観光ガイド的な情報とエルキンズお得意の魅力あるキャラクターの説明に紙面が割かれる傾向とは全く異なり、スケルトン探偵シリーズの特色が色濃く現れた作品で、久々にギデオンの緻密な鑑定を存分に堪能した。

そして魅力あるキャラクターは本書でも健在。
エルカンターダ農場の面々、ジュリーの従妹のアニーとその父親カールのテンドラー父子に、オーナーのトニーと会計係のジェレミーのギャラガー兄弟に、無愛想ながらも極上のメキシコ料理を提供するシェフ、ドロテアに、文句ばかり云うホセーファ・ガリェゴスなどはもちろんのこと、特に印象が強かったのは地方の警察署長であるフラヴィアーノ・サンドバール。
この任期満了を間近に迎えた事なかれ主義のノミの心臓持ちの警察署長が、自らの不運を呪いながらもギデオンに協力していくところが非常にいい。事件を穏便に済ませようと願いながらも決して自らの権力で揉み消そうとせず、正義を貫こうとする健気さが実に好ましい。個人的に本書の助演男優賞を捧げたい。

同じメキシコを舞台にしながらウィンズロウの殺伐とした殺戮と麻薬の日々を描いた『犬の力』とは打って変わって終始牧歌的な調子で物語が進むエルキンズのギデオン・オリヴァーシリーズ。その心和む作品世界は第16作になっても衰えるところが無く、慣れ親しんだところに帰ってきた感があり、非常に読んでいて心地がよい。

ミステリとして一読忘れ難いトリックやロジック、そしてどんでん返しがあるわけではないが、ユーモア溢れる文体とコミカルで愛すべきキャラクターが常に登場し、なおかつ骨やギデオンが訪れる地方ならではの知識が得られるこの雰囲気は離れがたい魅力がある。
愛すべきキャラとの再会を喜ぶ人がいるからこそ現在なお訳出され続けているし、私もそれを愉しみにしている人の一人だ。

またこの素晴らしきマンネリ作品の新作を待たなければならないのは、なんとも云えず待ち遠しいではないか。
解説によれば現時点での次作の原書の刊行もまだとのこと。
エルキンズ御齢75歳。ファンのエゴかもしれないがまだまだ健筆を奮っていただきたいなぁ。

Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

今月は良い本ばかり読んだな~と思ったら、最後にこれでした!

アーロンエルキンズ氏の本は初めてで、それほど期待して読んだわけではなかったのですが
これが予想に反して面白い!
会話が良い!夫婦の距離感が良い!ちょっとユーモラスなところも息抜きができて良い!

しばらく「オリヴァー教授シリーズ」楽しもうと思っています。
久々の好みの作家さん発掘でした!


ももか
3UKDKR1P
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.4:
(5pt)

やっぱりエルキンズ

骨からミステリーを組み立てる作家、演出家等等いるけれど、やっぱり「エルキンズ」が群をぬいていますねー。
映画で「骨」主題にした映画もありましたが…
「スケルトン探偵」の右に出るものはありません。
騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)Amazon書評・レビュー:騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)より
4151751114
No.3:
(4pt)

今回はメキシコの観光農場

「呪い」以来、2度目のメキシコ訪問。前回登場したユカタン半島の警察官が出世して、また手伝ってくれる。今度は、田舎の観光農場周辺で発見される人骨の謎に挑戦。このシリーズの「お約束」である「ほぼ密封された行き来のしにくい土地(それも魅力的な観光地で、しかも食事が素晴らしくおいしそうに描かれる)」「限定される登場人物」「大家族、親族間の因縁」「非協力的な地元警察組織」などが盛り込まれたシチュエーションの中で、見逃されてきた真実をスケルトン探偵が人骨から推理する、という鑑定手順と同じぐらい定型化されたシリーズなのでたいへん安心して読み進められる。シリーズに長くお付き合いしている読者の特権として、犯人や登場人物たちが陥っているの共通の錯誤については、読み進めるうちになんとなく「あっ!ここだ。」という伏線を感知できるようになってくる。もちろん、凶悪な流しの犯人や意外な犯人はありえないのでその「ポイント」に気づくのがだんだん早くなってくる。しかし、今回は犯人が仕掛けた大トリックが見事で感心!どうして次回作を期待してしまいます。
騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)Amazon書評・レビュー:騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)より
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No.2:
(4pt)

定石ですが。

シリーズを読み続けtげいると、途中で最終展開がわかってきます。ですので、ミステリに意外性を求める方には、あまりお勧めしません。ただ、なつかしい登場人物が、再登場するなど、続けて読んでいる人にはそれなりのお楽しみが用意されています。また、ちょっとした薀蓄が,この作者の小説のたのしみですが、その点はきっちり抑えられています。初めてアーロン・エルキンズを読む方は「古い骨」か「暗い森」からどうぞ。
騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)Amazon書評・レビュー:騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)より
4151751114
No.1:
(5pt)

いつもながら一分の隙もない真相の究明

今作ではギデオンは妻ジュリーとともにメキシコの観光農場を訪れます。その付近で発見されていた何体かの白骨死体とミイラ化死体を例によって鑑定することになるのですが、当初は互いにまったく関係ないと思われていた死体の正体が徐々に明らかになって、最終的にはパズルのピースが寸分の隙もなくはまるように真実が明らかになります。あまりにも隙のない結論であるため、ギデオンの行く先にはいつもたった1件の事件しか存在しないのかと、思わずつっこんでしまいそうになるほどです。真犯人も意外な人物ですが、このシリーズは犯人探しよりも、わずかに残された骨からギデオンがいかにして真実を導きだしていくか、その推理の過程が見所です。今作ではいつもより少し専門用語が多いでしょうか。しかし、全体的な文章の読みやすさと、感情移入のしやすさはいつもどおりです。
騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)Amazon書評・レビュー:騙す骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 3-11)より
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